あなたの口癖は大丈夫 ? ― その口癖が部下をダメにする

あなたは、自分の口癖を自覚してますか ?

少し古いですが「Yes We Can」と言えば、アメリカ合衆国バラク・オバマ大統領の有名なフレーズですが、彼の本当の口癖は「Let me be clear(率直に言って)」なのだそうです。

私の場合、少し前まで、家族に向かって「バカじゃないの ?!」が定番でした。

自分の常識を作り上げ、その常識から外れた行為をする家族を、非難する言葉ばかり発してましたが、近頃は、出来る限り「ほめ言葉」を言う様に心掛けるようになりました。

しかし、幸い、今は家の外においては、そのような口癖はありません。

私の場合、子供の頃から、思ったことを、直ぐに言葉に出してしまう性格だったため、若い頃は、ずいぶん「言葉」のせいで、損をしたことが沢山ありました。

まさに、「口は災いの元」を地で行くような生活でしたが、社会人となり、部下を持つようになった時点で、少しずつですが、考えてから言葉を発するようになりました。

いきなり部下に、面と向かって「バカじゃないの ?!」と言ったら、部下も「へこみ」ますし、後からフォローするのも大変ですしね。


そこで今回のブログにおいては、「あなたの口癖は大丈夫 ?」と題して、普段、何げなく使う言葉が、部下や他人に、どのような影響を与えるのかを考えてみたいと思います。

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■「MKノー」

「MKノー」とは、「見たことも聞いたこともない」の略みたいな物のようで、近頃良く聞くビジネス用語(?)です。

特に、組織改革等、新しい事にチャレンジしようと言う時に、批判ばかりして、最後に言う決め台詞が「そんな事、見たことも聞いたこともない」となります。

この言葉は、非常に例レベル、幼稚園児の会話と同程度なのだそうです。

組織や業務を変革しようと言う時です。

自分達の過去の成功体験、つまり「見た事があり」、かつ「聞いた事もある」事ばかりに行うから変革できずに成長できない訳です。

新しい事を行う提案ですから、「見たことも聞いたこともない」のは当たり前です。

「見たことも聞いたこともない」と言う人は、現状維持を望む人の口癖です。

「見たことも聞いたこともない」が口癖の人に、業務改革や組織改革を任せてはいけません。その上司に提案を行うべきです。

しかし、「見たことも聞いたこともない」と言う口癖が出る会社は、得てして、会社の風土として、新しい行動を拒絶する傾向があります。

つまり、「見たことも聞いたこともない」と言う上司の上司も、同じ事を言う可能性が高いと思います。

「MKノー」は、会社のDNAとして、脈々と受け継がれて来た可能性があります。あなたの会社は大丈夫ですか ?

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■「これ、やっといて」

皆さん、何げなく使う言葉だと思いますが、この言葉も、正しく使わないと、部下は誤解してしまいます。

まず、何がマズイのかと言うと、第一に期限の指示がありません。部下は、何時までに仕事を仕上げれば良いのか解りません。

上司の指示ですから、今、作業中の業務を中断しても、「これ」を行おうとするかもしれません。しかし、本当は、今の作業の方が重要なのかもしれません。

次に問題なのは、「これ」とか「あれ」だけ伝えても、本当の目的が部下に伝わりません。何のための作業なのか、誰のための作業なのかを、きちんと伝えなければ、部下は、どのような作業を行えば良いのか解らずに作業を行ってしまいます。

上司は、数ページの報告書が必要なのに、部下は、数十ページの資料を作ってしまうかもしれません。こんな無駄作業を部下に行わせるのは可愛そうですし、上司は、無駄な仕事を増やすだけの存在かもしれません。

挙句の果てに、作業結果が自分の期待と異なると、次に取り上げる禁句「解らなければ、何で相談に来ないんだ !」となってしまいます。

これじゃ部下が浮かばれません。

それと、似たような口癖で、「後は宜しく! 」もありますので、この口癖も注意して下さい。

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■「何で相談に来ないんだ !」

部下が失敗した時などに、思わず口に出る言葉です。

上記「これ、やっといて」で、作業結果が期待と異なる時にも使われますが、結局は、自分が、ちゃんと指示をしないために失敗した訳ですから、最初から具体的な指示を出すべきです。

また、上述の理由とは別に、あなたを信頼しないから、部下は相談しに来なかったのかもしれません。

相談した結果、あなたから発せられる言葉が、次で取り上げる「それで君はどうしたいんだ ?」だとしたら、部下は、あなたになど相談したいとは思わないはずです。

一番のベストは、部下が、何度も相談しに来ない様に、最初から、具体的な指示を部下に与えることだと思います。

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■「それで君はどうしたいんだ ?」

これは、コーチングの意味を取り違えた人が良く使う言葉です。

ちょっと前に流行った「コーチング」ですが、その中で、部下のやる気、能力を引き出す方法として紹介されました。

しかし・・・この手法も、時と場合によりけりです。

潜在能力があるのに、能力を発揮できない部下に対しては、この手法は有効ですが、誰にでも「君はどうしたいんだ ?」と聞くのは誤りです。

能力が無い部下に、「君はどうしたいんだ ?」と聞かれても、答えは明らか、「解りません」です。

その結果、出る言葉は「何で解らないの ?」です。

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■「何でできないの ?」/「何で解らないの ?」

部下は、あなたに指示された作業が、「できない」/「解らない」から教えを請いに来たのです。

それなのに、あなたから「何でできないの ?」/「何で解らないの ?」と聞かれても困ってしまいます。

また、この場合、部下のスキル不足を責めても仕方ありません。

部下が解らないなら、それを解るように、そして解るまで説明するのが上司の役目です。そうやって部下は成長して行きます。

部下の教育もしないくせに、「あいつはダメだ」とか「あいつはな〜」と言う、あなたこそが上司失格だと思います。

教育しても伸びない部下に対しては、教育方法を変えるべきです。

また、いくら教育しても、現在の部署の業務を理解できないならば、部下が成長しそうな別部署を考えてあげるべきです。

もしくは、あなたとは業務スタイルが違う上司を付けるべきかもしれません。

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■「あいつはダメだ」/「あいつはな〜」

部下やお客様、あるいは自分の上司を非難する言葉は、すぐに社内に広まります。

「悪評一夜にして千里を駆ける」と言う「ことわざ」もあるように、良い噂は中々伝わりませんが、悪い噂は直ぐに伝わってしまいます。

また、自分の部下を非難すると言う事は、自分で、自分を非難することに他なりません。

つまり、上司である自分が、部下を育てられないという事を口外する事になる訳ですから、自分に能力が無い事を、言いふらす事になります。

まさに、「恥の上塗り」状態であることを理解すべきでしょう。

前の項目にも記載しましたが、部下を教育し、成長させる事も上司の仕事です。

こういう事を言う上司に限って、次の禁句も口にします、「給料分は働けよな」。

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■「給料分は働けよな !」

この言葉は、特に営業系、または営業経験のある上司で、かつ営業成績が優秀だった人が良く使います。

私も前職で、営業出身の上司から良く言われました。

まあ、確かに、経営者からすれば、給与を支払う訳ですから、給与分の仕事は行ってもらいたい、と思うのは本音です。

しかし、「給料分は働けよな !」と言う人は、本当に部下の業務内容を分析し、費用対効果を把握した上で、この言葉を使ってるんでしょうか ?

私は、そうは思いません。

営業部門の中で「給料分は働けよな !」を使う分には、営業社員は売上数字が明確なため、他部門と比較すれば、それなりに許せるかな〜とは思います。

しかし、技術系や支援系の社員に、この言葉を使っても意味はないと思います。

常日頃、業務の棚卸しを行い、業務の作業単価を分析し、かつ公表するならいざ知らず、何の対応も取らないのに「給料分は働けよな !」と言われても・・・「何言ってるんだ、コイツは ?」と思われるのが「関の山」 です。

また、上述の様に、営業部門内で「給料分は働けよな !」を使うならまだしも、他部署に異動して来てまで「給料分は働けよな !」を使うのは「お門違い」です。

これこそ、過去の栄光に取りつかれた上司の典型です。自分は、営業部門で華々しい実績を上げて昇進して来たのだ、と言う態度が見え見えです。

さらに、「給料分は働けよな !」と言う人も、実は、会社から給与を貰います。果たして、この人は、給与分の仕事をしてるんでしょうか?

部下や他人に「給料分は働けよな !」と言う前に、まずは自らの役割や職務を認識し、部下が「給料分の働き」が行える様に、自部門の業務の棚卸しを行ってはいかがですか ?

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■「嫌なら辞めちまえ !」

これは、究極のパワハラ言語ですね。リーダー、あるいは上司が、この言葉を言ってしまったら、もうどうしようもありません。

リーダー、あるいは上司とは、会社の方針を部下に咀嚼(そしゃく)して伝え、実行方法を立案して目標を設定し、部下に目標を実行させる立場にあります。


その立場にある人が、「嫌なら辞めちまえ !」と言ってしまっては、自分の役割を放棄したことになります。

確かに、仕事は、遊びじゃありませんから、自分の意に沿わない業務・作業もあります。

私の場合、前職の一時期、ソフトウェアの障害対応の部門長でしたから、ソフトウェアに何か不具合が発生すると、障害原因を調査し、その調査結果をお客様に報告しなければなりませんでした。

お客様は、障害が発生して業務が停止した訳ですから、当然、烈火のごとく怒ってます。

その中に乗り込んで原因報告と今後の対応方法の説明を行う訳ですから、まさに「針のムシロ」に座らされる様でした。

さらに、当時のお客様は、ほとんどが上場企業でしたから、障害報告会には、10人以上、多い時には20人位の方が集まり、これも「袋叩き」状態でした。

当時は、「針のムシロ」に座らされて「袋叩き」に合うのが仕事でした。

もちろん、私にも部下は居ましたから、部下を派遣して報告させることも可能です。

しかし、部下を信用しない訳じゃありませんが、部下が障害報告を行って、さらにお客様を怒らせたら、元も子もありません。会社の信用問題にまで発展してしまいます。

こうなれば、嫌な仕事でも、腹をくくって説明し、謝って納得してもらうしか他ありません。

また、逆に考えれば、このような状況は、部下を育てるのに格好の場所です。

上司は、嫌な仕事を自ら進んで行い、それを部下に見せて、部下を成長させる様、努めるべきだと思います。

「嫌なら辞めちまえ !」と言う前に、嫌な仕事の対応方法を教え、それを真似させれば良いと思います。

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■「上が決めたことだから」

これもリーダー、および上司は「禁句」です。

前にも記載しましたが、リーダーは、経営陣や上司が決定した事項を、部下に、咀嚼して伝え、より具体的な指示を出すのが仕事です。

また、指示を与える際には、この仕事が、会社にとって、どのようなメリットがあるのか、さらに、この仕事を達成することで、部下にとって、どのようなメリットがあるのかまでも説明する責任があります。

さらに、もしもリーダー自身が、経営陣や上司の決定に納得できないならば、決定事項を聞いた時点で、自分が納得できるまで上司と話し合いを重ね、納得した後に部下に報告すべきです。

上司の決定を、ただ単純に部下に伝えるだけの「伝令役」のリーダーなど不要です。通達事項を社員に伝えるだけならば、無能なリーダーの余計な考えが間に入らないから、メールの方が有効だと思います。

確かに、面倒な業務を部下に行わせる場合、「上が決めたことだからさ、頼むよ」とだけ言えば、その場は楽には違いありません。上司との交渉も省略できますし、部下を説得する必要もありません。

しかし、本当に、それだけで良いでしょうか ?

人間は、自分が納得しない事に関しては、気持ちの込め方が全然違います。「よし、やるぞ !」と、「しょうがないな〜」は、仕事の効率が全然違います。

「しょうがないな〜」の場合、やる気がないため仕事の進捗率は下がりますし、集中力もないためミスも増えます。

自部門の成績を上げたいと思うなら、部下に説明するのは面倒ですが、やはり、きちんと部下を納得させてから仕事を行わせた方が良いと思います。

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■「何度も言うけど」

これも本末転倒の言葉です。

リーダーは、部下に同じ指示を何度も出さない様にするのが仕事です。

部下に、何度も同じ事を言わせないためには、部下に業務内容を理解させる必要があります。

部下が、同じミスを何度も繰り返すのは、リーダーが、具体的な指示を出さない証拠です。

それにも関わらず、あたかも部下が悪い様に「何度も言うけど」と言うのは本末転倒です。

とは言え、やはり部下の中には、何度も同じミスを繰り返したり、説明した内容を、変な方向に解釈したりする人間も必ず居ます。

弊社の社内にも、文章やメールで、きちんと作業内容を指示しても、「どうして、そんな事するの ?」と言いたくなるような行動を取る社員が居ます。

そのような社員には、やはり口頭での指示だけでなく、具体的な指示を記載した指示書を出し、かつ指示書を読ませた上で、相手から対応の仕方を報告させる必要があります。

確かに面倒ですが、そうでもしない限り、絶対にミスを繰り返しますから仕方ありません。

「指示書を読めば解るだろ !」と言いたい気持ちも、よく理解できますが、読んでも解らないからミスを繰り返す訳ですから、これもリーダーの仕事だと割り切って対応してあげて下さい。

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■「じゃあ、みんなで話すか」

居ますよね、会議好きな上司って・・・

それも、単に、みんなで集まるだけで、議事録も作成せず、結論も、対応責任者も、対応期限も決めない、本当に無意味な会議を開く上司。

ちゃんとした目的があり、みんなで話し合って解決策を見つけるのは、「三人寄れば文殊の知恵」とも言いますから、無駄じゃないと思いますが・・・

また、こういう上司に限って、自分一人で何も決められず、部下に責任を押し付けるタイプが多いから、本当に困ってしまいます。

会議には、集約すると、3つのタイプがあることをご存じですか ?

・意思決定タイプ : 皆の意見を聞いた上で、上司やリーダーが何らかの意思決定を行う会議
・問題解決タイプ : 問題発生時に開催され、皆で問題解決のために対応策を検討・決定する会議
・情報共有タイプ : 社内外の新規情報、あるいは経営層の指示を皆に伝えて情報を共有する会議

会議の種類を大きく分類すると、上記3つのカテゴリーに分類されますが、1つの会議で、これから3タイプが混在するケースもあります。

会議については、後日、当ブログで「効率的な会議運営方法」を紹介したいと思いますが、この「じゃあ、みんなで話すか」タイプの会議は、上記カテゴリーには、当然含まれません。

会議には目的があります。

通常、会議の検討結果は、議事録として記録され、議事録の中に、5W1H、Why(何のために)、誰が(Who)、何を(What)、何時までに(When)、何処で(Where)、どのような手段(How)で行うのかが記録されます。

ところが、「じゃあ、みんなで話すか」タイプの会議は、みんなで話す事だけが目的ですから、結論がありませし、議事録もありません。

「じゃあ、みんなで話すか」タイプの会議終了後に問題が発生すると、「あの時の会議で決まっただろ ! 何で対応しないんだ !」と言う感じになりますが、議事録も何もないため、誰が責任者なのかも解らない状況になってしまいます。

そして再び「じゃあ、みんなで話すか」となります・・・全く話になりません。吉本新喜劇の様な感じです。

しかし、笑い話じゃ済まされません。会議に召集されるメンバーも仕事中です。その仕事を放棄して会議に出席させられる訳ですから、たまった物じゃありません。

私もその昔、散々「じゃあ、みんなで話すか」会議に参加させられましたが、私の場合、前述の様に、障害対応部門だったため、無駄な会議に参加するだけで、お客様への対応が遅れてしまうことになります。

結局、障害対応を行うために、無駄な残業を強いられることになりますが、これも会社の損失です。

つまり、「じゃあ、みんなで話すか」会議は、会議を主催する【無能な】リーダーが満足するだけで、会社や社員にとっては、何のメリットもありません。

「じゃあ、みんなで話すか」会議は、次の様なデメリットがあることを認識すべきです。
・部下の士気を下げる
・部下の時間を無駄にする
・部下の残業時間が増える
・お客様に迷惑を掛ける
・会社の損失を増やす

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■「で、今日は何だったかな ?」

この言葉を聞くと、本当にガックリしてしまいます。「お前は何様だ ?!」と言いたくなります。

会議の冒頭などで「今日は何だったかな ?」発言があると、会議室から退席したくなります。

私が会議を主催する場合、当然のことですが、会議用資料を作成し、それを参加者全員に送付してから会議を開催します。

それにも関わらず「今日は何だったかな ?」と言われた日には、「お前は、何のために会議に出てるんだ !」と怒鳴りたくなります。

しかし、「今日は何だったかな ?」発言をするような上司を会議に呼ぶ場合は、役に立たない人間であることを解った上で会議に呼んでおり、単に根回しをして、後で承認を得るために呼んでいるだけですから、そこはサラッと流しました。

この「今日は何だったかな ?」発言をする上司で、最も腹立たしいのは、自分が召集した会議で、この発言をする人間です。

当然参加者は、「お前が招集した会議だろ !」と言うことになります。

加えて、このような人間は、必ず会議に送れて来ます。全く、そこまでして、自分の権威を見せつけたいのか、と思ってしまいます。

部下は、忙しい仕事の合間を縫って会議に参加している事を自覚し、「今日は何だったかな ?」は、絶対に口にしないようにして下さい。

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■「私が言うと決まっちゃうからさ」

この言葉も問題ですよね〜

さも自分が答えを持ってるかのような、上から目線の言葉です。

さらに、こういう事を言う上司に限って、何も考えてないのが実情だと思います。

「正しい結論だと思うなら、まず、その結論を言ってみろ !」と言いたくなります。また、正しい答えを知ってるんなら、「何で部下の意見を聞く必要があるの ?」と言う事です。

これが、部下を教育するための研修や学習の場ならともかく、会議の席で「私が言うと決まっちゃうからさ」などと言ったら、もう会議はブチ壊しです。

みんな、一気に「ドン引き」です。誰も真剣に話し合いなどする気は無くなってしまいます。

私も以前、上司である部長が、「私が言うと決まっちゃうからさ」と言ったのを受けて、「それなら考えを言って下さい。みんなで部長の考えに沿って、問題点がありそうな箇所を検討します。その方が時間の節約になります。」と言ったら、部長に「逆ギレ」されてしまいました。

「どうして、そんな事を言うんだ ! 皆の意見を集約するために会議を開くんだ !」ですって・・・

結局、何も考えてないのがバレバレです。その後は、誰も真剣に意見など言うはずもなく、会議は、再度開催することになってしまい、他のメンバーからは「お前が、あんなこと言うから、また会議を開くハメになった」と責められてしまいました。

とにかく、皆の意見を聞きたいなら、最初から「この件について、私は経験がないから、皆で検討して欲しい」と言えば良いんです。

知らない事を知らないと言って、何が悪いんでしょうか ? 下手に見栄を張るから面倒な事になる訳です。

「上司のクセに何も知らないのか」と言われても、本当に知らないなら、知識のある人の意見を謙虚に聞くべきです。

最初から、知らない、解らないと言えば、確かに、バカにする部下もいるかもしれませんが、真剣に助けてくれる部下も絶対に居ます。少しは、人間を信用しても良いと思います。

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■「でもさ〜」/「有り得ない」/「無理」

まず何事も否定から始まる人の言葉です。

部下が、忙しい時間を割いて提案してきた内容に対して、最初から「有り得ない」等と言われたら、部下は、どう思うでしょうか?

言った当人は、口癖だから何とも思わないでしょうが、言われた部下は、たまった物じゃありません。

「コイツにだけには、二度と相談しない !!」と思うはずです。

そして、部下が何も相談しなくなると、前に取り上げた言葉、「何で相談に来ないんだ !」となる訳ですが、それは、あなたに原因があるからです。

誰も、自分の考えを、相手から否定されたいと思う人間など存在しません。

このような上司は、周りの部下から、「あの人は、相手の考えを否定しないと気が済まない人」と思われ、信頼を失うことになります。

今どきの言葉を使って、年下の部下と打ち解けようと思ったのかもしれませんが、全くの逆効果です。

私も若い頃は、部下に相談や提案を持ちかけられた時、問題点だけを指摘してましたが、今は、最初に褒める言葉を掛けてから問題点を指摘するように心掛けてます。

部下から相談や提案を持ち掛けられた時、上司としての最終目的は、部下が失敗しないように注意を促す事、部下に問題点を気付かせる事だと思います。

最初から相手の考えを否定して問題点を気付かせる方法と、最初は褒めて、次に問題点を指摘する方法、どちらも最終ゴールは同じです。

しかし、相手の気持ちを考えたら、絶対に後者の方が、部下は気持ち良く仕事ができると思います。

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■その他の言ってはいけない【口癖】

ここまで、言ってはいけない多くの【口癖】を取り上げて来ました。

社内においては、絶対に使ってはダメとは行きませんが、使う際には、その状況を把握した上で使用することをお勧めします。

しかし、他にも、まだまだ【禁句】は存在します。

・「君が、そういうなら」 : 部下への責任転嫁
・「こいつが悪い」 : これも部下への責任転嫁
・「期待しているよ」 : 現在は不満がある事を婉曲に表現する言葉
・「気を付けて」 : 具体的な指摘が無いと意味が無い言葉
・「社内の決まりだから」 : 変な決まりなら変更すべき
・「俺が若い頃は・・・」 : あなたと他人は違いますし、仕事の仕方も今と昔は違います
・「いいから言われた通りにしろ」 : 説明不足です、部下は成長しません
・「それくらい常識だろ!」 : 何が常識なのかを説明してあげて下さい

全てを本ブログで紹介できません。また、上記以外にも、まだまだ【禁句】はあると思います。

一つでも当てはまる場合、皆さんの品格にも関わってきますから注意して下さい。

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こうなると、社内で部下と話ができなくなるような気がしますが、そこまで神経質になる必要はないと思います。

私の場合、前にも書きましたが、「口は災いの元」を実践してきましたから、話す前に「一呼吸」置くようにすることで、口癖を直すことができました。

しかし、アルコールが入ってしまうと、まだ【口癖】がでてしまいますが・・・

とにかく、相手の事を考えれば、変な事は言わなくなると思いますし、もしも相手を落ち込ませてしまった場合には、後でフォローしてあげれば大丈夫です。

まあ、フォローするつもりで、思わず「期待しているよ」なんて言葉を掛けてしまい、もっと傷付けてしまうこともありますが・・・

今回もご精読ありがとうございました。

以上

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