ちょっと古いですが・・・盛岡の「チャグチャグ馬コ」についてです


こんにちは! 今日は、東京で震度3、弊社事業所のある盛岡では震度4の地震がありました。

盛岡の方では、特に異常は無いようですが、社員によると「震度4位の揺れには慣れた」との事ですが・・・やはり東京にいると心配です。

さて今回は、少し古いですが、盛岡で6/11に開催された「チャグチャグ馬コ」についての説明です。

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チャグチャグ馬コ」とは、岩手県滝沢村と盛岡市において、毎年6月の第二土曜日に実施される「蒼前様」を信仰するお祭で、100頭ほどの馬が、滝沢村の鬼越「蒼前(そうぜん)神社」 (旧 駒形神社)から盛岡市の「八幡宮」までの、片道約15Kmの道のりをパレードするお祭です。

約200年の歴史があり、1978年には「選定無形文化財」に、また1996年には、馬の鈴の音が環境省の「残したい“日本の音風景100選”」に認定されています。馬のあでやかな飾り付けと、馬に付けたたくさんの鈴が特徴で、歩くたびに「チャグチャグ」と鳴る鈴の音が、祭り名称の由来と言われています。

そんな由緒あるお祭りですが、今年は、東日本大震災の影響で、交通規制を行う警察官を確保できないため、距離にして1.6Km、時間にして約30分短縮されたそうです。こんな所にも震災の影響が・・・

祭りの起源は、昔から農耕にかかせない家畜であった馬の勤労を感謝する祭りと言われ、大型の優秀な馬「南部駒」の産地として知られる南部藩において、日頃の労働の感謝の意味を込めて旧暦5月5日に、村民が鬼越蒼前神社に馬の無病息災を祈願したのがチャグチャグ馬コの起源とされているそうです。

また一説では、沢内村の力助という者が、端午の節句に農作業をしていたら、急に馬が暴れ出し「鬼古里(※1)」の山まで駆け上がったかと思うとその場で死んでしまったので、哀れんだ人々が馬をねんごろに葬り、蒼前の神様として社を建て、毎年端午の節句を馬の休養日として馬を飾り付け、蒼前神社にお参りし、牛馬の無病息災を祈願するようになったと、とも言われています。

要は、はっきりとした起源は不明なのだそうです。(この他にも諸説あるようです。)

馬の色鮮やかな飾りは、江戸時代、南部藩大名行列に使われた「小荷駄装束」に由来するといわれ、色とりどりの装束に身を包んだ馬が、背中に稚児を乗せて行進する様子は、初夏の東北の風物詩となっています。ちなみに、馬の装飾費用は、1頭当たり100万円以上掛るそうです。

また、岩手県には、古くから馬を家族同様の大切なものとして扱う習慣があり、馬と家族が、一つ屋根の下、一緒に暮らす建築様式である「南部曲がり屋」も、チャグチャグ馬コと同様に、愛馬精神が表れたものではないかと言われています。ちなみに、「南部曲がり屋」とは、家を英大文字の「L」のように建て、「L」の字の縦線部分を人間の住まい、横線部分を馬小屋とした、南部地方独特の建築様式です。

私も子供の頃に、小学校の行事で祭りを見学しに行きましたが、重そうな飾りを付け、おまけに背中に子供まで乗せて15Kmも歩かされるなら、普段通りに農作業していた方が楽なんじゃないかと思ったことを覚えています。

パレードの最後は、盛岡市八幡宮に約半数の馬が集まりますので、田園の中をのどかに歩くチャグチャグ馬コを見るのも良いですが、色鮮やかな数十頭の馬が、一堂に会した八幡宮に行くのも良いかもしれません。ちなみに、途中の「中津川」での給水風景もお勧めです。



一度、見学にいらして、そのついでに「盛岡三大麺(※2)」を堪能して下さい。もちろん、その逆も有りです。

※1鬼古里:現在の蒼前神社の西2㎞地点の峠。この峠に至る一帯を『鬼越』と呼んでいた
※2盛岡三大麺:前回メルマガで紹介。わんこそば、盛岡冷麺、盛岡じゃじゃ麺