三陸海岸「鮭まつり」 - 三陸海岸は「鮭」だらけ

今回は、岩手県三陸海岸で開催される「鮭まつり」をご紹介したいと思います。

岩手県の「鮭」の水揚げ高は、日本国内で北海道に次ぐ2位となっており、本州においては、堂々の1位です。(※正確には、「さけ・ます類」の水揚げ高)


とは言っても、さすがに北海道は凄まじく、北海道の水揚げ高は、日本全体の約88%を占めます。岩手県が全国2位と言っても、水揚げ高は、日本全体で見ると、わずかに6.3%に過ぎません。(平成23年度農林水産庁「海面漁業生産統計調査」)

やはり、北海道と言えば「熊と鮭」と言うのは、伊達じゃありません。

ちなみに、さけ・ます類の漁獲高を世界全体で見ると、世界1位はロシア、2位はアメリカと続き、日本は第3位です。


それと余談ですが、上の「木彫りの熊」、近頃は、「鮭の逆襲」と称して、鮭が熊に噛み付く新バージョンが販売されたようです。

この商品は、「食われ熊」と言う商品で、別名「エコ熊」とも言うそうですが、素材が「木炭」で出来ており、炭の効果で、部屋の消臭をしてくれるそうです。

これぞまさしく「鮭と熊」。「森の王者」も、受難の時代になってきたみたいです(笑)

話は、横に逸れてしまいましたが、何故、北海道と岩手県でサケ漁が盛んなのかと言うと、政府の「肝いり」で、鮭の養殖施設が造られたことに理由があります。

しかし、もともと、自然が豊かで、苦労せずに鮭が取れた、というのが一番の理由かもしれませんが・・・

日本における鮭の人工孵化は、明治9年(1876年)茨城県那珂川で、試験的に行ったのが始まりらしいです。

その後、明治21年(1888年) 北海道に本格的な鮭の養殖施設が設置され、岩手県には、明治38年(1905年)宮古市津軽石川に養殖施設ができたことで鮭養殖の歴史が始まります。

平成11年時点で、岩手県内には、約70箇所に養殖施設があったそうですが、これも東日本大震災で発生した津波で、深刻な影響を受けてしまったようです。

ところで、岩手県で捕れる鮭には、別名あるのをご存じですか?

三陸海岸で捕れる鮭は、「南部鼻曲り鮭(なんぶ-はなまがり-さけ)」と呼ばれます。


三陸海岸で捕れる鮭も、日本各地で捕れる鮭の一般品種である「シロザケ」であることには変わりありません。


しかし、時は江戸時代、この時代、まだ北海道と言う地名は存在せず、蝦夷地でしたから、「鮭」と言えば、岩手県、当時でいう「南部藩」の名産物でした。


そして、オスの鮭の鼻が鉤状に曲がっておることから、「南部鼻曲り鮭」と呼ばれるようになったみたいです。

また、冬の風物詩である「新巻鮭」ですが、岩手県の「大槌町(おおつちちょう)」が発祥の地とされる説があります。


江戸時代、三陸海岸で捕れた鮭を江戸まで運ぶ必要がありましたが、当時は「保冷車」など存在しませんから、そのまま運んでしまうと、途中で鮭が腐ってしまいます。このため、鮭を塩漬けにした後、腹を広げて干すと言う保存方法を開発したのが大槌町らしいです。


以上の様な事から、三陸海岸で捕れた鮭が、「南部鼻曲り鮭」と呼ばれ、当時は、非常に人気商品だったらしいです。


前置きが非常に長くなってしまいましたが、これまでに説明してきたことから、三陸海岸においては、鮭漁が非常に盛んなことは、お解り頂けたかと思います。

このため、岩手県内の三陸海岸においては、この季節、至る所で「鮭まつり」が開催されます。今回は、北から順番に、次の太字のイベントを紹介しようと思います。

項番 イベント名 開催場所 開催時期
1 野田鮭まつり 野田村 12月 第1日曜日
2 たのはた鮭まつり 田野畑村 10月中旬
3 小本鮭まつり・熊の鼻クルーズ 岩泉町 10月中旬
4 鮭&あわびまつり 田老町 11月中旬(土曜/日曜)
5 岩手の鮭まつり(&岩手の海産物まつり) 盛岡市 12月上旬
6 宮古鮭まつり 宮古市 11月中旬
7 山田の鮭大漁祈願まつり 山田町 12月上旬
8 大槌鮭帰願祭 大槌町 12月上旬

盛岡市三陸海岸は無いぞ !」と思われる方も居ると思いますが・・・そこはご愛嬌ということで勘弁願います。但し、盛岡市の「岩手の鮭まつり」は毎年開催され、今年で33回目となる人気イベントですし、私の出身地ですから、特別に紹介させて下さい。

また、どのイベントも、「鮭」を主題としたイベントになります。基本的な内容は同じ様なものばかりです。その点もご理解下さい。

宜しくお願いします。

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■鮭&あわびまつり(田老町)


田老町(たろうちょう)」は、宮古市の上に位置しており、元々は独自の自治体でしたが、「平成の大合併」により、平成17年(2005年)に、隣接する「新里村」と一緒に、宮古市に合併されました。


田老町は、地形によると思いますが、昔から津波の被害が多い場所で、江戸時代の「慶長三陸地震(1611年)」で村は全滅、明治時代の「明治三陸津波(1896年)」で村の人口の83%となる1,867人が死亡、昭和に入り1933年(昭和8年)の「昭和三陸津波」でも、911人が死亡してしまいました。


このため、村で総力を挙げて、海面高10mと言う、壮大な「防潮堤」を築きあげ、その結果、昭和35年(1960年)の「チリ地震津波」においては、他都市の被害と比較して、田老町の被害は軽微でした。

私も、その昔、田老町を通り過ぎた時に、チラッと防潮堤を見ましたが、(アニメ「進撃の巨人」のような、とは言いませんが)まるで要塞都市のようでした。

しかし・・・皆さんご存知の通り、この立派な防潮堤も、東日本大震災津波で、一瞬にして壊滅してしまいました。やはり自然のチカラは、侮れません。

ところで、どうしても三陸の話題になると、東日本大震災の話になってしまいますが、肝心の「鮭&あわびまつり」ですが、毎年11月中旬の土曜・日曜の2日間に渡って開催されます。

このイベントは、既にお解りの通り、「鮭」と「あわび」のつかみ捕りができます。「鮭」は、無制限に捕り放題です、とは言っても、制限時間3分以内ですが・・・


「あわび」は、「鮭」と違って逃げません。このため、簡単に捕れそうだと思いがちですが、ところがギッチョン、「手づかみ」はダメで、鉤取りです。


この「鉤取り」は、プロの漁師が、普段「あわび」を捕る方法ですから、素人にとっては、かなり難しいと思います。

しかし、ご安心下さい。どちらも最低補償付きです。「鮭」はオス1匹、「あわび」は2枚補償するようです。

但し、参加料金との兼ね合いで費用対効果を考えると、どちらも赤字のような感じがしますが・・・詳細は、下記情報をご覧下さい。費用対効果を期待するなら、小学生を参加させた方が良いと思いますよ。

このイベントにおいては、その他、地元の海産物/農産物の販売、郷土芸能の上演、何かの舞台も披露されるようです。

【問合せ先等】

お問合せ先 宮古市田老総合事務所地域振興課
電話番号:019-387-2111
メール:t_sinko@city.miyako.iwate.jp
開催場所 宮古市田老川向地内 田老新港
開催日時 11月中旬(土曜・日曜 の2日間)
アクセス JR盛岡駅〜(JR快速リアス)〜JR宮古駅まで1時間59分
JR宮古駅〜(三陸鉄道北リアス線)〜田老まで19分
田老駅から徒歩約10分
イベント概要 【鮭つかみ取り】
方法 :特設水槽内つかみ取り
料金 :一般2,000円/小学生1,000円
捕獲数 :一般捕り放題 / 小学生1匹
制限時間 :3分
定員 :全体200名(各回50名×4回)
補償 :オス1匹
【あわび捕り】
方法 :特設水槽内鉤取り
料金 :3,500円
捕獲数 :10枚まで
制限時間 :2分
定員 :全体200名(各回50名×4回)
補償 :1枚以下の場合、2枚
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■岩手の鮭まつり&岩手の海産物まつり(盛岡市)


盛岡市の説明は、不要だと思います。そこでイベントの開催場所の説明を簡単に行いますと、場所は、盛岡市の中心を東西に流れる「中津川」の下流、「中ノ橋」付近の河川敷となります。


このイベントは、毎年12月上旬に、次の2つのイベントが同時開催されます。
・岩手の鮭まつり
・岩手の海産物まつり

同じ場所で、同じ日時に開催するのに、何で、わざわざイベントを2つに分けるのか意味不明ですが、それぞれ今年も開催されれば「岩手の鮭まつり」は33回目、「岩手の海産物まつり」は41回目となります。

詳しい事は、どこにも記載はありませんが、推測するに、「岩手の鮭まつり」は岩手県漁連(岩手県漁業協同組合)が、「岩手の海産物まつり」は県自体が管理するのが理由だと思われますが、全くつまらない事だと思います。

ちなみに、この「中津川」ですが、以前、本ブログでも紹介しましたが、「鮭の遡上」が見られる川としても有名な川です。
▲過去ブログ:「中津川への鮭の遡上」http://msystm.co.jp/blog/20120930.html

地元のニュースによると、今年も、9月下旬頃から遡上した鮭が確認されたそうで、ちょうど今頃(10月下旬)がピークだそうです。無事に遡上してくれますように !


それと、上の写真の後ろの建造物は、旧盛岡銀行(現在:岩手銀行)です。

日本銀行本店や東京駅も手掛けた「辰野 金吾」氏の設計で、明治44年(1911年)に建造され、現在は、国の重要文化財にも指定されました。


それはさて置き、このイベントにおいては、さすがに「鮭のつかみ捕り」こそありませんが、生鮭、焼きウニ、焼きアワビ、焼きホタテ、蒸しカキ等の実演販売が行われたり、鮭の料理教室も行われたりします。

あとは、この手のイベントに付きものの郷土芸能、民謡、演歌の舞台もありますが、冬真っ盛りの盛岡の河川敷での開催です。日中でも気温が氷点下になる可能性があります。

焼き物担当の方は、暖が取れて良いかもしれませんが、歌ったり、踊ったりする方は大変だと思います。毎年ご苦労様です。


このような状況の時には、ラーメンですよね! (勝手に)

今年は出店するか解りませんが、過去には「三陸吉浜ラーメン」が出店したようです。


三陸吉浜ラーメン」は、大船渡市三陸町吉浜のラーメンで、三陸の魚介がたっぷり入ったラーメンです。写真のラーメンにはイクラも入ってますね。

その他にも、新巻鮭やイクラ等が当たるお楽しみ抽選会も開催されるそうですが、とにかく寒いですから、しっかり防寒して下さい。

【問合せ先等】

お問合せ先 岩手の鮭まつり実行委員会
電話番号:019-626-8080
開催場所 岩手県盛岡市内丸 中ノ橋 河川敷
開催日時 12月中旬
アクセス JR盛岡駅〜徒歩 約20分
JR盛岡駅東口バス停〜(乗車7分)〜県庁・市役所前下車〜徒歩 約6分
イベント概要 (1)水産物販売
(2)屋台
(3)歌謡ショー
(4)料理教室
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宮古鮭まつり(宮古市)


宮古市は、このブログで何度も取り上げましたが、岩手県における三陸海岸のちょうど中央付近に位置します。

三陸海岸で、最初に「鮭のつかみ捕り」を実施したのが、このイベントで、昭和48年(1973年)から開催され、今年開催されれば42回目の開催となります。

但し、本来は、前にも触れました「津軽石川」に隣接した特設会場での開催だったのが、やはり東日本大震災の影響により、現地での開催が困難のため、去年は宮古駅前広場の特設会場で開催されました。


このため、イベントの名称も「宮古鮭まつり」から、「みやこサーモンフェスタ」と、一時的だと思いますが、変更されてしまいました。ちなみに、今年は、まだイベント案内が解りませんから、開催日時や開催場所等は不明です。

それと、「鮭まつり」自体は、過去には1/3〜1/5の3日間開催され、「鮭のつかみ捕り」も、3日間を通して開催されてきましたが、現在は、1日だけになってしまったそうです。

理由は、これは震災とは全然関係なく、恐らく地球温暖化の影響による海流の変化で、鮭の不良が続いたせいだと思われます。

宮古においては、まだイベントが続いておりますが、三陸海岸全体で鮭の不良が続き、特に2010年の不漁は凄かったようで、「鮭」関連イベントの中止が相次いだみたいです。


話はちょっと脇にズレますが、鮭で頑張る宮古ですが、さすがに今年は「さんま」が不漁で、毎年、宮古仕入れて目黒に直送した「さんま」を、今年は根室仕入れて送ったそうです。

目黒の「さんま祭り」は、今年18回目で、第4回目から宮古の「さんま」を使い続けてきましたが、初めて市外の「さんま」を使用したとのことです。

ところで、本イベント内容に関しては、前述の通り、「鮭」メインで、その他に歌あり、郷土芸能ありの内容です。そして、先着何名かは不明ですが(おそらく品切れになるまで ?)、「鮭の切り身」、「ちゃんちゃん焼き」、挙句の果てには「鮭汁」まで、無料で振る舞うそうです。

う〜ん、太っ腹ですね。

さらに、さらに、最後を締める「恵比寿まき」と言うイベントにおいては、抽選券も配布され、豪華プレゼントと交換できるようです。

「豪華」と言う文言には、ちょっと抵抗がありますが・・・まさか豪華プレゼントが「新巻鮭」以外を期待したいところです。

ちなみに「恵比寿まき」??? 色々とネットを調べてみましたが、この「恵比寿まき」とは、どのような内容で、何を「まく」のか解りませんでした。

そうして、もう一つおまけに付け加えると、「鮭のつかみ捕り」には、「お年玉」付きです。

私は参加したことがありませんが、何か、「ヤケクソ」のようにプレゼントを振る舞うイベントらしいです。


それと、宮古市ですが、本当に「鮭」が好きなようで、マンホールまで「鮭」づくしです。

何かブログを書くだけで、楽しくなってしまうイベントです。


最後になりましたが、「鮭のつかみ捕り」の概要について記載しておきますが、これも未定です。イベント間近になったら、問合せ先に確認して下さい。

・参加料金:1,500円(子供料金無し/貸長靴有り)
・参加人数:各回100名
・最低補償:鮭1本付き

【問合せ先等】

お問合せ先 宮古鮭祭実行委員会(宮古観光協会内)
電話番号:019-362-3534 / FAX番号:019-362-7030
メール:miyako@walza.ocn.ne.jp
開催場所 宮古駅前広場
開催日時 日付:1月上旬 / 時刻:09:30〜14:30
アクセス JR盛岡駅〜(JR快速リアス)〜JR宮古駅まで1時間59分
イベント概要 (※去年実績)
9:30 鮭の切り身プレゼント
9:45 ちゃんちゃん焼きお振舞
10:00 歌謡ショー
10:30 岩手県立水産高校による「宮水太鼓」披露
11:00 オープニング もちまき
11:30 鮭つかみ捕り(同時開催で歌謡ショー)
12:15 鮭汁お振舞い 300人先着
12:30 鮭つみれ蕎麦早食い競争  先着10名
13:30 歌謡ショー
14:00 恵比寿まき 舞台で抽選、景品贈呈
14:30 終了
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■山田の鮭大漁祈願まつり(山田町)


「山田町(やまだまち)」は、宮古市釜石市の中間に位置する町で、漁業を中心に栄えた町ですが、現在は地方都市の典型で、人口減少に苦しんでいる様です。

しかし、その反面、魚介類を中心に、様々なイベントを企画し、近年は観光客も増加傾向です。

主なイベントとしては、今回取り上げた「鮭大漁祈願まつり」、過去に本ブログでも紹介した「かき小屋」、「三陸山田オランダ島まつり」等を開催しております。
▲過去ブログ:「かき小屋」http://msystm.co.jp/blog/20121029.html

今回紹介する「鮭大漁祈願まつり」は、昭和55年(1980年)から始まったイベントで、平成23年(2011年)まで「織笠川鮭まつり」と呼んでいました。

しかし、平成24年(2012年)からは、東日本大震災の影響や鮭の不漁を吹き飛ばすために、「山田の鮭大漁祈願まつり」とイベント名を一新し、町に活気を取り戻すべく奮闘中です。


本イベントは、毎年11月の最終日曜日と12月の第一日曜日の2回開催されてきましたが、去年からは、やはり鮭の不漁の影響で、1回に短縮されてしまったようです。

また、メインイベントの「鮭のつかみ捕り」は、従来は、上の写真のように、「織笠川」を仕切って実施してきましたが、去年は特設プールに変更されてしまったようです。

今年の案内は、まだ未公表です。このため詳しいスケジュールは未定ですが、去年を参考にすると、12/8(日)辺りだと思います。


本イベントにおいては、当然「鮭のつかみ捕り」がメインですが、その他にも、サクラマス・フィッシング、海産物販売コーナー、直径1.8mのジャンボ鉄板で作る「鮭のチャンチャン焼き」の無料振る舞い、等も開催されます。(※去年は未開催)


鮭も良いですが、釣り好きの私としては、サクラマスを釣りたいと言う思いがフツフツと沸いてきます。

それと販売コーナーで売られる「ハラコうどん」、「ハラコ丼」、「焼きホタテ」も魅力的です。

ここでも最後になりましたが、「鮭のつかみ捕り」の概要について記載しておきますが、イベント概要は、まだ何も解りません。イベント間近になったら下表を参考に問合せ先に確認して下さい。特に参加料金は、年ごとに異なるようです。(去年の情報を掲載します)

▲去年のパンフレット:「山田の鮭大漁祈願まつり」
http://msystm.co.jp/dl/blog/blog_salmon_yamada_sakematsuri.pdf

・参加料金 :1,000円、一人1匹まで
・参加人数 :不明/2回実施
・最低補償 :不明
・装備(長靴) :各自準備

それと、釣り好きの方のためにサクラマス・フィッシングの情報も・・・但し、残念ながら去年は開催されなかったようです。

・参加料金 : 1,000円、一人10匹まで、超過1匹につき100円
・制限時間 : なし
・釣り竿 : 持ち込み自由
・禁止事項 : ガラ掛け

※それと、宮古のイベントで不明だった「恵比寿まき」と言うのは、どうやら単なる「餅まき」のようです。このイベントでも「えびすまき」として開催されるようです。

【問合せ先等】

お問合せ先 山田町水産商工課
電話番号:019-382-3111
開催場所 織笠川河川公園
開催日時 12月上旬 / 9:00受付開始 / 9:30開始
アクセス JR盛岡駅〜(JR快速リアス)〜JR宮古駅まで1時間59分
JR宮古駅バス停〜(乗車56分)〜織笠駅前下車〜徒歩 約7分(約600m)
※バス:JR山田線振替バス「田の浜線・岩手船越」行
イベント概要 上記去年のパンフレットをご覧下さい。
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■大槌鮭帰願祭(大槌町)


大槌町(おおつちちょう)は、上述の「山田町」と「釜石市」の間に位置する、人口約1万人の小さな町です。

この大槌町で、12月に開催されるのが「大槌鮭帰願祭」です。


大槌町は、「浪板(なみいた)海岸」と言う海水浴場以外、特に観光の「目玉」もなく、漁業だけの町でした。

あと、最初に「新巻鮭」発祥の地として紹介した町でもあります。


しかし、釜石市所属の高速双胴型高速旅客船「はまゆり」が、定期検査のために、たまたま大槌町にある造船所で陸揚げされた直後に東日本大震災津波に襲われ、地元の民宿の屋根に取り残された姿は、今でも鮮明です。

「はまゆり」は、地元住民の間で「保存したい」と言う意見もありましたが、結局、震災2か月後に解体されてしまいました。

ところで、この「大槌鮭帰願祭」ですが、従来は「大槌鮭まつり」として、11月下旬に大々的に開催されてきましたが、やはり鮭の不漁による影響で、平成23年(2011年)から、「鮭帰願祭」と名称を変更し、さらに規模も縮小して開催するようです。


メインイベントの「鮭のつかみ捕り」も、前述の「山田町」と同様、以前は、川を仕切って実施してきましたが、今は特設プールで開催されるようです。

ここでも、「鮭の不漁」は深刻みたいです。

イベント内容としては、鮭のつかみ捕り、郷土芸能、歌謡ショー、地元魚介類/野菜直売、「餅まき」ならぬ「ワカメまき」です。詳細は、去年のパンフレットをご覧になって下さい。

▲去年のパンフレット:「大槌鮭帰願祭」
http://msystm.co.jp/dl/blog/blog_salmon_otsuchi.pdf

これまでに説明してきた「鮭まつり」は、自治体による大規模な支援があるようですが、大槌町の場合は、商店街でのイベントのために、規模的にはとても小さいみたいです。

商店街のイベントで、観光客を呼び込むには、無理がありそうです。鮭の不漁の影響が大きいのかもしれませんが、地元相手のイベントとして継続するような雰囲気です。

そんな大槌町ですが、少し以前には、観光地として脚光を浴びそうな時期もありました。

一つは、昭和39年(1964年)〜昭和44年(1969年)までNHK放送されて人気となった「ひょっこりひょうたん島」という人形劇です。


大槌町には、大槌湾内に「蓬莱島(ほうらいじま)」と言う島があり、この島が「ひょっこりひょうたん島」にソックリなことから、人気にスポットになりました。


この島は、かつては大槌町漁業協同組合の所有でした。しかし、東日本大震災の影響で組合が破綻し、一時は破産管財人の管理になりましたが、現在は、第三者の所有を避けるために大槌町の所有になったようです。

実際の所、「ひょっこりひょうたん島」のモデルと言われる島は、この「蓬莱島」の他にも、瀬戸内海の「瓢箪島」やグアムにも存在するようです。

ちなみに、人形劇「ひょっこりひょうたん島」は、劇中のストーリーに「ネコババする郵便局員」が登場したため、当時のNHK所轄官庁である郵政省の「逆鱗に触れ」、突然放送が打ち切られたようです。

幼い頃、私も楽しみに見た覚えがありますが、まさか、そんな形で終了したとは・・・

次には、作家の故「井上ひさし」氏が、昭和56年(1981年)に出版してベストセラーとなった「吉里吉里人」と言う小説の舞台として取り上げられたことです。

大槌町には、「吉里吉里」駅と言う駅があり、この小説がベストセラーになったことから、ミニ独立国「吉里吉里国」として【独立宣言】をし、日本全国を巻き込んだ「ミニ独立国ブーム」の火付け役となったこともありました。(※小説の本当の舞台は、岩手県宮城県の県境にある架空の国の話です。)

それと、偶然だとは思いますが、「吉里吉里人」と言う小説も、「ひょっこりひょうたん島」も、どちらも「井上ひさし」氏の作品です。

井上ひさし」氏が存命中なら、大槌町のために、もう少しご尽力して頂けたかもしれません。残念です。

【問合せ先等】

お問合せ先 大槌町産業振興部商工労政課
電話番号:019-342-8725
開催場所 大槌北小福幸きらり商店街駐車場スペース
開催日時 12月上旬 / 9:00〜15: 00
アクセス JR新花巻駅〜(JR釜石線)〜JR釜石駅まで2時間12分
JR釜石駅〜(JR山田線振替バス:赤浜線)〜大槌駅まで25分
JR大槌駅〜大槌北小福幸きらり商店街〜徒歩 約17分(約1.4km)
イベント概要 上記去年のパンフレットをご覧下さい。
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何か、イベントを紹介するたびに「東日本大震災」、「地球温暖化」、「鮭の不漁」と、暗いイメージになってきてしまいましたが、それでも地元は頑張ります。皆様の暖かい応援をお願いします。

それと、最後に、「鮭まつり」の調査で、「しおじゃけのうた」(作詞:神沢利子、作曲:大中恩)と言う童謡があることが解りました。

「しおじゃけ/しおじゃけ/はなまがり〜」と、何とも悲しいような、楽しいような微妙な歌詞です。

インターネットを検索すると、全ての歌詞も、歌もYouTubeにアップされております。本当は、当ブログでもご紹介したいところですが・・・著作権に関わる問題となります。このため、当ブログでの紹介は見合わせました。

興味のある方は、検索してみて下さい。

次回も宜しくお願いします。

以上

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【画像・情報提供先】
・公益財団法人岩手県観光協会(http://www.iwatetabi.jp/)
・株式会社小笠原商店(http://www.rakuten.co.jp/hokkaido-omiyage/442064/820548/)
宮古市ホームページ(http://www.city.miyako.iwate.jp/)
・風のフォトスケッチ(http://blog.goo.ne.jp/gozain_2)
・目黒駅前商店街振興組合公式ホームページ(http://www.asahi-net.or.jp/~xq7k-fsm/meguro.html)
・山田町災害復興支援隊(http://blog.livedoor.jp/npodrn/)
大槌町ホームページ(http://www.town.otsuchi.iwate.jp/)
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