NHK朝ドラの舞台となる「久慈市」近辺の情報について

今回は、少し早いですが、2013年4月から、NHKの朝ドラ「あまちゃん」の前半舞台となる、岩手県久慈市近郊の情報について、ご紹介したいと思います。


久慈市は、岩手県の北東、三陸海岸に位置しており、盛岡から車で約2時間、電車だと1時間30分位の距離にあります。
久慈市の隣の「九戸郡洋野町」を挟んだ青森県八戸市の方が、距離的には、盛岡よりもかなり近いのですが、ローカル線しか通っていないので、1時間50分位掛かってしまいます。

何れにしろ、東京から行くとなると、日帰りでの旅行はキツイ場所です。

久慈市は、三陸海岸に面していますので、風光明媚な場所も沢山ありますし、三陸の美味しい魚介類も豊富です。



その反面、3.11の東日本大震災では津波の被害に遭い、朝ドラで取り上げる【北限の海女】が活躍していた「小袖海女センター」も全壊してしまいました。
「小袖海女センター」では、現役の海女さんが、実際に素潜りをして、その場で採ったウニを食べることができたのですが・・・残念です。


また、日本初の地下水族館である「地下水族科学館もぐらんぴあ」も壊滅的な被害を受け、現在も営業停止中です。
この「もぐらんぴあ」は、単純に地下トンネルに水を満たした水族館と言う訳ではなく、山腹に掘られた石油備蓄基地のトンネルを再利用した施設になっていました。

暗い話ばかり続いてしまいましたが、現在では、復興に向けて、頑張っていますので、久慈付近の名所や特産品などについてご紹介いたします。

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■北限の海女(ほくげんのあま)

久慈市小袖海岸では、明治以降、近隣の女性たちが、生活の糧に素潜りによる漁を行っていたそうです。

そして、その模様が、1959年(昭和34年)に、NHKのラジオドラマ「北限の海女」で放送されると、全国的に有名になり、生活のためではなく、観光客のために素潜りを行うようになり、最盛期には約100名の海女が存在していたようです。

しかし、その後のバブル崩壊を経て観光客が激減し、現在では20名程度にまで減少してしまったのですが、2009年(平成21年)に、現役最高齢の海女の孫娘と同級生が、高校卒業後に海女になり、その模様をNHKの盛岡放送局が取材して全国放送したことから、「かわいすぎる海女」として話題になりました。

彼女たちに関しては、国内のみならず台湾や韓国、そして中国でも話題となっており、彼女たちが海女の団体「小袖海女の会」を脱会した時にも、韓国の国民日報や、中国の人民日報、その他メディアでも報道されたほどでした。

さらに彼女たちに関しては、東日本大震災後、一時「死亡説」が流れたのですが、現在では無事が確認されています。

ところで、毎年8月の第一日曜日には、「北限の海女フェスティバル」なるものが開催されています。
震災前までは、演歌歌手を呼んだイベントを行ったり、郷土芸能を披露したり、海女と一緒に素潜りを体験したりと大規模に行っていたらしいですが、去年、一昨年は、規模は縮小してしまいましたが、無事に開催されたようです。

去年のイベント内容としては、オープニングセレモニー、素潜り実演(※要見学料)、特産品販売、浮き輪投げ大会、もちまきなどを行ったようです。

今年も、おそらく規模を縮小しての開催になると思われますが、皆さん、是非いらして下さい。

【問合せ先】
久慈市商工観光課「北限の海女フェスティバル実行委員会事務局」
・電話:0194-52-2111(内線354)


■久慈琥珀
久慈地方は、日本で唯一の琥珀の産地で、バルト海沿岸、ドミニカ共和国と並んで、世界三大琥珀産地として有名です。

久慈地方で採取される琥珀は、白亜紀後期の恐竜時代に属するもので、今から8,000〜9,000万年位前のものになります。


そもそも琥珀とは、木の樹脂(ヤニ)が地中に埋没し、非常に長い年月で固化した宝石で、よくブランデーの色を「琥珀色」と言ったりしますが、実際には琥珀の色は250色以上あり、黄色や茶色のほかにも乳白色や緑色の琥珀もあり、中国では赤い琥珀を『龍血』と呼んでいるそうです。


琥珀白亜紀、恐竜と言えば、映画好きの方ならピンと来ると思いますが、映画「ジュラシック・パーク」の世界です。実際に、恐竜の化石や昆虫が入った琥珀が数多く発見されており、2008年には、2.5センチメートルほどの大きさの琥珀の中に閉じこめられた日本最古のカマキリが入った琥珀が発見されています。

このカマキリは、白亜紀後期(約8,700万年前)の物で、体長約1.4cmで、前足や頭の触角などが識別でき、現在のカマキリと共通するトゲがあるそうですが、新種の可能性が高いとされています。

そして、このカマキリが、恐竜の血を吸った蚊を食べており、カマキリの胃から蚊を取り出し、蚊の体内から恐竜のDNAを抽出して・・・ジュラシック・パークへの道のりには無理がありそうです。



久慈市には、琥珀を専門に扱っている「久慈琥珀株式会社」と言う企業があり、この会社が【久慈琥珀博物館】を運営しています。
そして、この【久慈琥珀博物館】では、琥珀の採掘体験とか、琥珀の勾玉作り教室やアクセサリー教室などを開催しています。

琥珀の採掘体験では、大物の琥珀は取れませんが、1〜2?位の琥珀なら結構簡単に取れるそうで、採取した琥珀は持ち帰れるそうです。しかし、万が一、学術的価値が高い琥珀が見つかった場合は、博物館管理になるそうです(笑)

【問合せ先】
・久慈琥珀博物館(〒028-0071 岩手県久慈市小久慈町19-156-133)
・電話:0194-59-3831
・ホームページ:http://www.kuji.co.jp/museum/
・料金:小中学生800円/高校生以上1,200円


■北山崎

【北山崎】は、久慈市からは20Km程離れた「田野畑村」になりますが、断崖絶壁の景勝地です。
財団法人「日本交通公社」が行っている観光資源評価の「自然資源・海岸の部」では、日本国内で唯一、最高ランクの『 特A 』評価を受けた観光地でもあります。

高さ200mの断崖に、奇岩が連なり、さらに大小様々な海蝕洞窟が8?も続く、壮大な観光地です。展望台から眺める風景も抜群ですが、体力に自信のある方は、是非、展望台から718段の階段を下りて、断崖直下の波打ち際まで行くことをお勧めします。



今は危険防止のために、遊歩道の途中に柵が設けられてしまい、本当の波打ち際までは行けなくなってしまったのですが、私が大学生の頃、当時お付き合いをしていた彼女と波打ち際まで行ったことがあります。


その時の感想は、と言うと・・・正直、綺麗・壮大を通り越して怖かったです。上の写真に、岩に穴が見えていますが、ちょうど、その辺りが波打ち際、と言うか行き止まりになっており、右の写真のようになっているのですが、岩の穴から海水が押し寄せてきます。

彼女は、もう怖くて下には行けなかったのですが、私は、そこは男ですから、無理して格好を付けて下まで降りたのですが・・・押し寄せる波を見ていると、視覚から三半規管がおかしくなり、船酔いの様な状態となり、真っ直ぐ立っていることができずにフラフラしてしまい、下手をすれば海に落ちてしまいそうになったので、思わず座り込んでしまいました。

何とも情けない結果になってしまいましたが、あの時の状況は、今でも鮮明に覚えています。本当に怖かったです。そして、帰りのための上り階段がきつかったのは、言うまでもありませんでした(泣)



この北山崎ですが、この付近は「やませ」と呼ばれる濃霧が発生しやすく、「やませ」が発生すると、左の写真のように幻想的な風景が広がります。

また、陸から眺めるのとは別に、海から北山崎を巡る「サッパ船アドベンチャーズ」と言うツアーや、北山崎めぐり観光船と言うツアーもありますので、歩くのが苦手な方は、こちらがお勧めです。

【お問合せ先】
(1)北山崎
田野畑村役場
・電話:0194-34-2111 
・ホームページ:http://www.vill.tanohata.iwate.jp/
(2)サッパ船アドベンチャーズ
NPO法人 体験村・たのはたネットワーク
・電話:0194-37-1211
・ホームページ:http://www.tanohata-taiken.jp/index.html
(3)北山崎めぐり観光船
・株式会社陸中たのはた(ホテル羅賀荘)
・電話:0194-33-2113
・ホームページ:http://www.ragaso.jp/index.html

■三船十段記念館

久慈市は、嘉納治五郎(かのうじごろう)が創設した講道館柔道において、史上4人目の十段に到達した柔道家である【三船久蔵】の出身地でもあります。

三船久蔵十段とは、身長159cm、体重55Kgという小柄な体格ながら、自分より一回りも二回りも大きな相手をいとも簡単に 投げ飛ばすことができました。

まさに「柔よく剛を制す」を再現した柔道の名人であり、その結果、現在の66ある柔道の決まり手には、三船久蔵十段が編み出した技が数多くあり、 中には、今も昔も三船久蔵十段ただ一人しか繰り出せない幻の技「空気投げ(隅落とし)」もあります。

久慈市には、この三船久蔵十段の偉業を称えるため、三船十段記念館が設立され、今でも、数々の国際大会が開催されています。


ご当地キャラクター


それと、最後になりますが、久慈市には、今各地で話題になっている、ご当地キャラクターが存在します。

その名も【アマリン】です。

この【アマリン】は、一見してお解りになると思いますが、【北限の海女】をイメージしたキャラクターになっており、現在、久慈市では商標登録を行っている最中だそうです。

この【アマリン】ですが、久慈市が、2010年8月に、ご当地キャラとして【アマリン】を決定したのですが、この決定に遅れること1か月、久慈市に隣接する岩手県九戸郡軽米町も、9月にご当地キャラクターの名前を【アマリン】としてしまったのです。



軽米町の【アマリン】は、この地方の特産品で、生産量日本一を誇る「アマランサスの花」の妖精である女の子をイメージしたのだそうです。

「アマランサス」は、南米原産のケイトウの仲間で、非常に栄養価が高い食材で、お米と一緒に炊いて食べたり、添え物として食べたりするそうです。

しかし、わずか1か月の差でしたが、結局、軽米町では【アマリン】を断念し、現在では、【かるるん】と言うご当地キャラクターを考えているそうです。


このように、交通の便は悪いですが、久慈市近郊には、数々の見どころ、イベントがあります。きっと朝ドラでも、色々な場所を紹介してくれると期待していますので、皆さんも、一度、今の季節は、ちょっとツライので、夏にでもお越し下さい。


以上


【画像出典】
・公益財団法人岩手県観光協会(http://www.iwatetabi.jp/)
久慈市(http://www.city.kuji.iwate.jp/)
・「アマリン」は久慈市商標出願登録中です。
Wikipedia(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%88%B9%E4%B9%85%E8%94%B5)
・Kaerucafe Web-site(http://www.kaerucafe.co.jp/)

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