GoogleのPR(ページランク)について

皆さん、Googleの「PR」はご存じですか?

このPRとは、宣伝/広告を意味するPR(Public Relations)の略称ではなく、ページランク(PageRank)の略称です。

ホームページのSEO対策を行っている方ならご存知かもしれませんが、その他の方には、なじみの無い言葉かもしれません。

皆さんが目にする機会があるとすれば、IE(インターネットエクスプローラー)に、Googleツールバーをインストールしている方であれば、ツールバー内の「緑の横棒」で表示されていると思います。

ちなみに、ブラウザーChromeの場合は、拡張機能を用いて、ウェブストア経由で「PageRank」等のツールを導入する必要があります。

今回は、このPRについて、次の点を簡単にですが、説明しようと思います。
ページランクの意味
ページランクの仕組み
ページランクの特性

この機会に、自分、あるいは自社のホームページのPRが、どのように評価されているのかを勉強してみて下さい。

ページランクの意味】
ページランクとは、Googleが、ウェブページの重要度を評価するために用いているアルゴリズムの事で、
その結果については、次の12段階の指標で表されており、値が高いページほど、良質なページであることを意味しています。

none :ページ評価無、Googleに認識されていないページを意味します。
PR0 :Googleに認識はされていますが、重要度ゼロのページを意味します。
PR1〜3 :標準的なサイトです。
PR4〜6 :人気サイトです。
PR7〜9 :超人気サイトです。ポータルサイトが多いです。(Google/Yahoo/MSN/Infoseek/goo等)
PR10 :最高ランクの評価サイトです。過去にはホワイトハウスAdobe、慶応大学等がPR10でしたが、現在はランクを落としているようです。現在では次の様なサイトがPR10評価です。
・米国政府ポータル:http://www.usa.gov/
欧州連合デジタル図書館 (Europeana):http://www.europeana.eu/portal/
・Universia Espa〓a(スペイン語圏大学連携サイト):http://www.universia.es/index.htm

このページランクは、外部要因である被リンク(バックリンク)の質と量による評価であり、内部要因であるサイト内容や構造とは無関係です。

これは、「多数のページからリンクされたページは良いページ」、かつ「PRが高いページからリンクされたページは良いページ」と言う考え方に基づいた評価となっています。

さらに、リンク元となる被リンクの「アンカーテキスト(呼び出し文字列)」とリンク先のテーマ、およびリンク元とリンク先のテーマの関連性が高いほど「良いリンク」と認識されているようです。

このPRアルゴリズムの処理に関しては、アメリカで特許を取得しており、また「PageRank」自体は、Googleの商標ともなっています。特許は、Googleではなく、スタンフォード大学に帰属しています。

ちなみに、ページランクの名前の由来は、ウェブページの「ページ」とGoogleの創業者の一人である「ラリー・ペイジ(Larry Page)」氏の姓の語呂合わせであると言われています。

ページランクの仕組み】
ページランクは、上述の様に、被リンク対策を行えば、比較的簡単に「PR3」までは到達することが可能だと思います。

事実、弊社のホームページは、2011年7月に「PR2」になり、その後半年も立たずに「PR3」になっていますから、被リンク対策さえ行えば「PR3」までは到達可能です。

しかし、「PR3」以上となると、かなり難しいと思います。通説では、ページランクの1段階の差は、ランクが必要とする得点(スコア)に関して「6倍」の差があると言われています。

詳しくは、Wikipediaアルゴリズム、および計算式が掲載されていますので、そちらを参考にしてもらえればと思います。私の数学の知識は、高校生の時に習った「数Ⅱ」で終焉を迎えたので(笑)、さっぱり解りませんでした。
URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF

これをもう少し簡単に言い表すと、次の様になります。PR1の得点を「PR1=1」とすると、

PR2 = PR1×6
PR3 = PR2×6 = PR1×36
PR4 = PR3×6 = PR2×36 = PR1×216
PR5 = PR4×6 = PR3×36 = PR2×216 = PR1×1,296
PR6 = PR5×6 = PR4×36 = PR3×216 = PR2×1,296 = PR1×7,776
・・・・

と言う「6」の累乗で得点が必要になる計算です。

また、各ページランクは、同程度のランクのページから、約18個の被リンクを受ければ実現されると言われていますので、これを整理すると下表のようになります。

この表は概略の説明です。実際には、該当ページからの「発リンク」数も関係してきますので、計算式はもっと複雑になりますが、これだけ見ても「PR3」から「PR4」以上にランクを上げるのは、非常に難しいのが理解できると思います。




ページランクの特性】

Googleの検索順位に影響を与えるページランクの更新は随時行われているようですが、その結果は公表されていません。

ツールバーに表示されるページランクの更新は、「メジャー更新」と呼ばれており、3〜4ヵ月に一度行われています。また「メジャー更新」で影響を受けるページの割合は、10〜20%と言われています。

しかし、この「メジャー更新」は、1カ月位前の情報を元に行われているので、ツールバー上のページランクが変化した時点では、この内容は既に検索順位に反映されてしまっています。

つまり、ツールバー上でページランクが変化しても、その時点では、検索順位には、何ら影響を与えるものではない、と言う事になります。

他方、検索結果に影響を与える被リンク情報の更新は、常時実施されているようですが、約5〜15日間隔で大規模な更新も行われています。

この大規模な被リンク更新に関しては、Googleのウェブマスターツールで確認することができます。(「ウェブ上のサイト」/「サイトへのリンク」)

また、被リンク情報の大規模更新の際には、ページランクの「マイナー更新」も行われ、この時に影響を受けるのは、全体の1〜10%と言われています。この「マイナー更新」が、以前ブログで紹介した「パンダ・アップデート」の事です。

さらに、スパムサイトの見直しを行う「ペンギン・アップデート」と言う更新も行われています。

つい最近ですと、5/24に「ペンギン・アップデート」が実施され、弊社ホームページも、もろに影響を受けてしまい、検索順位が大幅に低下してしまいました。(弊社サイト:http://msystm.co.jp/)

ページランクの更新についてもう少し説明しますと、Googleは、これらページランク更新情報を、大量のサーバーで管理しています。

また、各サーバー同士は、「同期」を取りながら最新情報に更新していますが、この「同期」を取る処理を常時行っている訳ではないようです。

このため、古い情報を保持しているサーバーに接続してしまうと、一時的にページランクが消えてしまったり(「none」になったり)、あるいはランクが下がってしまうこともあるそうです。

ページランクを気にしている方に取っては、「大ショック」ですよね。


ここまで記載した内容を整理しますと、ページランクを、『短期的なSEO対策の指標として用いる事には意味が無い』事がお解り頂けるかと思います。

しかし、長期的な視野に立つと、被リンクが増えるとページランクも上がり、検索順位も上がることになる訳ですから、ページランクを上げることを目標の一つと考えることは有用だと思われます。

また、「PR4」以上になると、次の様なメリットもあります。

・「PR5」以上のサイトとの相互リンクが可能となる
・相互リンクの申し込みが増える
・広告申し込み時に受け入れてもらい易くなる

私も、地道に被リンクを増やして「PR4」を目指したいと思っていますが・・・「PR5」とか「PR6」との被リンクが必要なので、難しいかもしれません(泣)

皆さんも、高ページランクを目指して頑張って下さい。

以上