The Microsoft Conference2012

もう1か月程前になってしまいますが、平成24年9月27日と28日の両日に、東京の品川にあるグランドプリンスホテル新高輪で開催された「The Microsoft Conference2012」に参加してきました。

私は、スケジュールの都合で、9/28の「Day2」の方に参加しました。朝から、あいにくの小雨交じりの天気だったのですが、受付には大勢の人が詰めかけていました。


10時から「Day2」のキーノートが開始されるので、少し早めに会場に入ったのですが、そこはビジネス・カンファレンスとは思えない雰囲気でした。

グランドプリンスホテル新高輪の一番大きな宴会場「飛天」が会場だったのですが、中に入ってビックリです。

会場内にはスモークがたかれ、レーザー光線が飛び交い、’80年代のディスコ・ミュージックが大音響で流されており、まるでクラブに入った様な雰囲気でした。

EW&F(アース・ウィンド&ファイヤー)の「Let's Gloobe」、Boys Town Gang の「CAN'T TAKE MY EYES OFF YOU」等、その昔、私が当時のディスコに入り浸っていた雰囲気そのままだったので、キーノートより、このままずっと音楽を聴いていたいと思ってしまいました(笑)

ちなみに、その昔、舞台装飾のアルバイトをした時に、この「飛天」で企業のパーティの飾り付けを行ったことがありました。その時の装飾とは大違いでしたが・・・何れにしろ、装飾の方達は大変だったと思います。

そんな雰囲気のまま社長の樋口氏が登壇して軽く挨拶を行い、次にメイン・プレゼンターであるOfficeビジネス本部 本部長である「ロアン・カン」氏が登場し、次期Officeに関するプレゼンテーションを行いました。

ロアン・カン氏は、以前はビル・ゲイツ氏のスピーチ・ライターを務めていたこともあり、プレゼンの仕方、および内容は、凄く良かったです。しかし残念だったのは、氏のプレゼンは、全部英語でしたので、通訳の話とスピーチを聞きながら、頭の中でスピーチ内容を整理するのに少し時間が掛かってしまいました。

あと、同時通訳ですが、氏のスピーチ内容より、日本語訳の方が早い箇所もあり、本当に同時通訳なの?と思う箇所がありました。原稿を読んでいるだけなら、原稿を配布してくれた方が理解しやすかったと思います。

その後、午後の「Breakout Session」では、私の仕事に直接関係がある、次期Officeの説明を行うセッションに参加しました。

プレゼンターは、Office ビジネス本部 シニアプロダクト マネージャー「輪島 文」と言う方だったのですが、内容、および説明資料に関しては、前述のロアン・カン氏のプレゼン内容とほとんど重複しており、余り参加した意味はありませんでした。この内容なら、他のセッションに参加した方が良かったと後悔してしまいました。

次に、Windows Azureへのシステム移行の話を聞きに行ったのですが、これはシステム移行の説明と言うよりは、ネットワーク移行の話がメインみたいで、余り役に立ちそうもないので、途中で退席しました。

Windows Azureに関して、基本的に言いたいことは、次の3点らしいです。

■インフラ(ハードウェア)提供による仮想マシン/仮想ネットワークの実現

マイクロソフトのデータセンター内に顧客用ホスティング環境を作成し、Hyper-Vをベースとした仮想マシンを設置し、そこにWindows Server、Linux等の様々なOSを搭載できるようにした。

■Webサイトの提供

WordPress等のWebアプリケーション、MySQL等のデータベース、Visual Studio等の開発ツール、WindowsMac等の開発プラットフォームの構築ができるようにした。

SDK提供による各種開発環境の実現

.Net、JavaPHPPython等のSDKを提供し、Azure上で各種開発作業ができるようにした。Macからも操作可能だそうです。

従来は、Paas(パース:Platform as a Service)と言う単なるプラットフォームの提供に過ぎなかったWindows Azureですが、Iaas(アイ・アース:Infrastructure as a Service)によるインフラ提供を行うことで、クラウド・ビジネスを成長させようと目論んでいるみたいです。

標的は、Amazonが展開しているAmazonクラウドのような感じがしました。


次に、Windows8のUI(ユーザ・インターフェイス)の話を聞きに行こうとしたのですが・・・なんと開場から5分も経たないうちに満席となったようで、私が会場に行った時には、「これから入場される方は立ち見になりま〜す」とアナウンスされていました。

Windows8のメトロUIの概要は既に知っていましたし、実際にRTM(Release to Manufacturing)版を触ってもいましたので、立ち見をしてまで聞く必要はないと判断し、そこで会場を後にしました。

どのセッションも、それなりに多くの人が訪れ、ほぼ満席に近い状況だったのですが、Windows8に関する興味が、これほど高いのには驚きました。


Windows8に関する紹介は、既に過去ブログで行っていますので、今回は割愛させて頂きますが、ここからは次期Officeとその他機能に関して、今回のカンファレンスで説明された新機能の紹介をしたいと思います。

【過去ブログ】
Windows8についてhttp://msystm.co.jp/blog/20120227.html
Microsoftの最新動向ついてhttp://msystm.co.jp/blog/20120729.html

【次期Officeの新機能】

次期Officeに関しては、『 Your Office Anywhere 』と言うコンセプトのもと、私の予想どおりクラウド化をかなり意識した作りになっていました。

Officeの大枠は、個人向けの「Office2013」と、企業向けの「Office365」の2種類に分類されるようです。

■全Office製品へのメニュー画面の追加

全Office製品にログイン・メニュー画面を追加したそうです。これは、Googleの手法と同様で、個人情報をクラウド上に保存することで、次の機能の提供を可能にしているようです。

クラウド環境への保存:ディフォルトの保存先がSkyDriveになる
ローミング機能:他環境等で作業を始める時に、過去履歴を表示し、かつ直近の作業箇所を表示する

■全Office製品のタッチ・デバイス対応

全製品がタッチパネル対応となったそうです。リボンの表示/非常時の切り替え、デバイスによるリボンの大きさの自動切り替えが可能なようです。

さらに、「リングメニュー」なるものも登場したようです。リボン内の情報、右図の場合、色の変更を行う場合、色を指でタッチすると、リングメニューが表示されていました。


■SkyDrive連携

上記でも記載しましたが、データのディフォルトの保存先がSkyDriveとなります。但し、企業向けのSkyDriveは、現在無償提供しているSkyDriveとは異なり、「SkyDrive Pro」となり、その実態は、「SharePoint Online」のようです。

SkyDriveは、「Office Web Apps」と連携し、データの共同編集作業が可能になっています。SkyDriveとOffice Web Appsに関しては、下記ブログでも説明しています。

ExcelとSkyDriveとの連携についてhttp://msystm.co.jp/blog/20120827.html

■インストールのストリーミング化(Click To Run)

Office365専用サイトからOfficeのフル機能のストリーミング方式でのインストールが可能となるようです。ストリーミング方式なので、データを受信しながらインストール処理が行われ、インストールが完了した製品から順次使用が可能となります。

■eDiscovery

Exchange Serverの情報漏えい防止機能や、訴訟の際にメールなどのデータを証拠として開示する管理機能になります。デモでは、メール中の文字列等をフィルターで判定して、クレジットカード番号等ポリシーに違反する内容が含まれていた場合に警告を表示していました。

テレメトリーダッシュボード

これも管理機能ですが、エージェントが収集したデータを分析することで、エラーが発生している文書ファイルやエラーの原因、解決方法などを確認できるツールで、日本の顧客からの要望により日本で開発された機能である旨を、何度も強調して発表していました。日本の要望が取り入れられたので、余程嬉しかったのでしょうね。

VBAの非互換等も表示されるようなので、日頃、Excelのバージョン・アップの度にマクロ等が動かなくて困っているユーザーにとっては、嬉しい知らせだと思います。

しかし、悪い箇所と修正方法は解っても、実際に修正するとなると、やはりスキルが必要になるので、お客様と言うよりは、弊社のようなソフトウェア開発会社にとって便利な機能だと思います。

Excel新機能

Excelに関しては、以前、他ブログでも紹介した「フラッシュフィル」と言う機能を始め、結構、新機能が追加されているようでした。

フラッシュフィルに関しては、下記ブログに掲載しています。

Microsoftの最新動向ついてhttp://msystm.co.jp/blog/20120729.html

●お勧めグラフ+パワービュー・シート

グラフ作成時に、入力されているデータのパターンや数式に合ったお勧めのグラフの種類が自動的に表示される機能。また、グラフ作成時には、右横に「パワービュー・シート」と言うものが表示され、グラフ化するフィールドを自由に選ぶことも可能になります。

●お勧めピボット+タイムライン・スライサー

上記と類似した機能で、Excelの編集時、特にクロス集計を行う場合等、お勧めピボットと言う便利な機能が追加されていました。また、作成したデータを、時間軸で横にスライスし、アニメーションの様にグラフを可視化する機能も追加されたようです。

この機能は、グラフにも応用可能らしいですが、通常、プレゼンテーションは、パワーポイントで行うので、Excelのグラフをアニメーションで動かす意味があるの ? と疑問に思ってしまいました。

作成したグラフをパワーポイントにコピーした時に、このコピーしたグラフが時間軸でアニメ化できるのであれば、プレゼンの訴求力は高まるのではないかと思いましたが・・・この点は説明が無かったので、実際に導入して試してみるしかありませんが、それは無理だと思いました。

●仮想化による旧バージョンとの共存

今回のOfficeは、仮想化環境で動作するように変更されたので、旧バージョンのOfficeとの共存が可能になったようです。

わざわざexeファイルをクリックして、旧バージョンを動かす必要は無くなったので便利になりましたし、Excel/VBA等を作成している場合、VBAを動かす時には、旧バージョンのExcelを起動すると言う運用も可能になるかもしれません。


次期Windowsは、全体的に見て、クライド化を意識したマルチデバイス対応になっており、さらにハードウェア部分までを含むことで、ビジネス全体をカバーできる様になったみたいです。

機能的に見ても、AmazonGoogleは、ビジネスユーザーにとっては中途半端な機能しか提供していないと思えるので、これからはマイクロソフトが優位になるのではないのかと思えます。

マイクロソフト自身も、下記URLのページで「マイクロソフトGoogleの比較」と題して、Google Appsは一般消費者向けのソフトで、ビジネス向けではないと公言しています。

URL:http://www.microsoft.com/ja-jp/businessproductivity/why/GoogleApps.aspx

AmazonGoogleのビジネスユーザーを取り込む体制が整ったことで、今まで以上にWindowsを販売しようと言う意気込みが、ひしひしと伝わってきます。

その意気込みは、ロゴマークを、25年ぶりに全て刷新したことからも明らかだと思います。

ページトップに掲載したマイクロソフトのロゴは気づきましたでしょうか? あれが、マイクロソフトの新しいロゴマークです。





それと、Office製品のロゴマークも刷新されました。従来と比較すると、シンプルな感じになったような気がします。




今後も、マイクロソフトの動向には注目したいと思いますが・・・やはり心配なのはExcelの非互換です。


最後になりますが、今回、私は「限定チケット」を予約してコンファレンスに参加したのですが、これが、とても良かったです。

昼食サービス券、特別ラウンジの利用、ソフトドリンク飲み放題、軽食食べ放題と、サービス満点でした。

皆さんも、次回マイクロソフトのコンファレンスに参加する場合には、(次回、このサービスがあるか否かは不明ですが)この「限定チケット」の活用をお勧めします。

ちなみに、今回は、気の利かないスタッフが1名おり、この「限定チケット」での入場を頑なに拒まれ、上司を呼んで対応すると言うハプニングがありましたが・・・


それでは今後とも宜しくお願い致します。



※本ブログに記載されている会社名・システム・製品名、ロゴマークは、それぞれ各社の商標および登録商標です。

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