アンガーマネジメント - 怒りは管理出来るのか(その2) ?

 前回のブログでは、「アンガーマネジメント - 怒りは管理出来るのか?」と題して、「怒り」について、次の情報を紹介しました。

 

★過去ブログ:アンガーマネジメント - 怒りは管理出来るのか(その1) ?

 

  • 「怒り」とは
  • 何故、老人はキレるのか?
  • 「怒り」の種類

 

今回のブログも、前回に引き続き、この「怒り」をテーマにした内容を紹介します。

 

そもそも、このブログを書くまで、「怒り」というものを真剣に考えた事もなく、その場の感情に任せて怒っていた事に気が付きました。

 

まあ、中学生や高校生の頃、子供の頃を別にすれば、無闇に怒る事は少なくなりましたが、それでも常に何かに対して怒っているような感じがします。

 

私は、自分で自分を分析すると、普通程度の道徳心はあるので、社会の決まりやルールを破る人間が許せず、なおかつ前回説明した「許容範囲」が狭いので、直ぐに「沸点」に達するような人間でした。

 

加えて、やはり若い頃に比べると、身体にキレが無くなってきたので、その分だけ「何で、こんな事が出来ないんだ?」と思う機会も増えて来ました。

 

他方、IT機器に関しては、元々、機械操作が得意だった事も有り、現在でも、何も問題なく使いこなせていると思うので、その点に関しては、イライラしたり、あるいは疎外感を感じたりすることはありません。

 

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 それでも、私の周りの同年代の人間を見ると、サラリーマン、特にホワイトカラー系の職業の方以外では、PCさえまともに使えない人も多いように見受けられます。

 

さすがに、スマホは使いこなせているようですが、それでも、今後、より操作が複雑になって来ると、それも危うくなる可能性もあります。

 

そして、このような「機械音痴」よりも恐ろしいのが、「認知症」や、それに伴う「判断力の低下」です。

 

政府の統計資料によると、65~69歳に占める認知症は2.9%に留まるそうですが、75~79歳では13.6%に達し、85~90歳においては41.4%にまで及んでいるそうです。

 

認知症」になってしまえば、後は進行を遅らせる以外、有効な治療法は無いので、(言葉は悪いですが)もう仕方が無いと思います。

 

しかし、「認知症」になっていないにしても、脳機能の劣化による「判断力低下」は、前回ブログでも紹介した通り、「怒り」の原因となりえます。

 

そこで、今回のブログでは、「怒り」に関して、次の追加情報を紹介します。

 

  • 「怒り」を管理する必要性
  • 「怒り」を管理する効果
  • 「怒り」を管理する方法

 

 

特に、最後の「怒りを管理する方法」は、将に、「アンガーマネジメント」そのものの紹介になります。

 

 

それでは今回も宜しくお願いします。

 

 

■「怒り」を管理する必要性

 ここまで、「怒りの正体」と、何故「老人はキレるのか ?」、そして「怒り」の種類について、様々な説を紹介してきました。

 

「怒り」は、前章でも紹介した通り、人間の基本的な感情です。それでは、この「怒り」を管理する必要はあるのでしょうか ?

 

人間の基本的な感情なので、何もわざわざ管理する必要は無い。「怒り」を抑制しようとするとストレスが溜まる、と言う意見もあります。

 

他方、「怒り」に関しては、マイナスイメージを抱く人が多いのも事実です。

 

「こんな事で怒るなんて、みっともない。」

「イライラするなんて、大人気ない。」

「ここで怒ったら、嫌われる。」 ・・・・

 

このような思いから、グッと「怒り」を内側に溜め込んでいる人も多いのではないでしょうか ?

 

しかし、「怒り」を抑制し、内側に溜め込むにも限界があります。何時かは、溜め込んだ「怒り」が爆発してしまいます。

 

「怒りたいけど怒れない」・・・こんな「二律背反」への対応は非常に難しいものがあります。

 

それでは、「怒り」には、どのように対応すれば良いのでしょうか ?

 

それは、「正しく怒る」事です。つまり、「怒り」を管理する事で、適切な方法で怒る事です。

 

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「怒り」自体は、何度も記載している通り、人間の基本的な感情です。この基本的な感情を抑圧すれば、身体に良い訳はありません。

 

「貴方は何時でもクールだよね!」等と言われてイイ気になり、「怒り」の感情を抑圧していると、その先に待ち構えているのは、次のような、より悲惨な結果です。

 

・攻撃の激化  :溜まった「怒り」の感情を周囲に撒き散らし、周囲の人、家族、あるいは社内の同僚や後輩等、自分と同等、または下位の人間に「八つ当たり」するようになります。

・身体の異常  :「怒り」を自身に溜め込むストレスで「うつ病」になってしまいます。

 

 人間の感情の内、特に「怒りは伝染すしやすい。」とも言われています。

 

例えば、貴方が、何かに腹を立てて、後輩Aに怒りをぶつけたとします。後輩Aは、貴方にから怒られた事で腹をたて、同僚Bに、その怒りをぶつけます。同僚Bは、今度は同僚Cに・・・

 

このように、貴方から始まった「怒り」が、職場全体に拡がってしまうケースもあります。

 

さらに、少しオーバーかもしれませんが、これが国家間のケンカなら「戦争」に発展してしまう可能性もあります。

 

また、直接関わらない人間同士、全く知らない人が怒っているのを見ただけでも、その人の周囲に「怒り」が拡散するケースもあります。

 

これは、「怒り」以外、「喜怒哀楽」の他の感情「喜」、「哀」、そして「楽」も同じです。

 

例えば、「哀」に関しては、日常的によく見られると思います。

 

例えば、TVドラマで主人公が悲しい思いをすると、「もらい泣き」してしまう人がいますし、TVニュース等で悲しい場面を見ると、見ている私達も悲しい思いになってしまいますが、これも「感情の伝染」です。

 

「喜び」や「楽しみ」の伝染なら問題ありませんが、やはり「怒り」の伝染は避けたいと思います。

 

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他方、アメリカのスタンフォード大学の心理学者の研究によると、「怒り」の伝染の仕方は、ワンパターンでは無いことが分かったそうです。

 

この研究によると、怒っている人の周囲の人間が、既に何らかの原因でイライラしていると、その「怒り」は簡単に周囲に伝染してしまうそうです。

 

逆に、周囲の人が、平静を保ちたいと思っている場合、怒っている人からは、余り影響を受けないそうです。

 

つまり、もし貴方が、もの凄くイライラしているなら、既に腹を立てている他の人たちによって、「怒り」が、さらにかきたてられるということです。

 

 しかし、平静を保ちたいと思ってさえいれば、他人の「怒り」は、貴方には作用しません。

 

普段から「怒り」を溜め込んでいると、貴方自身の感情ではなく、他人から「怒り」の影響を受け、ちょっとした拍子に「怒り」が爆発してしまう可能があります。

 

このように、普段から「怒り」をコントロールする必要がある事は理解して頂けたと思います。

  

 

■「怒り」を管理する効果

 「怒り」を管理する必要性は、前章で紹介した通りです。

 

それでは、これまで紹介してきた様に、「怒り」を何とか管理しないと、自分自身、そして周囲に対しても、マイナスの影響を与えてしまいます。

 

「怒り」は、人間が抱く普通の感情です。「怒り」を感じるのは自然な事なので、無理に「怒り」を抑制する必要はありません。

 

しかし、何でもかんでも「怒り」をぶつけても良い訳ではありません。理不尽な「怒り」や「八つ当たり」は、出来る限り避ける必要があります。

 

 他方、このような「悪い怒り」とは別に、「良い怒り」もあります。

 

例えば、現在、話題になっているスウェーデンの16歳の女の子「グレタ・トゥーンベリ」氏がいます。

 

彼女は、気球温暖化に対して大人達や各国政府が何も行動を起こさない事に怒り、2018年8月に、スウェーデン議会前で「学校ストライキ」を実施した人物です。

 

この彼女の「怒り」は、スウェーデン国内のみならず、今や全世界にも広がり見せており、2019年1月に開催された「世界経済フォーラム(通称:ダボス会議)」で講演も行うほどになっています。

 

但し、この娘の場合、別に差別する訳ではありませんが、「アスペルガー症候群(自閉症の一種)」と言う病気を発症している関係で、「怒り」を、普通の人よりも顕著に表すと言う特徴があリます。

 

このため、冷めた大人からすれば、だからこそ、このような突飛な行動が取れたのかもしれないと言う意見もあるようです。

 

彼女は、世の中の大人全てに怒りをぶつけ「恥を知れ!」等と叫んでおり、温暖化対策として、次のような政策を取れと訴えています。

 

・石炭火力発電を止めろ

・飛行機や自動車に乗るな

・牛のゲップはメタンガスを含むから牛肉を食べるな

 

まあ、確かに、彼女の訴えは、一見筋が通っているように見受けられます。

 

しかし、これら全てを一度に停止したら、この世の中どうなってしまうでしょうか ? 全世界で産業が停止し、社会生活が成り立たなくなってしまいます。

 

そして彼女が大人になる頃には、全世界が「世界恐慌」の時代に逆戻りしてしまっているでしょう。それが本当に良いことだとは思えません。

 

全世界で、叡智を出し合いながら、少しずつ温暖化対策を、確実に前に進める事が大事だと思います。

 

そもそも、「恥を知れ!」と絶叫している「グレタ・トゥーンベリ」氏を含む、怒れる彼女や彼等達も、デモが終われば、電気の灯る家に帰り、冬は暖房を最強にして、温かいベッドに寝転びながら、スマホで連絡を取り合っているのが現実です。

 

まあ、「大いなる矛盾を抱えるのが子供の特徴」と言ってしまえば、単にそれだけの事なのかもしれません。

 

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また、今は少し下火になっているようですが、これもアメリカで、2006年から始まった「MeToo」運動も「怒り」が発端になっていると思われます。

 

この「MeToo」運動は、日本では、余り活発な運動にはなっていないようですが、セクハラ(セクシャルハラスメント:性的嫌がらせ)や性的暴行の被害体験を、告白したり、共有したり、あるいは告発したりする運動です。

 

 この「MeToo」運動は、元々、アメリカの黒人家庭における家庭内暴力性的虐待を受けた被害者を支援する活動として始まったそうです。

 

2006年、アメリカの市民活動家「タラナ・バーク(Tarana Burke)」氏が、黒人女性を支援するNPO(非営利団体:Nonprofit Organization)である「Just Be Inc.」を設立し、その時のスローガンとして「Me Too」を提唱したのが始まりとなっています。

 

 その後は、皆さんもニュース等で聞いて知っていると思いますが、アメリカの映画業界から始まり、ビジネス会でも、様々な有名人/著名人が「MeToo」によりセクハラを告発され、職を失ったり謝罪に追い込まれたりしています。

 

特に、現職大統領である「ドナルド・トランプ」氏も、過去のセクハラ行為を告発されていますが、彼は、例の如く「フェイクだ!」、「それは俺じゃない!」と言ってごまかし続けています。

 

全く、こんな最低の男を大統領に選出するアメリカと言う国の品性を疑ってしまいます。

 

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 他方、「怒り」をマイナス方向に発散させている例としては、「グリーンピース」や「シー・シェパード」等の環境テロリスト集団がいます。

 

彼らも元々は、自然保護を唱える善良な集団だったのですが、その「怒り」を正しくコントロールする事が出来なくなり、現在では、実力行使を行うようになってしまったテロ集団です。

 

実際に、アメリカ連邦捜査局(FBI:Federal Bureau of Investigation)」では、彼らを「エコテロリスト」として分類して取り扱っています。

 

 さらに、シー・シェパードの代表「ポール・ワトソン(Paul Franklin Watson)」は、2010年に、日本からの提訴を受け、あの「銭形警部」が所属している「ICPO(国際刑事警察機構:International Criminal Police Organization)」から国際指名手配されています。

 

もうこうなると手の施しようがありません。単なる犯罪者集団です。

 

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また、近頃よく聞くようになった「ヴィーガン(Vegan)」と言う言葉を知っていますか ?

 

この言葉は、「ヴィーガニズム(veganism)」と言う言葉から生まれた造語で、1994年、ヴィーガン協会の設立者「ドナルド・ワトソン」によって創り出された言葉とされています。

 

 そして、元々の「ヴィーガニズム」とは、『 人間が動物を搾取することなく生きるべきであるという主義 』だったのですが、段々に解釈が拡大してしまい、現在では、単に「動物の搾取禁止」だけに留まらず、「動物由来の食品の搾取禁止」から「動物製品の使用禁止」 、強いては卵や乳製品までも食べることを禁止するようになってしまっています。

 

菜食主義者(ベジタリアン:Vegetarian)」と言う行動を取る人達もいますが、それとは、ちょっと異なります。

 

ベジタリアン」は、健康、倫理、あるいは宗教的な観点から、動物性食品の一部、または全部を避ける食生活ですが、「ヴィーガン」は、全てを完全に避ける「完全菜食」となっています。

 

 「ベジタリアン」と「ヴィーガン」の詳しい違いの説明は割愛しますが、この「ヴィーガン」も様々な問題を取る事で有名になってしまったようです。

 

2018年、フランスでは、国内各地の肉屋が、ヴィーガンにより襲撃される事件が多発し、中には、店主が骨折するという事件が発生したそうです。そして、捜査の件、襲撃者6名が逮捕されたそうです。

 

また、その他にも、フランスのヴィーガンに関しては、次のような事件を起こしているそうです。

 

・自分の飼い犬や飼い猫に対して、野菜ばかりを食べさせ餓死させた

・動物園の肉食動物をボウガンで刺したり、あるいは毒入りの餌を食べさせたりして殺す

マクドナルドが襲撃されて窓ガラスが割られる

ハンバーガーを食べていた学生が鉄パイプで殴られる

・客の食事中にステーキハウスに押し入り、牛の鳴き声を大音量で流して逮捕される

・肉屋の前で子豚の死骸を持って立つ

 

 彼ら「ヴィーガン」も、元を正せば単なる「ベジタリン」ですし、「ヴィーガン」の多くは、上記のテロ活動には批判的なのようです。

 

「ベジタリン」と言うと、欧米だけの話かと言うと、そんな事はありません。日本でも、仏教界では、古くから「精進料理」を食べています。

 

但し、「全ての仏教の僧侶が肉を食べないのか?」と言うとそんな事はありません。僧侶でも、修行中以外は、普通に肉を食べています。

 

少し脇に話が逸れましたが、つまり、これら破壊行動や攻撃行動を起こすのは、一部「ヴィーガン」であると言う点を忘れては行けませんが・・・やはり「ヴィーガン」もテロ行為者と言わざるを得ないと思います。

 

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ここまで紹介して来た通り、正しく管理された「怒り」は、世界を正しい方向に導く力があります。

 

その逆で、管理されない「怒り」はテロと同じです。世界各地でテロを起こす「イスラム過激派」も、「怒りを管理出来ない」輩です。

 

「怒り」を正しく管理し、正しいタイミングで「怒り」を表現する事が、いかに大事で効果があるかが分かったかと思います。

 

 

本章の最初に紹介した地球温暖化に対する「怒り」、現在では、「気候正義」と言う言葉で表される事が多くなったようですが、この活動も、何か心配です。

 

前述の通り、この運動は、当時15歳の少女が独りで始めた運動ですが、現在では、世界各国に拡がり、2019年9月にアメリカのニューヨークで開催される「国連気候行動サミット2019」や国連総会に合わせて、世界各地でデモが行われています。

 

各国でバラバラにデモが行われているので、正確な数字は分からないようですが、関係者の個別発表をまとめると、世界中で数百万人がデモに参加したとされています。

 

しかし、この参加者が高校生を中心とする若者である点が、嬉しい半面、危険性を孕んでいるのではないかと思ってしまいます。

 

世界の将来を担う若者が、地球温暖化に警鐘を鳴らすのは非常に良い事だと思います。しかし、その反面、若者の熱意が、間違った方向に暴走してしまう危険性もある事です。

 

一歩間違えると、前述の「シー・シェパード」や「グリーンピース」のような行動に走ってしまう危険性を孕んでいるからです。

 

彼ら若者には、どうか「怒り」の方向性を間違わないよう期待したいところであります。

 

「怒り」を管理できないと、最後は、「怒るために生きている」人間になってしまいます。理性で「怒り」を克服して下さい。

 

 

 

■「怒り」を管理する方法

 それでは、本ブログの最後に、「怒りを管理する方法 = アンガーマネジメント」を紹介します。

 

一言で、「アンガーマネジメント」と簡単に言いますが・・・これが中々難しく、また前ブログで初回した通り、「怒り」を管理するには、「解っちゃいるけど止められない。」と言う人間の真理を超越しなければならないので、相当の努力が必要になります。

 

と、こんな事を言うと、禅寺で修行して悟りを開くような感じを受けるかもしれません。

 

 たしかに、比叡山に入門して何年も修行を積み、その上で「千日回峰行」でも行い、「大阿闍梨」にでもなれば、「怒り」を管理するどころか、「悟り」を開く事も可能かもしれません。

 

しかし、それでは、「怒り」を管理出来るようになるまで何十年も掛かってしまいます。人生終わってしまいます。

 

そもそも、こんな厳しい修行を行っていたのでは、普通に暮らすことは不可能です。

 

そこで、今回、誰にでも出来るか、そして簡単かどうかは解りませんが、「怒り」を管理できるとされる方法を紹介します。

 

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●「怒り」を分離する

「怒り」を感じた場合、まず必要な事は、「怒り」を自身の感情から分離する事です。そのために必要な事は、大きく、次の3つの行動とされています。

 

①10秒待つ

 兎にも角にも、「怒り」を感じたら、最初の10秒を、何もせず、そして何も言わずにやり過ごす事が重要です。

 

人間の身体は、「怒り」を感じると、それと同時に、最初の5~10秒の間に「アドレナリン」が強く放出され、興奮状態に陥るとされています。

 

このため、このアドレナリンが放出される10秒を乗り切れば、最初のハードルをクリアした事になります。

 

とは言うものの・・・これは、かなり難しいと思います。

 

私のように、沸点が低く、かつ口喧嘩が得意な人間は、相手の隙きを突こうと、常に、鵜の目鷹の目で、相手の挙動を監視しています。

 

そして隙きを見つけると、そこを目掛けて一点攻撃を仕掛けようとしていますので、10秒間何もしないというのは、かなりキツい修行のような感じがします。

 

②自分を客観視する

そして、この10秒を何とかやり過ごすためには、次のような事をするのが有効とされています。

 

1)自分と怒りを分離し、自分が「怒り」から物理的な距離を置く姿をイメージする

2)「怒り」から、2~3歩後ろに下がってみる姿をイメージする

3)自分を他人と置き換え「あ~この人は怒っているんだ」と想像する

4)「怒り」のレベルを客観的に付ける(今回の怒りはレベル5かな?)

 

③何もしない

そして、この10秒を無事にやり過ごした後、それでも、「何か言ってやろう!」と言う気持ちはあるとは思いますが・・・そこは、グッと我慢して、その日は、何も行動を起こさない事をお勧めします。

 

何故ならば、この時、何か言ったとしても、その時は、一瞬すっきりするかもしれませんが、後々、何で、あのような言い方をしてしまったのかとか、もっと良い方法はなかったのかとか、後悔したり、もやもやしたり、また、そのように言ってしまった自分にまた怒りを感じてしまう可能性があり、悪循環になります。

 

さらに、怒りに突き動かされた言動は、最終的に、巡り巡って自分自身に悪影響を与える結果につながるケースが多くあります。

 

●「怒り」を処理する

 次に、感じた「怒り」を、何らかの方法で処理済にする必要があります。「怒り」に蓋をして、そのまま放置するのは身体に悪影響を与えます。

 

この点は、本ブログの「怒りを管理する必要性」の章にも記載した通り、「怒り」を我慢すると、より攻撃的になったり、あるいはストレスから「うつ病」を発症したりしてしまいます。

 

このため、次のような方法で、「怒り」を処理する必要があります。

 

①「怒り」を感じて発散させる

1)「怒り」の内容を紙に書く

2)誰か他人、相談相手に話す

3)カラオケボックス等、防音設備がある部屋で叫ぶ

 

イソップ物語「王様の耳はロバの耳」ではありませんが、「怒り」を、何か別の行動に昇華させる必要があります。

 

しかし、「怒り」には起伏があります。上記行動で「怒り」が一旦収まるかもしれませんが、再度、「怒り」がぶり返す事も良くある事です。これは自然な感情の様です。

 

『 一旦、怒りを収めたんだから、まだ怒りを感じてはダメだ!! 』と抑え込んでしまう必要はありません。

 

「怒り」が再発したら、また同じ行動を取るか、あるいか前回とは違う行動を取るか、本当に「怒り」が収束するまで、このような行動を繰り返す必要があります。

 

②相手に伝える

「怒り」が収束してしまうと、『 もう相手に伝えなくても良いか !? 』と言う気持ちが湧くと思います。

 

しかし、私は、双方のためにも、敢えて、その時の「怒り」を相手に伝えた方が良いと思います。

 

「怒り」の原因を相手に伝えないと、相手は、何で、その時に、貴方が気分を害したのかを理解する事が出来ません。

 

もう、それっきりの相手ならば何も無理して「怒り」の原因を相手に伝える必要は無いと思いますが、今後も付き合って行く間柄であれば、正しく伝えた方が良いと思います。

 

但し、相手に「怒り」の原因を伝える時には、これも非常に難しいと思いますが、相手を非難するのではなく、自分の感じた思いを伝えるようにした方が良いと思います。

 

例えば、「貴方は、あのとき私に嘘を付いた。嘘を付くなど最低の人間のする事だ !」では、またケンカになってしまいます。

 

そこで、主語「貴方」を「私」に変え、「あの時、私は、貴方にあんな事を言われた事が悲しくて、それで怒ってしまった。」と言う感じです。

 

相手をけなすのではなく、自分が感じた事を主題にして原因を話し合う事で和解も早まると思います。

 

●「怒り」から学ぶ

 

①今回の「怒り」から何を学んだのか振り返る

今回の「怒り」の原因が何なのか、そして、その「怒り」は何を契機として起こり、どうような対応を取ったことで収束したのかを客観的に振り返って下さい。

 

そして、あの時、もう少し別のアプローチをすれば良かった等、反省することで、今回の一連の「怒り」は過去の出来事になりますので、貴方自身の心の中でも過去の出来事として終わる事になると思います。

 

②許容範囲を広げる

 そして、上記反省をする場合、「べき論」の許容範囲を広げる方法も検討して下さい。

 

「怒り」は、各個人が持つ価値観と、その価値観に対する許容範囲の広さによって決まると言う件に関しては、前回ブログの最後に記載した通りです。

 

価値観の許容範囲が広い人は、ちょっと価値観が異なる人が居ても「怒り」の対象になりません。

 

しかし、許容範囲が狭い、私のような心の狭い、「狭量な人間」は、価値観が、ちょっと違っただけで「怒り」の対象になってしまいます。

 

また、相手との価値観に関しては、価値観の中心部分は同じでも、その許容範囲の大きさが異なることで「価値観の相違」が生まれる可能性もある事を認識すべきです。

 

「~すべきである。」と言う価値観が違う相手と価値観を共有するのは難しい場合がありますが、考えは同じでも、「ここまでならOKかな ?」と言う許容範囲が異なるケースもあります。

 

このような事を考慮し、相手に対して、「100%同じ価値観」を求めないようにする事も大切です。

 

「価値観の許容範囲」を広げる事も、「価値観の相違」を認める事も非常に難しい作業だとは思いますが、少しずつ「あ~、世の中には、こんな人もいるんだ~」と考え、許容範囲を広げる努力をした方が、人生豊かになると思います。

 

③ケースを分類する

「怒り」の対象は、自分で何とか出来るケースと、自分では何も出来ないケースがあリます。

 

例えば、「怒り」の対象が友人/知人の場合、双方で話し合うことで「怒り」を沈めたり、あるいは解決したりする事も可能となります。

 

しかし、「怒り」の対象が、この前に関東地方に上陸した史上最強の台風のような自然現象のような場合、自分で対応が取れますか ?

 

 台風が原因で電車が遅延したり、イベントが中止になったりしても、自分では何も出来ません。このような不可抗力に対して「怒り」をぶつけても、体力を無駄に消費するだけです。

 

そして、その怒りを他人に向ける「八つ当たり」も心得違いです。特に、人間、自然には逆らえませんので、その点は留意すべきだと思います。

 

そして、このケース分類に慣れてくると、『 怒る必要がない場面では怒らない。』と言う。「怒り」を制御するための基本的な動作が出来るようになりますので、今後のためにも、ケース分類は必要な考え方だと思います。

  

■最後に

今回は、「アンガーマネジメント - 怒りは管理出来るのか(その2) ?」と題して、次の内容を紹介しましたが如何でしたか ?

 

  • 「怒り」を管理する必要性
  • 「怒り」を管理する効果
  • 「怒り」を管理する方法

 

「怒り」を制御せず、ただ思うがままに前に突き進むと、最終的には、犯罪者になってしまうことは「エコテロリスト」を見れば明らかだと思います。

 

動機は正しくても、最後に暴力を持ち出せば、それは「テロリスト」です。

 

過去に、まあ、現在でもそうですが、祖国を愛しているがために暴力に訴えたテロリスト組織は、下記の通りごマンといます。

 

IRAアイルランド共和軍(Irish Republican Army)

PLOパレスチナ開放機構(Palestine Liberation Organization)

ETAバスク祖国と自由(Euskadi Ta Askatasuna/バスク語)

LTTEタミル・イーラム解放のトラ(Liberation Tigers of Tamil Eelam)

 

この他にも、特にイスラム教徒が関係するテロリスト集団は腐るほど存在しますが、彼等の行動は「神の名を騙る単なる暴力」以外の何物でもありませんので、全く話にもなりません。

 

このように、「怒り」を制御しない場合、最後に待ち受けるのは、暴力と破壊だけです。

 

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そこで、今回のブログでは、「アンガーマネジメント」の手法を紹介しましたが・・・結構難しいと思います。

 

手法を紹介している私でさえ、まずは最初の10秒を耐え忍ぶ事が出来るかどうかさえ難しいものがあります。特に、アルコールなんか入っていたら・・・もう無理だと思います。

 

次から次へと、その場任せの「怒り」の言葉が、ポンポン出てくるのではないかと思われます。

 

「何だよ!! それなら偉そうな事を書くなよ!!」と言われそうですが、だからこそなのです。

 

このような私だからこそ、今回紹介したアンガーマネジメントを実践し、少しでも「怒り」を制御出来るように努力したいと思っています。

 

いわば、今回のブログは、私の「これからは怒りを制御するぞ!!」と言う公的宣言みたいな物かもしれません。

 

皆さんはどうですか ?

 

本格的に、「アンガーマネジメント」に関する勉強をしてみたいと言う人には、様々な企業で、研修を企画していますので、そちらを参考にしてみて下さい。

 

私も、とは思いはしますが、今、現在では、さすがにそこまでしなくても・・・と言う感じがしています。

 

取り敢えずは、今回のブログで紹介した「アンガーマネジメント」を少しずつ実践して行きたいと思っています。

 

それでは次回も宜しくお願いします。

 

 

以上

 

 

【画像・情報提供先】

Wikipedia(http://ja.wikipedia.org/)

NHKニュース おはよう日本(https://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/)

・モチラボ(https://www.motivation-up.com/)

日本アンガーマネジメント協会(https://www.angermanagement.co.jp/)