効率的な社内会議の仕方(その2) 〜 無駄な残業を減らす方法


今回のブログは、前回のブログ「効率的な社内会議の仕方」の続編になります。

★効率的な社内会議の仕方(その1):2014年7月5日ブログ(http://msystm.co.jp/blog/20140705.html)

前回のブログでは、次の様な内容を紹介しましたが、覚えていらっしゃいますか ?


・無駄な会議の実情把握 :無駄な進捗会議の事例紹介、会議関係業務で748時間/月、225万円/月浪費
・会議とは何なのか ? :会議は1つの業務、業務であれば入力/処理/結果が伴う
・社内会議の種類(タイプ) :意思決定、問題解決、情報共有、ブレインストーミング
・会議へのアプローチ方法 :タイプ別アプローチ方法の紹介


そこで今回は、次の様な内容を紹介したいと思います。

■第2回目
●会議の基本的運営方法
●会議へのアプローチ方法
●効果的な会議運営方法/改善方法の紹介
・「叱責の場になっていた営業会議」の廃止事例
・「意見が出ない会議」の改善方法
・「ポジション・パワーに支配される会議」の改善事例
・「声の大きい人に引きずられる会議」の改善方法
・「突然怒り出す人がいる会議」の改善事例
・「決定事項を蒸し返す人がいる会議」の改善事例
・「終わらない会議」の改善事例


最初に、会議運営方法の基礎を紹介し、最後に、ケース別に効果的な会議運営方法を紹介したいと思います。

今回も宜しくお願いします。

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■会議の基本的運営方法

それでは、【会議】の運営方法について紹介したいと思います。

(1)会議の目的を決定する


会議の目的を決定する、これが一番重要です。そもそも、目的の無い会議など存在しませんよね。

何のための会議なのか、目的が不明確なままでは、会議は必ず失敗します。よく、会議の途中から、争点がズレてしまうケースがありますが、これは会議の目的や、役割の不明確さに原因があります。

会議の目的が決定すれば、おのずと会議のタイプも決まります。会議のタイプが決定すれば、議事進行の仕方も決定します。

会議の目的・タイプを取り違えてしまうと、これ以降の作業も、全く異なる物になってしまいます。

また、複数のタイプが混在する会議もありますが、この場合は、議題毎に進行スタイルを柔軟に変更することで対応が取れます。


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(2)事前資料を作成する


会議の目的を決定した後は、その目的を達成するために必要と思われる資料を作成します。

会議は、会議の目的・タイプによって資料の有無、および会議資料の種類や内容が異なります。

特に、議題(Agenda)は必須です。議題を作成しないまま、思いつきで会議を開催するから、何も決まらない会議になってしまうのだと思います。

また、議題に時間配分も記載していれば、会議を効率的に進行することも可能になります。

会議タイプ別の資料としては、次の様な資料が必要になると思います。

・意思決定タイプ :決定事項を列挙した資料
・問題解決タイプ :問題点を説明した資料
・情報共有タイプ :共有事項の補足説明資料
ブレインストーミング・タイプ :特に必要無し、2回目以降なら過去の議事録

これらの会議資料があれば、会議時間の節約にもなりますし、議事録も短時間で作成可能になります。


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(3)参加者を決定する


会議は、必要最小限の参加者に絞り込むべきです。特に必要もない参加まで召集するから、大きな会議室が必要になってしまいますし、ダラケタ会議になってしまうのです。

また、参加者が多いと、責任感や使命感が分散してしまいますので、緊張感に欠けた会議になってしまいます。

必要最小限の参加者で開催される会議だからこそ、会議が活性化されるのだと思います。

単純な情報共有であれば、極端な話、作成した資料をメールで配布するだけで済んでしまうケースもあります。


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(4)役割分担を決定する


参加者が決定したら、参加者の役割分担を決めることも大切です。特に、議事進行役と書記は、事前に必ず決めておいて下さい。

書記に関しては、申し訳ありませんが、該当業務を知っており、かつ会議目的の達成のために、余り必要ではない人員を割り当てるべきだと思います。

書記の仕事は、結構大変です。議論に加わりながら、議事録を作成するのは無理があります。

そうかと言って、業務を知らないと、専門用語が理解できませんから、訳の解らない議事録を作成してしまう可能性があります。

また、会議を進めると、必ずと言っても良い程、議題と関係の無い話を始める人間が出てきますので、進行役も必要です。進行役が居ないと、議論の脱線を防止できなくなりますから、会議時間の時間切れや結論の出ない会議になってしまいます。

そして、進行役には、役職の上位者をアサインするのが好ましいと思います。

議題には関係無い話とは言え、自分の話を、途中で遮られるのは、誰しも気持ちが良くありません。

このような時、上位者から注意されれば誰もが従いますが、自分の部下から指摘されると、後味が悪くなります。

役職上位者を進行役にアサインできない場合には、主催者が、会議開始時に、進行役には、参加者全員で、役職の上下に関係なく敬意を払う様、依頼することを忘れないで下さい。

ちなみに、役割分担は、会議開催前に、事前に担当者をアサインし、了解を得ておく必要があります。会議当日に担当者をアサインするのは、時間の無駄ですし、担当者の心構えもできません。


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(5)会議資料を事前配布する


議題、および会議資料を作成し、会議参加者を決定した後は、参加者全員に、資料を配布します。

会議前に会議資料を配布し、参加者に読んでもらえれば、会議密度が向上しますし、会議時間の短縮になります。

しかし・・・私の場合もそうでしたが、せっかく資料を事前に作成して配布しても、資料を読まない参加者が、数多く存在します。ほとんどの参加者が、当日、会議室に着いてから資料を読んでいます。

これを防止するのは難しいですが、次の様な対応を取ることで、少しは防止することができるかもしれません。

・会議開始時に、事前に資料を読んだか否かを挙手で確認する旨を伝えておく
・議事録に、会議資料を読まずに会議に参加した社員の名前を掲載する旨を伝えておく
・議事録は、関係役員全員に配布することを事前に通知しておく
・配布資料に、上記の事柄、および理由を明記する


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(6)開始時間を守る


いよいよ会議を開催する事になりますが、当日は、会議の開始時間を厳守する必要があります。

会議の開始が遅れると、最初から緊張感が欠けた会議になってしまい、会議への集中力も低下します。

そうは言っても、必ず遅刻者は存在します。

しかし、会議の開始を遅らせると、前述の様な会議になってしまうため、キーパーソン以外が遅刻しても、そのまま会議を開始した方が良いと思います。

また、キーパーソンが遅刻の常習者の場合、会議開始前にキーパーソンに連絡したり、直接訪問して、一緒に会議に連れて来たりすることで、遅刻を防止することを心掛けた方が良いと思います。

さらに、次の様な対応を取る事で、遅刻を防止することも可能です。


・議事録に、遅刻者の名前、部署、上司の名前・役職を記載する
・遅刻者には、会議室に着席した時点で、遅刻理由を問いただし、回答内容を議事録に記載する
・議事録を関係役員全員に配布することを事前に通知しておく
・配布資料に、上記の事柄、および理由を明記する


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(7)主旨説明を行う


会議が始まったら、主催者が、次の様な発言をして、会議の開始を宣言します。

・主旨、目的、具体的な会議結果、および資料の説明を行い、会議情報の共有を図る
・時間枠、および会議終了時間を具体的に告げる
・役割分担を発表し、注意事項を通達する
・遅刻者、欠席者の名前を読み上げて、議事録に記載する旨を告げる
・書記以外が、PCを持ち込んだ場合には、会議に専念してもらうため、PCの使用を禁止する

特に、PCの使用禁止は重要だと思います。

紙削減のために、会議資料をPCで閲覧させている場合は別ですが、近頃では、書記以外でも、当たり前の顔をして、会議にPCを持ち込む人が大勢います。

しかし、会議中に、何でPCを見るのでしょうか ? メールの確認 ? 眠気防止 ?

会議中に、PC等を見ていたら、議論に集中できません。関係者以外のPCの使用は禁止すべきです。


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(8)議事録を取る


書記にアサインされた担当者は、議事録作成にだけ専念し、会議中に、その場で議事録を作成するように心掛けさせる。

現在では、紙に下書きするよりも、直接PCで議事録を作成した方が効率的です。

このため、議事録作成には、相当のスキルが必要になるので、書記に、新人などはアサインしない様に注意する必要がある。

また、書記は、発言内容が不明な場合、また発言者の氏名が解らない場合等、その場で直ちに確認する。

議事録を、その場で作成することで、書記にアサインされた担当者の、無駄な作業を省くことが可能となります。


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(9)総括をして終了する

会議が終了したら、と言うか終了直前に、主催者、あるいは書記が、決定事項を読み上げて、会議参加者全員に、確認を取る。

会議参加者全員と決定事項を共有する必要があるし、稀に、会議決定事項に、後から文句を言う人間が居るので、そのような行動を阻止する効果もあります。

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■効果的な会議運営方法/改善方法の紹介


ここまでの内容で、会議の種類、および会議への参加/運営方法を紹介してきました。

ここからは、私の経験やWeb上に掲載されていた会議の成功事例を紹介したいと思います。

まず、私が進捗会議の作業効率を上げた方法を紹介します。


●「進捗会議の無駄を減らした」事例

私の場合、プロジェクト・リーダーとして、それほど大規模ではありませんが、100人/月程度のプロジェクトを運営してきたり、あるいはグループ・リーダーとして、進捗会議に参加してきたりしてきた経験があります。

プロジェクト・リーダーの時は、私が主催する週1回の進捗会議だけで済みましたが、グループ・リーダーの時には、当初、毎週、チーム/グループ進捗会議を開催して情報収集を行うと共に、私自身が進捗状況を報告するために、プロジェクト・リーダーが主催する進捗会議に参加してきました。

これらの経験の内、私が、前職でパッケージ・ソフトウェアの開発プロジェクトのリーダーを務めていた時の経験を紹介したいと思います。このプロジェクトは、下図の様なメンバー構成でした。







そして、プロジェクト運営を行う内に、進捗会議の無駄に気が付いたので、このプロジェクトでは進捗会議を全て中止させました。(除く、役員との進捗会議)

しかし、ただ単に進捗会議を中止しただけでは、作業の進捗状況を把握できませんから、次のような対応を取りました。

・チーム/グループ単位で、毎朝、各リーダー宛にメールにて作業予定項目を報告させる
・チーム/グループ単位で、毎日、終業時間に、作業予定項目単位に、進捗率を報告させる
・作業担当項目に問題点がある場合、問題点と対応方法を、都度報告させる

上記の様な対応を取り、毎日進捗状況を確認することで、毎週、定期的に開催していた進捗会議を撤廃しました。

但し、進捗状況が芳しくないチーム、および問題点が解決できない個別項目に関しては、個別に対応策検討会議を開催し、納期遅延を発生させないような予防策を取りました。

その結果、次のように無駄な会議時間を削減することができました。








残念ながら、担当役員との進捗会議は、私の意向だけで中止はできませんから、運営方法を変更した後も、私だけは役員進捗会議には参加しました。

しかし、グループ内、およびリーダーとの各進捗会議は、グループ・メンバー各個人が参加する会議だけで毎週トータル38.0時間あったものを、0時間にしました。

まあ、毎日、終業時間に進捗状況をメールで報告させますので、その分だけ、日々の業務は増加しますが、メンバー、および各リーダーも、進捗状況をまとめてメールを出すだけですから、10分もあれば作業は終了します。

プロジェクト・メンバー全員の作業時間を合わせても、一週間で10分×13人=130分×5日=650分=約11時間です。

毎週38時間も掛けてグループ単位に進捗会議を開催していたものを、11時間に短縮できましたので、27時間分だけ無駄な作業を削減することができました。

週27時間無駄な作業を削減しましたから、月に換算すると、27時間×4回=108時間です。これを人/日に換算すると、108時間÷8.0時間=13.5人/日、1ヶ月間の内、約14人/日分だけ、開発作業に専念する時間を捻出したことになります。

さらに、これを年に換算すると、108.0時間/月×12ヶ月=1,296時間、これを人/月に換算すると、1,296÷160時間=約8.0人/月です。

1ヶ月当たりの外注費を70万円とすると、8人/月×70万円=560万円分だけ、費用を削減すること可能になります。

週単位では僅かな時間を削減するだけですが、これが長期プロジェクトになると、削減費用も馬鹿にはできません。

次に、次の様なWebに紹介されていた成功事例や改善方法を紹介します。

●「叱責の場になっていた営業会議」の廃止事例
●「意見が出ない会議」の改善方法
●「ポジション・パワーに支配される会議」の改善事例
●「声の大きい人に引きずられる会議」の改善方法
●「突然怒り出す人がいる会議」の改善事例
●「決定事項を蒸し返す人がいる会議」の改善事例
●「終わらない会議」の改善事例

上記以外にも、問題がある会議は、沢山あると思います。しかし、全てを本ブログに書ききることはできません。取り敢えず、今回は、この程度で我慢して下さい。

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●「叱責の場になっていた営業会議」の廃止事例


(1)問題点

・「営業会議」が、「個人叱責会議」になってしまっている
・該当者以外は無言
・関係ない社員は、中途退席
・全員を集めるために、就業時間外の残業が強制されてしまっている
・同じく全員を集めるために、大会議室を予約する必要がある

(2)改良点

①参加者の立場として

・各個人が、事前に会議資料(進捗報告/次週行動予定表)を作成し、発表は短時間で済ませる
・会議では、進捗報告書を元に、行動計画の精査を行うだけにする事で、議論ポイントを絞り込む
・上記対応を取る事で、会議時間を1/3に短縮できる

②主催者の立場として

・会議自体の必要性を検討する
・全体会議を廃止し、個人面談に切り替える事も可能
・個人の空いている時間を有効活用し、残業を減らすことも可能になる
・個人面談に切り替える事で、より細かいアドバイスを与えることが可能になる
・会議の場での「叱責」も、個人面談なら「アドバイス」になる
・但し、面談時間は10〜15分程度にする

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●「意見が出ない会議」の改善方法


(1)問題点
・会議を開催しても、発言が少なく、議論が盛り上がらない
・1時間の予定の会議が30分で終了してしまう
・議事録は作成できるが、今後につながる展開を描けない


(2)改良点
・議事進行役(ファシリエーター)の行動に問題がある
・参加者の発言を、中途半端に「まとめる」傾向がある
・ファシリエーターが、発言を中途半端にまとめると、参加者に違和感が広がり誰も発言しなくなる
・ファシリエーターが、強引に結論をまとめ過ぎる傾向がある
・発言は自然な流れに任せ、発言が長引いたり、脱線したりした場合にのみ、介入して調整する
・意見が出ないので、単に、指名して発言させようとしても意見は出ない
・指名する場合、参加者のプロフィールを事前に調査し、その人の得意分野に関する発言を促す


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●「ポジション・パワーに支配される会議」の改善事例


(1)問題点

・ベテランが発言すると、反対意見が出にくくなる
・部下・後輩が意見を述べても、ベテランが否定する
・ベテランに気を使ってしまい結論が先送りになる
・会議終了後に、職場の雰囲気が険悪になる


(2)改良点

・「会議参加の心得」を会社の決まりとして作成し、その中で「ポジション・パワー」を否定する
・合わせて、会議後に職場の雰囲気が悪化するのであれば、「会議中の発言は口外しない」、あるいは「会議中の論争を職場に持ち込まない」等の指針も付加する
・会議の開始時に、ファシリエーターが、最初に「会議参加の心得」を読む事も効果的
・部下・後輩の意見を取り込む工夫を施す
・例えば、付箋に無記名で意見を書いてもらい集めてホワイトボードに張り出すことで、発言者と意見を切り離し、意見だけが「一人歩き」をするようになる
・または、最初にベテランから意見を聞き、その後、参加者全員から他の意見を募集する
・あるいは、上記2案の組み合わせを実施する
・上記方法に関しては、会議運営方法として、ファシリエーターが会議冒頭で宣言し、部下・後輩に安心感を与えることも重要


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●「声の大きい人に引きずられる会議」の改善方法


(1)問題点

・自分の意見を強行に主張し、他メンバーの意見を聞かない人がいる
・何度も同じ意見を言い張るので、他のメンバーの発言機会が奪われてしまう
・無記名の付箋に意見を書いて張り出しても、声の大きい人が同じ意見を何枚も書き出してしまう
・声の大きい人が、部門長や役員の場合が多いため、余計に性質が悪い


(2)改良点

・事前に会議の目的とタイプを決定し、会議開始時に、ファシリエーターが、その旨を宣言して、参加者全員の承認を得る
・会議の目的とタイプに関しては、ファシリエーターが、事前に主催者(部門長/役員)と打ち合わせを行い決定しておく
・会議タイプに関しては、意思決定タイプなのか問題解決タイプなのか、あるいはブレインストーミング・タイプなのかを明確にする
・会議タイプを、主催者(部門長/役員)と事前に決定しておくことで、問題解決と言いながら、自分の意見を押し通そうとする主催者(部門長/役員)の行動をけん制する事ができる
・発言内容と発言者、そして発言回数等をホワイトボードに書いて、参加者全員に見えるようにする
・加えて、同じような発言を繰り返す参加者の発言内容には、赤枠で丸印を付け加える等の細工を施し、自分が何度も同じ意見を繰り返していることを自覚させ、自然に発言を控えさせる
・あるいは、参加者全員に小型のホワイトボードを配布し、一人当たり一つの意見を書き出させることで、発言の公平性・平等性を維持することもできる
・さらに、声の大きい人が参加する会議では、ホワイトボードに「1議題/1人/1意見」等と書き出しておくことで、声の大きい人の重複意見を未然に防止することもできる


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●「突然怒り出す人がいる会議」の改善事例


(1)問題点
・議題に関係の無い話をし出して、突然怒り始める人がいる
・相手の意見に感情的になり、怒り始める人がいる
・会議の決定事項を中々受け入れず、会議終了後に決定事項に反対する人がいる


(2)改良点

①話が長い人の場合
・議題に関係の無い話をする人は、話が長過ぎる人が多い
・話が長過ぎて、自分でも何を言っているのか解らなくなり、その内に、過去体験を思い出し、感情的になるケースがある
・この場合、ファシリエーターが、話の合間に介入し、発言内容を「一言」で整理してもらう
・但し、発言中に発言を遮ると、余計に感情的になるケースもあるので、介入するタイミングには注意する必要がある
・前述の「会議参加の心得」をホワイトボードに書き出しておき、注意を促す方法もある
・感情的になる人の場合、議題から外れているとはいえ、自分の意見を無視されると、フラストレーションが溜まる人が多いので、「その議題に関しては、別の機会に会議を開催したい」と伝えて、フラストレーションを溜め込まないようにする
・さらに、書記に命じて、議事録にも、「その他検討事項」と言う様な項目を設け、必要に応じて、別途打ち合わせを行う旨も記載するよう、その場で指示を出した方が良いかもしれない(但し、開催日時は不明としておく)


②いつも関係の無い話をする人が決まっている場合
・会議参加者の中で、議題から外れた話をする人が決まっているケースもある
・前述の様に「会議参加の心得」をホワイトボードに書き出しておき、会議開始時に読み合わせを行うか、もしくはファシリエーターが、内容を読んで参加者に周知する
・該当者が発言をしたら発言内容を注視し、議題から外れた時点で、直ちに指摘する
・指摘する場合も、上から目線ではなく「〜さんの発言には、貴重な意見も多いのですが、今回は、議題から外れていますので、今回の議題である〜の点については、何か意見はありますか?」と言う様な、「注意 兼 発言」を促す方法が好ましい(該当者が上司・先輩・年長者の場合)


③直ぐに感情的になる人がいる場合
・反対意見を言われると、感情的になり、怒り出す人もいる
・この場合は、「ガス抜き」が必要となる
・過去の経験から感情的になった場合には、5分程度の時間を与えて、過去の経験を話してもらうことで「ガス抜き」を図る(「貴重な経験ですので、5分程度で過去の経験を話して頂けますか」)
・他方、自分の意見を聞き入れてもらえないことで感情的になる人もいる
・この場合、その人の意見をホワイトボードに書き出して、少しの間、この意見に対する意見・感想を募り、「今の意見も参考にしながら、議論を深めて下さい。」として議論を再開する。
・自分の意見に対しても、参加者が敬意を払ったことが解れば、これが「ガス抜き」になる
・反対意見を持ったまま会議を終了してしまうと、決定事項に対する「抵抗勢力」になる可能性が非常に高いので、未然に防止し、かつ決定事項に積極的に関与してもらうようにする
・強い反対意見を持つ人の場合、自分のやり方に「こだわり」を持ち、かつ、そのやり方で成功してきた経験を持つ人が多いので、会議の場を通して相互理解を深めておく必要がある。


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●「決定事項を蒸し返す人がいる会議」の改善事例


(1)問題点

・会議も終盤に差し掛かった頃、前の議題で決定したことに疑問点を差し挟む人がいる
・何度も、蒸し返しを行うので、会議が終了しない
・決定事項を蒸し返す人が、部門長・役員なので、対応の仕方が解らない
・会議中に決まった事を蒸し返すので、事前対応は無理である
・決定事項を蒸し返す人が、部門長・役員レベルなので、無視することもできない


(2)改良点

・蒸し返された問題が、確かに決定事項の「漏れ」であれば、その意見を歓迎した方が良いと思われます
・しかし、蒸し返された問題点が、既に決定事項に含まれているのであれば、その旨を告げて、話を打ち切った方が良い
・但し、単純に話を打ち切ると、相手が相手だけに、後々問題になるケースもあるので、指摘事項を、議事録にきちんと記録することで、納得してもらう形を取るのが望ましい
・また、議題に対する結論が出た時点で、その都度、該当者に「何か問題や不足部分はありますか?」と確認を取ることで、蒸し返しを、ある程度防止することもできる
・しかし、該当者は「心配性」だと思われるので、確認時点では問題を感じなくても、別の議論に移った後で、不安を感じることが多いと推測される。この場合、何を、どう対処しても「蒸し返し」を防止することは不可能である
・上記対応(決定事項の再確認)を取る事で、相手を納得させるしか方法はない


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●「終わらない会議」の改善事例


(1)問題点

・ほとんどの会議が予定時間内に終了しない
・毎回、議論が発散して結論が出ない


(2)改良点

・議題の粒度と会議時間が一致していないと思われる
・議題の粒度が粗いのであれば、議題をブレイクダウンして、議題の粒度を小さくする
・議題の粒度を小さくした上で、タイム・スケジュールをホワイトボードに張り出して、参加者に会議時間を意識させる
・タイム・スケジュールは、ファシリエーターと主催者との間で、議題毎に発言時間、整理時間、質疑応答時間を調整して決定しておく
・また、ファシリエーターと主催者とは、会議で決定すべき項目に関して事前に打ち合わせを行い、今回の会議で、決定すべき項目の最低限度を決めておく
・以上の様な事前準備を行っても、意見が大量に出れば、当然、会議は時間内に終了しない
・会議が時間内に終了しない場合、ファシリエーターが、会議時間を延長するか、あるいは再度開催するのかを参加者全員に問いただし、参加者の意見で、今後の予定を決定することで、「やらされている感」を払拭する
・ファシリエーターが、今後の予定を決定してはいけない

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ここまで、2回に分けて、無駄な会議を改善する方法を何点か紹介しましたが・・・どうでしたか ?

今後も、会議が無くなる事は、絶対にないと思います。

せっかく、忙しい時間を調整して会議に参加するのですから、参加することに意味がある会議にしたいと思います。

会議に参加するために、日々の仕事を調整するのは、「本末転倒」です。

皆さんも、限りある時間を有効にお使い下さい。

次回も宜しくお願い致します。

以上

【画像・情報提供先】
・ITpro(http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20090526/330702/)

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