Windows XPどうするの? − その1

皆さん、PCのアップグレードはお済ですか?

私の場合、社内用と社外用の2台のPCがあり、社外持ち歩き用は、【Vista】から【7】に変更したのですが、社内用は、未だに【XP】を使っています。


この【XP】ですが、発売から既に10年が経過し、来年(2014年)の4月には延長サポートも終了してしまい、今後Microsoftから更新ソフトウェアが提供されなくなってしまいます。

更新ソフトウェアが提供されないと、OSにバグ(障害)があっても修正されませんし、今、ホットな話題になっていますセキュリティについても、脆弱性(ぜいじゃくせい)の修正も行われません。

しかし、OS自体が、2014年4月になった時点で停止する訳ではないので、バグがあっても、セキュリティが貧弱でも構わない、と言う場合は、誰に遠慮することなくPCを使い続けることは可能です。

但し、個人利用ではなく、企業として【XP】を使い続けるのは、やはりリスクがあると思います。

個人利用であれば、PCがバグで止まろうが、ウィルスに感染しようが、責任範囲は、個人の範囲に留まると思いますが、企業の場合は、そんなことは言えません。

今の世の中、PCが止まれば仕事ができなくなりますし、ウィルスに感染してしまえば、社内ネットワークを通して、他の社員のPCにもウィルスが感染してしまいますし、サーバー内のデータが社外に流出してしまったり、あるいは破壊されてしまったりする可能性もあります。

また、【XP】を使い続ける場合、周辺機器や市販ソフトウェアを新規に追加しようとした時に、今後は、【XP】が動作確認対象のOSから除外されますので、新しい周辺機器や、新しいソフトウェアが使えなくなる可能性が高くなる点は留意しておいた方が良いと思います。

別に、私はMicrosoftの営業ではありませんが、OSのグレードアップは、真剣に検討した方が良いと思います。

私も、近いうちに、社内用の【XP】を【7】にしようと思っていますが、そこで問題があることに気が付きました。

Microsoftには、OSをアップグレードする場合、【アップグレード・インストール】と言う仕組みが用意されており、旧OSの環境を自動的に引き継いでOSをグレードアップすることが可能です。

しかし・・・【XP】から【7】にアップグレードする場合、【XP】は、【7】の直前バージョンではないので、この【アップグレード・インストール】は使えません。

【XP】と【7】の間には、全然使い物にならなかった【Vista】と言うバージョンがあったのです。

私の場合、社外用PCは、幸いにも(?)【Vista】だったので、何も考えずに【アップグレード・インストール】でグレードアップしたのですが、社内用は【XP】ですので注意が必要です。

そこで今回は、2回に分けて、【Windows XP】から【Windows 7】にアップグレードする場合の注意点について紹介させて頂きます。
○1回目
・OSのグレードアップ
・データ移行
○2回目
・アプリケーション移行
・その他(IE/プロファイル)

それでは今回も宜しくお願いします。

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■OSのグレードアップ

Windows OSを【7】にグレードアップさせる方法は、次の3種類あります。

●上書きインストール
●新規インストール
Windows 7プリインストール済の新規PCの購入

それぞれについて、仕組みと注意点を紹介します。

(1)上書きインストール
この方法では、OSのみを【XP】から【7】に上書きし、その他のデータ/ファイルは残す形でインストールが行われます。

このため、既存データ/ファイルの退避、および復元が不要なので、一番「てっとり早く」アップグレードを行うことができます。

しかし・・・この方法の場合、【XP】用ファイルの多くが残ったままになってしまいますので、ハードディスクの容量に、かなりの余裕がある場合のみ実行可能な方法だと思います。

今でこそ、最新のPCには、ハードディスクが500GB位搭載されているのは普通となっていますが、旧式のPCの場合、ハードディスクが20〜30GB以下の機種が多く存在しています。

このような場合、上書きインストールは、正直無理があると思います。

また、たとえ【7】がインストールできたとしても、その後、ソフトウェアの追加やデータの増加も考慮しなければならないので、ハードディスクの容量が少ない場合には、【Windows 7プリインストール済】の新しいPCの購入を検討した方が良いかもしれません。

(2)新規インストール
この方法では、既存環境を全て破棄して【7】を導入することになります。

このため、PC内に保存しているデータは、一旦、全て他の共用サーバー等に退避しておき、【7】のインストールが完了した時点で復元する必要があります。

PC内のデータを退避する方法としては、当然手作業で個別に退避/復元しても構いませんが、Microsoftが提供している【Windows転送ツール】なる便利なツールもあります。詳しくは、【データ移行】で説明します。


ここで、さらなる注意点ですが、【XP】から【7】にグレードアップする際に、ディスク容量に注意を払うのはもちろんですが、その他ハードウェアも注意する必要があります。



【XP】が搭載されているPCには、当然、非常に古いハードウェアが搭載されています。

このため、【7】において、動作が保障されていないハードウェア(デバイス)が搭載されている可能性があります。

万が一ですが、【7】をインストールした後で、USBが使えない、CDが使えない、と言う現象が発生する可能性があります。

特に、【XP】では、32ビットOSで動作しているケースがほとんどだと思いますが、【7】になると64ビットOSになる可能性もあるので、そうなるとドライバーを変更しなければなりませんので、ハードウェア(デバイス)に対する事前の動作確認は必須です。

このため、Microsoftでは【Windows Upgrade Advisor】と言うツールを用意しています。

Windows Upgrade Advisor】は、下記URLからPCにダウンロードして使うことができます。
http://windows.microsoft.com/ja-JP/windows/downloads/upgrade-advisor
http://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=20

このツールは無償で使えますし、インストール時でなくても使えますので、今すぐに試してみても良いかと思います。

このツールを実行することで、デバイスやアプリケーションと【7】の互換性を確認することができます。

実行した結果、余りに非互換が多い場合には、既存PCでのアップグレードを断念した方が良いかもしれません。



(3)Windows 7プリインストール済の新規PCの購入
これは、特に説明の必要はないと思いますが、既に【7】がプリインストール(事前導入)されているPCを、新規に購入するパターンです。

但し、この際にも、当然データや現在使用しているソフトウェアは移行したり、入れ替えたりする必要があります。

データに関しては、前述の【Windows転送ツール】が使えます。

ソフトウェア(ツール)に関しては、ソフトウェアの購入元のホームページを参照することで、【7】対応版を入手できるかもしれません。

「かもしれません」と書いたのは、IT業界の場合、OSのアップグレードに伴う非互換対応は、通常【有償】だからです。

このため、使用しているソフトウェアにもよりますが、最悪、再購入の必要があるかもしれませんので、その点も含めて、事前調査を行った方が良いと思われます。



■データ移行

データ移行に関してですが、MicrosoftのOffice製品であれば、特に問題なく、そのまま移行できると思います。

しかし、OSのグレードアップに伴い、一緒にOffice製品までもグレードアップする場合で、かつExcelに独自マクロやVBAを組み込んでいる場合には、プログラムの非互換があるかもしれませんので、注意が必要になります。

また、【XP】で【Outlook Express】を使っている方は対応が必要になります。

【7】では、メールクライアントである【Outlook Express】が提供されないので、代わりに無償の【Windows Liveメール】と言うソフトウェアに切り替えるか、あるいはOffice製品である【Outlook2010】を購入する必要があります。

以下で、データ移行時の注意点とメールデータの移行について説明します。

(1)データ移行時の注意点

データの移行は、手作業で個別にバックアップ(退避)してリストア(復元)するか、あるいは前述の【Windows転送ツール】を使って行う事になります。

弊社の場合は、オリジナルデータは、常にサーバーに置く運用になっていますので、PC内のデータに関しては、特に意識することなく【7】に移行しました。

データ移行に関しては、データ移行の作業も大事と言えば大事ですが、データそれ自体よりも、【データのパス】を意識することが重要になります。

デスクトップ等に、特定フォルダーのショートカットを設定している場合、【7】導入後にはデータの格納先が変更されますので、「Windows7にしたらファイルが無くなった」とか、「グレードアップしたらファイルが使えなくなった」等と言う事象が発生する可能性があります。

(2)メールデータの移行方法

過去のメール情報は、単にお客様とのやり取りを記録しているだけでなく、現在では様々なエビデンス(証拠)としても利用できる重要な資産です。極端な例ですが、裁判の証拠としても認められています。

このため、OSをグレードアップする際も、メールデータをきちとんと移行する必要があります。

前述の様に、【7】からは【Outlook Express】が廃止され、その代わりに無償の【Windows Liveメール】が提供されます。

もちろん、この機会に【Office Outlook2010】に移行しても構わないのですが、ご存じの様にOffice製品は有償ですので、費用対効果を検討した方が良いと思います。

ちなみに、この【Windows Liveメール】は、【7】標準ではないので、Microsoftのサイトから、個別にダウンロードする必要があります。

Windows Liveメール】は、下記URLからPCにダウンロードして使うことができます。
http://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=29224

なお、メールデータの移行についても、前述の【Windows転送ツール】を使って行う事になります。

ちなみに、メールデータの移行は、次の順番で行わないと、データが正しく移行できない可能性があるそうです。

1)Windows転送ツールにより各種データの退避を行う
2)OSをWindows7にアップグレードする
3)Windows転送ツールにより各種データの復元を行う
4)Windows Liveメールのダウンロード/インストールを行う
5)Windows Liveメールを起動する

Windows Liveメール】は、初回起動時に、以前のメール関連データを自動的に読み込むそうですが、過去データを移行しない状況で【Windows Liveメール】を起動すると、その後の移行処理が失敗するかもしれないとの事です。(上記3)と5)の作業が逆転しないよう気を付けて下さい。)

Windows転送ツール】を使用しない場合には、【XP】の状態でメールデータをエクスポートし、【7】にアップグレード後、【Windows Liveメール】でエクスポートしたデータをインポートすることになります。

Windows Liveメール】ではなく、メーラーを【Office Outlook2010】に変更した場合も、上記と同様です。

Outlook Express】から【Windows Liveメール】への移行方法の説明は、下記URLページに詳細が掲載されています。
http://www.microsoft.com/ja-jp/windows/windows-7/guide/mail.aspx

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ここまでが、OSのアップグレード方法と、データの移行方法の説明になります。

PCを使い慣れている方ならば、それほどは難しくないと思います。私も、半日くらいで作業は片付きました。

次回のブログでは、【アプリケーション】の移行と、【IE(Internet Explorer)】や【プロパティ】の移行方法について紹介したいと思います。

【アプリケーション】の移行に関しては、自社専用のシステムを使われていない方は、特に何も行わなくても良いと思います。

自社専用のシステムを使われている方は・・・ちょっと大変かもしれません。

それでは、次回も宜しくお願いします。

以上

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