誰もが知ってる「宮沢 賢治」 - 今年は生誕・・・121年目


生前は、名前も、その作品も全く知られず、岩手の片隅でひっそりと暮らし、そして若くして病に倒れた「宮沢 賢治」。


現在は、この日本で、「雨ニモマケズ」と言うフレーズと共に、知らない人は居ないほど有名人になってしまいました。


分野は違いますが「ゴッホ」と言い、この「宮沢 賢治」と言い、もしも、行きている間に、自分の作品が有名になっていたら「果たして、どうなったのだろう ?」と思う人は沢山いると思いますが・・・あの作風を最後まで維持したのでしょうか ?


それとも、「パブロ・ピカソ」のように、年を経る毎に、大胆に作品を変化させていったのでしょうか ? ・・・とても気なる事では有ります。


さて、そんな「宮沢 賢治」ですが、彼は、ご存知の方も多いと思いますが、明治29年(1896年)8月27日(※別の説では8月1日)、岩手県花巻市鍛冶町で生まれていますので、去年が「生誕120年」と言うことになります。


このため、彼が生まれた「花巻市」を始め、岩手県内では、様々なイベントがあった様です。


「今更、何だよ !!」と言われるのは覚悟していますが、去年は、全く気が付きませんでした。済みません。


そんな事で、去年は、次のようなイベントが行われたり、記念品等が発売されたりしたようです。


・生誕120年記念切手発売
宮沢賢治童話全集の新装発売
・生誕120年記念オブジェ展示
KAGAYA氏のプラネタリウム銀河鉄道の夜」上映会
イーハトーブ・フェスティバル・・・・等


何か、「ここぞ!」とばかりに、普段は売れていない童話集を、ちょっとカバーを変えて売り出すような、商魂たくましい出版社が沢山あるようですが、まあ、「宮沢 賢治」に興味を抱いてもらえるのであれば、これも良い機会なのかもしれません。


宮沢賢治」の作品は、今でこそ、一見、ロマンチックで、ユーモアがある様に思えるかもしれませんが、しかし・・・実際は、その内容や真意を理解するのは非常に難しく、それ故に、生前は、全く売れなかったと評価されている部分もあります。


私も、何冊か「童話集」なる物を読んで見ましたが・・・全く理解出来ませんでした。


短編集は、比較的理解し易いのですが・・・それ以外は、大人が読んでも意味不明な部分が多く、「これじゃ、子供が読んでも分かんないだろう!」と、突っ込みたくなる内容ばかりだと思います。


映画で言うと、「2001年宇宙の旅」に似た感じがします。何回か読むと、ようやく、その意味を理解出来るような感じがする話ばかりです。「これが児童文学なの ?」と言う感じです。


「だから」なのかもしれませんが、彼の「世界観」を語る人が、なんと多い事か !! 沢山の大の大人が、「童話集」について、熱く語っているのには驚かせられます。


要は、「宮沢賢治」の作品は、「素人向け」ではなく「玄人好み」で、かつ内容が複雑なので、読む人により、様々な解釈できる小説が多いのだと思います。

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さて、去年は、そんな「賢治フリーク」には、たまらないイベントが数多く開催されたようですが、実は、現在でも、そのイベントと、ほぼ同じ内容が見られる場所があります。


つまり、「生誕120年」を記念して作成したオブジェや映画/プラネタリウムが、そのまま残している場所等があります。


そこで、今回は、「生誕121年目」として、去年のイベントの「残り物」を紹介したいと思います。


●童話村の森ライトアップ2017
プラネタリウム銀河鉄道の夜
花巻駅前「未来都市銀河地球鉄道」
ジョイフルトレイン「SL銀河」


まあ、プラネタリウム銀河鉄道の夜」や花巻駅前の「未来都市銀河地球鉄道」は、「生誕120年」のためのイベントではなく、かなり前から行われて来たイベントなのですが、今回「生誕120年」と言う事で再上映されたり、リニューアルされたりしたイベントになります。


さらに、「SL銀河」も「生誕120年」を記念して運行している訳ではなく、平成26年(2014年)から運行を開始した「ジョイフルトレイン」と呼ばれる鉄道車両になりますが、今回、「賢治つながり」で、一緒に紹介したいと思います。


それじゃ、「生誕120年」って一体・・・と言う事にもなりますが、「宮沢賢治」を再認識と言う事で、ご勘弁頂ければと思います。


それでは、今回も宜しくお願いします。

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■童話村の森ライトアップ2017


このイベントは、去年、最も注目されたイベントの様ですが、今年も、継続して開催されるようです。


このイベントが開催されるのは、「宮沢賢治童話村」と言う観光施設になります。


この「村(?)」は、元々は、平成8年(1996年)に「賢治生誕100年」を記念して建てられた施設です。


その後、平成13年(2001年)に、後述する「賢治の教室」が追加され、現在に至っているそうです。


この施設は、説明によると、「宮沢賢治」の世界観を表現した「楽習(がくしゅう)」施設で、次の7個の施設や場所から成り立っている、との事らしいです。


・銀河ステーション :施設入り口。
・天空の広場 :単なる広場、上記オブジェ等が展示されています。
・賢治の教室 :5個のログハウス毎にテーマを設けて各種展示を行っています。
・妖精の小径 :賢治作品に登場したオブジェを配置した道
・ふくろうの小径 :小高い丘に登る道。頂上から施設が一望できる様です。
山野草園 :池があり、雑草が生えているだけの場所みたいです。
・賢治の学校 :有料のメイン施設。ここもオブジェやジオラマの展示しているだけの様です。



という感じですが・・・何か、「1回見れば、もう満腹」みたいな施設のように感じられます。


参考までに、施設の地図を載せて置きます。


と言う事で、ライトアップですが・・・ここでライトアップを紹介してしまうと、この「村」の紹介は直ぐに終わってしまいます。


折角ですので、上記の施設を、もう少し具体的に紹介します。

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●銀河ステーション


ここが、前述の通り、施設入り口で、「何故、銀河ステーションと言う名前なの ?」と言うことですが、これは、名作(迷作 ?)と言われている「銀河鉄道の夜」を読んだ人なら解ると思います。

そうです・・・この物語の主人公「ジョバンニ」と、その友人「カムパネルラ」が、宇宙旅行に旅立つ出発点の駅名が「銀河ステーション」だからなのです。

入り口内部の壁には、この画像ではちょっと分かりにくいですが、宇宙に旅立つ子供の絵が描かれており、何か、わくわくするような雰囲気を醸し出していますが・・・その期待は、見事に打ち砕かれる事になります。


●妖精の小径


さて、「銀河ステーション」を通り抜けて、右側に進むと、この「妖精の小径」になります。

それで、「何が妖精なの ?」と言うことですが、この道の先に、「天空の広場」があるのですが、単に、広場に向かうまでの道に、「らしい」名前を付けただけなのだと思います。

道端にあるオブジェが、夜になると光るので、やはり、この施設には、夜に来た方が良いのかもしれません。


この道の入口には、童話集「注文の多い料理店」に収録された「月夜のでんしんばしら」をイメージしたオブジェも設置されているようです。

この童話は、割りと分かり易い内容なのですが、例の如く、賢治評論家の先生達は、私の大嫌いな「石川啄木」の短歌の影響を受けているとか、当時行われたシベリア出兵を批判した作品だ、とか言っている様です。


●天空の広場


そして、この「妖精の小径」を抜けると、「天空の広場」なのですが・・・ご覧の通り・・・単なる広場です。何もありません。

ただ現在では、本章の最初に掲載した「どんぐり」のオブジェが飾られていますが、先の小径同様、昼間は、見るものじゃありません。


●賢治の学校


前述の「天空の広場」の先には、この「村」におけるメインの施設「賢治の学校」があります。

メイン施設で、なおかつ入館料(一般350円)まで取るからには、さぞかし凄い物があるのかと思いきや・・・まあ、子供だましの内容です。

施設内は、「ファンタジックホール」、「宇宙」、「天空」、「大地」、「水」の5つをテーマにした部屋で構成され、それぞれのテーマ毎に、「賢治の世界」をイメージしたオブジェ等を展示しています。


そこで、「何が賢治の世界なのか ?」と言う事なのですが・・・正直、解りません。

最初の部屋「ファンタジックホール」でこそ、「宮沢賢治」の人柄や作品を紹介しているようですが、その後は、巨大な布製「ぬいぐるみ」や鏡張りの部屋、それと童話のジオラマが展示されているようです。

亡くなった「阿藤 快」氏ではありませんが、「なんだかな〜」みたいな感じです。


●賢治の教室


最後の見せ物は「賢治の教室」ですが、これも「なんだかな〜」的な内容みたいです。

「賢治の教室」は、右の画像のように、5個のログハウスの建物で構成されており、それぞれ「宮沢賢治」の童話に登場する「植物」、「動物(山猫、狐など)」、「星(さそり座、北斗七星など)」、「鳥(よだか、ふくろうなど)」、「石」に関する展示棟と、お土産を販売している「森の店っこや」が有ります。


各展示棟では、。動物園でもないのに、それぞれの動植物の生態などの説明と、どの作品の、どの場面で登場するのかを紹介しています。

・・・が、これだけです。

宮沢賢治」好きであれば楽しめるのかもしれませんが、それでも1回見れば、もう充分。二度目は無いと思います。

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後は、「何とか小径」のような、散歩道があるだけです。・・・と言う事で、ライトアップの紹介をしますが、こちらも、各種記事や噂の通り、綺麗はキレイなのですが、やはり1回で充分なイベントです。



本章の最初の画像が、「天空の広場」に設置された「どんぐり」のオブジェです。


昼の画像を見ると「興ざめ」していまいますが、こんな感じ担っています。


その他、「妖精の小径」の箇所の画像に映っているオブジェも、夜になると、こんなにも神秘的になります。



う〜ん・・・将に、これが狙いなのだと解っていますが、これだけ見ると「行ってみたい !」と思うかもしれません。


これらの作品群は、昼の画像を見ると解ると思いますが、ステンドグラスと、その中に設置した発光ダイオードで作成されているそうです。


そして、この作品の製作者は「ミラーボーラー」と言う日本のアート団体らしいです。

このオブジェ作品のように、ある特定の室内や屋外などにオブジェや装置を置き、依頼主の意向に沿って空間を構成し、場所や空間全体を作品として体験させる「インスタレーション」と呼ばれる現代美術の作品を作成/発表しているそうです。


この「童話村のライトアップ」以外にも、大阪の万博公園に作品を展示したり、以外にも、CDジャケットを作成したり、映画CMも作ったりと、様々な制作活動を行っているようです。


Facebook等でイベントの告知も行っているようですので、興味のある方は、近くで開催されるイベントに参加(?)した方が、この「童話村」に行くよりも簡単かもしれません。

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プラネタリウム銀河鉄道の夜


これは・・・最初に言って置きますが、実は、「宮沢賢治生誕120年」とは、全く関係の無いイベントです。


このプラネタリウム銀河鉄道の夜」と言うのは、2006年に、「KAGAYA」と言う日本人男性のイラストレーターが製作/公開した映像作品です。


つまり、2006年に初回公開した作品を、「宮沢賢治生誕120年」に合わせて再上映した、と言うのが正しい説明になるかと思います。



このイベントは、現在でも、日本各地のプラネタリウムで開催しているようです。


また、余りの人気にDVDまで製造して販売しているようです。商魂たくましいと言いますか、何と言いますか・・・


上映するプラネタリウムに関しては、「KAGAYAスタジオ」のホームページから検索できますので、そちらを参照して下さい。


ちなみに、東京の場合、下記「府中市郷土の森博物館」で上映されている様です。
URL:http://www.fuchu-cpf.or.jp/museum/



その他、北は北海道札幌市から、南は沖縄県、さらに海外(中国/ロシア)でも上映されている様です。


私など、古い人間は、「銀河鉄道の夜」、そして映像と言うキーワードを並べられると、どうしても「ネコ」の顔が浮かんでしまいます。


このアニメは、原作「ますむらひろし」氏で、監督「杉井ギサブロー」氏のコンビで、彼らは、同じく「宮沢賢治」作品となる、「グスコーブドリの伝記」の映画も作成しています。


どちらの作品も、悲しい内容ですが、私にとっては印象深かったです。


最後に、Youtubeに、プラネタリウム銀河鉄道の夜」の予告編映像が、(ちゃんと) 「KAGAYAスタジオ」から投稿されていましたので、そちらのURLを掲載して置きます。



プラネタリウム銀河鉄道の夜」の予告編 】


結構、幻想的で綺麗な映像でしたが、やはり本物のプラネタリウムで観た方が良いのではと思います。


ちなみに、海外、特に中国でもプラネタリウムで上映されている影響だと思いますが、中国語の字幕の付いた違法動画もアップロードされていました。

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花巻駅前「未来都市銀河地球鉄道」


前の二作品は、わざわざ花巻市に行かなくても、工夫を凝らせば、近場でも観る事が出来る作品ですが、このイベントは、花巻市に行かないと見ることが出来ない物です。


な〜んて、壮大な事を言っていますが、簡単に言ってしまうと、単なるペインティングです。


この場所は、JR東北線花巻駅から北に約350m、徒歩10分位の場所にある高さ約10m、横幅80mにもなる巨大なコンクリート擁壁(ようへき)となります。



元々は、1994年、花巻市が、駅周辺の再開発事業を行った際、土砂崩れ防止のために整備した巨大な擁壁がキャンバスになっています。


巨大なコンクリート擁壁が、余りに殺風景で、歩行者に圧迫感を与えてしまうと考えた末、横浜市の画家「山本長実(おさみ)」氏に依頼して描いてもらった作品となります。


この作品は、「山本長実」氏自身が考案した特殊塗料で描かれており、昼間は、右の画像の様に、かろうじて輪郭だけが見えています。



しかし、夜になり、ブラックライトと呼ばれている紫外線光を照射すると、このように幻想的な絵が浮かび上がる仕組みになっています。


現在、この絵を浮かび上がせるために25箇所からブラックライトを照射しており、12色で彩られた絵が浮かび上がるそうです。


「山本長実」氏は、1988年、ブラックライトで発行する特殊塗料を見つけ出し、色材を生かす研究を行うため、3年間もイタリアで過ごしたそうです。


また、「山本長実」氏によると、この作品のイメージは、「宮沢賢治の神秘的な宇宙観を再現し、未来へ力強く向かう機関車に市の発展を重ねました。」との事らしいですが・・・花巻市の発展は、まだまだの様です。



それと、この壁画は、前述の通り、1994年に作成され、当時は、このデザインが話題となり、旧建設省(現:国交省)の「都市景観百選」にも選出され、写真家やカップル等で賑わったそうです。


しかし、作成から22年も経過し、近年では塗料の剥がれ落ちが目立ってきたので、昨年、「賢治生誕120年」を記念して、大規模修復を行ったそうです。



ライトアップは、日没から22時まで行われています。


また、周囲は住宅街で、周辺道路は、結構、交通量が多いようなので、気を付けた方が良い、と言う注意書きが有りました。


写真や動画を撮る場合は、田舎だからと言っても、車は走っていますので、注意した方が良いかもしれません。



また、「どうしても東京で観たい」、と言う方のためには、右のような写真パネルが通信販売で売っているようです。


1個、税込み「4,410円」(送料不明)だそうですが、買う人っているのかな ? ・・・・


★販売サイト:有限会社イーハウェブ(http://www.i-hatov.com/)


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ジョイフルトレイン「SL銀河」


このイベントは、最初に紹介した通り、平成26年(2014年)から運行を開始した「ジョイフルトレイン」、つまり団体専用列車になります。


今年になって運行を開始し、豪華列車として騒がれた、JR東日本の「四季島」、そしてJR西日本の「瑞風」などは、周遊型臨時寝台列車「クルーズトレイン」と言う分類になるので、この「SL銀河」とは、かなり異なります。


同じ「ジョイフルトレイン」と言う定義の列車となると、バブル期の前後に数多く運行された「お座敷列車」や「展望列車」等、座席の位置を変えたり、展望車両付きのサロンや個室を備えたりした列車が、この類の列車になります。


しかし、バブル崩壊と共に、団体で列車を利用する機会が激減した事から、数多く作成された「ジョイフルトレイン」は、その殆どが引退や廃車となってしまった様です。



そして、この「SL銀河」も、ご多分に漏れず、一度は廃止された列車だったのですが、「東日本大震災」からの復興や、JR/自治体の大型キャンペーン向けの特別列車として運行されたのが復活のきっかけでした。


そもそもの始まりは、1989年(平成元年)、JR釜石線(花巻〜釜石間)は、何度も登場する「銀河鉄道の夜」の舞台であった事から、この路線を「銀河ドリームライン」と名付けた事から始まりました。


そして、この路線に、高崎路線区から借り受けた「D51」を走らせ、この列車を「SL銀河ドリーム号」と命名し、年間数日間だけ運行するようになりました。



このイベントは、「賢治人気」と「SL人気」の相乗効果、加えて、路線内「宮守〜柏木平」駅間にある「宮守川橋梁(通称:めがね橋)」の ライトアップ等、多彩な仕掛けで、鉄道ファンや家族連れで大盛況となりました。


しかし、鉄道ファンの素行の悪さや、家族連れのマナーの悪さから、周辺住民からの苦情が絶えず、JR/地方自治体は、なく泣く運行を終了する事になってしまいました。

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どうして「鉄道ファン」、今で言う「鉄オタ」は、礼儀とかマナーとか守らないのでしょうか ? 全ての「鉄オタ」が礼儀知らずとは思いませんが、他のオタクと比較すると、「礼儀知らず」が多いような気がしてしまいます。


まあ、コスプレのイベントで、盗撮で逮捕されるオタクもいるようですが・・・


これら礼儀知らずの「鉄オタ」は、「鉄オタ」の方々からも、「キチ鉄」や「クズ鉄」と非難され、「悪性ガン」のように、忌み嫌われている様です。


元々、「鉄オタ」内では、鉄道運行に支障をきたす行為や周囲に迷惑を掛ける行為は、「鉄オタ」として守るべき最低限のルールとして禁止されている様です。


ところが、次のような事が影響し、さらに、追い打ちを掛けるように「タ○リ」さんを始め、芸能人が「鉄オタ」を自慢するようになって来たことから、「にわか鉄オタ」が急増したのが原因とされています。

・デジタル・カメラが普及した
・素人でも、そこそこキレイに写真が撮れるようになった
・デジタル・カメラの値段が低下した


その昔は、「鉄オタ」にも、先輩/後輩の繋がりがあり、前述のルール等も、先輩から後輩に、きちんと受け継がれていたそうです。


ところが、これら「にわか鉄オタ」や「キチ鉄」の増加で、「鉄オタ」全体が、おかしくなってしまった様です。


この話を聞くと、日本の社会全体の問題のような気がしてきます。「鉄オタ」社会は、日本の縮図のように思えます。

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さて、「鉄オタ」の問題はさて置き、このように、一度は運行が廃止された「銀河ドリームライン」ですが、前述の通り、平成24年(2012年)、「東日本大震災」からの復興目的のため、観光キャンペーンとのタイアップで一時的に復活させたそうです。


その結果、沿線付近に予想以上の経済効果があった点、また、沿線住民からの支援や理解等も得られた事から、JR東日本/盛岡支社では、SL列車の定期運行に向けた「SL復活プロジェクト」の取り組みを始めたそうです。



そして、この「SL復活プロジェクト」を盛り上げるため、まずは「SLえほん制作プロジェクト」と言う企画を立ち上げた様です。


このプロジェクトでは、次代を担う子供達とその保護者に、蒸気機関車への夢と希望を描いた作品を募集し、「SLぎんがくんのいちにち」と言う絵本を作成しました。


この作品、私は、さすがに読んでいませんが、「SLぎんがくん」と子供達との交流や、ユニークな駅に到着する様子を描いた絵本になっているそうです。


絵本作成にあたっては、「SLえほんストーリーのアイデアコンテスト」で大賞を受賞した、岩手県花巻市在住の「たちばな ひなた」さん(8歳)の作品をもとに、絵本作家の「石井 聖岳(きよたか)」氏が監修したそうです。


なお、この絵本は、販売目的で作成はしていないので、現在では、「絵本ナビ」のサイトで、「ためしよみ」が出来るようになっていますし、図書館でも読むことができるそうです。


★絵本ナビ:http://www.ehonnavi.net/feat/sl_ehon/


従来、「絵本ナビ」にメンバー登録した方のみ、対象作品1作品につき、1回「全ページためしよみ」することができるサービスのようですが、「SLぎんがくんのいちにち」については、何度でも「ためしよみ」が出来るようになっているそうです。

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そして、「SL復活プロジェクト」では、次に、岩手県営運動公園内にある交通公園という施設に展示保管されていた「C58型蒸気機関車」の復元に取り組んだそうです。


県営運動公園は、昭和45年(1970年)に開催された「岩手国体」のために造られた施設だったと記憶しています。


交通公園は、何時できたのか記憶にありませんが、この「C58」自体は、JR山田線で30年間運行されて廃車になった後、昭和48年(1973年)から、40年間に渡り、展示されてきたとの事です。



私も、小学校の時に、この交通公園に遊びに来て、展示されていた「C58」に乗った記憶が、かすかに残っています。


また、こちらは記憶が定かではありませんが、幼稚園児の頃、昭和40年代前半に、山田線に乗って家族で宮古市に海水浴に行った覚えがあります。


この「C58」は、昭和15年(1940年)頃から昭和45年(1970年)まで山田線を走っていた訳ですから、ひょっとしたら、この家族旅行の時に乗車していたのかもしれません。


まさか、あの展示されていた蒸気機関車が動態復元されるとは思いもよりませんでしたが・・・JR東日本の技術は凄い物があると思います。

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そして、大宮総合車両センターにおける動態復元も無事に終了し、最終的には、平成26年(2014年)4月12日に、釜石線での運行を開始したそうです。



列車の名称は、運行開始前となる平成25年(2013年)11月、「宮沢賢治」の世界観や空気感、そして彼が生きた時代の共有を目指して、「SL銀河」と言う名称に決定したそうです。


このため、列車社内は、レトロ風のボックスシートが採用され、プラネタリウムも見ることができる車両も連結されています。


JR東日本には、この「SL銀河」の情報を掲載したページがありますので、詳しくは、そちらをご覧下さい。
★SL銀河:http://www.jreast.co.jp/railway/joyful/galaxysl.html


また、「SL銀河」の復活プロジェクトのメンバーは、内部仕様について掲載された情報がありましたので、こちらもダウンロード出来るようにしましたので、詳しい事を知りたい方は、下記URLをクリックしてPDF資料をご覧ください。

★「SL銀河」列車名と車内空間についてのお知らせ(326KB)

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運行情報は、先のJR東日本のホームページをご覧になってもらえればと思いますが、この列車は、1日の運行で片道しか運行していません。


なので、土日限定の定期運行ですが、「花巻から釜石(土曜日)」、あるいは「釜石から花巻(日曜日)」まで行った後、どうやって帰るのかを、ちゃんと考えて乗車する必要があります。


まあ、花巻から乗車して、釜石で一泊すれば、何の問題もなく、往復で「SL銀河」を堪能できますが・・・


それと、「SL銀河」は、片道だけで4時間30分くらい掛かります。さすがに蒸気機関車です。


新幹線「はやぶさ」の場合、「東京〜盛岡」間が、2時間13分ですから、ちょうど、「SL銀河」で目的地に着くまでの片道で、「東京〜盛岡」間が往復できることになってしまいます。



しかし、片道4時間30分とは言っても、途中の停車駅「遠野駅」では、給水や灰を捨てる作業のため、1時間18分も停車しますので、その他の駅での乗降を考慮すれば、実質3時間位です。


「遠野駅」では、1時間以上停車しますので、駅近辺を散策できると思いますが、「それ以外、何をするのか ?」となると、もう駅弁を食べるしかないと思います。


その昔、東北新幹線が出来る前、大学生の頃、静岡県三島市から盛岡まで、「こだま」と当時の特急「やまびこ」に乗り、8時間掛けて帰省していたことはあります。



それに比べれば、4時間なんて、あっと言う間・・・と言う訳にも行きませんので、こんなマッタリとした旅行の楽しみは、「駅弁」しかないと思います。


「駅弁」の種類は沢山ありますが、今回、「SL銀河」に因んだ「駅弁」を2種類紹介します。

・「ロマン銀河鉄道SL弁当」 :右側画像、(有)まるろく、1,150円(税込み)
・「SL銀河弁当」 :左側画像、(株)日本レストランエンタプライズ、1,100円(税込み)


どちらの駅弁も、海鮮をベースとした内容になっており、「SL銀河弁当」は、まさに「SL銀河」版の駅弁になっていますが、「ロマン銀河鉄道SL弁当」は、「SL銀河」ではなく、前述の「SL銀河ドリーム号」が運行していた頃から発売している駅弁となります。


「ロマン銀河鉄道SL弁当」は、酢飯の上に夜空をイメージした具材が並べた「ちらし寿司」で、夜空に輝く星に見立てたイクラを始め、トビコ、ホタテ、錦糸卵、シイタケ等が乗っており、結構評判が良い駅弁の様です。



また、「SL銀河」に関しては、あのプラレールにもなっているようです。


本物と同じ6両編成で、「いっぱいつなごう C58 SL銀河セット」と言う商品名で3,500円(税抜き)で、2015年から発売されているようです。


さらに、2016年には、プラレールの小型版「カプセルプラレール(カププラ)」の方でも「SL銀河」が販売されたようです。


以上が、ちょっと長めの「SL銀河」の紹介でした。


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今回、特集するのが1年遅れてしまいましたが、「宮沢賢治 生誕120年」に関係する、下記イベント等を紹介しましたが、如何でしたか ?


●童話村の森ライトアップ2017
プラネタリウム銀河鉄道の夜
花巻駅前「未来都市銀河地球鉄道」
ジョイフルトレイン「SL銀河」


どのイベントも、何とな〜く行ってみたいようなイベントではありますが、イマイチ、「宮沢賢治」当人同様、地味な感じがします。


やはり、「地味な人物」の特集なので、イベント自体も派手に出来ないのかもしれません。


また、岩手県内、特に花巻市近辺には、「宮沢賢治」に因んだ、下記のような観光スポットも有ります。


宮沢賢治記念館 】


平成27年4月25日展示リニューアルオープンした施設で、「童話村」に隣接しています。全国の賢治ファンからの寄付金を基に建てられたそうです。詩人/科学者/教育者としての「宮沢賢治」の思想と多彩な活動を、7部門にわけて視聴覚的に再現しているそうです。施設駐車場には、「山猫軒」と言うレストランも有ります。


【 羅須地人協会 】


宮沢賢治」が、地元の青年や篤農家を集めて、稲作法や農民芸術論などを講義するために設立した「私塾 兼 自宅」が「羅須地人協会」です。現在、花巻農業高校内に移築復元されています。


【 イギリス海岸 】


北上川西岸に、イギリスのドーバー海峡に面した白亜の海岸を連想させる泥岩層が露出することに因み、「宮沢賢治」が名付けた岸辺です。「イギリス海岸」は、いろいろな作品にも登場するスポットとなっていますが、現在では、北上川の水位が、特に下がった時期だけ泥岩層が露出するので、見に行くタイミングが難しいようです。


宮沢賢治イーハトーブ館 】


宮沢賢治」に関するさまざまなジャンルの芸術作品、あるいは研究論文を数多く収集し、かつ分かりやすく整理したものを一般公開している施設です。




【 林風舎(りんぷうしゃ) 】


宮沢賢治」の弟の孫が経営している「宮沢賢治セレクトショップ兼喫茶店」とでも言うような店です。1階では関連グッズを販売し、2階は喫茶店になっています。2階の喫茶店では、ミニコンサート等も開催されている様です。




【 賢治関連スウィーツ 】


花巻市内では、次のような「賢治関連のお菓子」を販売していますが、どれも、そこそこ人気のある商品の様です。



・注文の多いロールケーキ :ロールケーキ。プティ シュシュ タナカ(旧:菓子工房Tanaka)
・イギリス海岸 ハードバウム :バウムクーヘン。株式会社 ブルージュ
よだかの星 :ごまの入り「かりんとう」。菓子工房「しらはた」
・賢治もなか :直径15cmもある巨大「最中」。賢治最中本舗「末廣」

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花巻市は、マージャンの「役」の名前みたいですが、もう「賢治一色」になってしまっています。


「ロン!! メンタンピン、賢治一色、ドラドラで 倍満!!」みたいな感じです。って、マージャンを知らない人には解らないと思いますが・・・


地元でも、「花巻と言えば・・・ ?」となると、「宮沢賢治」か「わんこそば」しか思い浮かばないと思います。


まあ、今では、高校野球で有名になった「菊池雄星」選手や「大谷翔平」選手を輩出した「花巻東高校」も有名と言えば有名ですが・・・



「わんこそば」に関しては、弊社ブログで何度も、シツコイくらい紹介していますし、「盛岡三大麺」でも有名です。


「エッ! 盛岡三大麺なのに、何故、花巻 ?」となるかもしれません。


これも、以前、紹介していますが、確かに「わんこそば」は、「盛岡三大麺」の一つとなっており、「盛岡発祥説」も有ります。


しかし、実は、「発祥の地」となると「花巻説」が有力です。詳しくは、下記の過去ブログをご覧下さい。
★過去ブログ:岩手の郷土料理 〜 ドン臭いけど結構うまい − その1


現在の「わんこそば」に関しては、「わんこそば」を考案して商標登録したのは、花巻市出身で、盛岡で「斎藤そば屋(後に「わんこや」に改名」:現在廃業)」を営んでいた「斎藤 市太郎」と言う人物です。


そして、「わんこそば」を考案する際に、既に花巻で開業していた「大畠屋(創業慶長2年:1597年)」を訪れ、「大畠屋」が使っている器や食事作法を教えてもらったそうです。


このように、盛岡と花巻が入り混じっているので、現在でも、どちらが「発祥の地」なのか、論争の的になっており、過去には、両市の市長が、新聞紙面で争った事もあるくらいです。


まあ、そんなこんなで「花巻」では、「宮沢賢治」と「わんこそば」が沢山あります。



何か、最後は、「宮沢賢治」より、「わんこそば」の話題で〆ることになってしまいましたが、花巻市近辺を訪れる機会があれば、是非、「わんこそば」を・・・ではなく「宮沢賢治」関連のイベントに行って見て下さい。


それでは次回も宜しくお願いします。

以上

【画像・情報提供先】
Wikipedia(http://ja.wikipedia.org/)
花巻市ホームページ(http://www.city.hanamaki.iwate.jp/)
・MIRRORBOWLERS Inc(http://www.mirrorbowler.com/)
・ねのうわさ(http://nenouwasa.com/work/7583)
・河北新聞(http://www.kahoku.co.jp/)
・有限会社イーハウェブ(http://www.i-hatov.com/f-top.html)
JR東日本/盛岡支社(http://www.jr-morioka.com/)
NAVERまとめ(https://matome.naver.jp/odai/2136875718587346501)

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