プログラムソースファイルのバージョン管理
ソフトウェア開発では、複数の開発者でプログラムのソースファイルを共有して、アプリケーションの開発を行うこどが一般的になっていると思います。
この場合、重要になってくるのがソースファイルのバージョン管理です。
バージョン管理を正しく行わないと、修正したはずのファイルが、別の開発者により古いバージョンで上書きされてしまうと言う、思わぬトラブルのもとになってしまいます。
ソース管理の方法には、大きく2種類の方法があると思います。一つは、バージョン管理を担当する管理者が、手動で管理する方法と、もう一つは、バージョン管理ツールを使う方法です。
バージョン管理ツールを使った方法の場合、人手を介さないため、安全性も高まる上、何より担当者の作業負担を軽減でき、より開発効率を向上できます。
Windowsアプリケーションの開発でよく使われるのが、「Visual SourceSafe」です。
使い方については説明するまでもないと思いますが、プログラムを修正する手順としてのチェックアウトやチェックイン等の通常の管理方法の他に、別のアプリケーションとの共有ファイルをリンクして管理できるなど、とても便利で重宝しています。
また、過去のバージョンの状態を再現するのも簡単ですので、不具合対応などの際に、どの修正により不具合が発生したのかなど、不具合調査の際にも便利です。
このように、バージョン管理ツールがあればとても便利なのですが、場合によっては、手動での管理を行わなければならない事もあります。
手動でバージョン管理を行う場合の手順は、以下のようになると思います。
(1)修正を統合する場合、比較対象となる基準ファイルを設定する。
(2)プログラムの修正を行う場合、各担当者が、基準ファイルのコピーを作成し、このコピーしたファイルに対して修正を行う。
(3)比較対象となる基準ファイルと、担当者毎のコピー・ファイルを比較し、他の担当者の修正がなければそのまま上書きし、修正があった場合には、修正部分のみを統合する。
(4)全ての統合が終わったら、その時点のコピー・ファイルを、次の統合のための基準ファイルとする。
上記作業を、開発が終了するまで繰り返すのですが、統合する間隔が長くなれば、それだけ修正量も増えますので統合が大変になります。
逆に、間隔が短くなれば修正量は減りますが、その分統合の回数が増えます。
また、(3)の修正部分の共有ファイルへの反映は、1名の管理者で行ってもいいのですが、担当者各自に統合してもらってもいいでしょう。
ただし、担当者各自で統合する場合でも、統合作業が重ならないようにするなどの調整は管理者が行わなければなりません。
それから、統合作業の際に便利なのが、「WinDiff」などのファイル比較ツールです。
「WinDiff」は、「Microsoft Visual Studio」のツールの一つで、ファイルの比較やフォルダ毎の比較ができますが、統合はエディタを開いて「WinDiff」のファイルの差異を確認しながら作業しなければなりません。
また、比較から統合まで全て行えるツールで「WinMerge」と言うフリーソフトもあります。
「WinMerge」は、「WinDiff」を、視覚的に見やすく、機能的に使いやすくしたようなソフトで、比較から統合まで一度にでき、ファイルの数も多くなっても結構使えます。
「WinMerge」を使い始めるまで、「WinDiff」を主に使っていましたが、「WinMerge」の存在を知った時には、その便利さにちょっとした驚きを感じました。
皆さんも、ソース・ファイル管理ツールを使って、開発作業の効率化を図ってみてはいかがですか。
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