出来る社員のPC整理術_まずは見た目の整理から - その1
今回の「お役立ち情報」は、「出来る社員のPC整理術_まずは見た目の整理から」と題して、PCの中身を整理することで、仕事の効率化の一助になる情報を紹介します。
「PCを整理するだけで仕事を効率化出来るの ? 」と思うかもしれません。
しかし、弊社の過去ブログでも紹介したように、ウォール・ストリート・ジャーナル紙には、『 一般的なビジネスパーソンは、1年間に6週間分もの時間を探しものに費やしている。」と言う記事が掲載された事があります。
つまり、仕事に必要な情報を探し出すだけで、6週間分もの無駄な時間を使ってしまっていると言う事ですから、必要情報を素早く探し出すだけでも、仕事を効率化する事が可能になると言う事です。
6週間と言うと・・・1日8時間勤務とすると、「8時間 × (7日 × 6) = 336時間」と言う事ですかね ?
★過去ブログ:身の回り整理術~見た目スッキリで業務効率化 - その1
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上記の過去ブログでは、「その1」では、机周りに積み上がっている紙の資料の整理術を紹介しましたし、「その2」で、主に、PC内のフォルダーやファイルの管理方法による業務効率化を紹介しました。
【 その1 】
・書類の整理方法
・会社としての規則化
・整理のイベント化
【 その2 】
・フォルダー管理方法
・ファイル管理歩法
・バックアップの重要性
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今回の「PC整理術」も、上記と似てはいますが、ちょっと趣旨が異なります。
前回は、フォルダー/ファイルへの名前の命名方法を規格/統一すると言う、いわば仕分け方法によるPCの整理術でした。
つまり、ドライブ内に、インデックスを作る事で、必要とする情報に、素早くアクセス出来る環境を構築し、必要な情報を探し出す時間を、大幅に短縮出来る仕組みを紹介しました。
今回は、これとは異なる、下記のような情報を、情報量が多いので2回に分けて紹介します。
【 第1回 】
- 整理/整頓とは ?
- 「5S」とは ?
- デスクトップの整理方法
- 「ドキュメント」フォルダーの整理方法
- 不要ファイルの削除
【 第2回 】
今回は、主に、PC内の整理/整頓に焦点を当てつつ、合わせて便利ツール等も紹介して行きたいと思っています。
それでは今回も宜しくお願いします。
■整理/整頓とは ?
今回は、前述の通り、PC内の整理/整頓に焦点を当てた情報を紹介しますので、最初に、「整理/整頓とは何ぞや」と言う話を紹介します。
一般的に「整理/整頓」と言うと、「物を片付ける。」、あるいは「見た目をキレイにする。」等と考えられていますが、本当に、それだけでしょうか ?
良く、「物を片付けても直ぐに散らかってしまう !!」と言う泣き言と言うか、言い訳を耳にしますが、それは、「整理/整頓」の意味を勘違いしているからだと思います。
「直ぐに元に戻ってしまう~」と言う人は、物を、揃えて並び替える事、見た目をキレイにするを「整理/整頓」だと思っているのではないでしょうか ?
物を並び替えて揃え、見た目をキレイにするだけでは、不要なデータも、そのまま残っていますので、必要な情報を直ぐに入手することが出来ません。
だから、必要な情報を入手するために、せっかくキレイに整えた資料を、ひっくり返して必要な情報を探し出すので、また物がゴチャゴチャになってしまうのです。
「整理/整頓」とは、「物をキレイに置く」ことではありません。「必要な物」と「不必要な物」を分けて、「不必要な物」を捨て、「必要な物」を使いやすいように置くことです。
もう少し詳しく説明しますと、そもそも「整理」と「整頓」は、全く異なる行動です。
・整理 :「必要な物」と「不必要な物」を分けて、「不必要な物」を捨てる行動
・整頓 :「必要な物」を何時でも、誰でも、直ぐに入手出来る状態にする行動
つまり、最初に物を「整理」し、その次に物を「整頓」する事になります。
[ ]「物」や「データ」、つまり「情報」は、「情報」が出来上がった時点から劣化が始まります。
「情報」は、劣化すると価値が低下しますので、価値が下がった「情報」は捨てられ、より新しくて利用価値の高い「情報」に置き換わります。
何時までも古い情報を持ち続けるからデータが増え、データが増えるから必要なデータを瞬時に入手する事が出来なくなってしまうのです。
加えて、情報の「整理/整頓」を行う事で、保持する情報の重要性や機密度を把握する事が可能になります。
情報の機密度を把握する事が出来れば、セキュリティの管理も正しく行う事が出来るようになります。
情報やデータの「整理/整頓」を行う事で、次のようなメリットが生まれます。
・情報を最新に保つ事が出来る。
・必要な情報を直ちに入手する事が出来る。
・必要な最新情報を直ちに入手する事で作業を効率化する事が出来る。
・情報の機密性を把握する事でセキュリティを管理する事が出来るようになる。
もうメリットだらけです。
■「5S」とは
「整理/整頓」のメリットが理解出来たと思いますので、それでは次に、「整理/整頓」に関する、基本的な「5S」を紹介したいと思います。
皆さん、ビジネスパーソンですから、「5S」と言う言葉自体は、これまでに1回くらいは聞いた事があると思います。
「5S」とは、製造業やサービス業等の職場において、作業員が働きやすい職場環境を、改善、維持、および管理するための行動を、5個の言葉で表したスローガン(標語)の略称です。
各職場において徹底すべき行動を5個掲げ、その5個の行動を表す標語が、全てローマ字の「S」で始まる言葉なので、「5個のS」、つまり「5S」と呼ばれるようになったと言われています。
そして、5個の「S」とは、次の5種類の行動を表しています。
→ 整理(Seiri)、整頓(Seiton)、清掃(Seisou)、清潔(Seiketsu)、躾(Sitsuke)
この「5S」は、元々は、製造業における工場で、仕事に必要なモノだけに絞り、仕事を行いやすいように整理整頓することによって、作業の効率化を図ったり、生産性を向上させたりするための、職場改善活動の一環として生まれた行動です。
どこの企業が最初に始めたのかは解らないようですが、現在では、様々な企業で「5S」活動が取り入れられると共に、さらに行動範囲を追加し、「6S」とか「7S」、あるいは「10S」まで広げている企業もあります。
・6S :作法(Sahou)を追加。日本電産グループ
・7S :しっかり(Sikkari)、しつこく(sitsukoku)を追加。東芝グループ
・10S :習慣(Syukan)、しつこく(sitsukoku)、しっかり(Sikkari)を追加。セガエンタテインメント
「整理/整頓」については前章で紹介しましたが、改めて、「5S」とは、どのような行動なのかを紹介します。
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【 整理 】
必要な物と不必要な物を分離し、不必要な物を捨てることです。現在、および将来に渡り、必要な物か否かを判断し、不必要を捨てる行動です。過去の視点は必要ありません。過去にどれだけ役に立った物であっても、現在や将来に役に立たないのであれば捨てる事になります。
【 整頓 】
必要な物を使いやすいように配置する事です。整理によって、自分が管理する物は、必要な物だけになります。必要な物を適切な場所に、適切な置き方で、適切な量だけ配置するのが整頓です。整理ができて、初めて整頓が可能になります。
【 清掃 】
身の回りの物や場所を綺麗にし、いつでも使えるようにする事です。「整理/整頓」された状態を維持するための行動です。「整理/整頓」された状態は、放置すれば直ぐに崩壊します。常に意識して崩れる予兆を見つけ、手を打って清掃する事が必要になります。
【 清潔 】
誰が見ても綺麗であり、綺麗な状態を保とうという気持ちにさせる事です。「整理/整頓」が維持されていることが一目瞭然で、崩れていればすぐに判る状態になることです。何も無い所のゴミや汚れは、小さなものでも目立つため誰もが気付けます。しかし、色々な物が散乱していれば、一つのゴミや汚れに気付くことはありません。清潔とは、このように誰もが汚れに気づく環境を作ることです。
【 躾(しつけ) 】
職場のルールや規律を守り、習慣付ける事です。ルールを守る習慣によって、信頼し合い、協力し合う組織風土を作り上げる事です。ルールは、文書で示すだけでなく、道具や環境を通したルールを守る仕掛けが必要です。細かなルールの全てを記憶する事は無理があるので、作業の随所で守るべきルールが解るようにします。自らチェックし、自ら直すことを、習慣化させます。人に指摘されて直すのではなく、自ら正しい状態にしようとする気持ちを醸成します。お互いに褒めて称え合うことで、やる気を導き出し、成長させる事にあります。
職場において、このような「5S」の行動を取る事で、次のメリットがあるとされています。
・業務効率化
・ミス/事故の防止等、安全性の向上
・生産性の向上
・職場の雰囲気の改善
しかし・・・一部企業では、「5S活動」の本質を見失ってしまう「目的と手段の履き違い」が発生していると言う指摘もあるようです。
つまり、「5S活動」の時間だけが増加し、逆に生産性が低下すると言う問題が発生していますが、これは、「5S活動」の本質を忘れてしまった事が原因です。
たとえ良い事でも、やり過ぎは良くありません。論語に「過ぎたるは及ばざるが如し」と言う言葉ありますが、将に、この故事の通りだと思います。
■デスクトップの整理方法
それでは、ここからは、「整理/整頓」の具体例を紹介しますが、まずは、PCのデスクトップの「整理/整頓」から紹介します。
皆さんの同僚の中に、PCのデスクトップに、アプリケーションやファイルのアイコンを「山のように」貼り付けている方は居ませんか ?
私は、こんなデスクトップを見ると、もう、これだけでムカムカしてしまいます。
昔から、『 デスクトップには、そのPCを使っている人間の性格が現れる。 』とも言われています。
このように、何でもかんでも、一度使ったファイルやアプリケーションを、常にデスクトップに貼り付けている人は、何事に関しても、「整理/整頓」が出来ない人間と思われても仕方が無いと思います。
その昔、上記画像のようなデスクトップを持つ友人の家に遊びに行った時がありますが・・・本当に、部屋の中も、このデスクトップと同様、「ゴミ屋敷」一歩手前状態でした。
この時に、「あ~デスクトップを同じだ !」と、つくづく思った事を想い出しました。
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作業中のファイルや、あると便利だと思われるアプリケーションを、デスクトップに貼り付けておけば、次回、作業を開始する時は、簡単に作業を開始出来るので、確かに、その時は便利に感じるかもしれません。
しかし!! 一度その業務が終わったら、デスクトップから該当ファイルやアプリケーションを削除すれば良いのに、そのまま残して置くから、このような「カオス状態」になってしまうのです。
何度も言いますが、「整理」とは、『 必要な物と不必要な物を分離し、不必要な物を捨てること 』です。「整理」が出来ないから、こんな「カオス状態」になってしまうのです。
さて、このようなカオス状態のデスクトップに関しては、次の手順で「整理」すれば良いと思います。
(1)アプリケーションのインストール時に自動作成されたショートカット等、不要なファイルがあれば削除する。
(2)エクスプローラーを使って、文書は「ドキュメント」、写真は「ピクチャ」等と、適したフォルダーに(コピーではなく)移動する。
(3)何度も使用するファイルでも、一旦ドキュメント・フォルダーに移動し、デスクトップには「ショートカット」を作るようにする。ショートカットは元ファイルへのリンクが記されたアイコンです。ショートカットがあればファイルは簡単に開けるし、不要になれば元ファイルとは無関係に削除できるので、デスクトップの整理が楽にできます。
「ショートカット」の活用の仕方に関しては、過去ブログでも紹介していますので、こちらも参考にして下さい。
★過去ブログ:身の回り整理術~見た目スッキリで業務効率化 - その2
これで、デスクトップは、綺麗に「整理/整頓」されると思います。
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そして、本章の最後に、究極のデスクトップ整頓方法を紹介します。それは・・・デスクトップには、一切、アイコンやショートカットを貼り付けない方法です。
「はあ~ ?! それじゃ、いちいちエクスプローラーやスタートメニューから、必要なファイルやアプリケーションを探し出さなきゃないから面倒でしょう !!」
となりますが、私は、近頃では、デスクトップには、一切、アイコンやフィルを貼り付けていません。
右の画像が、私のデスクトップですが、ご覧の通り、何も貼り付けていませんが、別段、特に問題なく仕事を行っています。
まあ、確かに、以前と比較すると、操作が1回だけ増えてしまいましたが、それも慣れれば問題ありません。
それでは、このデスクトップの管理方法を紹介します。
(1)デスクトップのタスクバーに「デスクトップ・ツールバー」を追加する。
①タスクバーの空白域にカーソルを移動する。
②右クリックで表示されるメニューで、「ツールバー」→「デスクトップ」をクリックする。
③タスクバーの左側に「デスクトップ >>」が表示される。
④「>>」部分をクリックすると「デスクトップ」フォルダーにある項目が表示される。
(2)デスクトップからアイコンを消す
①デスクトップの何も表示されていない箇所にカーソルを移動する。
②マウスを右クリックして「表示」に合わせる。
③「デスクトップ アイコンの表示」の「✓」をオフにする。
上記、(1)、および(2)の作業は、順番が逆でも問題ありません。デスクトップからアイコンが消えた後は、デスクトップに存在したアイコン群に関しては、タスクバーの「デスクトップ」をクリックするとメニュー形式で表示する事が出来ます。
従来は、作業中に、デスクトップからアプリケーションを起動させていた場合、「Windowsボタン + D」でデスクトップを表示させ、必要なアプリケーションのアイコンをクリックしていたと思います。
しかし、今後は、一旦デスクトップに戻る必要は無く、そのままの状態で、タスクバー内の「デスクトップ」をクリックするだけで、使いたいアプリケーションを起動させる事が出来るようになりますので、ある意味、この方が、PCが使いやすくなる感じもします。
どうでしょうか ?
■「ドキュメント」フォルダーも整理整頓
「ドキュメント」フォルダーとは、Windows 10に最初から用意されている個人用フォルダーの一つです。
Windows 10の個人用フォルダーには、次のようなフォルダーが用意されています。
→ 3Dオブジェクト、ダウンロード、デスクトップ、ドキュメント、ピクチャ、ビデオ、ミュージック
これら個人用フォルダーには、あるデータを保存すると、データの種類により、そのデータが自動的に保存されるフォルダーです。
例えば、データの種類により、次のような決まりでデータが保存されるようになります。
例1:Wordファイルを保存する。 → 「ドキュメント」フォルダーに保存される。
例2:動画(拡張子.mp4)を保存する。 → 「ビデオ」フォルダーに保存される。
例3:iTunesのデータを保存する。 → 「ミュージック」フォルダーに保存される。
例4:画像を保存する。 → 「ピクチャ」フォルダーに保存される。
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私は、開発や営業で使う資料に関しては、それぞれのプロジェクトや案件毎に、Cドライブ以外の場所に、個別のフォルダーを作成して、そこに保存しています。
このため、私のPCの「ドキュメント」フォルダーには、Outlook等のアプリケーションが勝手に作成するデータ以外は保存されませんので、この「ドキュメント」フォルダーに関しては、特に、管理する必要はありません。
しかし、私のような資料管理を行わずに、作成した資料を個別のフォルダーに保存せず、ヤミクモに保存している人は、この「ドキュメント」フォルダーに、データが、ドンドン溜まって行く事になります。
このため、何も意識せずに資料を保存している人は、「ドキュメント」フォルダーを、ある一定期間毎に「整理/整頓」する必要があります。
ファイルの整理方法には、様々な方法があると思いますが、次のような手順で良いと思います。
(1)エクスプローラーで「ドキュメント」フォルダーを開く。
(2)ファイルを名前順に並び直す。
(3)ファイル名で内容が判断出来ない場合、中身を参照して相応しいファイル名に変更する。
(4)必要に応じて、ファイルを相応しいフォルダーに移動する。
(5)上記作業を行った後、不要なファイルは削除する。
(6)年代別、あるいは年度別のフォルダーを作成し、過去データを移動する。
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ちなみに、Cドライブ以外にデータを保存するのは、最近のPCは、CドライブがSSD(Solid State Drive)になっているからです。
SSDとは、半導体メモリを、ディスクドライブの様に扱えるようにした補助記憶装置で、次のようなメリットがあるとされています。
・読み書きの速度が非常に早い
・消費電力や発熱が少ない
・作動音が無い
つまり、CドライブをSSDにする事で、PCの起動や処理パフォーマンス、それに他アプリケーションのパフォーマンスもアップします。
このようにメリットが多いSSDですが、まだ単価が高いので、PCのCドライブに割当られる容量が少ないのが弱点です。
このため、貴重なSSDで構成されたCドライブに、不要なデータを沢山保存すると、Cドライブのファイル容量が不足しがちになってしまいます。
故に、私は、Cドライブには個別のフォルダーを作成せず、通常のHDD(Hard Disk Drive)で構成されている別ドライブに資料を保存するようにしています。
但し、この場合、通常のHDDに資料が保存される事になるので、データへの読み書きのアクセス速度は遅くなってしまいますが、単なる資料作成ですので、実際の業務運用には、何も影響はありません。
また、次回ブログで詳しく説明しますが、「SSD」には、書き込み回数の制限があり、ある一定回数以上の書き込みを行うと、それ以上は、データを書き込む事が出来なくなってしまいます。
つまり、「SSDには寿命がある。」と言う事です。
このため、「SSD」に対しては、必要最低限の回数しか書き込みを行わないように、PCのディスク構成を変更する必要があります。
と言う事で、デフォルト設定として、Cドライブに設定されている個人用フォルダーを、Dドライブに変更する方法を紹介します。
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「Windows 10」の場合、次のような作業を行う事で、個人用フォルダーを、Cドライブ以外に移動する事が出来ます。
(1)スタートボタンをクリックしてアプリの一覧画面を表示する
(2)アプリの一覧から「Windowsシステムツール」をクリックしてサブメニューを表示し、「PC」をクリックして「PC」画面を表示する
(3)下記のような個人用フォルダーから、保存先を変更したいフォルダーを選択して右クリックを行う。
(4)表示されたメニューから「プロパティ」を選択する。
(5)選択したフォルダーのプロパティが表示されるので、「場所」タブを選択する。
(6)「場所」タブの画面中程「移動」をクリックする。
(7)移動先を選択するエクスプローラー画面が表示されるので、(例えば)Dドライブを選択する。
(8)Dドライブの内容が表示されるが、移動先フォルダーが存在しないので、右クリックして「新規作成」→「フォルダー」を選択して、新規フォルダーを作成する。
(9)新規作成フォルダーを移動先として選択する。
(10)プロパティ画面に戻るので、画面下「OK」ボタンをクリックする。
(11)「フォルダーの移動」画面が表示され、新しい保存先への変更を確認するメッセージが表示されるので、「はい」を選択する。
(12)データの移動処理が行われ、移動処理が終了するとプロパティ画面が消えて処理が終了する。
以上が、個人用フォルダーの移動処理となりますが・・・移動したフォルダーには、各種アプリが使用するデータが含まれていますので、該当アプリを起動すると、「ファイルが存在しません」等と言うワーニング・メッセージが出力されます。
例えば、「ドキュメント」フォルダーを移動した後、Officeの「Outlook」を起動すると、メールアドレス毎に保持している拡張子「pst」ファイルが見つからない、と言うメッセージが出力されます。
その場合、移動先の「Outlook」ファイルを選択して、エラーとなったメールアドレスに対して、拡張子「pst」ファイルの場所を指定する必要があります。
このため、私個人としては、本当は、「ドキュメント」フォルダーを移動したいのですが、「ドキュメント」フォルダーの移動は取りやめ、それ以外の個人用フォルダーだけを移動した方が良いと思います。
また、Apple社のアプリ「iTunes」を使っている場合、「ミュージック」フォルダーに、「iTunes」用のファイルが保存されていますので、「iTunes」を起動した場合、上記のようなファイルの再設定処理が必要になります。
■不要ファイルの削除
不要データにも様々な種類がありますが、今回は、「キャッシュ」データの削除の仕方を紹介します。
しかし、その前に「キャッシュ」データとは何かを、簡単に紹介します。
「キャッシュ」データとは、英語のスペル、「cash(現金)」ではなく、「cashe(隠し場所)」と言う意味の方を用います。
単純な和訳だと、この通り、「隠し場所」とか「貯蔵所」、あるいは「貯蔵物」と言う意味になってしまいますが、IT用語としての「キャッシュ」は、「貯蔵所」が近い感じがします。
コンピューターでは、データへのアクセスを行う場合、メモリを用いてデータの読み書きを行うと、HDDを使う読み書きよりも、何十倍もの速さで読み書きを行う事が出来ます。
コンピューターのCPU(Central Processing Unit:中央演算装置)の内部には、CPUから高速でアクセスする事が出来る「キャッシュメモリ」と言うメモリが内蔵されています。
この「キャッシュメモリ」は、メインメモリよりも、遥かに高速に読み書きできるため、使用頻度の高いデータを記録しておくことで、メモリからの読み込み時間を削減して通信パフォーマンスを向上する事が出来ます。
これはインターネットを使用した時の通信でも同じ事が言えます。
インターネットでWebページを閲覧した時に、訪問したWebページの情報も、ブラウザ用の「キャッシュ」に一時的に保存する事で、次に同じページを訪問する際に、ページ表示時間を大幅に短縮する事が出来るようになります。
「一時的に保存」と言いますが、この閲覧情報は、利用者が意識しないと、どんどん溜まって行ってしまいます。
「キャッシュ」が満杯になると、古いデータが削除されて新しいデータが書き込まれますが、表示速度の低下や、最悪、ページが表示されなくなる等の障害が発生するケースもあります。
このため、インターネットを快適に利用するためには、定期的に「キャッシュ」を削除(クリア)する必要があります。
このインターネットを閲覧した際に作成される「キャッシュ」ですが、作成方法、および作成場所は、インターネットを閲覧する際に使用する「ブラウザ」によって異なります。
インターネットを閲覧するために使われる「ブラウザ」としては、現在、次のようなブラウザが提供されています。
・Google Chrome :Google社が提供するブラウザ。国内外シャア1位
・Internet Explorer(IE) :Microsoft社が提供する旧型ブラウザ。国内シェア2位
・Firefox :Mozilla Corporationによって開発/提供されているブラウザ。国内シェア3位
・Microsoft Edge :Microsoft社が提供する最新ブラウザ。国内シェア4位
・Safari :Apple社が提供するブラウザ。国内シェア5位
・Opera :ノルウェーのOperaソフトウェアが開発したブラウザ。現在中国資本傘下。
そこで、例えば、日本国内、および海外においても利用シェア1位となっている「Google Chrome」における「キャッシュ」のクリア方法を紹介します。
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【 Google Chromeにおけるキャッシュのクリア方法 】
①画面右上の「︙」というボタンをクリックする。(「Google Chromeの設定」と表示)
②「その他のツール」 → 「閲覧履歴の消去」を選択する。
③閲覧履歴の消去パネルが開くので、任意の「期間」を選択する。
④今回はキャッシュのクリアなので、「キャッシュされた画像とファイル」をチェックする。
⑤「閲覧履歴データを消去する」ボタンをクリックする。
次に、Microsoft社が提供する「Microsoft Edge」でキャッシュをクリアする方法は、次の通りです。
【 Microsoft Edgeでキャッシュをクリアする方法 】
①画面右上の「…」というボタンをクリックする。(「設定など」を表示)
②表示されるメニューから「設定」を選択する。
③「設定」の右側のメニューから「プライバシーとセキュリティ」を選択する。
④そこで表示された画面で「クリアするデータの選択」をクリックする。
⑤「閲覧データの消去」の画面において、削除したいデータにチェックを付ける。
⑥その後、「クリア」ボタンをクリックすると選択したデータが消去される。
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今回は、手動で「キャッシュ」をクリアする方法を紹介しましたが、例えば、複数のブラウザを使い分けている場合、そのブラウザ毎に「キャッシュ」をクリアしなければならないので、非常に面倒です。
私なども、Chromeは、使いやすいブラウザなので、仕事でインターネットを使う場合には、Chromeを使っていますが・・・いかんせん、メモリを大量に消費するので、処理スピードが求められる場合とか、あるいはFlashを使う場合には、Edgeを使っています。
そして、このように、用途によってWebブラウザを使い分けている場合等は、使っているブラウザ毎に「キャッシュ」をクリアしなければならないので、非常に運用が面倒になってしまっています。
このようなケースで便利なのが、「CCleaner」と言うツールです。
この「CCleaner」と言うツールは、無償版と有償版があり、有償版には、ファイルのリカバリー機能等、様々な機能が付加されていますが、不要ファイルの削除だけ行いたいのであれば、無償版で十分です。
そして、この「CCleaner」には、キャッシュの削除機能があり、かつ使用しているPCにインストールされている全てのブラウザの「キャッシュ」を一括で削除する事が出来ます。
上の画像には、アプリケーションとして、私のPCにインストールされているFirefox、Opera、Safari、Chrome等、全てのブラウザの情報が表示されていますし、別タブとなる「Windows」側には、EdgeとIEの「キャッシュ」の情報も表示されています。
この「CCleaner」と言うツール、無償版でも結構便利なツールなのですが・・・過去にマルウェアの踏み台となった経緯があります。
2017年7月、「CCleaner」の開発元である「Piriform」のサーバーにマルウェアが侵入したそうですが、その後、この「Piriform」が、別会社「Avast」に買収されました。
その後、買収先である「Avast」が、2017年9月に最新版をリリースしたところ、マルウェアが攻撃を開始し、日本を含む大手IT企業が標的型攻撃に会ってしまったそうです。
攻撃対象となったのは、SamsungやIntel、VMware、ASUSなどのほか、日本ではNEC、富士通、およびソニーも含まれていたそうです。
私が使っていたバージョンもマルウェアに感染していたようですが、何故か、私のPCには、マルウェアは侵入しなかったようです。
皆さんもフリーソフトを使用する際は、この「CCleaner」の例もありますので、注意が必要だと思います。
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ところで、ブラウザ毎に保持する情報としては、「キャッシュ」とは別に「Cookie(クッキー)」と言う一時情報もあります。
「CasheとCookie ? それって同じデータじゃないの ?」と思っている方がいるかもしれません。
どちらもインターネットでWebページを閲覧した時に作成される一時データですが・・・データの内容と用途が異なります。
Cashe :閲覧したWebページの情報。次回以降、同一ページを訪問する際の処理スピードがアップする。
Cookie :訪問したユーザの情報。ID、パスワード、メールアドレス、訪問回数等が保存されている。
「Cookie」は、ユーザ自身の情報を、ユーザのPCに保存します。ユーザ情報を保存しておくことで、Webページを再訪問した時に、ユーザを特定し、ユーザ情報を入力する手間が省く事が出来ます。
例えば、ショッピングサイトに訪問した時に、既にログイン状態になっていて、かつ以前カートに入れた商品が、そのままカートに残っているのは、Cookie機能が働いているからです。
さらに、この「Cookie」情報は、Webページの閲覧履歴として、利用者の趣味や嗜好を示す指標としても活用出来るので、ターゲティング広告に利用されています。
個人のPCに、このような個人情報が残っている分にはまだ大丈夫ですが、ネットカフェ等、家の外のPCに、このような個人情報を残して置くのはリスクがあります。
不特定多数が使用するPCを使った後は、必ず「Cookie」は削除した方が良いと思います。
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と言う事で、個人情報をターゲティング広告に使われたくない場合、Webブラウザを使用する度に、「Cookie」を削除する必要がありますが・・・これも面倒ですよね。
このため、Webブラウザには、「Cookie」を保存するか否かを設定する事が出来ますし、前述の「CCleaner」等のツールでは、使用している全てのブラウザに関して、「Cookie」を一括で削除する事が出来る機能も提供しています。
PCには、想像以上に個人情報が保存されていますので、注意した方が良いと思います。
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今回は、「出来る社員のPC整理術_まずは見た目の整理から - その1」として、次の内容を紹介しましたが如何でしたか ?
- 整理/整頓とは ?
- 「5S」とは
- デスクトップの整理方法
- 「ドキュメント」フォルダーの整理方法
- 不要ファイルの削除
そもそも、私も、今回のブログを書くまで、正直なところ、「整理」と「整頓」の意味を正しく理解していなかった事に気が付いた次第です。情けない・・・
今回、偉そうに、「上から目線」で「整理/整頓」の意味をお伝えしましたが、実は私は、「整理」も「整頓」も、物を片付ける行為だと思っていました。
まさか、「整頓」が、必要な物を直ぐに入手出来る状態にする事だとは思っても見ませんでしたが、皆さんは如何でしたか ?
今更ですが、「整理」と「整頓」が同じ行為なら、何も、わざわざ言葉を分ける必要はありません。「整理」、あるいは「整頓」の、どちらかの言葉だけで事は足りると思います。
さすが日本語、その辺りは、奥が深いものがあります。
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次に紹介した「5S」、これは、製造業の工場でよく見かける標語ですよね !
工場見学とかに行くと、「安全第一」と一緒に「実践しよう職場の5S !」とか「5S運動を実施しよう!」とかのポスターが貼られているのを見たことがあるかと思います。
この「5S」は、トヨタが提唱した「改善(KaiZen)」と同様、「Five S」と言う言葉で、海外でも用いられるようになっています。
話は、脇に逸れちゃいますが、本当に、日本の工場等の現場では、世界に通じる様々な行動を生み出すものだと、本当に感心してしまいます。
・改善
・QC活動
・5S活動
・ラジオ体操
これらの活動は、そのオリジナルは日本だと思います。「ラジオ体操 ?」と思うかもしれませんが、工場や建設現場における「ラジオ体操」は非常に重要な活動です。
「ラジオ体操」と言うと、夏休みに、子供達が行う「ラジオ体操」を想像しがちですが、とある研究会が、建設現場でのラジオ体操実施率を調査したところ、半数以上、56.9%において、「ラジオ体操」を実施していると言う数値が得られたそうです。
そして、何故、これ程まで「ラジオ体操」が普及しているのかと言うと、その全てにおいて、次のような理由を挙げています。
・事故防止につながる
・健康維持・健康増進につながる
健康維持/増進は、理解しやすいと思いますが、何故、事故防止に役立つのかというと、朝、現場に出勤して、ボッーとしたまま作業を行うと、「チコちゃんに叱られる !」だけならまだしも、やはり事故を起こしやすいのだそうです。
このため、作業に入る前に「ラジオ体操」を行い、身体を目覚めさせた上で作業を開始すると、それだけで事故率が減少することが明らかになっています。
このような理由で、一時は、建設現場以外でも、会社の朝礼時に「ラジオ体操」を取り入れる企業が多かったのですが・・・現在では、普通の企業では「ラジオ体操」は、絶滅危惧種になってしまったようです。
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これら以降の情報は、実際のPCの「整理/整頓」術の話になりますので、今後のPC運用において、参考にして貰えればと思います。
そして、次回「その2」においては、次のような情報を紹介します。
その中における「SSDの寿命」は、今回の主目的「整理/整頓」からは、ちょっと逸れた情報なのですが、私的には、非常に興味深い話でした。
「SSD(Solid State Drive)」に関しては、今回のブログ中「ドキュメント・フォルダーも整理整頓」で紹介しましたが、しかし「SSD」に寿命があるなんて・・・今では都市伝説みたいになってしまいましたが、かつての「ソニータイマー(Sony Kill Switch)」を思い出してしまいました。
「ソニータイマー」とは、皆さんもご存知だと思いますが、これは、『 ソニー製品は、1年間のメーカー保証期間終了直後に故障が頻発する。』と言う、実話に近い状況から生まれた都市伝説です。
この都市伝説に関しては、2007年、ソニーの社長(当時:中鉢良治氏)も株主総会で認めており、品質管理を徹底する旨の発言をしたとされています。
とは言え、(次回説明しますが)5年でPCが使えなくなってしまうのは、技術の進歩を考えると仕方が無いとも思えますが、何とも「やるせない気持ち」になってしまいます。
それでは次回も宜しくお願いします。
以上
【 画像・情報提供先 】
・Wikipedia(http://ja.wikipedia.org/)
・Microsoftサポート(https://support.microsoft.com/ja-jp)
・フリーソフト100(https://freesoft-100.com/)