ダメ社員からの脱出 〜 まずは小さな変化から


今回は、非常にヘビィな問題「役に立たない社員」の特徴と、その対処方法を紹介したいと思います。

但し、「役に立たない社員」の特徴を挙げるのは比較的簡単ですが、その対処方法となると・・・なかなか難しい物があります。

また、今回紹介した対処方法を実践したからと言って、直ぐに結果が出るかというと、決して、そんな事はありません。

これが、幼稚園児や小学生なら、何度か注意を与えたり、気づきを与えたりする事で、それまでの考え方や行動を修正させるのは、ある程度、短時間で可能だと思います。

まあ、自分の子供の考え方や行動を変えるのには苦労しましたが・・・

しかし、今回の相手は、一番若くても、大学を卒業した22〜23歳だと思います。

これまで生きてきた23年間の考え方や行動を変えさせるのは非常に難しいと思いますし、これが30歳とか40歳の社員となると、もう・・・・コメントは控えたいと思います。



人間にとって、学生生活が終了後、思考/行動パターンを変えなければならないタイミングとしては、次のようなタイミングがあると思います。

・就職したタイミング
・結婚したタイミング
・子供が生まれたタイミング(子供が生まれる事が解ったタイミング)
・昇進したタイミング
・転属/転勤/転職したタイミング
・退職したタイミング

当然、上記以外でも、様々なタイミングにおいて、思考/行動パターンを変えなければならないケースはあると思います。

しかし、代表的なケースとしては、まあ、だいたいは、こんなケースだと思います。

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就職が決まり、社会人として働き出した時点で、仕事に対して責任を負う事になりますし、結婚すれば、パートナーに対して一定の責任を負うことになります。

つまり、人間とは、何かに対して、これまでとは違う、何らかの責任を負う立場になった時点で、これまでの思考/行動パターンを変えなければならなくなる、と言う事だと思います。

それでは、「ダメ社員」とは、一体、何なのでしょうか ?

私が考える「ダメ社員」とは、【仕事に対して結果/成果を出せない社員】ではないかと考えています。

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私が、社会人になった時、誰かは忘れてしまいましたが、学生と社会人との違いと言う事で、次のような事を教わった覚えがあります。

【 一般的に、学生は、頑張れば褒められるが、社会人は結果が全て。結果を出す必要がある。 】

社会人は、「よく頑張りました !」では、何も評価されません。社会人には「努力賞」は存在しません。

具体的な例としては、後でも出てきますが、「残業ばかりで結果がでない社員はダメ社員」です。このような社員は、経営者の視点でみれば、残業ばかりで人件費を無駄遣いする「お荷物」です。

このような社員は、思考を変える必要があります。そして、思考を変えるためには、上司が、部下の行動パターンを把握し、正しく指導してあげる必要があります。

何も指摘をしなければ、この社員は、退職するまで、無駄な残業を繰り返します。

と言う事で、今回は、「ダメ社員」によく見られる傾向を洗い出すとともに、その改良の仕方に関して、次の5つの視点からヒントを提示したいと思います。

●仕事に向かう姿勢を改める
●仕事の仕方を改める
●時間を意識する
●ミスした時の対応を改める
●コミュニケーションを改める

「ダメ社員」によく見られる傾向については、ご自身についても、当てはまる点の有無をチェックしてみても面白いと思います。

一つでも当てはまれば・・・社内で、ひょっとしたら「ダメ社員」と思われているかもしれません。

それでは、今回も宜しくお願いします。

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■「ダメ社員」チェックリスト


私が、社会人になり、部下を持つようになってから、カレコレ、30年以上は経ちます。

その中で、これまで数百人とは行きませんが、百人位の部下と接してきました。

部下の中には、私より優秀な人間は、何人もいましたが、幸い、サラリーマンの期間中に、部下に追い越されて、「かつての部下」が上司になるような事はありませんでした。

一方、部下になった人間の中で、仕事を上手く進めることが出来なかった社員の特徴を洗い出すと、次のような特徴があったような気がします。

「何を偉そうに!」と思うかもしれません。

しかし、今回は、「自分の事は棚において」、話を進めたいと思います。

●仕事の姿勢
□同じ失敗を何度も繰り返す。「前も同じ失敗したよな」と言われる
□知らない事でも知っているように言う。
□解らない事を他人に聞かない。
□メモを取らない。「何回も説明させるな」と言われる。
□「仕事は会社が与えてくれるもの」と考えている。
□やり方を理解していないのに「出来ると思います」と答える
●仕事のやり方
□机が散らかっている。
□仕事を抱え込んでしまう。
□適度な休憩を取ることがない。
□ず〜っと仕事をしている。ダラダラと仕事をしている。
□問題の批判だけで、代替案を出さない。
□報告書が上手く書けない。書き直しばかりになる。
□上司に言われた事しかしない。
□会議中に寝る。
●時間管理
□納期を守らない。
□報告書/資料等の提出期限を守らない。
□残業や休日出勤ばかりしている。
□会議や打ち合わせに遅刻する。
●ミスした際の姿勢
□自分のミスを謝れない。
□ミスを他人のせいにする。
□ミスを報告しない。
□反省しない。
●コミュニケーション
□「やめたい」「疲れた」という口癖がある。
□自分への周りからの評価は低すぎると常に感じている。
□チームで仕事をするのが苦手。
□第一声で、まず「出来ません」「無理」と言う。
□士気を下げる事ばかり言う。
□聞かれたことに直ぐに反応しない。
□メールに返信しない。

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まあ、上記項目は、私の主観が「かなり」入っていますので、他の人から見れば、「そんな事はない」と思える事柄もあると思います。

しかし、部下を持った事がある人間なら、上記の事柄は、全て「ダメ社員」に当てはまる事ではないかと思います。

で・・・貴方は、どうですか ? 何か、思い当たるフシはありませんか ?

私は、根が短気だったせいもあり、「ダメ社員」が身近にいると、それだけでイライラしてきます。

「ダメ社員」と一緒の仕事をする時など、もう、何も頼まず、自分だけで全ての作業を行ってきました。

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今になって冷静に考えれば、(その人には失礼かもしれませんが)雑用だけでも頼めば良かったかな〜等と思いますが、当時は、そんな余裕などありませんでした。

また、今現在では、「ダメ社員」でも、何か一つ位は取り柄がありますから、取り柄を引き出して、かつ周囲の人に、上手くフォローさせながら仕事を行わせるようにしています。

次の章では、この「ダメ社員」を改心させる方法を探りたいと思います。

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■仕事に向かう姿勢が変な社員への対応


前章で、「ダメ社員」の「仕事の姿勢」に関する特徴として、次の6点を挙げました。

(1)同じ失敗を何度も繰り返す。「前も同じ失敗したよな」と言われる
(2)知らない事でも知っているように言う。
(3)解らない事を他人に聞かない。
(4)メモを取らない。「何回も説明させるな」と言われる。
(5)「仕事は会社が与えてくれるもの」と考えている。
(6)やり方を理解していないのに「出来ると思います」と答える

当然、上記以外にも、「ダメ社員」の特徴はあると思いますが、今回は、上記を元に話を進めます。

上記6点、他の項目とも重複しますが、まず基本姿勢として、「知らない事を認識する」事が、認識できない人間が「ダメ社員」になって行くのだと思います。

何か「禅問答」みたいな感じになってきましたが、次の点を認識して行動する事は、かなり勇気がいる事だと思います。

●「知らない/解らない」と言う事を認識する
●「知らない/解らない」と言う事を他人に告げる

人間、誰しも、自分は優秀だと思いたい者です。



このため、知らない事、よく解らない事に関しても、「あ〜知ってるよ。あの事ね!」等と言ってしまいます。

別名「プライド」とも言いますが、どんな人間でも、その強弱はあるにせよ「プライド」を持っていますが、この「プライド」が、仕事の邪魔をします。

最初は、一時的な「恥」を捨て、知らない事は知らない、解らないことは解らないと伝え、仕事の進め方を教えてもらう事が重要です。

但し、同じ仕事に対して、何度もやり方を聞くと、上記にある通り「前にも教えたよね」となりますので、教えてもらった事は、きちんとメモを取る事が重要になります。



そして、次に同じ事を頼まれたら、メモを見て、自分だけで仕事を行えば大丈夫です。

この時に注意する点としては、メモの取り方と保存の仕方です。

メモは、再利用可能なような形で記録し、かつ、次回、直ぐに参照出来るように保存しておく事が重要です。

メモは取るけど、「次回、使えない。」、「どこに保存したのか解らない」では、全く話になりません。

そうなると今度は、「アイツはメモるけど、直ぐに忘れるんだよな〜」と言われるようになってしまいます。気を付けて下さい。

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故に、上記のような特徴がある社員に対しては、次のような対処が必要になります。

●仕事内容を理解しているか否かをキチンと確認する
→ 「解ってるよね ? / ハイ」だけではなく、仕事の手順を、順を追って、相手に喋らせる
→ その際、注意事項も一緒に伝え、直ぐにメモするように指導する

●メモを取る習慣が無い社員には、メモを取る事を習慣付けさせる
→ メモ帳やビジネスノートを購入させる
→ メモの取り方も教える

●仕事の進め方が解らない場合、
→ マニュアルや手順書を読ませる
→ それでも解らない場合は先輩や同僚に聞く
→ 説明してもらった事を、キチンとメモに取らせる

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面倒だとは思いますが、デキないのだから仕方ありません。

もしも、個別に教えるのが面倒なら、新人教育の時に、「仕事への姿勢」と言う教育時間を取り、最初から教える方法もあると思います。


■仕事の仕方が変な社員への対応


「仕事のやり方」に問題がある社員の特徴として、次の点を挙げました。

(1)机が散らかっている。
(2)仕事を抱え込んでしまう。
(3)適度な休憩を取ることがない。
(4)ず〜っと仕事をしている。ダラダラと仕事をしている。
(5)会議中に寝る。
(6)問題の批判だけで、代替案を出さない。
(7)報告書が上手く書けない。書き直しばかりになる。
(8)上司に言われた事しかしない。

これらの点に関しては、皆さん、納得するのではありませんか ?

特に「机が散らかっている」社員に関しては、過去ブログでも取り上げ、このような社員は、『 1年間に6週間もの時間を、物を探すために無駄に時間を費やしている 』と紹介しました。

★過去ブログ:身の回り整理術〜見た目スッキリで業務効率化 - その1
身の回り整理術〜見た目スッキリで業務効率化 - その2

上記過去ブログでは、【 机周りが片付いている社員はデキる社員に見える 】と、控えめに伝えましたが、やはり、物の整理が上手い人は、仕事の仕方も上手いのだと思います。


上記問題点の(1)〜(5)は、全て、次の1点に問題があるのだと思います。

『 物事や仕事を、順序立てて管理できない。 』

物事や仕事を進めるには、適切な順序が必要です。

「A」を進めて、「A」が終われば次は「B」、そして「C」・・・と言うように、物事は、正しい順序で、効率的に進める必要があります。

これは、一般的に「作業フロー」とか「作業手順」とか呼んでいますが、これらの手順は、各企業や各業界において、これまでの作業経験を踏まえて標準化されてきた、一番作業効率が良く、手戻りが少ない作業の仕方だと思います。

仕事がデキる社員は、仕事を行う上で、この作業フローが、自然と頭に浮かぶので、効率よく仕事が出来るのだと思います。



ところが、「ダメ社員」は、仕事の進め方を想像できず、取り敢えず、目の前にある作業や頭に思いついた作業だけを終わらせようとするから、仕事を上手く進められないのです。

取り敢えず「B」があるから、これを終わらせ、次は「C」を・・・アレッ、「A」が、まだ終わっていなかった・・・それなら今度は「A」からやり直して・・・

これでは、何時まで経っても仕事は終わりません。定時に仕事を終らせることが出来ず、毎日残業、休日出勤の連続です。



だから疲れて集中出来ず、会議で寝ちゃうし、報告書を書かせても、頭の中で「起承転結」が組み立てられず、話のストーリーや流れを整理出来ず、何を報告したいのか意味不明な資料を作ってしまうのだと思います。

つまり、頭の中と、机周りの状態が同じような状態で、グチャグチャなのだと思います。

しかし、その判明、文句だけは一人前、「立て板に水」の如く、スラスラと文句が出来くるのですが・・・解決策を尋ねても、何も解決策を持っていないのが「ダメ社員」の特徴です。全く困った者です。

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このような社員には・・・次のような対応が必要だと思います。

●まずは、机周りをキレイに整理させ、仕事を行う環境を準備させる事から始めましょう
→ 毎日、仕事が終わった後、帰宅前に、長時間掛ける必要はありません、5〜10分間、机周りを整理させましょう。
→ 「片付け」も、注意していないとダラダラ行い、無駄な残業が増えますので、作業時間をチェックして下さい。

●仕事に取り掛かる前に、作業手順を明確にするクセを付けさせましょう。
→ 仕事を指示した後、実際に、作業に取り掛かる前に手順だけを書き出させてチェックしましょう。
→ 慣れてきたら、上司のチェックは不要になると思います。

●何か発言させる前に、解決策も一緒に提案させるように仕向けましょう。
→ 文句だけを言わせない状況を作りだすようにしましょう。
→ 問題点を指摘する場合は、何でも構わないので、解決策も一緒に提案する仕組みやルールを作りましょう。
●報告書の書き方をレクチャーしましょう
→ 誰でも、最初は、指導が必要です。
→ 書き方、そして書くべき内容を、最初は教えましょう。


このような「ダメ社員」には、物事への考え方や進め方の基本を教える必要があります。


■時間管理が出来ない社員への対応


下記のように、時間管理が出来ない人間は、別に、新入社員や部下だけではありません。

(1)納期を守らない。
(2)報告書/資料等の提出期限を守らない。
(3)残業や休日出勤ばかりしている。
(4)会議や打ち合わせに遅刻する。

会議に関しては、主催者である、部長や課長レベルの人間でも、平気で会議の開始時間に遅れてくる人間は存在します。

もしも、社内会議で、主催者が会議に遅れてくる場合、それは、もう個人の問題ではありません。会社として、時間管理が出来ない会社になってしまっているのだと思います。

そのような会社で、「時間管理」云々と言っても・・・もう話にならないと思います。



会議に遅れてくる部長が、「納期を守れ !!」なんて言っても、誰も、何とも思わないはずです。「お前が守れよ !!」となってしまいます。

「タカが会議」ではありません。一事が万事です。

このブログを読んでいる人が役職者で、自らが会議に遅れる人ならば、まずは自らの行動を改める必要があります。

「部長だから」とか「課長だから」等と言う事は全く関係ありません。

人間として、社会人として、時間を守ると言う事は一般常識です。

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そして、自らの行動を改めた上で、「ダメ社員」には、次のような対策が考えられます。

●まずは、常に「時間」を意識させる
→ 仕事を命じたら、「何時までに」仕事が終わるのか予想させる。
→ 予想なので必達ではないが、自分の予想より遅れそうなら、再度、「時間」を調整させる必要はあります。

●長めの仕事には「マイルストーン」を設定させる
→ 長期間、2〜3日間掛かる仕事には、目標地点を何箇所か用意させ、都度、達成度合いをチェックする。
→ 目標地点、マイルストーンが無いと、進捗率が解らなくなり、結局、納期遅れになってしまう。

●毎日、進捗度合いを報告させる
→ 毎日、朝礼や終礼で進捗率を報告させ、遅れている場合はリカバリー方法も報告させる。
→ 報告は衆目の前で行う必要はあるが、遅れた場合でも、個人攻撃をしてはいけません。
→ 個人指導を行う時には、その場では行わず、別途、時間と場所を調整しないと、他のメンバーから非難されます。

●「5分前ルール」を適用す
→ 会議は当然、お客様等を訪問する際も、最低でも、5分前には着席、あるいは場所に着いているクセを付ける
→ 納期も「前倒し」を意識させる


このように、常に「時間」を意識させる「クセ」を付けていけば、時間管理も行えるようになります。


■ミスした際の姿勢が間違えている社員への対応


よく「トラブル時の立ち振舞で、その人の本質が解かる」と言われますが、今回のケースが、その良い例だと思います。

(1)自分のミスを謝れない。
(2)ミスを他人のせいにする。
(3)ミスを報告しない。
(4)反省しない。

明らかに「ダメ社員」が原因でトラブっているのに、謝るどころか、逆ギレしたり、他人のせいにしたり・・・

加えて、仕事が出来ない「ダメ社員」は、謝り方もヘタで、珍しくミスを認めて謝っても、相手の神経を逆なでしたりしてしまいます。

これは、基本的に「ダメ社員」は、「自分は悪く無い」と思っているからです。

「自分は悪く無い、仕方が無いから謝ってやる」と言う考え方だから、謝り方に誠意が見えず、相手の神経を逆なでしてしまうのだと思います。



この姿勢が、全ての行動に対して行われるので・・・

自分は悪く無い →
自分以外が原因で問題が起きる →
何で謝らなければならないんだ →
仕方が無いから謝るか・・・

つまり、「ダメ社員」の考え方、頭の中は、「自分は悪くないんだから、何も治す必要は無い」と言うロジックになってしまっているので、同じようなミスを何度も繰り返すのです。

人間、「自分が悪い」と気が付かないと、何も変わらない生き物です。

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このような考え方は、外国人や海外経験が長い日本人によくある考え方です。特に、外国人などは、「謝った方が悪い」と言う教育を受けているので、絶対に謝りません。

それに反して、日本人は、基本的に「和を尊ぶ」民族なので、自分が悪く無いにも関わらず、最初に「済みません。」と言ってしまいますが・・・

まあ、今回は、民族の特性を説明するブログではないので、「日本人 VS 外国人」の話は、また別の機会に紹介したいと思いますが、「ダメ社員」に関しては、この「自分は悪く無い」と言う思い違いを正す必要があります。

中には、確かに、本人が悪く無いケースもあるかもしれません。しかし、今回は、大前提として、「ダメ社員」に非がある場合を取り上げていますので、本人が悪く無いケースは除外します。

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と言うことで、「ダメ社員」がミスをした時の姿勢/対応を治すには、次のような対処が必要だと思います。

●まずは、悪い事をした/失敗をした事を認めさせる必要があります。
→ 前述の通り、とにかく、何を置いても、自分が原因で失敗した事を認めさせる必要があります。
→ 自分が原因である事を認めさせなければ、何も変わりません。
→ 恐らく、素直には認めませんので、感情的にならず、客観的な事実を積み上げて、失敗の原因が、「ダメ社員」にある事を指摘して納得させて下さい。

●失敗を認めたら、これも、とにかく謝罪させて下さい。
→ 失敗した/悪い事をした場合、最初に、謝罪が必要だと言うことを学習させて下さい。
→ 原因追求も必要ですが、それは「ダメ社員」が謝罪した後です。
→ 謝罪内容や謝り方も教えてあげて下さい。政治家の様に「遺憾に思う」等は決して言わないように・・

●何が悪かったのかの原因を自分の口から言わせる
→ いざ謝っても、原因として他人の行動を指摘したら、「ダメ社員」は、まだ自分に原因があると認めていません。
→ 自分の行動の、何が間違えていたのかを自覚させて下さい。
→ 他人が失敗した点を指摘しても学習しません。自分の口から言わせる事が重要です。

●ここまで来たら原因追求と今後の対応の検討です
→ 自分の非を認めて初めて原因追求と今後の対応の検討が始まります。

●今後のクセ付け
→ 今回行った事を、次回、何かで失敗した時にも繰り返すことで、クセを付けさせる必要があります。
→ この手順を1回行っただけでは、絶対に「ダメ社員」は治りません。
→ おそらくは・・・3〜5回位は同じ手順を繰り返す事になると思います。

●スピードアップ
→ 間違いを認めて謝罪し、素早く対応することで、他人から信用されるようになります。
→ これが出来れば「ダメ社員」からの脱却も夢ではありません。


まるで、子供への対応と同じですが・・・「ダメ社員」は、子供と同じ位、精神年齢が低いので仕方ありません。

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最後に注意事項ですが、これが「対顧客」の場合、顧客に対して、部下だけを謝罪に行かせてはダメです。

上記手順は、あくまでも社内手順です。

顧客に謝罪に行く場合は、「ダメ社員」を同伴の上、上司が前面に立って謝罪する必要があります。

顧客と一緒になって部下を責める「最低の上司」も存在しますが、そんなことをしては、会社は崩壊してしまいます。

基本的に、部下は同伴させるだけで、謝罪や説明、および今後の対応は上司が行って下さい。それが、会社組織と言う物です。


■コミュニケーションの取り方に問題がある社員への対応


最後は、仲間やチームと上手く会話が出来ない、あるいは周りに悪影響ばかり与える「ダメ社員」への対応ですが・・・

(1)「やめたい」「疲れた」という口癖がある。
(2)自分への周りからの評価は低すぎると常に感じている。
(3)チームで仕事をするのが苦手。
(4)第一声で、まず「出来ません」「無理」と言う。
(5)士気を下げる事ばかり言う。
(6)聞かれたことに直ぐに反応しない
(7)メールに返信しない

コミュニケーションに問題があるケースとしては、大きくは、次の3点の問題があると思います。

1.マイナスな口癖ばかり言って士気を下げる
2.本当にチームで会話が出来ず仕事を行えない
3.社内/社外に対して常識的な対応が出来ない

まず「口癖」に関して取り上げてみます。

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上記のように、何気ない口ぐせや、仕事を依頼された時の第一声など、周りの士気を下げるような言葉ばかり口にする「ダメ社員」は、何処にでもいます。

本人は、冗談、あるいは、本当に「口ぐせ」なので何とも思っていないのかもしれませんが、周りにとってはマイナスです。

これが、誰も居ないところでの発言なら良いですが、こんなマイナスな言葉ばかり聞こえてきたら、周りにいる社員の「やる気」も萎えてしまいます。

過去ブログで、「上司が言ってはイケない口癖」を紹介したことがあります。

★過去ブログ:あなたの口癖は大丈夫? - その口癖が部下をダメにする

マイナスな「口ぐせ」は、上司も部下も同じです。

そして、この「口ぐせ」は、本当に、何も意識せず口にしているケースがあります。

このような場合は、本人も気が付いていないと思われるので、やはり周囲が注意してあげる必要があります。

それでも治らない場合には、個別に呼び出して、何が、どうしてダメなのかを、注意しなければなりません。

さらに、個別に注意してもダメな場合、もう仕方がありませんので、査定基準の「勤務態度」に、「口癖」を含ませる旨を文章で通告し、評価を下げるしか方法が無いと思います。

そして最終的には、通常の社内制裁手順に従い、「訓告」、「減給」、「出勤停止」・・・「諭旨解雇」等を行うしかないと思います。

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次は、「本当にチームで会話が出来ず仕事を行えない」社員ですが、このような「ダメ社員」に対しても、社会で仕事を行う場合、チームで作業を行う事が基本である旨を教えてあげる必要があります。

人間社会で生きて行くには、社会性が重要です。

そして、社会性とは、人と関わる事、つまりチームで仕事に取り組む事だと思います。


「一匹狼」とか、カッコいいイメージですが、人間は、狼とは違い、仕事を行って対価を得て、その対価で生活しなければなりません。

そして、仕事をするためには、何らかの形で、他人と関わらなければなりません。

特に、個人事業主ならまだしも、サラリーマンで「一匹狼」は、絶対に不可能です。

社会における「対人関係」は、非常に難しいものがあり、「対人関係」が原因で「鬱病」等の病気になってしまう人もいますが・・・

どうしても、他人と会話が出来ない人は、サラリーマンとして、企業に勤めるのは無理だと思いますが、それでも、無碍に見捨てる訳にも行きません。

その場合は、カウンセラー等を紹介してあげて、社会との折り合いの付け方を学んでもらうしか方法はないと思います。

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う〜ん・・・だんだん重苦しくなってきましたが、最後の「社内/社外に対して常識的な対応が出来ない」社員ですが、このケースは、前2つに比べれば、比較的対応は楽だと思います。


この常識を知らない「ダメ社員」に対しては、常識と言うか、「相手が、どう思うか」を教えてあげればよいと思います。

例えば、最初に挙げた、「聞かれたことに直ぐに反応しない」や「メールに返信しない」に関してですが、要は、相手にレスポンスを返さない点が問題です。

相手にレスポンスを返さない「ダメ社員」は、相手への思いやりが欠如しているのだと思います。

・質問に答えてあげないと、相手が、どう思うのか ?
・メールしても反応が無い場合、相手が、どう思うのか ?

ボールが投げられているのに、何も反応を返さないと言う事に対して、相手が、どう思うのか理解できないのだと思います。

・無視されているのか ?
・質問が理解できないのか ?
・聞こえなかったのか ?
・メールが届いていないのか ?

何も反応を示さないと、相手は、どんどん不安になって行きます。

まあ、質問やメールをした相手も「ニブイ」人間なら、お互い様なので、問題にはならないと思いますが、相手が普通の人なら気にすると思います。


質問に直ぐに応えられれば良いのですが、普通は、調査や検討したから回答する事になりますが、その場合は、何も無理して回答を出す必要はありません。

『 メール(or 質問)、ありがとうございます。調査(or 検討)してから回答しますので、ちょっと待って下さい。 』

これだけの反応で構いません。たった、これだけの反応で、相手は落ち着きます。

特に、相手が顧客の場合、これだけの反応を返すか否かで、会社自体への評価も変わってくることを「ダメ社員」に教えてあげて下さい。


また、相手が顧客じゃなくても同じです。チームの仲間でも同じです。

このような反応の仕方をすることで、他の点でも意思疎通が上手く取れるようになって行きます。

いきなり評価はあがりません。こんな小さな気遣いで、評価が上がり信頼関係が構築されて行くことを教えてあげて下さい。

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今回は、「ダメ社員からの脱出 〜 まずは小さな変化から」と題して、次のような点に関して、ダメ社員を改心させる方法を紹介しましたが・・・如何でしたか ?

●仕事に向かう姿勢を改める
●仕事の仕方を改める
●時間を意識する
●ミスした時の対応を改める
●コミュニケーションを改める

全く・・・面倒くさいですよね。でも、折角雇った社員です。むやみに辞めさせる訳にもいきません。何とか、活用の道を探った方が良いと思います。

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私が働いている業界の特徴なのかもしれませんが、私が、これまで働いた会社には、本ブログで紹介したような「ダメ社員」が沢山いました。

IT系、それも技術者が多い会社だったので、「プログラムさえ組めれば大丈夫 !!」と言う社員が、その昔の私を含めて、沢山・・・本当に沢山いました。

昔は、それが「個性」として評価される風潮もあったし、そんな社員の自由が許されていた時代だったのかもしれませんが、今では、そんな行動は許されなくなってしまいました。

ちょっと悲しい感じもしますが、それも時代ですから仕方がありません。

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但し、この画一化すると言う風潮は、日本だけなのかもしれません。

アメリカのシリコンバレーなどでは、今でも、こんな個性的な人間が沢山いると思います。

そして、これら個性のぶつかりで、優れた技術や製品が生まれている可能性があります。

それじゃ日本でも・・・今は『マニュアル社会』だから、難しいと思いますが、それを打ち破るベンチャー魂が必要なのかもしれません。

それと、これとは別、と言う話もありますが・・・

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また、このブログを読んだ後で、次のように感じるかもしれません。

『 こんな立派な事を書いているのだから、お前の会社には「ダメ社員」はいないんだよね ? 』

しかし・・・「事実は小説より奇なり」。本当に残念なことですが、弊社にも、「ダメ社員」は存在します。

こんな、小さな会社ですが、それでも「ダメ社員」は存在し、悲しい事に、いくら教えても治りません。

逆に、今回のブログは、弊社の反省を踏まえた内容と考えたもらった方が自然です。「ウチは、こうして治りました !!」と報告できれば良いのですが・・・実際は、違います。

まあ、最初に比べれば、次の点で、少しは良くはなったと思うのですが・・・それでも、まだまだ他メンバーに迷惑ばかり掛けています。

・謝るようになった
・自分のミスを認めるようになった


弊社のケースでは、治療に取り掛かった年齢が、かなり高齢だった事も災いし、完治までは出来ていません。

どうか皆さんは、早めに対処を行って下さい。

本当に、医療と同様、早く対処すれば、それだけ早く効果が出てくると思います。


それでは次回も宜しくお願いします。

以上


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