Fall Creators Update 〜 今度は何が・・・


平成29年10月17日、Microsoft社は、通算4度目となるメジャー・アップデート『 Fall Creators Update 』の一般提供を開始すると発表しました。

弊社ブログでも、これまでメジャー・アップデートが行われるたびに、下記のように、その内容を紹介して来ました。

まあ、前回の「Creators Update」に関しては、余りにも内容が乏しいので、軽く触れる程度の紹介でしたが・・・

・「November Update」 : その後のWindows10 ? 世の中はどうなってるの ?( 20160409.html)
・「Anniversary Update」 : Windows 10 Anniversary Update ? 見えてきたMicrosoftの本性(20161008.html)
・「Creators Update」 : 秒読みを迎える「Windows 10」への移行 〜 貴方の会社は大丈夫 ?( 20170408.html)


今回は、少し記事掲載が遅くなってしまいましたが、『 Fall Creators Update 』の内容や、現状の障害状況なども、合わせて紹介したいと思います。

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ところで、『 自分のPCには、一体、どこまでWindows Updateが適用されているの ? 』と疑問に思う方も居ると思います。

Windows 10」では、OSの情報を、「Version(バージョン)」と「Build(ビルド)」と言う情報で管理しています。

これは、「Windows 10」以前のOSでは、「SP(Service Pack)」と呼ばれる名称で管理されていた情報と同じ様なものになります。

また、「Windows 10」になってからは、前述の「Windows Update」の適用方法や管理方法が、従来よりも複雑になり、私も、訳が解らない状況になってしまっています。

そこで、今回は、『 Fall Creators Update 』の提供機能の紹介の前に、このバージョンやビルド、それに、新たに発表されたMicrosoft社の「Windows Update」の考え方も紹介したいと思います。


と言うことで、今回は、次の情報をお伝えします。

●バージョンとビルドについて
Windows Updateの考え方
●Fall Creators Updateの提供機能
●Fall Creators Update適用後の障害

それでは今回も宜しくお願いします。

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■バージョンとビルドについて


最初に、自分のPCのバージョンとビルドの調べ方ですが、次の2通りの方法で調べられます。

・検索欄に「winver」と入力して表示する。
・「設定」→「システム」→「バージョン情報」と入力して表示する。

左記の画像は、上記「winver」コマンドで表示させたWindowsのバージョン情報になります。画像中の赤枠内に、次のような情報が表示されます。

【 バージョン 1703 (OSビルド 15063.674) 】

この情報では、見ても解る通り、バージョンが「1703」で、ビルドは「15063.674」となります。とは言っても、この情報だけを見ても、何がなんだか解らないと思います。

まずバージョンに関して説明しますと、現在では、該当バージョンのOSの完成した年月であり、「西暦下2桁+月2桁」を表していると言われています。

Windows 10」に関しては、前述の通り、これまでに3回のメジャー・アップデートが提供されており、それぞれのバージョンは、下記の通りです。

回数 名称 公開時期 バージョン ビルド
0 初回リリース 2015年07月 10.0.10240 10240
1 November Update 2015年11月 1511 10568
2 Anniversary Update 2016年08月 1607 14393
3 Creators Update 2017年04月 1703 15063
4 Fall Creators Update 2017年10月 1709 16299

こうして見ると、バージョンの完成月と公開月が一致しているのは、第1回目のメジャー・アップデート「November Update」だけで、それ以降は、製品が完成してから、1か月後に公開(リリース)しているようです。


そして、次に「ビルド」に関してですが、これは・・・パッケージ・ソフトウェアの開発に携わった経験が無いと、理解し難いと思います。

開発に使用する言語にもよりますが、パッケージ・ソフトウェアの開発者は、新機能追加、あるいはバグ修正のために、毎日、ソースコードを更新しています。

そして、ある決まったタイミングにおいて、開発に関わる全ての人が、ソースコードの更新を止めて、ソースコードからインストール可能な状態を作成し、動作確認のための試験を行います。






その後、システムのバグが無くなった時点で、新しいバージョン番号を割り振って、ソフトウェアを販売したり、公開したりします。

この時の、ソースコードのフィックスを行うタイミングを「ビルド」と言い、Microsoft社の場合、上記の「ビルド番号」は、ビルドを行った回数を示していると言われています。

そして、Microsoft社の場合、私のPCのビルド番号は、前述の図の通り、「15063.674」となっていますが、整数部分と小数点部分で構成されており、それぞれ、次のような意味を持つと言われています。

・整数部分 :ビルド回数。ビルド1回に付き、番号が「1」ずつ加算されていく。1日1回。リリースされると固定される。

・小数点部分 :1日の範囲内でビルドされた回数。リリース後は、「Windows Update」で累積更新プログラムやセキュリティ更新を行うと、小数点部分が変更されていく。

このため、私のビルド番号を、上記説明の通りに解釈すると、次のような意味を持つ事になります。

Windows 10がリリースされてから、15,063回ビルドされたOSである。該当バージョンのリリース後、674回、更新されている。 』



また、余談ですが、ソース・フィックス後の動作確認試験は、「Canary(カナリア)」と呼ばれています。

評価試験では、作成したプログラムのバグ(障害)の有無を確認します。

これは、その昔、鉱夫が鉱山に入る時に、有毒ガスの有無を確認するために、カナリアを持って行った事に由来すると言われています。

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Windows Updateの考え方

過去ブログでも、何度か紹介していますが、「Windows 10」がリリースされた当初、「Windows Update」の適用プロセスは、年3回、4ヶ月毎に実施する「Current Branch(CB)」と、その後、2ヶ月単位で実施する「Ring」を4回繰り返す「Current Branch for Business(CBB)」で提供すると公表していました。

★過去ブログ:Microsoft FEST2015 − 相変わらずのマイクロソフト(20151107.html)





ところが、年3回、「CB」と呼んでいたメジャー・アップデートを開始すると、ことごとく障害が多発し、その障害対応に追われる事態となってしまいました。

事実、これまで行った過去2回のメジャー・アップデート「November Update(1511)」と「Anniversary Update(1607)」は、惨憺たる状況で、2度めの「Anniversary Update」をリリースした時には、まだ前回の「November Update」に関する一部障害が、解決出来ていない状態だったような感じがします。

このため、世間でも、メジャー・アップデートは直ぐに行わない方が良いと言う認識が拡がり、余程の事がない限り、メジャー・アップデート公開後、3〜4ヶ月は、誰も「Windows Update」を行わないと言うのが常識となってしまっていました。

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そこで、Microsoft社は、2017年4月の「Creators Update(1703)」のリリース発表会の時に、今後、メジャー・アップデートは年2回、3月と9月に行う事を発表しました。

Microsoft社は、年3回のメジャー・アップデートのリリースに自信が無くなった様で、リリース回数を減らす事で、信頼性の向上に努めるようにしたように思われますが、これは、懸命な判断だと思います。

バグばっかりのバージョンを、当初の予定にこだわって、何度もリリースすることで、実際に困るのは、私達、末端の利用者です。

メンツへのこだわりを捨て、信頼性の高いバージョンを、今後もリリースして欲しいものです。

ところで、この「Windows Update」の適用タイミングの変更に伴い、当初「CB」、「CBB」、そして「LSTB(Long Term Service Branch)」と呼ばれてきた「Windows Update」適用タイミングも変更になった様です。

これら「Windows Update」適用タイミングは、前述の図の通りですが、今後は、「Channel(チャンネル)」と言う呼び方を使うようになるみたいです。これを、これまでと今後の適用タイミングをと比較すると、次の表のようなイメージになります。

過去の呼び方 「Creators Update(1703)」後の名称
CB(Current Branch)年3回/4ヶ月毎 Semi-Annual Channel(Targeted)3月/9月の半期毎適用/18ヶ月間サポート
CBB(Current Branch for Business)/CBリリース後/4ヶ月後 Semi-Annual Channel/Targetedリリース後/約4ヶ月後/14か月間サポート
LSTB(Long Term Service Branch)/適用無し/再インストール (LTSC)Long Term Servicing Channel/適用無し/再インストール

こうして見てみると、特に大きな変更は無く、単に、メジャー・アップデートが年2回になり、呼び名が変わっただけの様です。

ちなみみ、「Annual(アニュアル) = 毎年」で、「Semi(セミ) = 半分」と言う意味になります。

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また、上記「Windows Update」の適用タイミングの名称変更に伴い、Officeに関しても、適用タイミングの名称、および適用タイミングが変更された様です。

過去の呼び方 今後の名称
Office Insider(Fast/Slow)/Microsoft Insider Program Office Insider(Fast/Slow)/Microsoft Insider Program
Current Channel(現状チャネル) Monthly Channel(月次チャネル)
First Release for Deferred Channel(最初の段階的提供チャネル) Semi-Annual Channel(Targeted)(半期チャネル(ターゲット)/3月/9月の年2回
Deferred Channel(段階的提供チャネル) Semi-Annual Channel(半期チャネル)/Targetedリリース後/翌年1月と7月にリリース

それと、この発表後、一部、日本人のITライター(S.S氏)が、メジャー・アップデートの事を「Future Update」と呼んでいるようですが、これは、当人が、Microsoft社のリリース・コメント中にある「将来適用する更新処理」の事を、勝手に「Future Update」と呼んでいるだけのようです。

現在、その他のITライターを含め、誰も、この呼び名に関しては、相手にしていないようですので、変な名称に惑わされないようにして下さい。(※「Future Update」と言うような名称の「Windows Update」は存在しません。)

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■Fall Creators Updateの提供機能


それでは、いよいよ「Fall Creators Update(FCU)」の内容を紹介したいと思います。

今回は、開発コード「Redstone 3(RS3)」と呼ばれるバージョンのリリースとなるのですが・・・リリース当初は、実装予定機能が、全て実装されていた訳では無かった様です。

Microsoft社は、前述の通り、年2回のメジャー・アップデートの実施を優先していますが、機能の提供が、このメジャー・アップデートに間に合わないケースもあったそうです。

そして、この「リリースが間に合わない機能」に関しては、次回のメジャー・アップデートまでの間に、逐次実装する事になった様です。

前章で、メジャー・アップデートを年3回から2回に減少する事で、信頼性の向上を図るのではないか、と記載しましたが、それ以前に、開発スピード自体も、年2回のスケジュールにも間に合わない様になっているような感じがします。

このため、Microsoft社は、「メジャー・アップデート」と豪語していますが、その実、適用タイミングが統一されていないので、どの機能が、何時実装されるのか、全く解らない状況になってしまっています。

ある日、朝、会社に出社してPCを起動したら、知らない内に、新しい機能が実装されていたり、操作方法や画面が昨日と違っていたり、と言う、とんでもない事が起きている様です。

それにも関わらず、Microsoft社では、既に、次期メジャー・アップデートとなる「RS4」の提供準備を行っていると言う情報もあり、これからも、ますます混沌とする状況が続くのではないかと思われます。

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という事で、何が変わるのか、と言う事ですが・・・何か、今回も、大した機能は提供されていないと言う情報が伝わって来ています。

前回の「Creators Update(RS2)」でも、それほど大きな変更は加えれてなかったので、今回は?! と思ったのですが・・・期待外れのようです。今回の新機能は、次のような機能となります。

カテゴリー 内容
ユーザーインターフェース ・Fluent(フルーエント) Designの採用(スタートメニュー、電卓アプリ等)
ストレージ ・OneDriveのファイルのオンデマンド
・ストレージセンス
スマートフォン等との連携 スマートフォンとの連携機能
・MR(複合現実)対応
・タスク・マネージャーでのGPU負荷機能表示
グラフィック関連 ・フォトアプリの「ストーリーリミックス」
・ペイント3Dの利用を推奨(ペイントの廃止)
コミュニケーション ・My People(連絡先をタスクバーに)
ブラウザー Google Chromeからの移行に対応
EPUBコンテンツでのCortana検索や手書きメモ
・お気に入りのURL編集が楽に
・タスクバーにサイトをピン留め可能に
・PDFの注釈機能
セキュリティ ・コントロールされたフォルダーアクセス
Windows DefenderのExploit Protection
その他 ・バッテリーモード変更
・新フォント追加
コマンドプロンプトのフルカラー対応
・設定]の強化

こうしても一覧表でみると、何とも「ショボい」内容になっていることが一目瞭然です。

当初は、パソコンの状態を過去の任意の時点に戻せる「Timeline」や、クリップボードにコピーした内容をクラウド経由で共有できる「Cloud Clipboard」といった機能の搭載も予定されていた様ですが、最終的には次期バージョンへと搭載が見送られてしまった様です。

一部、例の如く「Microsoft御用達ライター」の人たちは、今回の「FCU(RS3)」に関して、

『 将に、大型アップデートと呼ぶにふさわしい内容になっている。 』

等と語っていますが、それ以外、普通のライターの人たちは、ほとんどが物足りない内容で、「メジャー」ではなく「マイナー」ではないかと疑問を呈しています。

Microsoft御用達ライター」は、セキュリティの強化を特筆すべき内容と言っていますが・・・これって常識的な内容ですよね ?!

と言うか、逆に、メジャー・アップデートまで適用を待つほうが異常で、セキュリティを強化したのであれば、直ぐにでも提供するのが「人間としての常識」、お金を支払って使っている利用者に対する最低限の対応だと思います。

特に、今回、上記の表には記載していませんが、2017年5月に、全世界を震撼させた「WannaCry」と言うランサムウェアが使用した「SMB V1」を「デフォルト無効」にした点を評価していますが・・・これも「将に、常識と呼ぶべき内容」ではないでしょうか ?

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「SMB(Server Message Block)」と言うのは、LANを通じてファイル共有やプリンター共有などの実現にために使用されている通信方法になります。

「ファイル共有プロトコル」とも呼ばれており、要は、ネットワーク経由で、PC間で、ファイルやプリンター等を共有する機能を実現するための決まり、規約(プロトコル)になります。

また、別名「CIFS(Common Internet File System)」とも呼ばれ、「SMB」と「CIFS」が混同されてしまっています。

「ファイル共有」のための仕組みは、元々は、1980年代初頭に、IBM社が開発した仕組みが起源となっており、この頃から「SMB」と呼ばれていました。

その後、1990年代中頃から、Microsoft社が、この「SMB」に様々な機能を付け加え、その名称を「CIFS」と呼ぶようにしたのですが、2000年に、「CIFS」の呼び方を、また「SMB」に戻したので、「ファイル共有機能」の呼び方が、混同する事になってしまった様です。


そして、現在でも「SMB」に対する開発は続行しており、現在の最新バージョンは、「SMB 3.0(バージョン3)」をなっています。

今回の、この「SMB」の「バージョン 1.0」に対して、該当機能を使用しない措置が取られたのですが・・・正直、遅すぎると思います。

そもそも、「SMB 1.0」は、前述の通り、1990年代に開発された手法なので、対象OSは、「Windows XP」、もしくは「Windows Vista」です。

最新の「Windows 10」には、「SMB 1.0」、「SMB 2.0」、「SMB2.1」、そして「SMB 3.0」がインストールされています。

そして、ファイル共有を行う時に、相手OSのバージョンに合わせて、どのバージョンの「SMB」を使用するのかを決定しています。

Windows XP」も「Windows Vista」も、既に延長サポートが停止されている状況ですから、「SMB 1.0」を有効にする必要など全くありません。

それにも関わらず、「SMB 1.0」を有効にし続けたために、去年5月の「ランサムウェア」の大流行を引越す事になってしまいました。

さらに、その後も、今回、「FCU」をリリースするまで、5ヶ月間も放置していた訳ですから、その常識を疑ってしまいます。

それにも関わらず、「Microsoft御用達ライター」は、『 SMBを無効化したのは賢明な判断と言える。 』等と、ほざいている訳ですから、この方達の神経も疑ってしまいます。

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話が、少し逸れてしまいましたが、簡単に機能を紹介します。

●「Fluent Design」の採用


この「Fluent Design」と言うのは、特に、何かをしてくれる機能ではなく、PCの画面やWebブラウザーでの表現の仕方、つまり、新しいデザインのコンセプト、あるいはデザインのガイドラインになります。

そして、そのガイドラインの名称を「Fluent Design」と言う呼び方にした、というだけの様です。ちなみに、Google社のデザイン・コンセプトは「Material Design(マテリアルデザイン)」と言う名称になっています。

今回、Microsoft社が提供を開始した「Fluent Design」は、2017年5月にシアトルで開催された「Bild 2017」」では、次の5個のコンセプトで構成していると説明しています。

→ Light(光)、Depth(奥行き)、Motion(動作)、Material(材質)、Scale(規模)

それで、「実際は、どうなの ?」と言うことですが、上の図の場合、「Acrylic(アクリル)」と言う機能で、背景が透けて見えるデザインを提供しています。

その他にも、Parallax(パララックス)、Reveal(リビール)、およびConnected Animation(連続アニメ)と言う機能を提供しているようですが、詳しい説明は割愛します。

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●ストレージ

今回、ストレージに関しては、ストレージ容量の確保のため、次の2つの機能を実装した様です。順番に、簡単にですが説明します。

・ストレージセンサー
・OneDriveのファイルのオンデマンド

【 ストレージセンサー 】


この機能は、「ゴミ箱」機能が、進化したような機能になります。

つまり、PCの空き領域が少なくなると、ゴミ箱や一時ファイル等、不要なファイルを自動的に削除して、空き領域を増やす機能になります。

まあ、私などは、毎週末、「CCleaner」と言うツールを使って、定期的に不要ファイルを削除していますので、正直、この機能は不要です。

しかし、普通一般の方は、定期的に不要ファイルの削除等は行っていないと思いますので、この機能は、便利な機能なのかもしれません。

【 ファイルのオンデマンド 】


この機能は、Microsoft社が提供する「OneDrive」を使っていない、私のような人間には、「無用の長物」となる機能です。

この機能も、PCのファイル容量の削減を目的にした機能で、オンデマンドを有効にすると、ファイル実体はクラウド(OneDrive)に保存しつつ、パソコン上には見かけ上のファイルだけを置くことで、ストレージ容量を節約する機能になります。

要は、ショートカットの様なイメージの機能なので、何となく便利な機能のように思われますが・・・当然の如く、PCがネットワークに接続できない環境では使えません。

このような時には、設定により常に、PCとOneDriveの同期を取ったり、PCにダウンロードしたりする機能もあるようですが、この場合、ストレージの削減の意味がありません。

こうなると、何のための機能なのか、理解不能です。

実際、この機能は、「Windows 8」で既に提供されていた機能なのですが、何故か、「Windows 10」になったとたんに削除され、また今回のバージョンで復活した機能です。

やはり、Microsoft社も、当初は「不要機能」と認識したのかもしれません。

ちなみに、私は、昔から「オンライン・ストレージ」は信用できないので使っていません。大事なデータを、外部、それも、恐らく海外に保存するなど、以ての外です。

自分で責任を持てない環境に、仕事で使う大事なデータを預けて、もしもファイルが破損したら、誰が、責任を持ってリカバリーしてくれるのでしょうか ?

普通の人が文句を言っても、Microsoft社は、絶対に相手にしてくれないと思います。

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スマートフォン等との連携

本来、このカテゴリーでの目玉機能は、「Timeline」と呼ばれている機能で、PCやスマホ上で行なった作業が時系列で記録され、デバイスをまたいでも、続きの操作がすぐに行なえるようになる機能です。

しかし、前述の通り、Microsoft社が、実装よりもスケジュールを優先したので、今回のリリースは見送られてしまったそうです。

と言う事で、今回は、何を実装したのかと言うと、次の2つだけになっているようです。順番に、簡単にですが説明します。

スマートフォンとの連携機能(Continue on PC)
・MR(Mixed Reality:複合現実)対応

【 Continue on PC 】

この機能は、スマホで見ているウェブのURLをPCへと転送する機能となります。

詳しく説明する必要も無いと思いますが、移動中にスマートフォンでWebサイトを閲覧している時に、スマートフォンの共有機能を使って閲覧情報をPCに転送すると、PC上で自動的にブラウザーが起動して、スマートフォンで見ていたページを、引き続き見ることができると言う機能です。

まあ、従来でも、スマホでメールを選択し、該当URLを送付する機能はありますが、それよりは便利になります。

但し、この機能は、あくまでも、「PCに一方的にURLを送る」機能となります。

また、起動していないPCにURLを送る際には、選択肢の下にある「Continue Later」を選ぶ事になるそうですが、この機能を使用すると、該当のURLは、スマホに登録された、全てのPCのアクションセンターに送られる様です。

こうなると、何か、使い難いような感じがします。

【 MR対応 】

「MR対応」と言っても、「Windows 10」においては、従来から、自社が販売している「Hololens」とは連携していますので、特に目新しい機能ではないと思います。

今回は、自社のハードウェアのみならず、サードパーティ製のデバイスとも、ようやく連携が取れるようになったみたいです。


「Hololens」の価格が、45万円程度と、とんでもない価格ですが、このAcer製は、5万円程度なので、普通の人なら、こちらを選ぶと思います。

また、今後も、MR関連のアプリや、VR(Virtual Reality)関連のアプリの増加が見込まれるので、「タスク・マネージャー」の表示内容にも、変更が加えられた様です。

従来、「タスク・マネージャー」のパフォーマンス測定では、下記のパフォーマンスが表示されていました。

→ CPU、メモリ、ディスク、イーサーネット、Bluetooth

そこに、今回、「GPU(Graphics Processing Unit)」のパフォーマンスが追加された様です。

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●グラフィック関連

前述の「MR」関連機能と共に、Microsoft社が力を入れているのが「フォト」関連機能の様です。

以前のメジャー・アップデート「Creators Update」でも、「3D対応」が取り入れられていますが、今回も、次のような機能を追加しています。

・フォトアプリの「Story Remix」
・ペイント3Dの利用を推奨(ペイントの廃止)

と言いつつ、上記にもあります通り、「Windows OS」には欠かせない、「ペイント」を廃止すると言う、とんでもない暴挙に打って出ました。

この「ペイント」は、一時期「ペイントブラシ」と名称を変えた時期もありましたが、1985年の「Windows 1.0」リリース当初から、30年以上に渡り標準アプリとしてインストールされてきた、歴史あるアプリです。

私も、ホームページ作成や設計書作成で愛用していますが・・・今回の「FCU」において、「非推奨アプリ」となってしまいました。

「非推奨アプリ(Deprecated)」とは、今後は、積極的な開発は行わず、いずれは廃止される可能性のあるソフトウェアと言う位置付けになります。

ところが、この発表を受け、世界各地で抗議の嵐が巻き起こり、それを受け、Microsoft社は、急遽、2017年7月15日、ゼネラル・マネジャーの「メーガン・ソーンダース(Megan Saunders)」氏がブログを更新し、下記の声明を発表しました。

『 私たちは、ペイントに対する信じられないほどの支持と愛着を目にしました。誤解を正し、良いニュースをシェアするため、今後もペイントは廃止されず、ウィンドウズ・ストアから無料で入手できる事をお知らせします。 』

これで、私も一安心です。まったく、人騒がせな連中です。

【 Story Remix 】

この機能は、パソコン上の動画や写真などを組み合わせ、ショートムービーを自動的に作成する機能です。

別途、動画編集アプリなどを使わなくても凝った効果を使った動画を作成できるそうです。

しかし、当初は、この機能には、3Dオブジェクトを動画に自然に重ねる機能も搭載予定だったそうですが、この機能の実装は見送られた様です。


【 ペイント3D 】

この機能は、前述の通り、これまで「ペイント」で提供してきた「2D」による画像編集機能の標準提供を廃止し、前回の「Creators Update」で提供を開始した「ペイント3D」に、画像編集機能を統一する内容になっています。

「ペイント3D」とは、3Dオブジェクトを共有できるサービス「Remix 3D」などから、3Dオブジェクトを簡単にダウンロードして、静止画などと組み合わせて編集できるツールになっています。

今後は、「2D」も、この「ペイント3D」を使って編集する事になりそうですが・・・私は、「3D」など取り扱わないので、「ペイント」で充分です。

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●コミュニケーション

今回、「My People」と言う機能が実装されました。


この機能は、元々は、前回の「Creators Update」での提供を予定していた機能だったようですが、ようやく今回、実装された機能です。

どんな機能なのかと言うと、当初、「Windows Phone」で提供されていた「People」と言うアドレス帳アプリがあったのですが、これが「Windows 10」に標準搭載されるようになった機能で、この「People」に登録した連絡先情報を、タスクバーに表示させる機能になります。

元々の「People」では、他のメール・アプリである「Outlook.com」、「Google」、そして「iCloud」と同期し、最新の連絡先情報を取得出来ました。

今回は、この「People」に登録した連絡先の中から、家族や友人、取引先、同僚等、よく連絡する人をタスクバーに、アイコンとして登録できるようになります。

このため、連絡を取りたい時に、わざわざメーラーを開かなくても、直ぐにメールが出せるようになりますし、Skypeやチャットも行えるようになるようです。

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ブラウザー


今回は、前述のグラフィック関連と同時に、「Microsoft Edge」に関しても、多くの機能が追加された様です。

とは言っても、私的には、それ程でも無いような感じがします、と言うか。ようやく「IE 11」並になった程度だと思います。

大きくは、次のような機能が新規追加、または機能強化が図られています。

Chromeからのお気に入りの移行対応 】
今まで出来なかったのが非常識、と言うと言い過ぎかもしれませんが、、ようやくChromeから「お気に入り」を移行出来るようになりました。

電子書籍EPUB」コンテンツへの手書きメモ対応 】
EPUB(Electronic PUBlication)」とは、国際電子出版フォーラムが策定した電子書籍規格の事で、「イーパブ」と呼ぶんだそうですが、前回「Creators Update」から、Edgeで閲覧出来るようになっています。今回の機能強化では、EPUB文書に、メモを書き込むことが出来るようになった様です。

【 お気に入りのURL編集の簡素化 】
信じられない事ですが、元々、Edgeでは「お気に入り」の編集が出来ませんでした。そこで、今回、ようやく普通のブラウザー並に、「お気に入り」の編集が出来るようになりました。そして、さらに、これは便利だと思いますが、「お気に入り」の一覧表で、登録してあるURLを簡単に編集できるようになりました。

【 Webサイトのタスクバーへのピン留め 】
閲覧したWebページを、タスクバーにピン留め出来るようにしたみたいです。ピン留めをクリックするとEdgeが起動してWebページが開くと言うことですが・・・お気に入りバーと何が違うのかと疑問に思ってしまいます。あと、スタート画面にもピン留めが出来るようですが、こちらも、わざわざスタート画面を開いてピン留めをクリックする人は居ないと思います。

【 PDFへの校正機能強化 】
この機能は、前述の電子書籍EPUB」対応と同じイメージです。Edgeで開いたPDF文書に、メモや注釈を記入し、PDF形式で保存まで出来る様です。また、目次があるPDFの場合、左側に目次のナビゲーションが表示されるので、Wordと同様、クリックすると、該当ページにジャンプする事も出来る様です。

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●セキュリティ

セキュリティの強化と言う点では、前述の「SMB V1.0」の廃止も、その一つですが、それ以外にもランサムウェア対策として、新たに「コントロールされたフォルダーアクセス」という機能も実装された様です。

【 コントロールされたフォルダーアクセス 】

この機能では、最初に、保護したいフォルダーを指定し、その後、指定したフォルダーに対して、アクセス出来るアプリを個別に指定する事になります。

アクセス可能なアプリとしては、Windowsストアアプリは、デフォルト(初期値)でアクセス可能となっているそうですが、それ以外、WordやExcelなどのMicrosoft製アプリや、エクスプローラーも、アクセス可能アプリとして登録しない限り、アクセス出来なくなってしまう様です。

ランサムウェアは、とにかく感染したPCがアクセス出来るファイルを、ことごとく暗号化するので、この機能は、確かに、ランサムウェアに対しては、有効な機能だと思いますが・・・ちょっとな〜と言う感じです。


単純に「ファイルとアプリ」の関連付けを登録すれば良いのかと言うと、何か、それだけではダメみたいです。

例えば、「Aファイル」に対して、アクセス可能アプリとして「Xアプリ」を登録します。

ところが、「Xアプリ」では、内部で「Yアプリ」を呼び出して「Aファイル」にアクセスする場合、この「Yアプリ」も登録しないとエラーになるケースもあるそうです。


「Xアプリ」に、「Yアプリ」の説明が記載されていれば何とかなりますが、普通は、このような説明はありません。

そうなると、この「コントロールされたフォルダーアクセス」と言う機能は、全く使い物になりません。

まあ、「痛し痒し」と言った所でしょうか ?

それ以外では、従来は、主に企業向けに提供してきた「EMET(Enhanced Migration Experience Toolkit)」と呼ばれていた「脆弱性緩和ツール」も、標準機能として提供された様です。

【 EMETの復活 】


「EMET」は、メモリ破損等、悪用可能なセキュリティ上の脆弱性攻撃を未然に防ぐ機能で、「ゼロデイ攻撃」に有効なツールとして、「Windows 7」、および「Windows 8x」では、標準提供されていた機能でした。

ところが、Microsoft社では、2016年11月、この「EMET」に関しては、OSと統合することが出来ないとして、開発の限界を理由に、突然、開発の中止を宣言しました。

しかし、今回、「Windows Defenderセキュリティセンター」内の「悪用保護 (Exploit Protection)」で、この「EMET」で提供していた機能が復活した様です。


今回は、次の次のようなチェックを行えるようですが、専門用語が多く、素人さんには理解不能だと思います。

・制御フローガード(CFG) :間接的な呼び出しの整合性をチェック
データ実行防止DEP) :データ専用メモリからのコード実行を防止
・必須ASLR :イメージのランダム化
ボトムアップASLR :仮想メモリの割り当て場所のランダム化
・SEHPOP :ディスパッチ中の例外チェーンの整合性保証
・ヒープの整合性検証 :ヒープ破損の検出によるプロセス終了

まあ、とにかく、これらのチェック機能は、デフォルトで「オン」になるので、「FUC」を適用する事で、特に何も意識する事無く、「Windows 7」時代と同様、セキュリティのチェックを行ってくれるようになります。

ん ?・・・と言う事は、「Windows 10」は、これまでは、「Windows 7」や「Windows 8x」よりも、セキュリティのレベルが低かったと言う事を意味します。


Microsoft御用達ライター」達は、今回の「FUC」で提供される機能をとらえて、次のような文章を並べ立てています。

『 これらセキュリティの強化こそが、Windows 10が、従来のOSよりも、標準でマルウェアに強いOSと言われる所以である。 』


しかし、冷静に考えてみて下さい。

今度の提供機能は、過去の情報と照らし合わせると、「セキュリティの強化」でも何でもなく、単に、セキュリティのレベルを、元の状態に戻しただけの話ですよね ?!

全く・・・さすがに「Microsoft御用達ライター」です。

物の言い方を変えるだけで、「元の状態に戻す事」を、言葉巧みに、「強化」と言い換える手口はさすがです !! まさに、プロの腕前だと思います。

それ以外にも、「Microsoft御用達ライター」の記事を読むと、「FUC」で提供された機能ではなく、元から提供されている機能に関しても、それとなく触れて、いかにも、数多くの機能が追加されたような印象を与えています。

新規提供機能が少ないので、元からある機能を記載して、記事の「かさ上げ」をしているような印象を受けてしまいます。

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●その他

その他にも、「小技」的に、次のような機能が提供されたようですが・・・本当に、「小技」と言うか、本当に必要なの ? と思ってしまう機能のような感じがします。

・新フォントの追加
・電源モード変更
・設定の強化
コマンドプロンプトのフルカラー対応
・「Windows Subsystem for Linux」が正式版


特に、フォントの追加などは、どうでも良いような感じがします。

Windows 10 」では、気持ちが悪い「游ゴシック体/游明朝体」が追加され、勝手にデフォルトのフォントになったり、これらのフォントが削除できなくなったりと、とんでも無い事をしでかしてくれていますが・・・簡単に、これらを紹介します。

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【 新フォントの追加 】


今回、「UDデジタル教科書体」と言うフォントが追加されたようですが・・・

元々は、「株式会社モリサワ」と言う企業が開発したフォントで、主に、教育関係、つまり文教業界で使われていた有償のフォントのようです

しかし、前述の「游ゴシック体/游明朝体」同様、「Windows 10」以外のPCでは使えない、新しいフォントを次々に追加して、どうするつもりなのでしょうか ?

わざわざ、フォントをインストールして使え、とでも言うのでしょうか ?

先の「游ゴシック体/游明朝体」も、「Mac OS」で使っているフォントを、Windows OSでも・・・と意気込んで導入したようですが、実際につかうと、レイアウトがズレて、全く使い物にならない様です。

私には、Microsoft社の意図が理解出来ません。

うがった見方をすれば、先ごろ、2017年5月に、教育機関向けに「Windows 10 S」を搭載した「Surface Laptop」の発売を開始しましたが・・・このPCを教育機関に売り込みたいがために、このフォントを搭載したのかもしれません。

【 電源モードの変更 】


これもヒドイ機能変更だと思います。

従来、電源モードのオプションには、「省電力」、「高パフォーマンス」、それと「バランス」と言う3種類のオプションがありました。

ところが、「FCU」を適用すると、「バランス」だけになってしまうそうです。


また、「FCU」適用時に、「高パフォーマンス」や「省電力」を設定していた場合、この設定を継続して利用出来るそうですが、一旦「バランス」を選択してしまうと、「高パフォーマンス」や「省電力」は非表示になり、もう二度と選択できなくなります。

そして、「バランス」を選択すると、通知領域の電源のメニューに「電源モード」のつまみ(スライダー)が表示されるそうです。

電源オプションを微調整出来る事を「売り」にしたいのかもしれませんが、かえって面倒臭いと思います。

Webサイトを見ると、「電源オプションが表示されない !!」と言うクレームが沢山出ている様です。

【 設定の強化 】






次は、「設定の強化」について紹介したいと思いますが、これは、単に、「コントロールパネル」の項目を、「設定」に移行しているだけのように思えます。

前回「Creators Update」の設定画面と、今回の「Fall Creators Update」の設定画面を比較したのが上図ですが、次の項目が、「設定」に追加されています。

・Cortana
・電話


コマンドプロンプトのフルカラー対応 】


Windowsの「コンソールホストプログラム」、俗に言う「コマンドプロンプト画面」を表示するプログラムも強化されています。

従来のカラースキームは、CRTディスプレイ向けに調整した画面なので、パレット付き同時16色カラー表示でした。

現在は、ほぼ全ての画面が、コントラストが強い液晶ディスプレイなので、青などの暗い色が特に読みづらくなっていました。

このため、多くのユーザーが、「コンソールの文字色が読みづらい」と変更をリクエストし続けて来たのが、ようやく改善された様です。

今回、ようやくフルカラー表示が可能になりま、この機能追加が、「20年越しの悲願達成」と騒がれているいるようですが・・・

コマンドプロンプト画面も、普通一般の人は、余り使わない機能です。私も、PCのカスタマイズや不具合調査の時くらいしか使いません。

こんな画面がフルカラー対応になって喜ぶのは、一部のマニアだけだと思います。


Windows Subsystem for Linux

前々回、2016年08月にリリースされた「Anniversary Update」で提供された「Windows Subsystem for Linux(WSL)」ですが、今回の「FCU」において、ようやく「β版」表記が外れて、正式版となった様です。

従来は、コンソール経由でLinux本体をダウンロードする形式だったのですが、Windowsストア経由でOSイメージが配布されるようになりました。

そして、さらに、「Ubuntu」以外のLinuxディストリビューションも利用可能になった様です。

この機能は、普通のPCとして、Windowsを使っている人には、全く関係の無い機能です。弊社のように、Windows OSを使ってWebシステムの開発などを行っている技術者には朗報です。

従来、WindowsでWebシステムの開発を行う場合、疑似Linux環境を構築してからPHP等を用いてコーディングを行って来ました。

私なども、「XAMPP」と言う無償ツールを導入して疑似LAMP環境を構築し、その中でWebシステムを開発していたので、「Windows Subsystem for Linux」が正式リリースされると、開発作業は楽になりそうな予感はします。

まだ、実際には使っていませんので・・・

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■Fall Creators Update適用後の障害

従来と同様、「Fall Creators Update(FCU)」を適用すると、かなりの数の障害が発生します。

本ブログを書いているのは2017年12月ですので、既に「FCU」がリリースされて2ヶ月以上経過していますが・・・まだ一部のドライバやアプリで不具合が発生し続けている様です。

「FCU」リリース当初は、次のような障害が報告されていた様です。

PhotoShopを使っている場合、再インストールが必要
●セキュリティ・ソフトウェアを停止しないと「Windows Update」が失敗する
ウイルスバスターをインストールしていると正常にアップデートできない
●FCU前の復元ポイントは削除される。アップデート前の復元ポイントに戻せない(仕様)
Intel X299チップセットとNVMe SSDの組み合わせの場合、ブルースクリーンエラーになる
VPN接続できない
●バッテリー駆動でスリープから復帰するとトラックパッド、キーボード、およびUSBが使えなくなる
●スタートメニューが作動しなくなる・破壊される
●ACアダプタやUSB給電を外した状態でタッチ操作が不能になる
●スリープ復帰時に画面が乱れ操作できなくなる
AMDビデオカード + 複数モニタ環境でブルースクリーン エラー発生
指紋認証によるシングルサインオンが出来なくなる
●動画再生コーデックのHEVC(High Efficiency Video Coding)が削除される
●バッテリー100%の状態でAC電源に接続していると「電源に接続、放電中」と表示される
●リフレッシュやリセットを行った後、顔認証対応IR(赤外線)カメラやWindows Helloが動作を停止する
●プライバシーが初期状態 (有効) に戻される
●複数のファイルをドラッグで選択すると、マウスカーソルが画面端まで飛ぶ
●日本語フォントが消えた、日本語フォントの表示がおかしい
MS-IME利用時、同じキーを押し続ける等していると、プログラムが強制終了する
●「KB4043961 (10月18日配信分)」 がインストールできない
Hyper-Vで旧仮想環境がインポートできない
●回線速度が超遅くなる


等など、軽く掲載すると、上記のような問題が発生していた(発生している ?)様です。

大した機能も提供されていませんので、何も、焦って「FCU」を適用する必要は無いと思います。

私は、次の「Red Stone4(RS4)」がリリースされるまで、今回の「Fall Creators Update(FCU)」、つまり「RS3」の適用は見送るつもりです、と言うか、このように大して欲しいと思う機能もないので、適用せずに使い続けるかもしれません。

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今回、「Fall Creators Update(FCU)」に関して、下記の話題を紹介しましたが、如何でしたか ?

●バージョンとビルドについて
Windows Updateの考え方
●Fall Creators Updateの提供機能
●Fall Creators Update適用後の障害

今回提供された機能は、本ブログで取り上げた以外にも、次のような機能もあります。

・視線制御 :視線入力デバイスを使った視線による制御
・Cortanaで使える付箋 :Cortanaを使いながら付箋を使うことが出来るようになった
・電卓アプリに為替が追加 :電卓アプリに為替機能が追加
・夜間モード提供 :ブルーライト削減
・ペンを探す :最後にペンを使った場所を記憶する
・入力機能強化 :タッチキーボーボ種類追加、IME強化、手書き入力方法改善
・ストア名称変更 :「Windowsストア」が、「Windowsストア」に改名、等

しかし・・・これまでにも記載していますが、大方の人達が既に言っているように、今回リリースされた「FCU」は、「メジャー・アップデート」と言うのは、『おこがましい』ような感じがします。

Microsoft御用達ライター」は、「機能追加」とか、「機能強化」とか騒いでいますが、良く考えれば、元々あった機能を復活させた機能も多く、いつも、メジャー・アップデートが発表された後に思う、「何だかな〜」と言う言葉を使わざるを得ない状況となってしまいます。

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ところで、メジャー・アップデート後の不具合と同様、問題になるのは、「ハードウェア」のサポート問題もあります。

余り誰も目を向けませんが、メジャー・アップデートを適用する事で、動作できないハードウェアも増えている様です。

実は、前回の「Creators Update(RS2)」の時にも、Intelの「Clover Trail世代」のAtomプロセッサを搭載したPCに、「RS2」が適用出来ない、と言う問題が発覚しています。

Microsoft社は、当初は「ダンマリ」を決め込んでいましたが、「RS2」リリース後の7月に、「今後は、Clover Trail世代のAtomプロセッサには、ソフトウェア修正を行わない。」と言う声明を発表しました。

「RS2」のリリースが、2017年4月ですから、それから3か月間も何も対応もせず放置していた訳ですから、その無神経ぶりを疑ってしまいます。

コードネーム「Clover Trail(クローバートレイル)」は、2012年9月に発売された、「Windows 8タブレット向けのプロセッサなので、確かに古いプロセッサですが、まだ「Windows 8」から「Windows 10」にグレードアップしたユーザーは沢山いると思います。

それにも関わらず、一方的に、サポートを停止するなど以ての外です。

案の定、この声明では、メジャー・アップデートでは対応しないものの、セキュリティのアップデートだけは、延長サポートが切れるまで提供する事を発表しています。

今後も、メジャー・アップデートの対象外になるデバイスが大量に発生すると思いますので、Microsoft社の動向は注視する必要があると思いますが・・・Microsoft社としては、「ウチの最新機能を使いたいならば、最新のハードウェアを使え !!」と言っているようにも見受けられます。

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と言うような、何だか「みすぼらしい」感じのメジャー・アップデートでしたが、Microsoft社では、既に、次の「RS4」に向けた準備が、着々と進んでいる様です。

今回の「FCU」は、最初に紹介した様に、ビルド番号が「16299」となっています。

しかし、2017年10月時点で、Canary向けのビルドは、既に「17015」となっているそうですので、「RS3」リリース後に、「700」以上のソースコードがフィックスされている事になります。

まあ、本来「RS3」での実装を予定していた機能が沢山ありますので、それほど、驚くことではないかもしれません。

次回のメジャー・アップデートは、2018年3月を予定していますので、まだ障害が発生している状況で、直ぐに「RS4」を適用してしまうと、「Windows 10」で仕事が出来なくなってしまうかもしれません。

今後のメジャー・アップデートの適用は、周回遅れ、つまり半年遅れの適用が望ましいのかもしれません。

それでは次回も宜しくお願いします。

以上


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