猊鼻渓の「舟下り」と岩洞湖の「わかさぎ釣り」

今年も、もう3月。早いもので、東日本大震災から1年が過ぎようとしています。この1年、何が変ったと言えば、正直何も変っていないような気がします。被災地は「がれき」の山ですし、政府は原発冷温停止を宣言しましたが、相変わらず放射能の脅威は薄れていません。

政府の支援の方も、「お金は出すが、後は勝手に使え」みたいな感じで、予算も半分以上残ったままになっているみたいです。岩手県は、小沢一郎氏の影響で「民主党王国」みたいになっていますが、次回の選挙では、どうなることでしょうか? もう少し被災地の事を考えて欲しいものです。

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さて、これまで、盛岡・岩手地域の毎月のイベントを掲載してきましたが、何故か3月だけポッカリ「穴」が空きそうです。

別に何もイベントが無い訳ではないのですが・・・個人的な主観で「これは!」と言うイベントがありません。

岩手県内で見渡すと、「遠野」を始めとした各地域の雛まつり、早池峰神社蘇民祭」、「遠野どべっこ祭り」等のイベントがあるのですが・・・どうも私的に「地味」過ぎて。

と言う訳で、今回は、3月に限らず、冬季のイベントで、面白そうな物を2つ紹介します。と言っても、あくまでも私にとって面白そう、と言うだけです。


1.猊鼻渓「こたつ舟」での舟下り

猊鼻渓」は、世界文化遺産に登録された「平泉中尊寺」から車で約20分、東北道「一関IC」からだと約30分の所にある観光地です。

猊鼻渓」は、大正14年に国から名勝に指定された日本百景の一つで、高さ100m余り、奥行き約2kmにおよぶ巨岩絶壁が連なる渓谷の間を、ゆっくりと舟で鑑賞できる場所となっています。

春は、渓谷に「藤の花」が沢山ありますので、新緑の緑と淡い紫色の中を、舟で鑑賞するのは、とても気持ちが良いものです。

夏は、川とは言え暑いので、夕方近くがお薦めです。陽が陰り、川面を渡る涼しい風の中、ひぐらしの声を聞きながらの舟下りは「日本の夏」を感じさせます。

秋は、これは言わずもがな「紅葉」の中の舟下りです。

そして冬、12月1日からは、こたつで温まりながら川岸の冬景色が眺められる「こたつ舟」が運行します。中国ではありませんが、「山水画」のような世界が広がります。

食事を予約すれば、「こたつ舟」の中で、「鍋」を食べることができます。セット内容には地酒「ひせん」が付きますので、「雪見酒」と言うのが魅力的です。

鍋は「木流し鍋」と言って、地元の名物です。中身は、季節の野菜、鶏肉、豚肉を味噌で煮たものになります。

この「木流し」の意味ですが、舟下りを行う川を「砂鉄川」と呼ぶのですが、この「砂鉄川」付近は銘木の宝庫で、この木材運搬を行う人達を「木流し」と呼び、「木流し」が食べる食事から「木流し鍋」と呼ばれるようになったそうです。

水墨画のような世界を、鍋とお酒で堪能できるので、春から秋に掛けての観光より、こちらの方がお薦めかもしれません。

但し・・・舟は囲いがあるので寒くはないのですが、鍋を食べると湯気で囲いが曇り、外の景色が全く見えなくなる可能性があります。と言うか、必ず曇ります。鍋を取るか、景色を取るか・・・悩みどころです。

ちなみに、この鍋は舟下り料金とセットになっていて、3,000円、4,000円、5,000円のコースから選ぶことができます。

最後に、誠に残念なことですが、運行期間が2/29までとなっていますので、来年お越し下さい。

あと「猊鼻渓(げいびけい)」と似た観光地「厳美渓(げんびけい)」と言う場所も近くにありますので、お間違えの無いように。

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2.岩洞湖「わかざぎ釣り」

盛岡から車で1時間(冬季だと、道路の状況にもよりますが、もう少し掛るかもしれません)、本州で一番寒さが厳しい玉山村「藪川」、今では地名が変り「盛岡市玉山区」、そこに岩洞湖(正式名称:岩洞ダム)があります。

本州での歴代最低気温を記録したのは1945年で、その時の記録が「-35℃」。今でも、この記録は破られていないと思います。

盛岡で寒い、寒いと言っていても、「藪川」は、盛岡よりもさらに「-10℃」も寒いんですから、信じられません。北極の平均気温が「-25℃」、何と北極よりも寒いんです。南極には負けますが(笑)

この岩洞湖ですが、冬になると「わかさぎ釣り」のメッカとなります。実際、夏場よりも冬の方が人手は多いような気がします。

私も、小学生の頃から岩洞湖には釣りに来ていますが、この写真の様に、大勢の人が湖に居たのは見たことがありません。

ところで、岩洞湖での「わかさぎ釣り」には、ちゃんとツアーが用意されており、ツアーは平日限定、朝7〜17時まで、テントを含め釣り具一式がレンタルできます。しかも、釣った「わかさぎ」に関しては、昼食時に「天ぷら」にまでしてくれます。料金は、一人5,500円です。(注:去年の価格です。要問い合わせ)

しかし、忘れてはいけないのは、防寒用具です。テントの中で釣りをするとは言え、何せ北極より寒い所で釣りをする訳ですから、頭の先からつま先まで、完全防備する必要があります。それに暖房器具はレンタルに含まれていませんので、ご注意を。

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と、ここまで2件、冬季のイベントと言うかレジャーについて紹介しました。

北国の人は、冬は家に閉じこもっていると思われがちですが、本当は活動的なのですよ!と言いたい所ですが・・・実際は、その通り「閉じこもりがち」です。

「わかさぎ釣り」に関しては、「わかさぎ」と言う「見返り」がありますので一部地元の人もいますが、大部分は都会から来た方ばかりですし、「舟下り」に至っては、言わずもがなです。

ですが、北国にはスキー以外も楽しめる場所がありますので、是非 今の季節を楽しんで下さい。しかし、「地味」でしたか ?



※画像は「財団法人岩手県観光協会」のホームページより引用致しております