岩手の郷土料理 〜 ドン臭いけど結構うまい – その1

今回は、岩手県の郷土料理を何点か紹介したいと思いますが、皆さん、「岩手の郷土料理」と言うと、何を思い浮かべますか ?

「わんこそば」? 「冷麺」? それとも「じゃじゃ麺」?

この3つの麺類は、「盛岡三大麺」として有名ですが・・・残念ながら、「わんこそば」以外は、郷土料理には当てはまりません。

「わんこそば」は、盛岡市花巻市が、その起源を巡って、かつて市長同士が、紙面上で論戦を戦わせたこともあったようですが・・・結局、未だに、どちらが起源なのかは、はっきりしないようです。

但し、実際に「わんこそば」を考案して商標登録したのは、花巻市出身で、盛岡で「斎藤そば屋(後に「わんこや」に改名」:現在廃業)」を営んでいた「斎藤 市太郎」と言う人になります。花巻出身で、盛岡で、そば屋・・・これも、ややこしい話です。

さらに、「わんこそば」を考案する際に、既に花巻で開業していた「大畠屋(創業慶長2年:1597年)」を訪れ、「大畠屋」が使っている器や食事作法を教えてもらったとのことです。

益々ややこしい事になっているみたいです(笑)

ちなみに、花巻起源説と盛岡起源説を、簡単に紹介しておきます。

●花巻起源説
約400年前の慶長年間、盛岡藩初代藩主「南部 利直(1576-1632年)」が、江戸に出仕する途中、花巻城に立ち寄って食事をした所、出された一口大の「そば」を気に入り、「旨い」と言って、何度もお代わりを所望した。

●盛岡起源説
昔から盛岡地域では、祭事の際に、地主が客人に「そば」を振る舞う習慣があったが、人数が多くなると1回では全員分の「そば」を作れないので、「そば」を小分けにして何度も振舞っていた。その後、盛岡出身の首相「原 敬(1856-1921年)」が、「蕎麦は椀こに限る」と言ったことから、「わんこそば」が広がった。


まあ、私にしてみれば、どちらが起源でも良いことなのですが、地元にとっては、観光産業にも影響がありますから、重要事項だと思います。

また盛岡と花巻では、「わんこそば」の競技会でも争っているようで、それぞれ、次のような全国規模の大会を開催しています。

盛岡 全日本わんこそば選手権 昭和61年(1986年)から開催
花巻 わんこそば全日本大会 昭和32年(1957年)から開催

盛岡出身の私ですが・・・これまでの話からすると、花巻起源説に一票投じたい所ではありますが、そもそも盛岡と花巻は、距離にして40km弱位しか離れていないので、どっちでも良い話です。

意匠設計は「花巻」、施工は「盛岡」と言うJV(Joint Venture)形式で、次のようなフレーズにすれば良いと思います。

【 花巻で考案され、盛岡で生まれた「わんこそば」 】


さて、「わんこそば」の話が長くなってしまいましたが、岩手県の郷土料理の話に戻りたいと思います。

そもそも郷土料理とは、広辞苑によると「ある地域の生活の中で、作り食べ伝承されてきた、その土地特有の料理」とされています。

「そば」は、(今は無理ですが)昔は、家の畑で普通に栽培され、そのまま各家で調理されてきましたが、「冷麺」や「じゃじゃ麺」は、最初から商売目的で作られた物なので、郷土料理とは言えません。

言わば、当時の「B級グルメ」が、今では全国区になったような物だと思います。

ところで、「郷土料理」と一言で言っても、実際には色々なカテゴリーがあり、とても1回では紹介し切れません。

そこで、郷土料理を、次のカテゴリーに分類し、複数回に分けて紹介したいと思います。

項番 カテゴリー 紹介回数
1 汁物 1回目
2 麺類 1回目
3 ご飯・丼 2回目
4 2回目
5 豆腐 3回目
6 おやつ 3回目


第1回目の今回は、汁物と麺類について紹介したいと思います。但し、「わんこそば」については、既に説明しましたので、以降の紹介では割愛します。

■麺類
麺類も、「そば」と「うどん/そうめん」の2種類の麺類がありますので、それぞれ紹介したいと思いますが、「そば」も「うどん/そうめん」も、食材を紹介しても余り意味はないので(そば粉と小麦粉)、料理そのものを紹介したいと思います。

◆そば


岩手県は、寒冷地のため、稲作には向かいない土地であったので、古くから「そば」が栽培され、「お米」の代用品として、主食になってきました。

「そば」の生産量も、第1位の北海道(15,100t)の1/10位ですが、それでも全国で9番目に多い地方です。(2013年実績で647t)

それでは、岩手県内の「そば」を食材にした郷土料理を紹介します。画像は、岩手県ゆるキャラ「そばっち」です。


●はっと(はっとう)

岩手県を含む東北地方で言う「はっと」とは、「ご法度」の事を意味しています。

その昔、「そば」は、そば粉を練って棒状にした「はっと(または、はっとう)」、あるいは、後述する「かっけ」で食べるのが普通でした。

現在の様に、細切りにした物は「切りそば」と呼ばれており、「切りそば」は、作るのに大変手間が掛かる贅沢品とされていました。

その後、盛岡藩では、藩の財政再建のため贅沢品は禁止されたのですが、その際に「切りそば」も贅沢品として禁止されてしまったそうです。

さらに、「そば」自体も食べると罰せられるようになった事もあったようで、名前を「はっと」に変えて食べるようになったみたいです。庶民の知恵ですね。

「はっと(はっとう)」には、様々な食べ方があり、上図のように鍋に入れて食べる「柳ばっと」の他、お餅のようにして食べる方法もあるみたいです。


●かっけ

「かっけ」は、前述のように、「切りそば」が考案される前の、「そば」の食べ方になります。

「かっけ」は、「はっと」とは違い、「そば」を薄く引き伸ばして三角形に切って煮て食べる方法になります。


前述の「そば切り」は、長野県大桑村の「定勝寺」に残る戦国時代の文献に「天正2年(1574年)、仏殿修理の際に、切りそばを振る舞った」と言う記述があることから、戦国時代の前から、「そば」を細切りにして食べる習慣があったと思われます。

「かっけ」に関しては、上図の様に鍋に入れて食べる「かっけ鍋」の他にも、「ざるそば」の様に、煮た後に冷やして、タレに付けて食べる方法もあります。

●ひきなそば

「ひきなそば(引き菜そば)」とは、岩手県の県北、二戸市(にのへし)地域に伝わる郷土料理ですが、いわゆる「大根そば」の一種です。

但し、普通の大根ではなく、「切り干し大根」を使っているのが特徴です。(画像では解り難いかもしれません。)

その昔、切り干し大根を、「そば」にまぎれ込ませて、「そば」を節約したのですが、現在では、ヘルシー食品として、特に女性に人気の料理です。

●はらこそば

「はらこ(腹子)」とは、鮭の卵、つまり「イクラ」の事です。

「はらこそば」とは、その名の通り、「そば」に「イクラ」を載せた物で、三陸海岸地方の様々な場所で提供される料理です。

図の「はらこそば」は、単純に「かけそば」に「イクラ」を載せただけの物ですが、これとは別に、「そばつゆ」の中に「イクラ」を入れて温め、「つゆ」ごと「そば」に掛けた物もあります。


この「はらこそば」の場合、「イクラ」の表面の膜は白くなっていますが、中は「半熟状態」らしく、私は食べた事がないので解りませんが、口の中で「ぷっちっと」はじける絶妙な食感らしいです。

この「はらこそば」は、宮古市の「直助屋」と言う、大正時代から続く老舗の「そば屋」が提供していたのですが・・・

東日本大震災津波で全壊してしまい、やむなく閉店してしまったそうです。全く、残念なことです。

●ひつこそば

「ひつこそば」とは、岩手県遠野市周辺に伝わる「そば」になります。

この「そば」は、元々、お米を入れる「お櫃(ひつ)」に、「そば」を小分けにして振る舞った事が起源とされています。

「ひつこ(ひつっこ)」とは、「お櫃(ひつ)」の事です。岩手県では、「かわいい」物に対して、言葉尻に「こ(娘)」を付ける方言がありますので、これも『 小さな可愛いお櫃に入った「そば」 』と言う意味になるかと思います。


そして、上図の「お櫃」を広げると、右の画像にように、「そば」や「具」が入った「お櫃」が展開されます。

少量の「そば」を小分けにする所は、「わんこそば」に繋がるものがあると思われます。



●きじそば

「きじそば」は、名前の通り、「きじ(雉)」の肉から「だし」を取ったそばつゆを使う「そば」なのですが・・・

この「そば」は、特に岩手に限った郷土料理では無いような気がしますが、取り敢えず紹介しておきます。

この「そば」を提供しているのは、盛岡市玉山区藪川にある「藪川そば」です。

この「藪川」は、本州における最低気温「-35℃」を記録した土地と言うこともあり、岩手県内では、「そば」の名産地として有名です。

しかし、「きじそば」は、本来、雉の肉から「だし」を取るだけで、肉そのものは「そば」に出さないはずなのですが・・・ご覧の通り肉まで乗っています。

まあ、私個人としては、肉まで出してくれた方が美味しいので、全然問題とは思いませんが・・・ひょっとしたら、岩手県の郷土料理としての「きじそば」は、「雉肉」入りなのかもしれません ?


その他、岩手県において、「そば」を材料にした郷土料理として、次のような「そば」があると言われていますが・・・どうも伝統料理と言うよりは、ご当地グルメのような感じがしましたので、割愛しました。

・揚げそば
・地獄そば
・うにそば

◆うどん/そうめん
当初の予定では、「うどん」に関連する郷土料理を紹介しようと思ったのですが・・・

岩手県内には、郷土料理として、岩手県が認定した、次のような料理はあるのですが、これも、何か、歴史とか伝統を感じないので、割愛することにしました。
・三色うどん :かぼちゃ/人参/ほうれんそうを練り込んだ「うどん」
・ほうれんそううどん :ほうれんそうを練り込んだ「うどん」

その代わり、「そうめん」か否かは、評価は分かれると思いますが、次の料理を紹介したいと思います。

●卵めん/蘭めん

今から300年位前、キリシタン信者の「松屋十蔵」と言う人が、長崎から追われて、現在の奥州市江刺区の岩谷堂近辺に辿り着き、その後、長崎において、オランダ人から習い覚えた卵入りそうめんを作り、教えたのが始まりと云われています。

当初は、オランダ人から教わったので「蘭めん」と称していたのですが、その後、「卵めん」に名称を変えたようです。


昭和初期からは、乾麺にし、機械を用いて製造を始めたそうで、その後、お土産等で需要が高まり、県産品としても認められるようになったようです。

明治時代には、あの「板垣 退助」のお気に入りだったそうですし、岩手県出身の首相「鈴木 善幸」が、オタワサミットにお土産として持参したそうです。




■汁物
「汁物」としては、「すいとん系」とお椀で食する「汁物系」の2種類に分けて紹介したいと思います。

すいとん
すいとん系」としては、先に紹介した「はっと」がありますが、こちらの場合、食材に「小麦粉」を使っているので、別カテゴリーにしました。

また、この「はっと」と「ひっつみ」、何が違うの? と思う方もいると思います。

どちらも「小麦粉」を水等で溶いて作成した物なので、同じと言えば同じなのですが・・・製粉企業の「日清製粉」によると、次のような(微妙な)違いらしいです。

はっと :薄く紙状に伸ばして茹でたもの
ひっつみ :生地をちぎって茹でたもの

また、「はっと」も「ひっつみ」も、様々なレパートリーがありますので、本ブログでは、その一部を紹介したいと思います。

●はっと

「はっと系」の郷土料理は、「ほうとう」や「すいとん」等、全国に多数存在していますが、岩手県奥州市では、観光誘致を目的に、「はっと」料理を「奥州はっと」と銘打ち、市内34件の料理店を参加店として認定しています。

左の画像が、奥州商工会議所のPRキャラクター「はっとくん」になります。詳しい説明は、過去ブログを参考にして下さい。
★過去ブログ:岩手県のご当地キャラ




「はっと」は、基本、小麦粉を水で溶かして煮た物なので、「はっと」以外、次の要素により、その呼び名が変わります。
・汁の味付け(醤油ベース or 味噌ベース)
・一緒にいれる「具」

ちなみに、右の画像は、「カニ味噌」を使った「蟹味はっと」だそうです。

参考までに、「奥州はっと」参加店舗のパンフレットを用意しましたが、8MBと巨大なパンフレットですので、ダウンロードには気を付けて下さい。
奥州はっとパンフレット(8,563KB)

●ひっつみ

「ひっつみ」とは、小麦粉を練ったものを、手で千切って(ひっつまんで)鍋に投げ入れて作られる製法から「ひっつみ」と名付けられた料理です。

このため、「ひっつみ」のことを、地域によっては「とってなげ」とか、「つめり」と読んでいる場所もあります。


味付けや具は、これも地域によってバラバラで、醤油ベースの所もあれば、味噌ベースの所もありますし、中に一緒に入れる具も、地域によって違います。

私の実家でも、よく「ひっつみ」を作っていますが、ウチの場合は、味噌ベースで、コクを出すために鶏肉を入れ、後はネギ、大根、人参を加える程度です。

山梨県の郷土料理「ほうとう」と非常に良く似ていますが、これは、盛岡南部藩が、甲斐南部氏の血統であることも影響しているのかもしれません。

◆汁物系
「汁物系」に関しては、「まめぶ」は既にNHK朝ドラのお陰で、全国区入りを果たしましたが、それ以外にも多数存在しますが、まずは、既にご存知だと思いますが「まめぶ」から紹介したいと思います。

●まめぶ

ご存知「まめぶ」です。

「まめぶ」は、岩手県の県北、久慈市九戸郡近辺の郷土料理になります。

中にクルミ入りの団子が入っているので、まめぶ(豆ぶ)と呼ばれているようです。(画像参照)

また、ドラマでも「甘いのか、しょっぱいのか解らない味」/「おかずか、おやつか解らない」と紹介されていましたが、中に、クルミ入り団子とは別に、黒砂糖入り団子が入っているからだと思います。

さらに、2011年には、「久慈まめぶ汁」として「B1-グランプリ」の正会員になっており、2013年には、5位になっています。

●サンマのすり身汁

「サンマのすり身汁」は、三陸海岸沿いの地域の郷土料理です。

特に、「サンマ」の水揚げが多い、宮古市釜石市、大船渡辺りで食べられています。

漁師の妻達が、サンマをたたいてからすり鉢で練って団子型にして入れた汁物を考えたのが、「さんまのすり身汁」のはじまりです。基本は味噌味ですが、醤油味でも食べます。

秋になると、東京の各地で、三陸海岸で水揚げされたサンマで、「さんま祭り」が開催されますが、その際にも「サンマのすり身汁」が提供されています。

●納豆汁

「納豆汁」は、日本全国で食べられていますが、岩手県内では、秋田県との県境にある「西和賀町」近辺の郷土料理となっています。

西和賀町では、納豆を大根で擦り潰し、味噌ベースの味付けで、具として、さわもだし(きのこ)、わらび、高菜漬け、豆腐は必ず入る物として伝承されているそうです。



いちご煮

いちご煮」は、三陸海岸の北側、「あまちゃん」で有名になった久慈市小袖海岸付近の郷土料理となります。

その昔、小袖海岸で漁をする海女たちが冷え切った体を暖める為に、採れたての海の幸を鍋で煮て食べていました。



●里いもだんご汁

「里いもだんご汁」、これも日本全国に似た料理は存在していますが、岩手県内では盛岡市近辺の郷土料理となります。

「里いもだんご汁」は、茹でてからすりつぶした里芋に、ヒジキや銀杏、油揚げを混ぜて団子状に丸め、鍋やお吸い物の具にしたものです。

椀にとってからくずすと、中から色々な具が出てきて、いろいろな味が楽しめます。 

他の地域の「里芋」料理と異なるのは、「里芋」を、そのまま煮るのではなく、「里芋」を擦り潰し、その中に、さらに具を入れる所になります。

●けいらん

「けいらん」と呼ばれる郷土料理は、元々は、南部氏が居城としていた青森県八戸市近辺の料理だったのですが、南部氏が盛岡に居城を移した事で、岩手県内にも広がったようです。

右の画像の「けいらん」は、遠野市に伝わる料理です。お菓子の部類に入るかもしれません。

この料理の場合、もち米で包んだ「こしあん」を鶏卵状にし、その上に熱いゆで汁を注いだ物となります。


左の画像の「けいらん」は、野田村(久慈市の下)近辺に伝わる郷土料理です。

こちらの「けいらん」は、くるみ、黒砂糖、辛子を、もち米の粉の団子で包んで茹で、椀種にしたお吸い物になります。

その昔、野田村で禁忌が非常に厳しかった頃、精進料理に用いたそうです。

●けぇの汁

「けぇの汁」も、県北、久慈市近辺に伝わる郷土料理です。

毎年、大師講の日(11/24)に神様に供える「だいすこけえ」と呼ばれている「お粥」と一緒に食べる汁物になります。

小正月の料理の一つとして代々受け継がれたもので、副食として戴いた物になります。信仰上の理由で7種、9種、11種と奇数の具を入れる事が決まっているそうです。

具としては、にんじん、ごぼう、しいたけ、わらび、ふき、ぜんまい、焼き豆腐、こんにゃく、じゃがいも等を細かく切り、茹でたささげ豆を加え、だし汁で煮て、醤油で味付けし、最後にゆり根を入れます。

ちなみに「大師講」とは、宗派によって「大師」が異なるようで、真言宗なら「空海(弘法大師)」、天台宗なら「智者大師」、あるいは「伝教大師(最澄)」の忌日に行われる仏事のことだそうですが、殆どの場合は弘法大師の事だと思われます。

●けんちん汁

「けんちん汁」は、鎌倉市にある「建長寺」の僧が作った「建長汁」がなまったものと言われる説があるほど、日本全国に広がっている料理です。

もともと精進料理であるため、肉は入らず、豆腐をくずして油で炒め、大根、にんじん、ごぼう、こんにゃく、きのこ等を味噌ベースの出汁を加えて作ります。

昔は、小正月に、女性を休ませるために鍋で大量に作り、温め直して食べたと言われています。

●だまこ汁

「だまこ汁」は、もともとは秋田県五城目町が有名な郷土料理です。ご飯を潰して団子状にした「だまこ餅」を醤油ベースのだし汁に入れた物になります。

岩手県内では、ご飯に同量の片栗粉と牛乳を入れてよくこね、野菜やしいたけ、鶏肉を入れた醤油味のだし汁に一口大に丸めて入れて作るそうです。

だんごの片栗粉がとけて、汁にとろみがつくので、冬の汁物として食べられてきたそうです。

ちなみに、「だまこ」とは、「お手玉」の方言だそうです。

●どんこ汁

「どんこ汁」は、三陸海岸で穫れる「どんこ(エゾイソアイナメ)」と大根、にんじん、豆腐を入れ、味噌を加えて煮込んだ物です。

「どんこ」は、脂肪分が多くなる冬が旬で、味噌汁や鍋物として好まれています。


昔は、陰暦10月20日の恵比寿講には、尾頭付きの「どんこ汁」を神前に供え、豊漁を祈願したそうです。

宮城県の気仙地方では現在もこの習慣が続いているようです。また、白身で淡泊な味は産後の肥立ちに良いとされ、体力回復の料理として食べられてきました。



●ぬっぺい汁

「ぬっぺい汁」は、岩手県紫波郡に伝わる郷土料理で、「ぬっぺ汁」、「のっぺ」、あるいは「濃餅汁(のっぺいじる)」とも呼ばれています。

豆腐入りの「すまし汁」に、「とろろ」を添えた汁物で、見た目が「のっぺり」している所から命名されたそうです。

また、あまりおいしいので8杯もお代わりをすることから「八杯豆腐」とも呼ばれています。

寒い冬の夜の汁物として体が温まり、子供からお年寄りまでの人気であり、ナガイモと豆腐の組み合わせは、病人食としても適しているそうです。

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以上、麺類と汁物を紹介してきましたが、如何でしたか ?

この時期、まだ残暑が続いているので、汁物は、暑そうで遠慮したいような気がしますが、麺類は、見るからに喉越しが良さそうで、食べてみたくなります。

しかし、郷土料理と言われている料理も、調べてみると、実は、起源が他の地方だったり、同じ岩手県でも呼び方が違ったりと、結構面白かったです。

また、岩手県に住んでいた時、または帰省した時には、郷土料理とも何とも思わずに食べていたので、こうして由来等を知ると、また食べたくなってしまいます。

次回は、ご飯物と丼物を紹介したいと思います。

ご精読、ありがとうございました。

以上

【画像/動画・情報提供先】
・公益財団法人岩手県観光協会(http://www.iwatetabi.jp/)
Wikipedia(http://ja.wikipedia.org/)
・いわての文化情報大事典(http://www.bunka.pref.iwate.jp/index.html)
・流れの向こうに(http://keipapa3.exblog.jp/)
・わんこそば百科(http://www6.ocn.ne.jp/~iwt-izmi/histry-wanko/wanko.html)
・「わんこきょうだい」は(公財)岩手県観光協会登録商標です
・「はっとくん」は奥州商工会議所の登録商標です
・御食事処 喜作(http://kisaku.oshushi.com/)
・郷土料理百選(http://www.rdpc.or.jp/kyoudoryouri100/)

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