盛岡・北上川ゴムボート川下り

今回の盛岡情報は、2012年7月22日(日曜)に開催予定の「盛岡・北上川ゴムボート川下り」について、ご紹介しようと思います。


この大会は、盛岡市の北に位置する「四十四田(しじゅうしだ)ダム」から、北上川下流に位置する「南大橋」までの約11Kmを、2人1組のゴムボートで下るレースとなっています。

大会は、タイムレースとフリーレースがあり、タイムレースは、四十四田ダム〜開運橋までの8Kmとなり、開運橋以降は自由下りとなります。参考までに、昨年の記録を記載しますと、男子の部の優勝は、8Kmを「43分6.79秒」で下ったみたいです。


北上川は、岩手県岩手郡岩手町の「弓弭(ゆはず)の泉」に源を発し、宮城県を経て太平洋まで流れる、全長249Kmの一級河川で、日本全国では4番目、東北では最大の河川です。

また、「盛岡・北上川ゴムボート川下り」は、日本国内最大級のボートレースで、過去には「完走ボートの数が世界一」と言う事で、ギネスに認定された事もある、由緒ある(笑)大会です。(第33回大会:開始1時間以内1086人が完走)
ちなみに、過去最高の参加ボート数は2028艇だったそうですが、余りに参加ボート数が多く、収集がつかなくなり、現在では参加者を制限するようになったみたいです。



最初に掲載した写真では、緩やかな流れを、家族や友人達と楽しみながら、ゆっくり下っているように見受けられますが、過去に行われた第34回大会では、前日の大雨にも関わらず競技を決行したために転覆するボートが続出し、消防隊やらレスキュー隊まで出動する、サバイバルレースになったこともあります。この時には、もちろん大会は中止となりました。(関係者は処分されたでしょうね・・・)

このイベント自体は、何年が第1回大会なのかは不明なのですが、今年で36回を数える大会になります。

これまでに、中断が無かったとして普通に数えると、第1回大会は1977年、昭和52年になります。当時 私は高校生だったはずですから、まだ盛岡市に住んでいたはずですが・・・全然記憶にありません。

大会の実施に関しては、上記の様なサバイバルレースになることは「まれ」で、と言うか、ほとんどなく、事前講習会(有料です)も2回実施されますし、国土交通省も事前に担当者がボートで川を下り、危険な流木や岩等の確認を行っています。

参加要領に関しては、下記URLを読んで頂ければと思いますが、オールにスコップ等を使用したり、オールで危険行為をしたりした場合には、失格処分になるそうです。(当り前か・・・)
応募要領/競技規定URL: http://www.city.morioka.iwate.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/015/359/youkou.pdf

この大会が行われる四十四田ダムや北上川に関してですが、四十四田ダムは、「北上川5大ダム事業」の4番目に竣工されたダムで、北上川本流に建設された唯一のダムとなります。

このダムの人造湖には、昔よく夜釣りに行きましたが、夜は、さすがに不気味です。実際「れいのヤツ」の目撃情報は多数ありますし、私自身も「あぶない写真」を取ってしまった経験があります。

北上川に関しては、私が小学生の頃は、公害の影響が凄くて、「北上川で釣った魚は絶対に食べるな!」と言われていました。

実際 私が北上川で釣った魚は、背骨が曲がっていました。子供ながらにも、公害と言うのは、酷いものだと思ったものです。



その昔、19世紀末頃には、北上川の上流の「八幡平(はちまんたい)」付近の松尾村(現:八幡平市)には、「松尾鉱山」があり、最盛時は、硫黄や黄鉄鉱の産出量では、東洋一を誇っていたそうです。鉱山自体は、その後、世の流れにより1972年(昭和47年)に廃坑になっています。

しかし、その排水(鉱毒水)は、ヒ素を含む強酸性のものだったため、流域の公害被害が深刻になり中和施設が設けられました。現在でも大量の鉱毒水が排出されており、24時間体制で中和措置が取られています。

また、松尾鉱山から排出される排煙には硫黄成分が大量に含まれていたため、周辺の土壌も酸性化し、八幡平付近(山の中腹付近)の樹木は、ほとんどが枯れてしまいました。


現在は、少し緑が復活してきたたようですが、これも昔、私が小学生の頃に八幡平に行った時には、まさに「死の森」のようでした。この写真は、ほんの一部分ですが、このような光景が、辺り一面に広がっていました。



参考までに、松尾鉱山の社員住宅として使われていた巨大アパート群が今でも残っていますが、まさに「廃墟」そのものです。ここも「れいのヤツ」の噂が絶えない場所ですが、私有地ですので入ると無断侵入になりますので、勝手に入るのは止めましょう。












このような苦い歴史のある北上川ですが、現在では、中和施設のお陰もあり、鮭も遡上しますし、鮎も釣れますので、ボートが転覆して、川の水を飲んでしまっても大丈夫です(笑)


最後に、「盛岡・北上川ゴムボート川下り」には事前申請が必要で、その締め切りは7/6(金)です。まだ間に合いますので、ラフティングを楽しみたい方は、問合せ先を下記に記載しますので、是非参加してみて下さい。

盛岡市URL:http://www.city.morioka.iwate.jp/event/sports/015359.html
■問合せ先 :「盛岡・北上川ゴムボート川下り」事務局、電話019-601-7263

以上

写真提供
国土交通省 東北地方整備局森と湖に親しむ旬間」:http://www.thr.mlit.go.jp/
・公益財団法人岩手県観光協会http://www.iwatetabi.jp/