オンライン・ストレージについて

今回は、前回メルマガの弊社活動状況にも記載させて頂いた「GoogleApps連携システム」を開発する都合で、Googleクラウド機能について調査しましたので、そのついでと言っては何ですが、オンライン・ストレージについて、導入方法等を含めて、少し詳しく紹介したいと思います。

 ※「GoogleApps連携システム」:http://msystm.co.jp/user_fuku.html

「オンライン・ストレージ」、IT系の言語に詳しくない方には意味不明な言葉かもしれませんが、簡単に説明すると、『企業が保有している大規模サーバーの一部を個人用に貸し出したもの』と言うことになります。ちなみに、「ストレージ」とは、一般用語では「倉庫」等、IT用語では「記憶域」/「記憶装置」と言う意味になります。

パソコン(PC)でエクスプローラーを開くと、PC内に存在するフォルダの一覧が表示されますが、これは基本的には、個人のPC内の情報となります。

オンライン・ストレージを使用すると、個人のPCと、企業が貸し出したフォルダをネットワーク経由でつなぎ、企業が個人に貸し出したフォルダを、あたかも自分個人専用のフォルダとして使用することができる様になります。

この「オンライン・ストレージ」のメリット/デメリットに関しては、以前、2011年8月10日版のブログ「今話題のクラウド」でも解説しましたが、再度説明すると、次のようになります。
 ※「今話題のクラウド」:http://d.hatena.ne.jp/msystem/20110810/1312958773

【メリット】

1.重要データのバックアップとして活用できる(災害等でPCが壊れてもデータは安全)
2.自宅に居なくても、PCがなくてもデータにアクセスできる(会社でも自宅でも移動中でもアクセス可能)
3.ほぼ無料で使用できる(保存データの容量にもよります)
4.メールに添付できない大きなファイルも格納可能(URL通知等によりデータ共有も可能)
5.複数の人が同時にアクセスできる

【デメリット】

1.「赤の他人」に重要なデータを預けることになる(内容を見られたり流出したりする危険性がある)
2.現在は無料であるが、いつ有料になるか解らない(メーカーの気分次第で容量/料金等が変更になる)
3.ネットワークが遮断されると使えない(当然、停電すると使えません)
4.サーバー設置場所のほとんどが海外(地政学の影響を受ける可能性があります)
5.障害発生時の保証ゼロ(無償なのでデータが消えても文句は言えませんし保証もされません)
6.ハッカーの標的になりやすい(有名企業が提供しているので攻撃目標になりやすい)


このように、オンライン・ストレージには、メリット/デメリットがありますので、それを理解した上で活用して下さい。

このブログを書いている最中にも、Yahoo子会社のファーストサーバーでは、お客様のデータを削除してしまい、復旧さえできない最悪の状況になっていますので、やはり注意や備えは必要です。

それでは、まずはGoogleが提供する【Google Drive】について説明します。

Google Drive】とは
Google Driveとは、従来提供してきた「Google Docs」の発展形であり、Webブラウザエクスプローラー上で様々な文書を編集できる他、Google Appsとの連携機能が強みとなっており、5Gバイトまで無料で使用できる仕組みを提供しています。

Google Drive】の導入方法
Google Driveを使用するためには、Googleのアカウントが必要になりますので、アカウントを持っていない場合には、アカウント申請から行う必要があります。(今回は、申請手順は割愛します)

1.Googleにログインし、「Google Drive」のページに移動します




2.「Windows用のGoogleドライブをインストール」をクリック




3.確認画面で「Accept and Install」をクリック




4.WindowsGoogle Driveツールのインストールを行います。次の順番で画面が表示されます。





5.何らかのエラーが発生してGoogle Driveのインストールに失敗した時には、上図画面の「click here」をクリックして、個別にGoogle Driveインストール用プログラムをダウンロードして実行して下さい。
→ インストールプログラム(googledrivesync.exe)がダウンロードされます

6.サインインを行う。サインイン後、次の順番で画面が表示されます。「Next>」、「Start sync」をクリックすると、Google Driveが起動します。






7.Windowsエクスプローラーを開くと、Google Driveのフォルダが追加されています。





8.デスクトップを見ると、Google Driveのショートカットが追加され、かつタスクバーの横にGoogle Driveが起動中となります。(私のPCのデスクトップです。変な画像で済みません。)





以上でGoogle Driveのインストールは完了です。結構簡単に導入できます。

Google Drive】の使用方法
Google Driveを使用する方法には、次の2種類の方法があります。


(1) Windowsエクスプローラーから使用する方法
エクスプローラーから使用する場合、前述の図のように、WindowsエクスプローラーからGoogle Driveのフォルダを参照し、ここにデータをコピーしたり、既に存在するデータを編集したりすることになります。

(2)Webから使用する方法
Webの場合、上記導入方法と同様、ブラウザでGoogleにログインし、その後Google Driveのページに移動し、ページ右横の「設定」ボタンからデータをアップロードしたり、既存データの編集の場合には、既に画面上にアップロード済データが表示されますので、そのデータを編集したりすることになります。


ちなみに、私は、デジカメで撮影した写真をバックアップのためにGoogle Driveにアップロードしたのですが、処理スピードは、PC/ネットワーク環境に依存すると思いますが・・・約3G(ギガ)の写真をアップロードするのに、12時間以上掛りました(汗)

Google Drive】の使用条件
Google Driveの使用条件は、次の通りです。
(1)ストレージ容量
・無料:5GB(ギガ・バイト)
・有料:25GB/月額2.49ドル、100GB/月額4.99ドル、1TB(テラ・バイト)/月49.99ドル〜
(2)最大ストレージ容量:16TB
(3)最大ファイルサイズ:100GB
(4)稼働OS:WindowsMacintoshAndroidiOS(準備中) ※バージョンは直接問い合わせて下さい
(5)提供機能:フォルダ同期/共有、GoogleApps対応、MS-Office対応、検索機能


次に、その他メーカーが提供するオンライン・ストレージについて簡単に説明します。

Windows Live SkyDrive】
Windows Live SkyDrive は、MicrosoftWebサービスWindows Live」の一環として提供されているオンラインストレージサービスで、ユーザー登録をすれば、無料で7Gバイトを利用できます。

Windows Live SkyDriveに関しては、従来は無料で25Gバイトまで利用できましたが、2012年4月23日に上限を7Gバイトに勝手に変更した経緯があります。米Microsoftによると「既存ユーザーの99.94%が7Gバイト以下しか利用していないため」と言う言い訳をしています。

WordやExcelPowerPointなどのOffice文書は、ローカルのOfficeアプリケーションのほか、Webブラウザ上で動作する「Office Web Apps」でも閲覧・編集できるようになっています。

外出先などOfficeアプリケーションがない環境でもWebブラウザだけでOffice文書を編集できます。さらに、新規文書の作成も、画面上部のアイコンをクリックしてファイル名を入力するだけで済む仕組みになっているようです。

ファイルやフォルダの共有は、画面右側の情報ペイン、または右クリックメニューで「共有」を選ぶと、「電子メールの送信」「投稿先」「リンクの取得」という三つのタブを持つダイアログが開くので、Windows Liveユーザー以外との間でも簡単に行えるようになっています。

「電子メールの送信」を選択した場合、共有ファイルのURLを送信できますし、送信時に「受信者は編集できます」にチェックを入れると、メール受信者の編集結果がSkyDrive上のファイルに反映されるようになっています。

「リンクの取得」を選ぶと、「表示のみ可」、「表示・編集が可」、「Webの全ユーザーが表示可」と言う3種類の権限別のURLを相手に伝えることでアクセス制御が可能となります。

「投稿先」を選ぶと、FacebookMySpace、LinkedInなどのソーシャルネットワークサービス(SNS)、あるいはYouTubemixi等にも投稿可能です。

ファイルのドラッグ&ドロップ操作は、現行のInternet Explorer(IE) 9ではSilverlightプラグインを必要としますが、次期版のIE10や、FirefoxGoogle ChromeSafariなどのHTML5対応ブラウザではプラグイン無しでも可能なので、ファイルのアップロード中でもSkyDriveの他のページに移動できます。

iCloud
iCloudは、iOS 5の配布を機に、従来から提供していたクラウドサービス「MobileMe」を、発展解消する形で登場し、MacintoshWindowsパソコンでも利用できますが、基本的に、はiOS端末(iPhoneiPadiPod touch)向けに設計された機能です。

Appleアカウントを使ってログインし、購入した音楽や動画、電子書籍、アプリなどをクラウド上で管理し、同一アカウントの端末内容を自動的に同期するのが特徴となっています。

例えば、ある端末のカレンダを変更すると、同一アカウントの他の端末のカレンダにも変更内容を反映したり、あるいはiPhoneで読んでいた電子書籍にしおりを付け、iPadで続きを読んだりと言ったことが可能になります。

写真に関しては、無料の5Gバイト領域とは別にフォトストリームと呼ぶ同期領域に保存され、最大1000枚を最長30日間保存可能で、しかも容量無制限です。しかし、定義枚数を超えるか、あるいは保存期間を過ぎると、古い写真から順に勝手に削除されてしまいます。

保存に関しては、iOS端末を無線LANに接続したタイミングで、カメラロールにある最近30日間に保存した写真が自動的にクラウドに保存される仕組みも取り入れています。

クラウド上に保存する文書の読み書きは、iOS端末ではiWorkアプリ(プレゼンソフトKeynote表計算ソフトNumbers、ワープロソフトPages)を使って行っています。

例えば、会社のiPadで作成したPages文書を移動中にiPhoneで修正するといったことができるほか、Microsoft OfficePowerPoint/Word/Excel)文書の保存や、iWork形式との相互変換も可能です。

データバックアップを有効にすると、iOS端末が無線LANに接続したタイミングで、システム復元に最低限必要なデータや設定情報のバックアップを自動的に行ってくれます。

バックアップ対象は、カメラロールにある写真や動画、デバイス設定、アプリケーションのデータ、ホーム画面、アプリケーションの配置状況、メッセージ、呼び出し音等ですが、iTunesiBook Storeで購入した音楽や電子書籍については、オリジナルデータがもともとクラウド側にあるのでバックアップされません。

Dropbox
Dropboxは、パソコンやスマートフォンタブレット端末など様々なプラットフォームで使える専用ソフトを用意しており、これら端末のDropbox用フォルダが自動的に同期するのが特徴となっています。

専用ソフトは、同社のWebサイトやApp StoreAndroid Market等からダウンロードしてインストールすることになります。

インストール後は、例えばWindowsパソコンの場合、デフォルトで「マイドキュメント」フォルダに「Dropbox」という名前のフォルダが作成され、この内容がログインしているクラウドと同期しますし、プロキシサーバー(HTTP、SOCKS)を自動検出してファイアウォール越しでも同期しますので、会社と自宅の各パソコンのフォルダを同期したり、グループでフォルダを共有したりするのに便利です。

Dropboxフォルダ内のファイルに変更を加えた場合には、ファイル全体ではなく差分のみをクラウドに転送することで、同期の高速化を図っています。また、Dropboxは、過去1カ月(有料で無制限も可能)の変更履歴(スナップショット)を保存しており、ファイルを以前の状態に戻したり、削除したファイルを復元したりすることも可能です。

Yahoo!ボックス】
Yahoo!ボックスは、従来から提供しているオンラインストレージ「Yahoo!ブリーフケース」、およびオンラインフォトアルバム「Yahoo!フォト」を統合した後継サービスであり、Yahoo! JAPANの一般会員は最大5Gバイト、プレミアム会員とYahoo!BB会員は最大50Gバイトを無料で利用できます。

Yahoo!ボックスには、検索機能があり、ファイル名や説明文などのキーワード検索のほか、スマートフォンでは日付やアップロードした端末を指定して一覧表示してくれます。

専用ソフトのインストールにより、上記他のツールと同様に、ローカルディスクの任意の位置に「Yahoo!ボックス」フォルダを作成し、以後このフォルダとオンラインストレージの内容が同期します。

スマートフォンでも、録音データをそのまま保存したり、Yahoo!ボックスに保存しておいた音楽ファイルを再生したりすることができるようです。

但し、Yahoo!ボックスの場合、PCの空きファイルの容量以上のファイルは、Yahoo!ボックスには転送できない仕組みになっているようです。

例えば、私の場合、BB会員なので50GBの無料契約ができたのですが、自分のPCの空き容量が3Gしかない状態で、3G以上のデータをYahoo!ボックスに転送すると、「空き容量が不足しています」と言う意味不明のエラーが発生してしまいました。

このため、Yahooに質問したところ、次のような回答が返ってきました。

パソコン用アプリ(Yahoo!ボックスフォルダー)を利用する場合、ご利用のパソコンのハードディスクドライブ容量を使用します。

お知らせいただきました内容より、ハードディスクドライブに十分な空き容量がないため、問題が発生している可能性があります。

Yahoo!ボックス自体は50GBまで利用可能であっても、ハードディスクドライブの空き容量が50GB以下の場合は、空き容量分までしかファイルを保存できません。何卒ご了承ください。

お手数ですが、十分な空き容量を確保したうえで再度、アップロードをお試しくださいますようお願いいたします。

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これでは、何のためのオンライン・ストレージなのか、さっぱり解りません。PCの「空きディスクの容量」を使用したオンライン・ストレージなんて・・・存在意義自体に疑問を感じてしまいました。

現在、GoogleとYahooしかテストしていませんが、Googleでは、3G以上でも問題なく転送できました。
また、Yahooに関しては、専用ソフトでは「PCの空き容量」と言う制限があったので、Web画面からデータ転送を行おうとしたのですが・・・今度は『ファイル単位』にしか処理ができませんでした。

大規模データは、個人の使い方にもよると思いますが、私の場合には『フォルダ単位』に保存しているので、フォルダ単位で転送したかっったのですが、何とファイル単位にしか転送できないので、結局この機能も使えませんでした。

皆さんも、オンライン・ストレージを使う場合には、注意が必要だと思います。ちなみに、Yahoo!ボックスは、使用しても意味がないので、直ちに消去しました。

Amazon Cloud Drive
Amazon Cloud Driveは、5GBの無料ストレージと、別途20G〜1000Gバイトの有料プラン(1Gバイト当たり1ドル/月)を用意しており、有料プランを契約すると、Amazon MP3ストアで購入した楽曲を無制限に保存し、Amazon Cloud Playerを使ってどこでも再生できる仕組みを提供しています。(※Amazon Cloud Playerの機能はアメリカのみ提供)

また、Amazon.com会員になると、5Gバイトを無料で割り当てさらにAmazon MP3ストアで音楽アルバムを一つ購入すると、20Gバイトに拡張してくれるようです。

有料プランを契約している場合は、Amazon MP3ストアで購入した楽曲ではなくても、MP3形式またはAAC形式であれば無制限に保存できます。(※2011年に「期間限定」と発表していますが、期限はいまだに公表していない様です)

従来、Web画面での操作しかできなかったのですが、Google Driveの登場直後には、Windows Vista以降、またはMac OS X 10.6以降で動作するクライアントソフトの配布も開始しました。

専用ソフトをインストールすると、他社と同様にドラッグ&ドロップでアップロードできるようになりますが、DropboxGoogle Drive、SkyDriveの様に、ファイル/フォルダの自動同期機能は提供していない模様です。


この他にも、下記の様な有名企業がオンライン・ストレージを提供しています。
・KINGSOFT(中国)
・OxygenCloud(アメリカ)
・NHN Japan(韓国)
ジャストシステム(日本)
・リコー(日本)

各社の機能比較表に関しては、弊社ホームページ、およびFacebookページにて、ダウンロードできますので、そちらを参照して下さい。

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