「グループウェア」について

先日、あるコンサルティング先のお客様向けに「グループウェア」の調査を行いました。私自身は、以前勤めていた会社で「Lotus Notes」を使っていたのですが、現在のグループウェアが提供している機能を見て驚いてしまいました。

そこで、皆さんにもグループウェアについて紹介したいと思いました。


グループウェアとは

グループウェアとは、コンピュータを使って社内の情報を共有することにより、社員同士のコミュニケーションを円滑にし、業務の効率化に役立つソフトウェアのことです。

今ではメール、スケジュール管理、施設予約はもちろん、アプリケーションと情報統合化のためのEIP(企業情報ポータル:Enterprise Information Portal)機能、ワークフロー機能、文書管理機能なども搭載されるようになり、部門や組織の枠を越えて情報を活用できるITツールとして多機能化が進んでいます。

以前、私が使用していた「Lotus Notes」は、当時の価格で「数百万円」したと記憶していますが、現在では、上記多種多様な機能を備えた複数のグループウェアが、なんと無償で提供されています。

次の項目で、グループウェアが提供している機能について、簡単な説明を記載します。


グループウェアの提供機能について

グループウェアは、本当に沢山種類があるので、その製品毎に実装している機能は異なります。しかし、基本的な機能は、どの製品でも同じですので、基本機能の概要について説明します。

1.メール機能

ショートメール機能の事です。普通、ビジネスパーソンであれば、会社用のメールアドレスがあり、外部の方とは会社用のアドレスで連絡を取り合っていると思います。

しかし、社内の人とメールをやり取りする時に、会社用のアドレスを使うのは面倒ですよね。このような時に、グループウェア内だけで有効なショートメールを使うことができます。

2.スケジュール管理機能

「読んで字の如く」個人やグループのスケジュール管理機能の事です。

お客様を訪問すると、良くホワイトボードに書いた手書きのスケジュール表を見かけます。手書きのスケジュール表も風情があるのですが・・・字が小さい、読みにくい、わざわざ確認しに行く必要がある、やはり不便です。

3.プロジェクト管理機能

個人/グループが行っている作業や業務の進捗管理表の事です。

市販のプロジェクト管理ツールは、数万円から、規模によっては数百万円もします。しかし、簡易的な進捗管理であれば、これで充分だと思います。

4.ワークフロー機能

社内承認手続き管理の事です。交通費等のテンプレートが用意されており、申請、承認、決済、保存、印刷ができます。

5.ファイル共有機

皆さんご存じだと思いますが、社内ファイル共有の事です。

わざわざファイル共有用のサーバーを購入することなく、Web上でファイルを共有することが可能になります。

6.タイムカード機能

これも「読んで字の如く」、出退勤の管理機能です。タイムカード用の機械や紙を購入する必要は無くなります。

7.その他機能

(1)設備予約機能 : 会議室等の予約管理機能

(2)ToDo管理 : 個人の「ToDo管理」や、メンバーへの「ToDo依頼」も行えます

(3)議事録管理 : 議事録作成と管理ができますので配布する手間が省けます

(4)掲示板機能 : 報告、連絡、相談、を掲載することができます。

このように、機能「てんこ盛り」のグループウェアですが、いつもの如くメリット/デメリットがあります。メリットに関しては、ここに記載した機能説明で十分だと思いますので、デメリットを説明したいと思います。


グループウェアのデメリット

この項目では、無償のグループウェアのデメリットについて触れたいと思います。

1.サポート有償

無償のグループウェアは、機能の提供は無償だがサポートは有償、と言う提供形態が一般的です。中にはサポートまで無償、と言う製品もありますが・・・それにも問題はあります。

2.保証無し

上記同様、機能は無償で、かつ勝手に使って構わないが、問題が起きても何も保証しません、と言うのが基本姿勢です。

3.ファイル・クラッシュ

前述の機能概要で説明した項目に関しては、ほとんどが社内利用の範疇なので、問題が起きても影響度合いは少ないと思います。しかし、唯一気を付ける必要があると思われるは「ファイル共有機能」です。

ファイル共有の場合、データの保存先は製品提供企業のサーバーです。このサーバーがクラッシュしたら、全共有データは消えてしまうと考えた方が良いと思われます。

また、各社ともセキュリティには気を付けていると思いますが、この場合「性善説」で行動を取るのは危険が大きすぎます。

グループウェアで「ファイル共有機能」を使う場合には、下記の点を留意して使った方が良いと思います。

(1)自社内でもバックアップを取得する

(2)消えても良いデータのみを格納する

(3)外部に遺漏しても問題ないデータのみを格納する


■無償グループウェアの紹介

グループウェアは沢山ありますが、その中でも、無償で多機能、かつ使いやすいソフトウェアを紹介したいと思います。
それと、いつも注意しておりますが、使用に際しては、説明を良く読んで、有償/無償の区別を付けた上で使用して下さい。

1.Aipo : http://www.aipo.com/

(1)オープンソース版(無償)とクラウド版(有償)を提供
(2)インストールは初心者でもOK(公式サイトにインストールマニュアル有)
(3)インストール時に「必須サービス」有

2.サイボウズLive : https://cybozulive.com/login

(1)グループ数20名まで無償
(2)1グループ500MBまで無償
(3)インストールは初心者でもOK
(4)2012年10月頃から有償オプション提供開始予定

3.GRIDY : http://gridy.jp/knowledgesuite/index.html

(1)基本機能はソフトウェアもサポートも無償/有償版は「Knowledge Suite」で提供(SFA/CRM)
(2)PC遊休能力の提供が前提(PC未使用時に空きCPU/HDDを提供する)
(3)インストールに難有
(4)企業間情報共有が可能

4.GroupSession : http://www.gs.sjts.co.jp/

(1)使用者300名以上(エンタープライズ版)で有償/クラウド版も有償
(2)システム開発者向けソフトウェア
(3)前提ソフトウェアが必要


このように、多機能で無償のグループウェアが多数存在しますので、皆さんも、社内作業の効率化、コミュニケーションの活性化のために、グループウェアをお使いになっては如何ですか。