社内システムのクラウド化 〜 皆でクラウドにすれば怖いくないのか ? - その3
今回の「IT系お役立ち情報」は、前回お届けした「社内システムのクラウド化」の続編となります。
前回までのブログでは、次の様な内容を紹介しました。
●そもそもクラウドとは何 ?
●クラウド化メリット/デメリット
●クラウドの種類
●クラウド導入までの全体の流れ
●クラウドに適さない業務
【過去ブログ】
・社内システムのクラウド化 〜 皆でクラウドにすれば怖いくないのか ?-その1
・社内システムのクラウド化 〜 皆でクラウドにすれば怖いくないのか ?-その2
これまでの情報で、誰が(Who)、どうやって(How)、何処で(Where)、クラウド化に向けた業務を行うのかが明らかになりました。
そして、残りの、何時(When)、何を(What)、いくらで(How much)に関しては、これは企業毎、そしてケース毎に異なりますので、本ブログでは紹介出来ません。
しかし、「何のために(Why)」に関しては、若干説明可能です。
既に、初回ブログでメリットを紹介していますが、今回は、より具体的に、次のケースを紹介します。
●コスト削減手段としてのクラウド
●本番カットオーバーまでの時間短縮としてのクラウド
そして、それ以外に、クラウド化に逆行する次の2つの問題に関しても紹介します。
「クラウドは良いぞ〜 !」等とばかり言っていると、弊社が、クラウドサービス提供業者の「宣伝マン」になってしまいますので、最後は、クラウドに関する最新の問題についても紹介しておきます。
それでは今回も宜しくお願いします。
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■コスト削減手段としてのクラウド
クラウド化のメリットとして、一番に取り上げられる「コスト削減」について、そのポイントを紹介したいと思います。
社内システムをクラウドにすると、何で「コスト削減」が出来るのかに関しては、過去ブログの「メリット/デメリット」で紹介した通り、次の理由があります。
理由1:サーバー室撤去によりハードウェアの維持管理費が削減出来る。
理由2:同じくサーバー室が無くなるので、空調費用も不要になる。
理由3:同じくサーバー室が無くなるので、各種電気料金も不要になる。
理由4:維持管理は業者が行うので、メンテナンス要員が不要になる。
理由5:ソフトウェアのライセンス等の初期費用が不要になる。
理由6:ハードウェアのリース費用も不要になる。
クラウドには、このようなメリットがあるとされていますが、次の点も注意する必要があります。
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●クラウドのサービス形態による費用の違い
過去ブログで紹介した通り、クラウドのサービス形態には複数種類あります。
略称 | 名称 | 内容 |
SaaS | Software as a Service | ソフトウェアを提供するクラウドサービス |
PaaS | Platform as a Service | 基礎部分(開発環境)を提供するクラウドサービス |
IaaS | Infrastructure as a Service | ハードウェア等のインフラを提供するクラウドサービス |
加えて、現在では、クラウドのサービス形態は、さらに細分化されていますので、社内システムをクラウド化する場合、自分達のシステムは、どのようなサービス形態が一番相応しいのかを、きちんと精査する必要があります。
そして、そのサービス形態により費用は大幅に異なります。
オンプレミス運用に近いサービス形態にすればする程、業務運用は、社内システムに近づける事は出来ますが、逆に、その分だけ費用は高額になります。
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●リース費用とクラウド費用との比較
上記メリットの中に、「ハードウェアのリース費用も不要になる。」と記載しましたが、この点も、よく精査する必要があります。
世間一般では、「リースよりクラウドにした方が、維持費が安くなる。」と言われているだけで、この法則が、自社に当てはまるとは限りません。
旧式のハードウェアを使用し続けている場合、ハードウェアを更新せずに再リースを掛ければ、リース費用は、格段に安くなります。
ハードウェアのスペックが、業務運用に適さない場合、そのまま同じハードウェアを使い続けると、業務運用に支障をきたす可能性がありますが、データ量が増えていない様なケースでは、無理に、最新ハードウェアに更新する必要はありません。
このようなケースで、クラウド化を推し進めると、逆に費用が増加する必要があります。
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●サイジング活用による初期費用抑止
クラウドでは、業者との契約方法にも依りますが、システム利用中に、各種リソースのサイジングが可能です。
「サイジング」とは、例えば、下記のような数量を増加させたり、あるいは減らしたりして調整する事を意味しています。
・サーバー数
・ライセンス数
・CPUのコア数
オンプレミスの社内システムでは、最初から、上記のリソース数量を固定した形で購入しますので、運用途中でリソース数量を変更するのは、難しいものがあります。
しかし、クラウドの場合、リソースの数量が多過ぎる場合、途中でリソース数量を減らす事も出来ますし、その逆も可能です。
このようなリソース数量を調整する事で、余計な費用の支出を抑制する事が可能となります。
社内システムをクラウド化する場合、上記のような点を精査し、自社にとって、どのような形で費用を抑制出来るのかを検討して下さい。
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■本番カットオーバーまでの時間短縮としてのクラウド
次に、クラウド化のメリットとして、次に取り上げられる2点に関して、その理由を紹介します。
・作業時間の短縮
・サイジングの自由化
昨今、「どこの企業が、どこを買収した」等、M&A関連の話を数多く聞くようになって来ました。
M&Aの目的は、企業により様々です。規模/シェア拡大、事業多角化、弱体部門強化、成長事業強化・・・その企業の事情により、M&Aの理由は沢山あります。
そして、M&Aを行った企業の多くの経営者達は、インタビューで、「合併による相乗効果を実現したい !!」等と、張り切って語っていますが・・・相乗効果を出すのは、非常に難しいものがあります。
「不可能」とは言いませんし、実際にM&Aにより相乗効果を出している企業も沢山います。
M&A成功のコツは、沢山あると思いますが、相乗効果を出すための基本は、重複業務を減らして無駄な業務を無くす事だと思います。
そして、無駄な業務を無くすために必要な作業で一番重要なのは、業務システムの統合だと思います。
今や、ほとんど企業で業務はシステム化されています。このため、重複業務の解消には、どうしてもシステムを統合する必要があります。
しかし、一言で「システム統合」と言っても、これは一筋縄では行きません。
組織の合併は、企業だけに限りません。2005年〜2006年にかけては、俗に言う「平成の大合併」が行われ自治体の合併が大規模に行われました。
このような事もあり、企業や自治体で数多くの「システム統合」が行われましたが、国内や国外では、下記のような失敗事例も多く発生しました。
・みずほ銀行 :富士銀行、第一勧業銀行、日本興業銀行
・ユナイテッド航空(米) :ユナイテッド航空とコンチネンタル航空
・日本郵政 :ゆうパックとペリカン便
・ボーダーフォン(英) :ERP導入によるシステム統合の失敗
特に、「みずほ銀行」のシステム統合の失敗は、影響が広範囲に及んだ事と、失敗が何回も発生した事から、現在では「システム統合の失敗事例」の象徴として、数多くのサイトが、この問題を取り上げています。
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ところで、システムのクラウド化で、カットオーバーまでの時間が大幅に短縮出来る、と言われています。
しかし、システムのクラウド化に関しては、前回ブログで紹介した様に、既存システムの棚卸し調査を始め、事前の調査/検討段階で、かなり多くの作業があります。
システムのクラウド化で、本番までの時間を短縮できるのは、前述のM&Aのケースだけだと思います。
システム統合の場合、前述の通り、企業合併の相乗効果を出すために、業務の一本化と、それに伴うシステム統合を行います。
そして、業務を一本化すると、当然、2つの業務が1個になる訳ですから、単純に計算しても、システムが取り扱うデータの量は倍増します。
データ量が倍増しますので、システムの処理能力も倍増させる必要もありますし、そもそも、データを格納するサーバーの数も倍増させる必要があります。
しかし、これは単純計算ですので、実際は、2倍のリソースは必要無いかもしれませんし、逆に、2倍以上のリソースが必要になるかもしれません。
このように統合したシステムの処理能力やサーバー数が解らない場合、本当に綿密な計算が必要になりますが・・・もしも、この計算を間違えてしまったら、最悪、統合したシステムが停止してしまう可能性があります。
事実、先の「みずほ銀行」の失敗ケースでも、データの処理件数が想定量を超えてしまった事が原因で、振り込み処理を正常に処理出来なくなってしまい、結局、金融庁から行政処分を受けてしまっています。
このように、統合後のシステムが必要とする各種リソース量が解らない場合、クラウドが有効になります。
クラウドで利用するサービスにも依りますが、「IaaS(Infrastructure as a Service)」を利用すれば、業務開始後、自由に各種リソース量を変更する事が可能です。
これをオンプレミスにしてしまうと、もう調整不可能です。
このようなリソース量の調整に関しては、当然、システム統合における計画段階で、ちゃんと計算すると思いますが、精査すればする程、凄く時間が掛かります。
しかし、統合システムをクラウド環境に移行するのであれば、本番カットオーバー後も自由に調整出来るので、リソース量の精査に、それほど時間を掛ける必要が無くなります。
この点に関して、クラウドが非常に有利になります。
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上記以外のケースで、カットオーバー時間が短縮出来る事例としては、クラウド業者が提供するシステムを利用する事で、移行時間を短縮出来ると言う事例もあるようです。
このケースは、「SaaS(Software as a Service)」と言うサービスを利用し、クラウド業者が提供するシステムを、社内標準システムにするケースです。
確かに、既に存在しているシステムを利用する訳ですから、システムを改修、あるいは再開発する時間が不要になるので、移行時間を大幅に短縮する事は可能だと思います。
しかし・・・これまで、自社の専用システムを使ってきた企業が、業者が提供するサービスを使用出来るとは思えません。
特に日本の企業は、パッケージ・ソフトウェアを購入しても、絶対にカスタマイズして、結局は、自社専用システムにしてしまいますので、業務システムとして「SaaS」を使用するのは無理だと思います。
恐らく「SaaS」サービスを利用する場合でも、業者のシステムに対して大幅なカスタマイズを施す事になるので、移行工数は、クラウドを使わないケースとおなじになってしまうと思います。
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■クラウド化を妨げる要因
これまで、クラウド利用のメリットを紹介して来ました。
しかし、社内システムをクラウドに移行した企業は、実際の数は不明ですが、世間で騒がれている割には、かなり少ないようです。
クラウド移行を妨げている要因は、企業により個別な事情があるとは思いますが、大きくは、次のような項目があるようです。
・セキュリティー・リスク
・運用の継続性
・業者の姿勢
・システム改修
・業者の継続性・切り替え
・内部統制
・パフォーマンス
・トラブル対応
その他にも、細かな点を挙げればキリがありませんが、社内システムのクラウド移行を妨げている要因に関して、代表的な項目をいくつか紹介します。
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●セキュリティー・リスク
クラウド化を妨げる一番の要因は、やはりセキュリティー・リスクのようです。
既にクラウドに移行した企業は、「セキュリティー・リスクは、当初、心配したほどでは無かった。」と口々に言っていますが・・・他の企業にすれば、「それは、それ」と言う感じだと思います。
システム管理上は、厳重に管理されていえも、例えば、クラウド事業者のメンテナンス社員が、悪意を持った行動を取れば、情報は、簡単に持ち出されてしまう可能性もゼロではありません。
もちろん、クラウドに移行していない企業が感じるセキュリティー・リスクは、漠然とした不安だとは思います。
しかし、その漠然とした不安にも理由があります。例えば、次のような理由が考えられます。
・セキュリティーの安全性に関して客観的な証拠が無い
・セキュリティー管理が、全て業者任せになってしまう
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●業者の姿勢
次に多いのが、クラウドサービス提供業者とSierの姿勢が挙げられているようです。
何が問題なのかと言うと、クラウド化を検討している企業が、該当業者に相談すると、希望したサービスではなく、業者自体の利益が上がるような提案をされた事例が多く見られたそうです。
具体的な事例としては、SaaS型サービスを希望していたのに、提案されたのは、自社が保有するデータセンターを利用するIaaS型のサービスを提案された事例が多いようです。
サービス提供業者は、自社の利益が欲しいので、顧客のメリットを優先せず、顧客がクラウドの仕組みに熟知していない事をいいことに、自社のメリットが多いようになる提案するするようです。
また、上記以外、業者に関係する不安としては、次のような理由を挙げています。
・料金体系が不明確/不明瞭
・一旦、ある業者にクラウド化を依頼すると、その後、業者を切り替えられない
・業者の事業継続性
要は、サービス提供業者の姿勢に疑問/不安を感じて、クラウド化に躊躇しているケースも多いようです。
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●システム改修が不可能
次は、単純に、既存システムの改修が無理なケースがあるようです。
やはり、バリバリにカスタマイズを掛けていたり、一から自社システムを開発したりした企業は、クラウド環境に用意してあるシステムに移行するのは難しいのだと思います。
このような場合、既存システムを破棄して、また、最初からシステムを作り直す、いわゆる「スクラッチ & ビルド」方式を取るのですが、これさえ出来ない企業が多いのだと思います。
理由としては、例えば、次のような事例が報告されています。
・システム関連ドキュメント(仕様書/設計初)が存在しない
・開発した技術者が退職してしまった
・システムがメインフレームで作成されており対応できない、等
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●内部統制
さらには、内部統制の問題も挙がっています。
ISOやISMSの認証を取っている企業は、クラウドに移行する際に、認証が得られないケースがあるようです。
・ISO(International Organization for Standardization):国際標準化機構
・ISMS(Information Security Management System):情報セキュリティ・マネジメント・システム
このような認証を取っていると、年間数回の審査や、数年に1回の認証更新があります。
社内システムをクラウド化すると言う事は、単純ケースの場合、データもクラウド業者の環境に移行する訳ですから、ISO/ISMSの認証を取得するのは難しくなってしまいます。
このため、認証を維持する場合、次のような特殊な対応を取る事になります。
・重要データだけはクラウド環境に移行しない
・重要データは分割管理して、単独データだけでは意味をなさないデータにする
・重要データは暗号化してサーバーで管理し、使用時に複合する。
このような対応を取れば認証は継続出来るかもしれませんが、余計な費用が掛かりますし、対応の仕方によってはパフォーマンスが低下する可能性があります。
何れにしても面倒です。
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●クラウドと社内システムとの連携
最後は、システム連携が出来なくなってしまうケースがあるようです。
ある業務システムだけをクラウド化した場合、このクラウド環境の業務システムと、従来通り、オンプレミス環境で稼働している業務システムを連携するケースは、珍しくないと思います。
例えば、クラウドとオンプレミスのシステム間で、プログラム同士で処理を連携したり、あるいは利用者が、シングル・サインオンでログインして作業を行ったりするケースがあります。
プログラム間の処理は、インターフェイスを修正すれば対応出来ると思いますが、シングル・サインオンは、まず無理だと思います。
そうなると、これまで1回ログインすれば、全システムを利用する事ができた社員が、オンプレミスとクラウドとで、別々にログインしなければならなくなり、結局の所、仕事が出来なくなってしまいます。
このシングル・サインオンの問題は、あまり表面化していないようですが、Webシステムを有する企業では注意が必要になるかと思います。
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■脱クラウドの動き
ここまで、クラウド化のメリットや、クラウド化を阻害する要因を紹介し、出来る限り、社内システムをクラウド化する方向で話を進めて来ました。
しかし、世間の流れは、ちょっと変わり目を迎えつつあるようです。2016年後半辺りから、アメリカにおいて、「脱クラウド」の動きが活発化し出しています。
アメリカでは、当然、日本よりも早く「クラウド化」の動きが進んでおり、多くの企業が、オンプレミスの社内システムをクラウドに移行して運用していました。
このため、現在では、クラウドへの習熟度合い高く、クラウドのメリット/デメリットが、より明確、かつ具体的になっています。
アメリカでも、当初は、「猫も杓子もクラウド」状態だったようですが、やはり、クラウドに移行した一部企業では、次の要因により、クラウドを止めてオンプレミスに戻す企業が増えているようです。(数字は米CompTIA社の調査数字)
・セキュリティー(58%)
・コスト削減未達(30%)
・統合の失敗(24%)
・信頼性への問題(22%)
やはり、クラウドに関しては、セキュリティーがネックになっているようです。
このクラウドからオンプレミスに戻す現象を、「ブーメラン現象」と呼んでいるようですが、アメリカでは、また「オンプレミス VS.クラウド」論争が再燃しているようです。
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加えて、業務システムへの「AI(Artificial Intelligence)」の組み込みも、「脱クラウド」を後押ししているようです。
下記の過去ブログでも紹介しましたが、「AI」を活用する場合、膨大なデータをサーバーに蓄積し、プログラムが迅速にデータを解析して、その結果を利用者にフィードバックする必要があります。
★過去ブログ:Society 5.0って何 ?
ところが、サーバーがクラウド上にあると、解析結果を利用者に返す時のパフォーマンスが、ネットワークの速度に依存してしまうので、折角、プログラムが迅速に解析を行っても、処理結果を得るのが遅くなってしまう可能性があります。
また、「AI」のために集めた膨大なデータは、企業にとって、貴重な財産です。
この貴重な財産をクラウドに預けるとなると、また、例のごとく、「セキュリティー・リスク」が問題になって来ます。
つまり、前述の通り、次の2点がネックになるので、これならば、クラウドを止めてオンプレミスに、となってしまうのは当然の流れなのかもしれません。
・AIにとって重要なレスポンスがネットワークに依存してしまう。
・AIのための貴重なデータにセキュリティー上の心配がある。
また、これも先の過去ブログで紹介していますが、「IoT」で集めたデータも、「AI」に引き渡すケースが増えていますので、「IoT」に取り組む企業も、「脱クラウド」となる可能性もあります。
今後、企業の業務システムに「IoT」や「AI」が組み込まれるようになっていくと、「脱クラウド」が進む可能性があると思います。
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今回、「クラウドサービス」に関して、次のような内容を紹介しましたが、如何でしたか ?
●コスト削減手段としてのクラウド
●本番カットオーバーまでの時間短縮としてのクラウド
●クラウド化を妨げる要因
●脱クラウドの動き
最初の方では、業務システムのクラウド化を勧めておきながら、最後に「脱クラウド」と、正反対の内容を紹介することになってしまいました。
これは、前でも触れましたが、「オンプレミス VS.クラウド」論争そのもので、今、IT業界を騒がしている問題です。
しかし、私は、この論争に決着が付くとは思っていません。
世界中、全ての企業が同一の条件で業務システムを動かしているならば、「オンプレミスか ?、それともクラウドか ?」と言う論争は、検討すべき重要な問題なのかもしれません。
しかし、業務システムは、全ての企業が、異なる環境で、独自の運用を行っています。
また、企業内においても、部門毎に、業務システムの運用環境や運用方法が異なるケースも多々見受けられます。
このように多種多様な業務システムに関して、「さあ、どっちだ!」と言う事自体、ナンセンスだと思います。
『 この業務はクラウド化し、こっちはオンプレミス 』と言うのが正しいような気がします。
そして、その上で、次のような内容を検討した方が良いと思います。
・じゃあ、システム連携は、どうする ?
・別々に分けてもコストが削減できるのか ? 等
全ての業務を、クラウド or オンプレミスのどちらかで統一して運用出来れば、それが一番良いとは思いますが・・・なかなか難しいものがあると思います。
今、「クラウドが良い !」とか、「いやいや、やっぱりオンプレミスだ !」等と騒いでいるのは、AGFA(※)とSierが、自社のサービスや製品を売りたいがために、クラウド導入企業を、成功事例や失敗事例として巻き込んで騒いているだけの様な感じもします。
今後も、「オンプレミス VS.クラウド」論争は続くと思いますが、AGFA/Sierに振り回されないよう、ちゃんと自社の立場を明確にした上で、業務システムの効率化や費用対効果の向上を目指して下さい。
それでは、次回も宜しくお願いします。
以上
※AGFA:米4大IT企業。Apple、Google、Facebook、およびAmazonの4社の頭文字。
【画像・情報提供先】
・Wikipedia(http://ja.wikipedia.org/)
・PC Watch(https://pc.watch.impress.co.jp/)
・ボクシルマガジン(https://boxil.jp/mag/)
・TechTargetジャパン(http://techtarget.itmedia.co.jp/)