Windows OSとOfficeの種類とエディションについて

先月までのブログで、【Windows XP】から【Windows 7】へのアップグレード方法を紹介してきました。

今回は、Windows OSとOfficeに関して、次の2点を説明したいと思います。

Windows OSの種類とエディション
・Officeのエディション

前回のブログでは、「XPを止めて早急に新OSにアップグレードした方が良いですよ ! 」とお伝えしてきました。

その後、ブログの読者や弊社のお客様から、「それでは、どのOSにグレードアップし、Officeは、どのエディションにすれば良いの ?」と言う、お問い合わせを頂きました。

従来のアップグレードであれば、アップグレード対象のOSやOfficeは、それぞれ1種類しか存在しなかったので、それぞれのエディションを決めるだけで済んだのですが、今回は、少し状況が異なります。

まずOSの種類ですが、アップグレード対象となるOSには【Windows 7】と【Windows 8】の2種類が存在します。

またOfficeに関しても、アップグレード可能と言う意味では、【Office2007】と【Office2010】の2種類が存在しますし、余り話題にはなっていませんが、【Office2013】も既に発売(2013/2/7)されています。

このような複雑怪奇な状況ですので、【Windows XP】で【Office2000】をお使いの方は、何が何だか解らない状況になってしまっていると思います。

まったく、いつもの事ですが、Microsoftは、自社の営業戦略だけではなく、少しはユーザーの事も考えて欲しいものです。

それでは、まずはWindows OSについて説明したいと思います。

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Windows OS

Windows OSには、前述の通り、現状でアップグレード可能なOSには、【Windows 7】と【Windows 8】の2種類が存在します。

一般的な企業であれば、OSの安定性や実績を重視しますので、現時点でOSをアップグレードするとなると、【Windows 7】を選択することになると思います。

しかし、個人ユーザーで、かつPCを量販店等で購入すると、PCにはOSがプリインストール(事前導入)されていますので、現時点では、おそらく【Windows 8】が導入されているのではないかと思われます。

そこで、Windows OSに関しては、まず【7】と【8】の違いについて説明したいと思います。

●【Windows 7】と【Windows 8】の違いについて

【7】と【8】の違いについてですが、正直、これら2つは【別物】と考えた方が良いだろうと思います。

【8】の概要に関しては、1年以上前に紹介した内容ですが、下記ブログをご覧になって頂ければと思います。(1年以上前の情報ですが、内容的には現状と差異はありません。)


【8】は、タブレット端末向けに開発したタッチパネル機能を、PCに(無理矢理 ?)搭載したOSになりますので、従来のWindows OSのように、OSのアップグレード後、そのまま「直感的」に使いこなすのは無理だと思います。

まず大きく異なるのは、新規採用の「Metro UI」です。「UI」とは、「User Interface」のことで、PCとユーザーの情報のやり取りの事です。

この画面を見て解るように、Windowsの特徴だった「スタートボタン」が無くなっています。

まあ、画面をデスクトップ表示に切り替えれば、従来通りのWindows画面を表示することは可能ではありますが、それさえ慣れない人にとっては面倒な作業となります。(しかし相変わらずスタートボタンはありません。)


以下に、インターネットで検索した、【8】の評判について羅列してみようと思います。

  • Windows8Windowsの進化ではなく別物
  • マイクロソフトWindowsの良さ、長所を潰してしまおうとしている
  • 突然訪れる大きな変化を多くの人は望んでいない
  • 「Metro」には使わないショートカットが勝手に並んでおりカスタマイズが面倒
  • 直感的に使えない
  • マウスを使いながら画面を指でタッチする人など存在しない
  • 電源の切り方が解らない
  • 元の画面に戻れない・・・等

余り好意的な意見は見受けられませんでした。

Office系の製品の場合、バージョンが異なると、リボンが追加されたりして、自分が行いたい操作を探すのに手間取る事がありました。

これまでのOSのグレードアップでは、Windowsの基本操作には、ほとんど差異がなかったので、たとえOSが異なっても直感的に使いこなすことは可能でした。

しかし・・・今回の【8】に関しては、前述の通り『まったくの別物』ですから、操作性が異なるので、仕事の効率は必ずダウンすると思います。


一方、Microsoftの発表では、【8】の発売状況は【7】と同等と言っていますが、各種IT系ニュースを見ていると、「本当なの ?」と言う感じがします。

アメリカの「Net Applications」と言うWebの動向調査会社の統計によると、2013年1月の各OSのシェアは下図の様な状況になっており、それによると【8】の使用シェアは「2.2%」に留まっているみたいです。

【8】の使用シェア「2.2%」と言う数字ですが、新OS発売後の、同時期における過去OSと比較すると、【Vista】が「3.3%」、【7】に至っては「8.2%」と、【8】の3倍のシェアを持っていたそうです。

あの失敗作と言われた【Vista】よりも売れていないOSって一体・・・と言う感じがします。

恐らく、Microsoft社の発表とNet Applications社の調査結果の差は、各OEMメーカーや小売店へのライセンス販売状況であり、実際の使用シェアとしては、上図の表の通りなのだと思います。

また現在では、【8】搭載PCには、「ダウングレード権」が付いていますので、このダウングレード権を行使して、【7】を使っているのではないかと思います。実際、私も、このパターンです。

さらに、調子に乗って今後の動きを大胆に推測すると・・・

  • 【8】は【Vista】と同様、過渡期OS扱いになる
  • 【8】は【Surface】専用OSとなり、【CE】や【Phone】と同じ位置付けになる
  • 【8】にスタートボタンが復帰する
  • 【7】の改良版が発売される

な〜んて事も有り得るかもしれません。それでは次に、OSのエディションについて説明します。

●エディションについて

Windowsのエディションに関しては、下表を参考にして下さい。

また、Windows XPからWindows 8までのエディションの流れは、右図のようになっています。





この表を参考にして、現在使用しているエディションを元に、グレードアップするエディションを考えて下さい。


Windows 7のエディション一覧












各エディションの基本的な位置付けは、次の通りとなります。

  • Starter :ネットブックなどの限られた用途で利用される小型ノートPC向けのOS。
  • Home Basic :新興国市場向けに機能を限定したWindows 7。日本や米国などでは流通しない。
  • Home Premium :コンシューマ向けのWindows 7
  • Professional :ビジネス向けのWindows 7
  • Enterprise :企業向けのWindows 7
  • Ultimate :「Enterprise」機能+「Home Premium」機能が包含されている。(全機能)

Windows 8のエディション一覧








また、詳細な機能説明に関しては、下記を参照して下さい。

前述のエディションの流れや、各OSのエディションで提供している機能を確認し、どのエディションが、自分の業務に適しているのかを検討してもらえばと思います。

それでは次に、Officeについて説明します。

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■Office

Officeに関しては、【Windows XP】時代は【Office2000】でしたが、それ以降【Office2003】、【Office2007】、【Office2010】とバージョンはアップしていき、現在では【Office2013】が最新バージョンとなっています。

また、これら複数のバージョンの内、【Office2007】以降は、通常の店舗で市販されていますので、バージョンアップするとなると、【Office2007】以降のバージョンとなりますが、一般的には【Office2010】、もしくは【Office2013】を選択することになると思います。

【Office2013】に関しては、下記ブログでも、一部機能を紹介していますので、参考にして下さい。

Officeに関しては、Excel/VBAやWord/VBA等を用いて、独自ツールを開発していないのであれば、将来性を考慮して【Office2013】にアップグレードするのが良いかもしれません。
【Office2000】で、Excel/VBAやWord/VBA等を用いて、独自ツールを開発している場合、【Office2007】以降のバージョンには非互換が沢山ありますので、この場合は注意する必要があります。

しかし、【Office2013】には、VBAの非互換部分を調査する機能「テレメトリーダッシュボード」が搭載されているそうですので、この機能を使えば、非互換部分の洗い出しだけはできるようになると思います。

但し、自動修正までは行ってくれませんので、非互換を洗い出した後、各自プログラムを修正する必要があります。

また【Office2013】には、かなり機能が追加されているそうですので、そういう意味でも【Office2013】にする価値はあるのかもしれません。

唯一問題があるとすれば価格です。

今回の【Office2013】には、アップグレード版が用意されていないので、新規購入扱いになってしまいます。
(一部期間・数量限定でProfessionalへのアップグレード優待パッケージが提供されるのみ)

後で紹介する「Home & Business2013」エディションが、最安値でも3万円位します。ちなみに、同エディションの【Office2010】なら2万6千円位です。

3万円を出して【Office】を購入するなら、PCにプリインストールされた【Office】を購入した方が、費用対効果は高いと思われます。

●エディションについて

【Office2013】のエディションは、下表のようになります。











【Office2010】のエディション一覧表は、下記Microsoftのページで参照できます。
http://www.microsoft.com/ja-jp/office/2010/prodinfo/compare-editions.aspx

一般的な企業であれば、営業がプレゼンテーション用の資料を作成しますので、「Home & Business」エディションが必要になると思いますが、別段プレゼンテーションを行わないのであれば「Personal」エディションでも良いと思います。

しかし、Excel/VBAで独自ツールを開発し、ツール内でデータベース(Access)を使用している場合には、最上位の「Professional」エディションを購入する必要があります。





ここまでで、Windows OSの種類と差異、およびOSやOfficeの各エディションの説明をしてきましたが、如何でしたか?

購入費用も気になる所ですが、まずは、自分達にとって、どのOSの、どのエディションが必要なのか、と言う点と、Officeに関しても、どのエディションが必要なのか、と言う点が明確にならないと、費用の検討もできないと思います。

今回のブログを参考にして頂き、XP廃止に向けた動きを前に進めて頂ければと思います。

以上

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