Windows Vistaの終焉 〜 XPの陰でひっそりと

皆さんの中で、「Windows Vista」を使っている方って、どの位いらっしゃるのでしょうか ?

先日、アメリカの調査会社「Net Applications」から、2015年1月のデスクトップOSのシェアが発されましたが、その発表では、「Win Vista」のシェアは、約2.44%となっていました。


ちなみに、「Win 7」が約56%、「Win XP」が未だに約19%もシェアを維持している状況で、「Win 8n」が14%となっていました。



「Win XP」のサポートが停止となり、そろそろ1年が経過しようとしていますが・・・

未だに、シェアが19%もあるのは異常ですよね。

まあ、「Win XP」を使っている方も、何か被害に合うまでは、そのまま使い続けるのではないかと思っていましたが、本当に、その通りになってしまったようです。


私の知り合いの方も、「PC替えなきゃ・・・」、「システム替えなきゃ・・・」と言いつつ、未だに「Win XP」を使っています。


やはり人間、何か「痛い目」を見ないと、中々行動に移せないみたいです。


ところで、今回のブログは、「人間科学」の話ではなく、「Win XPサポート停止」の陰に隠れて、余り目立っていませんが、「Win Vistaのサポート停止」に関するお話を紹介したいと思います。


また、「Win XPサポート停止」の時には、下記プロダクトも、同時にサポート停止となりました。
Internet Explorer 6(IE 6)
・Office 2003


そして、「Win Vistaのサポート停止」の時には、「Internet Explorer 8(IE 8)」もサポート停止となります。


OSのサポート停止も問題ですが、ブラウザのサポート停止は、OS以上に深刻な問題を引き起こします。


そこで今回は、次の話を紹介したいと思います。


●「Windows Vista」のサポート停止
●「Internet Explorer 8」のサポート停止の問題点
●「Windows 10」への無償アップグレード
●新規ブラウザ「Spartan(スパルタン)」の紹介


それでは、今回も宜しくお願いします。

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■「Windows Vista」のサポート停止



Microsoft社は、前述の通り、2014年4月に「Win XP」のサポートを完全に停止しましたが、その後も、着々と古いプロダクトの抹殺を進めています。(※)

直近でも、2014年10月末を以って、個人向け「Windows 7」の販売を停止しましたし、メインストリームのサポートも、2015年1月13日(米国時間)で終了し、現在は、メインストリーム終了後の5年間の「延長サポート期間」に突入しています。(2020年1月にサポート停止)


つまり、「Win 7」も、残り5年間で、サポートが完全に停止します。


「え!!」と驚かれる方も、当然いると思いますが、「Win 7」よりも、「Win Vista」の方が、先にサポート停止となります。


それでは、何時サポート停止になるのかと言うと・・・あと2年後の、2017年4月には、延長サポート期間も終了します。


上の(情けない)画像が、Microsoft社の「Windows」のホームページに掲載されている、「Windows OS」のサポート期間を示す案内になっています。


ご覧の通り、XPは既にサポート終了、Vistaも、残り僅かになっています。


参考までに、上図には当然掲載されていませんが、「Windows 8n」のサポート期間は、次の予定となっています。


●メインストリーム終了 :2018年1月9日
●延長サポート終了 :2023年1月10日


Microsoft社では、自社製品には、「サポート・ライフサイクル・ポリシー」という運用基準を設けて製品運用を行っており、メインストリーム・サポート、および延長サポートは、それぞれ5年、1個の製品については合計10年間のサポートを行っています。


参考までに、「メインストリーム・サポート」と「延長サポート」の違いを簡単に説明すると、下表の通りとなります。

メインストリーム 延長サポート
仕様変更/新機能要求受付
セキュリティ更新プログラム
セキュリティ以外更新プログラム △(企業向け)
無償サポート
有償サポート
対象カテゴリ 全製品 ビジネス関連


「Win XP」も、サポート停止から1年も経つのに、まだ19%ものシェアがあるなら、「Win Vista」を使い続けても大丈夫だろう ! と思う方も大勢いると思います。


Windows XP/Vista、皆で使えば怖くない !! 】と言う標語が出来るかもしれません。


しかし、実際に問題が起こってからでは手遅れです。誰にも文句は言えません。次の「費用対効果」を検討して見て下さい。


●被害に遭う前 :「PCやシステムの刷新を行うだけの費用」
●被害に遭った後 :「被害のリカバリーをするための費用」 + 「PCやシステムの刷新を行う費用」


被害に遭う前に、PCやシステムの刷新を行うためだけにお金を掛けた方が、費用対効果に優れています。


「被害に遭う」と言うことは、自社だけの損害では済まないと思います。きっと、顧客情報流失やウィルス拡散等、お客様にも迷惑を掛ける事態が起きると予想されます。


そうなると、お金で換算できない「信頼」も失うことになりかねません。


別に、弊社にシステム修正を依頼する必要はありませんので、上記の件、是非ご検討下さい。(依頼があれば嬉しいですが・・・)


※サポート完全停止:XPサポート停止後も、危険度が高いセキュリティ問題に対しては、数回修正プログラムを発行しています。

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■「Internet Explorer 8」のサポート停止


「Win Vista」のサポート停止と同時にサポート停止となるプロダクトに「Internet Explorer 8(IE 8)」が挙げられていますが・・・


実は、販売当初からシェアが低い「Win Vista」のサポート停止よりも、この「IE 8」のサポート停止の方が、IT業界全体としては、影響が大きいと考えられています。


何で、単なるブラウザのサポート停止が 、OSのサポート停止よりも影響が大きいのか、と思う方が大勢いると思います。


「その理由は」と言うと、「IE 8」は、「Win XP」世代のプログラムと、「Win 7」世代のプログラムを繋ぐ、【 架け橋 】の意味を持つブラウザだからです。











※「Windows10/Spartan」に関しては後述する「 新規ブラウザ「Spartan(スパルタン)」の紹介」の内容をご覧下さい。



そして、何故「IE 8」が、これほど長きに渡り提供され続けているのかと言うと、Web世界の標準である「W3C」との非互換問題があるからです。


元々「IE」は、「IE」独自のレンダリング技術によりWebサイト開発環境を提供してきたので、「W3C」等のWeb標準とは非互換がありました。


このため、「IE 6」、および「IE 7」、特に「IE 6」に対しては、世界中の開発者から非互換を糾弾され、そして、最後には、Microsoft社自身も、「Counting down the end of Internet Explorer 6」と言うサイトを作成し、「IE 6」を世界から抹消すべく、啓蒙活動を行っています。


ちなみに、上記サイトは、現在でも稼働しており、閲覧可能状態となっています。
★Counting down the end of Internet Explorer 6https://www.modern.ie/en-us/ie6countdown


そこで、満を持して登場したのが「IE 8」です。


この「IE 8」は、下記2つの大きな課題に対応すべく、「IE 8標準モード」、および「互換モード」と言う、2つの動作モードを用意しました。


業界標準への対応(IE 8標準モード) :「W3C」に準拠することで業界標準に対応
●過去遺産の継承(互換モード) :過去資産「IE 6」/「IE 7」で開発したWebサイトにも対応


これで、Microsoft社の「IE」も安泰かと思われたのですが・・・実は、この「IE 8」に関しても、余り評判は芳しくありません。


上記「IE 6」の批判サイトと同様、「IE 8」の批判サイトもあり、このサイトでは、「IE 8の世界シェアが1%未満になるまで監視する」と宣言しています。


★The Internet Explorer 8 Countdown:http://www.theie8countdown.com/


ちなみに、アメリカの調査会社「Net Applications」による、2014年12月時点における、世界のデスクトップ・ブラウザのシェアは、下図の通りとなっており、「IE 8」の世界シェアは約19.3%で、「IE 11」に次いで、世界2位のシェアを占めています。


何故、未だに、これ程のシェアを占めているのかと言えば、「Win XP/Vista」世代のブラウザと言う事と、前述の「過去資産の継承」と言う点があると思われます。

しかし、さすがに、最新の「IE 11」には、ついにシェアと1位を奪われたので、「IE 8」に関しては、今後もシェアは、徐々に低下して行くと思われます。


と言いたい所なのですが・・・実は、「IE 8」は、2014年11月の調査時より4%以上シェアを上昇させており、逆に「IE 11」は、3.7%もシェアを低下させています。


何故、このような逆転現象が起きるのかと言うと、真相は解りませんが、単純に考えると、次のような事が起きたのではないかと推測されます。


●「IE 11」で「IE 8」以前のバージョンと互換性がある「エンタープライズモード」が提供された(2014/04)
●「IE 8」から「IE 11」にバージョンアップを行い、「エンタープライズモード」を使用した
●しかし、「エンタープライズモード」が満足に使えないので、ブラウザを「IE 8」に戻した


「下衆の勘ぐり」ではありませんが、通常、余程の問題が起きなければ、旧式のプログラムに、ダウングレードするなど有り得ません。


過去のプログラムを、この世から「抹殺」したいMicrosoft社は、今後、どのような手段を取るのでしょうか ?



と言う事で、Microsoft社は、密かに、2016年1月12日以降は、下表の組み合わせのWindows OS/ブラウザの組み合わせしかサポートしないと、一方的に発表しました。

Windows OS ブラウザ
Windows Vista(SP2) Internet Explorer 9
Windows Server 2008(SP2) Internet Explorer 9
Windows 7(SP1) Internet Explorer 11
Windows Server 2008 R2(SP1) Internet Explorer 11
Windows 8.1 Internet Explorer 11
Windows Server 2012 Internet Explorer 10
Windows Server 2012 R2 Internet Explorer 11


上記の表から明らかなように、Microsoft社は、Windows OSに導入可能な、「最新IE」をインストールした場合のみサポートするとしたようです。


全く、Microsoft社は、とんでもない事をしてくれます !!


しかし・・・私の予想では、この発表は、恐らく司法省等から横槍が入り、取り消されるような感じがします。


第一、私のPCは「Win 7/64ビット版」ですが、Windowsの障害で、「IE 11」がインストール出来ません。


このような状況で、一方的に、サポート機種を制限するなど、有り得ない事だと思います。



それと、後述しますが「Windows 10」では、最新ブラウザ「Spartan(スパルタン)」の実装が決定したようです。


そうなると、「IE 8」までサポートしてきた旧機能に関して、「IE 11」における「エンタープライズモード」が、最新ブラウザ「Spartan」において、どこまで引き継がれるのかが問題になります。


その点に関しては、最終章で説明します。

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■「Windows 10」への無償アップグレード


既にメルマガ等でもお伝えしたように、Microsoft社は、平成27年1月21日に開催した「Windows 10:The next chapter」において、下記Windows OSを使っている場合、「Windows 10」の発売から1年間は、無償で「Windows 10」にアップグレードできるサービスを提供すると発表しました。


Windows 7
・Windows 8n
Windows Phone 8.1


Microsoft社のOS担当のエグゼクティブ・バイスプレジデント「Terry Myerson」氏によると、このサービスをWindows as a Service」と呼んでいたようですが、現時点では、最初の1年間だけが無償提供で、1年経過後の価格やサービス形態については説明しなかったようです。


Windows as a Service」と言う考え方は、メジャーなアップグレード毎に新機能を提供するのではなく、継続的なサービスを「Windows Update」経由で提供することで、「Windows OS」を購入したユーザーには、常に新しいWindows環境を利用できるようにする、と言う事を意味しています。


このような考え方は、平成26年10月に、都内で開催した「New Office Press Briefing」で発表した「Office 365」の考え方と同様だと思えます。


つまり、「Windows OS」をSubscription(サブスクリプション)方式で販売し、ハードウェアが壊れるまでは、サービスを継続的に提供する、と言うことだと思います。



しかし、今回の「Windows 10:The next chapter」においては、前述のように、このサービスの提供は、「Windows 10」の発売から1年間のみと期間を限定していますので、1年を経過した後でも、このサービスを継続するのか、あるいは従来のように「Windows OS」毎に買い換えるサービスに戻るのかは解りません。


過去に本ブログでも、「Windows 10」が発表された時に、『 Windows 10の発表により、Windows OSは、今後1年間は売れなくなる。 』として、Microsoft社の今後の行動に関して、次のような予測を行いました。


・「Windows 8n」は、今後1年間は売れなくなるから、無償アップグレード権付きで販売する
・「Windows 7」ユーザーに対しては、期間限定で「Windows 10」への切り替えキャンペーンを行う


★過去ブログ:「Windows 10」について 〜 「8」の次なのに「9」を飛ばして「10」 ?(20141108.html)



Microsoft社は、弊社のような零細企業でも、簡単に予想できた行動を取った訳ですが、「Windows 10」の発売から1年後には、どのような行動を取るのかは、予想不能です。


恐らく、「Office 365」をサブスクリプション方式の販売方法に変更したので、このサービスへの、ユーザー、および市場の反応を見て、好評なら「Windows OS」にも、サブスクリプション方式を拡張するでしょうし、不評ならば、従来通りの販売方式に戻すのではないかと思われます。


但し、世の中の流れを見ると、「OSのバージョン毎に製品を販売する」と言う製品販売方法は、既に過去の営業方法になってしまっています。


Apple社の「iOS」や「OS X」然り、Google社の「Android」然りです。



過去に遡れば、IBM社を筆頭とした当時のIT会社は、ハードウェアを拡販したいがために、ソフトウェアをハードウェアの「おまけ」として、無償で提供してきました。


その後、ハードウェアが売れなくなると、ハードとソフトを切り離し、ソフトウェア・サービスをソリューションとして提供し、その目的達成の手段としてハードウェアを販売してきました。


そして、現在はと言うと、各社ともクラウドサービスと称して、ソフトウェアが動く環境の提供を皮切りに、その中で稼働するソフトウェア全てを一括して取り込む戦略に取り組んでします。


ハードウェアから、個別業務を含むソフトウェアを、企業単位に、根こそぎ、一括して取り込もうとしています。巨大企業の貪欲さには、弊社のような零細企業は、全く太刀打ちできません。


そして、今後の10年先を考えると、既にドイツやアメリカ、そしてインドなどでは「IoT(Internet of Things)」と言う動きが始まっています。


「IoT」とは、直訳すると「物としてのインターネット」と言う事です。


「何のこっちゃ ?」と思うでしょうが、簡単に説明すると、『 全ての物をインターネットに接続して管理する。 』と言う事です。


既に一部は実用化されており、例えば、家電製品や車にICチップを搭載し、その稼働状況をインターネット経由で管理したり、あるいは工場において、組み立て中の部品や工員にICタグを付けて、製造ラインを監視・管理したりしています。


現在は、各国とも、「IoT」の世界規格に、自国の方式を採用させようと必死になっている状況ですが、アメリカでは、国内に複数団体が乱立し、国内規格の統一を目指して、まさに戦国時代の様相を呈しています。


その反面、ドイツでは、国を挙げて「Industryインダストリー)4.0」として「IoT」の動きを統一していますので、現状では、1歩リードしているのではないかと思われています。


そして、肝心の日本ですが・・・製造業日本一(自動車では世界一)の「トヨタ」が、「IoT」の動きに賛同しておらず、後ろ向きの姿勢のままなので、スタートラインにさえ立っていない状況だと思われます。



この「IoT」の動きですが、IT業界と製造業界、どちらが優位になるのかと言うと、現状ではIT業界が優位と思われています。


このため、製造業では、インフラの低迷から世界の底辺に位置するインドが、「IoT」では、世界企業として名乗りを上げようとしています。


今後10〜20年間、このままの状況が続けば、「トヨタ」が、どこかのIT企業の「下請け」企業になる可能性も否定できません。



話が少し脇道に逸れてしまいましたが、Microsoft社の今後の動きからは、相変わらず目が離せない状況が続きます。

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■ 新規ブラウザ「Spartan(スパルタン)」の紹介


平成27年1月21日に「Windows 10:The next chapter」が開催された事は、既にお伝えした通りですが、その発表の中で、次期ブラウザに関しても、重大発表がありましたので、その内容を紹介します。


次期ブラウザに関しては、コードネーム「Project Spartan」と言う完全に新しいブラウザが、「Windows 10」に搭載される事が決定したようです。


このコードネーム「Project Spartan」に関しては、以前から話題には挙がっていましたが、その概要が発表されました。


まだ、実機での動作確認は取れていないようですので、「Windows 10:The next chapter」での内容を元に紹介します。(※将来的に機能変更になる可能性は大です。)


まずは、次期ブラウザ「Spartan」の特徴について紹介します。


【 Spartanの特徴 】

●アップデートサービスにより最新版提供
新機能提供、セキュリティ更新、およびパフォーマンス改善等を、アップデートサービスとして提供し、Chromeと同様、旧バージョンを気にする必要が無くなるようです。


●新規レンダリングエンジン採用
最新Web標準規格のマークアップ言語をサポートする新規レンダリングエンジンを採用し、最新機能によるWebサイト開発が可能となる。(※詳細後述説明)


●既存サイトとの互換性維持
既定では新エンジンが使われるようですが、IE向けにデザインされた既存の企業Webサイトなどでは、必要に応じて「IE 11エンジン」をロードし、「IE 11」として動作することもできるそうです。


クロスプラットフォーム対応
既存IEから独立したブラウザとして作成されたので、単一ブラウザが、PCからスマートフォンまで全ての「Windows 10」デバイスで動作するそうです。


また、「Spartan」特有のユニークな機能についても簡単に説明します。


【 Spartanが提供する新機能 】

●メモ書き機能
Webページ上に、コメントを手書きで記入したり、キーボードでメモを挿入したりすることができる。メモやコメントは、各種SNSでシェアしたりEvernoteに保存したりすることができる。


●読書モードの提供
広告等が乱立するページの場合、Webページが読みにくいケースがあるが、その場合は「読書モード」に切り替えて、不要な広告バナーを消去することができる。


●「Cortana(コルタナ)」との統合
「Cortana」は、単なる音声アシスタント機能ではなく、学習能力を保持しているので、ブラウザ上で「Cortana」をオンにすることで、過去の動作を元に推測した検索等を行ってくれる。


●プレビュー表示
ブラウザ上のタブにカーソルを乗せると、該当タブページのプレビューを表示してくれたり、左上のタブリストボタンをクリックすると、全タブページのプレビューを表示したりしてくれる。


拡張機能サポート
現時点では拡張機能が存在しないので、具体例は不明であるが、「Chrome/Firefoxブラウザ」のように、拡張機能が提供された時点で、簡単に機能追加が行えるようになるそうです。噂レベルですが、「Chrome/Firefox拡張機能」がそのまま使用可能という話も出ているそうです。



次に、新規レンダリングエンジンについて、これも簡単に紹介します。


レンダリングエンジンについて 】

●デュアル・エンジン
「Spartan」のディフォルトエンジンは、「EdgeHTML」と呼ばれる新レンダリングエンジンとなるが、従来の「IE」から存在している「MSHTML」と呼ばれる、別名「Tridentエンジン(※IE 11エンジン)」も搭載する。
このため、2つのエンジンを搭載することから「デュアル・レンダリング・エンジン」と呼ばれることになる。
・EdgeHTMLエンジン :edgehtml.dll
MSHTMLエンジン :mshtml.dll



●EdgeHTMLエンジン
新型のEdgeHTMLエンジンは、Tridentの資産の大半を継承しつつも、IEに特有の過去資産やクロスプラットフォーム化に不要な部分を削り落としている。具体的には、以下のようなものがEdgeHTMLには含まれていない。

・ドキュメントモード(「EmulateIE 8モード」や「X-UA-Compatibleヘッダー」なども廃止)
VBScript
・その他IE独自機能(attachEventやcurrentStyle等も廃止)


しかし、次の機能は従来通り提供予定とのことである。


Chakra :「IE9」から導入されたJavascript
・F12開発ツール :最新版に更新された開発ツール


MSHTMLエンジン
IE 11」に導入された「エンタープライズモード」を継承するために、「Spartan」にもMSHTMLエンジンが搭載されることになりそうです。


これにより、「IE 8」以降、主に、企業用Webシステムをエミュレートしてきた「エンタープライズモード」も使用できるので、古いWebシステムも、どうにか「延命」できそうな雰囲気となりました。


なお、「IE 8」で導入された「バージョン別のドキュメントモード」は、「IE 11」以降では非推奨とされ、今後は、常に最新(Edge)モードでページが描画(=レンダリング)されることが基本となるそうです。



ちなみに、「Windows 10 Technical Preview build9926」が、2015年1月24日に公開されましたが・・・このTechnical Preview(TP)版には、「Spartan」は含まれていなかったそうです。



また、この「Spartan」と言う名称ですが、Xboxの「Halo」と言うゲームに登場するキャラクターの名称なのだそうです。

このゲームは、2001年の発売開始から、既に10年以上も経った人気シューティング・ゲームらしいです。


私の家には、「Xbox系」のゲームは無いので解りませんが、スピンオフ系のゲームも販売されており、面白そうなゲームのようです。



さらに、これも以前から話題になっていた会話型アシスタント「Cortana(コルタナ)」も、「Windows 10」に搭載される事が決定していますが、この「Cortana(コルタナ)」も、Xboxの「Halo」と言うゲームに登場するキャラクターの名称です。


ゲーム中の「Cortana」は、高度な知能を持つ人工知能(AI)として登場し、ホログラムにより具現化することも可能なのだそうです。


また、「Windows 10」に実装される機能においても、ゲームの声優が担当するそうですが・・・日本語版もゲームと同じ声優なのでしょうかね ?

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ここまで、「Windows Vista」のサポート廃止に伴う、「Internet Explorer」の問題や、「Windows 10」に関する次の内容を紹介してきました。


・無償アップグレードの説明
・「IoT」の紹介
・新規ブラウザ「Spartan」の紹介
・音声アシスタント「Cortana」の紹介


如何でしたか ?


今回のブログでは、脇道ではありますが「IoT」の説明に、力が入ってしまいましたが、「IoT」に関しては、別の機会に紹介したいと思います。


「IoT」は、IT業界や製造業界のみならず、今後の日本の産業全体を牽引する重要な役目があると思いますので、何時かは解りませんが、期待する内容と問題点を紹介します。


それと、本ブログで紹介した「Windows 10」、今年の秋口から年末に掛けては、またホッとな話題になりますので、新しい情報を入手し次第、ブログ等を通じて、情報提供して行きたいと思っております。


それでは次回も宜しくお願いします。


以上


【画像・情報提供先】
Windows のサポート期限(http://www.microsoft.com/ja-jp/windows/lifecycle/eos/consumer/default.aspx)
・ウィキア(http://ja.halo.wikia.com/wiki/%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%8A)
ITmedia(http://www.itmedia.co.jp/)
・ブログ中で使用したロゴマーク等は各社の商標です。

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