その後のWindows10 - 世の中はどうなってるの ?


Microsoft社の新OS「Windows10」

2015年7月29日にリリースが開始され、既に8ヶ月以上が経過していますが・・・一体、世の中では、「Windows10」は、どのような状況になっているのでしょうか ?

心配になってきますよね ?

「もうWindows 10にしちゃったよ !!」と言う方は、今回のブログは、当然、読む必要は無いと思います。

まあ、参考までに見て欲しい内容もありますが・・・それは、後述する『 「Windows 10」は最強のスパイウェアか ? 』と言う章です。 これは、ちょっと衝撃的かもしれません。


ところで、無償アップグレード期間の終了は、先月末(3月末)から算出すると、2016年7月28日まで、残り4ヶ月です。

そろそろ、「Windows10」にアップグレードするのか、それとも、このまま旧OSを、サポート期間が終わるまで使い切るのか・・・悩ましい状況だと思います。

参考までに、現在もサポートを継続している「Windows OS」に関して、サポート期限を掲載すると、下表のようになります。

メインストリーム 延長サポート
Windows Vista 2012年4月10日 2017年4月11日
Windows 7 2015年1月13日 2020年1月14日
Windows 8.n 2018年1月9日 2023年1月10日
Windows 10 2020年10月13日 2025年10月14日

Vista/7はメインサポート終了

以前も過去ブログに掲載しましたが、Microsoft社では、自社製品には、「サポート・ライフサイクル・ポリシー」という運用基準を設けて製品運用を行っており、メインストリーム・サポート、および延長サポートは、それぞれ5年、1個の製品については合計10年間のサポートを行っています。

★過去ブログ:Windows Vistaの終焉 〜 XPの陰でひっそりと

今、現在の状況では、「Windows OS」の中では最多シェアとなっている「Windows 7」ですが、上記の様に、既に「メインストリーム」のサポート期間は終了しており、後は、延長サポート期間が、約3年9ヶ月程度残っているだけとなっています。

う〜ん・・・「Windows 7」のままなら後4年弱、「Windows 10」にするなら後4ヶ月、さてさて、どうしますか ?


と言う事で、このまま何もしないのか、それとも「Windows 10」にグレードアップするのか・・・と言う判斷を助けるために、まずは、「Windows 10」が、現在どのような状況にあるのかを、次の内容を元に紹介したいと思います。

●「Windows 10」におけるアップデート方法
●プログラム/システムの「Build(ビルド)」とは
●「Windows 10」のビルド状況
●「Windows OS」のシェア状況
●金融機関における「Windows 10」への対応状況
●「Windows 10」は最強のスパイウェアか ?

それでは今回も宜しくお願い申し上げます。

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■「Windows 10」におけるアップデート方法

従来の「Windows OS」では、次のような手段を用いる事で、バグ対応を行ったり、あるいは新しいバージョンのOSを獲得したりしていました。

手段 対応
Windows Update KBxxxxxx/MSxxxxx バグ対応やセキュリティ対応用の技術情報(更新プログラム)をダウンロード(以下、DL)し、DL後にインストールする
Service Pack 上記、Bxxxxxx/MSxxxxxを、あらかじめインストールしてあるプログラムをDLする
新OSの購入 新規OSを購入、もしくはアップグレードにより購入し、PCにインストールするメジャー・アップデート/メジャーアップグレード

この様に、新規OSの獲得と、障害/セキュリティ対応とは、明確に分離されていたので、「Windows Update」経由では、「Windows OS」本体への機能追加や変更は、勝手に行われることはありませんでした。
(まあ、稀に機能追加も行った事もありますが)

ところがです・・・「Windows 10」においては、この新機能の提供と、障害/セキュリティ対応とが分離されず、「一緒くた」になってしまいます。

この「一緒くた」が、どういう結果をもたらすかと言うと・・・例えるならば、昨日まで「Excel2007」を使っていたのが、今日になったら、勝手に「Excel2016」になっていた、と言う様な現象が起こることになります。

つまり、ボタンの位置や画面レイアウト等が、勝手に変更されてしまうのです。

Windows 10」においては、下記の過去ブログにも掲載しましたが、「Windows Update」の適用プロセスが下図のように変更となっています。(※これをローリング・リリース・モデルと呼ぶそうです)

★過去ブログ:Microsoft FEST2015 − 相変わらずのマイクロソフト












従来は、「Windows Update」を適用することで、現行機能のまま、OSの信頼性が向上するので、特に気にすること無く(一部、ムカつく事もありますが)、そのまま適用させてきました。

ところが、「Windows 10」以降では、上図で言う「Current Branch(CB)」レベルの「Windows Update」は、もはや単なるセキュリティパッチと言う段階ではなく、新OSの導入と考えるべきだと思います。

このため、「CB」の適用に関しては、新規OSのインストールと同等程度の作業時間が必要になります。

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「えっ!!」となると思います。

これまでの「Windows Update」では、まあ、定期的に「Windows Update」を実行している場合は、数分〜数十分で作業は終了したと思います。(数百件ものパッチを適用する場合は別ですよ)

ところが、今後提供される「CB」レベルの「Windows Update」の場合、最低でも2〜3時間、場合によっては「丸一日」掛かる事も想定されます。

それは何故か ? と言いますと・・・「CBレベル」の「Windows Update」は、OSの入れ替えと同じ作業が必要になるからです。

一部、「Microsoft御用達のフリーライター【J.S】氏」の様な方たちは、

『 今後の新機能は、Windows Updateと同様に提供され続けるので、よりいっそう便利になる! 』

等とふざけた記事を書いていますが、とんでもないと思います。


・作業時間に3時間以上掛かる
・ボタン位置/画面レイアウトが勝手に変更される
Windows Update適用でバグが増える
Windows Update作業後に再設定作業が必要になる・・・等

何も良いことは無いように思えます。

まあ、マレな事象だとは思いますが(思いたいですが)、「Windows Update」適用後に、最悪、PC自体、再起動出来なくなる、と言う障害報告もあります。

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ちなみに、「Windows 10」における「Windows Update」ですが、「Windows 10」においても、基本的には、従来通り「KBxxxxxxx」と言う更新プログラムのDLとインストールが行われます。

その他、「Windows 10」に限った話ではないのですが、「Windows OS」を含むソフトウェアは、「Build(ビルド)」と呼ばれるバージョンでも管理されています。

「Build(ビルド)」とは、プログラムのソースコードコンパイルやライブラリのリンクなどを行い、最終的な実行可能ファイルを作成する事、また、そのような作業によって作成されたソフトウェアの版(バージョン)の事を意味します。

・・・と書いても、素人さんには、「チンプンカンプン」だと思いますので、次の章で「Build(ビルド)」の説明をします。

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ところで本章の最後で、ライターの記事について、私の所見を記載します。

フリーライター「J.S」氏は、下記のような記事を書いていますが、メリットだけを記述し、デメリットは一切記載していません。こういうMicrosoft御用達フリーライターの記事は、真に受けないほうが良いと思います。

Windowsフロントライン
・「お先に失礼 !」

そのまま、記事を真に受けて「CBレベル」の「Windows Update」を行ってしまうと・・・必ず痛い目に遭うと思います。

上記記事を連載しているメディアにも、「K.U」氏のように、デメリットや注意事項を、ちゃんと掲載しているライターの方も居るので、参考にするなら、ちゃんとデメリットや注意事項を記載した記事の方が良いと思います。

【 良いことだけ紹介する記事は、絶対に信頼してはダメ!! 】

物事は何でもそうですし、特にIT系の話には、【絶対に裏がある】と思った方が良いと思います。

【IT系の話には、絶対に裏がある】、なんて、IT業界に属する私が言うのも変な話ですが、特にMicrosoftの話は、信頼してはいけません。

Microsoftは、ユーザーの事よりも、常に自分達の利益の事しか頭にありませんから、メリット/デメリットを見極めないと、絶対に「痛い目」に会います。

それにも関わらず、メリットだけ宣伝するライターも、どうなのでしょうか ? 良心は傷まないのでしょうか ?

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■プログラム/システムの「Build(ビルド)」とは

「Build(ビルド)」とは、前章にも記載しましたが、プログラムの「ソースコード」のコンパイルやライブラリのリンクなどを行い、最終的な実行可能ファイルを作成する事、また、そのような作業によって作成されたソフトウェアの版(バージョン)の事を意味します。

ソフトウェアは、最初に、人間が理解できるプログラム言語で記述(コーディング)します。そして、記述/作成したプログラムを「ソースコード」と呼びます。

しかし、この「ソースコード」は、人間には理解できますが、機械であるコンピュータは理解できません。

このため、人間が作成した「ソースコード」を、機械が理解できる「機械語」に変換してあげる処理が必要になり、この変換処理の事を「コンパイル」と呼んでいます。

そして、「ソースコード」を「コンパイル」することで作成される生成物を「オブジェクト・モジュール」、あるいは「オブジェクト・コード」と呼んでいます。

ちなみに「機械語」は、「0」と「1」の2進数(バイナリー)で表示されており、そのまま表示すると、「0」と「1」がグチャグチャに羅列されているように見えますが、「機械=コンピュータ」には、ちゃんと認識されます。

ずっ〜と昔、私は「アセンブラ」と言うプログラム言語でシステムを作成していましたが、その時も、当然、コーディングしたソースコードコンパイルしていました。

その時は、プログラム言語をコンパイルすると、コンパイル結果のリストには、16進数に変換されたコンパイル結果が表示され、かつ「ライブラリ」と呼ばれるファイルには、2進数のモジュールが格納される、と言う仕組みでした。

【例】
プログラム言語 :MVC A,B → MVC(Move Character):「Aの内容をBに移動しろ」と言う命令

16進数表示 :D2xx xxxx xxxx → 「D2」が「MVC」命令を現す

2進数表示 :11010010 xxxxxxxx xxxxxxxx → 16進「D2」を2進に変換すると「1101 0010」


一方、システム構成に関してですが、単純なシステムは、1個の「オブジェクト・モジュール」から構成されていますが、「Windows OS」のように複雑なシステムの場合は、複数の、それも多数の「オブジェクト・モジュール」から構成されています。

このため、複雑なシステムを生成する場合、複数の「オブジェクト・モジュール」を抽出し、合体させる必要があり、この作業を「リンク」と呼びます。

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つまり、これまでの話を整理しますと、プログラム言語の作成からシステム生成までは、次の作業が必要になります。

ソースコード作成 → コンパイル → オブジェクト・モジュール作成 → リンク → システム作成


そして、これらの作業の結果生成されるシステムに関しては、「Build(ビルド)」と呼ばれる、バージョンで管理されて行く事になります。

ソフトウェア開発では、節目となるタイミングでビルドを作成し、全体的な動作確認を行って不具合を探し、修正作業や機能の拡張を行って行きます。

最終的な公開・発売バージョンができるまでには、何度も繰り返してビルドする事が多いため、ビルドを行う際は、前回の版から更新・修正されたソースファイルやライブラリファイルのみをコンパイル/リンクし直します。

このような作業を、特に「部分ビルド」と呼ぶ場合もあり、「部分ビルド」に対して、更新の有無に関係なく全てのソースコードコンパイル/リンクして最新版を作成することを「完全ビルド」、または「リビルド」と呼んでいます。


ちなみに、「Windows 7」も、ちゃんと「ビルド」と言うバージョンで管理されています。

上図は、私のPCの情報ですが、バージョン、およびビルドは、次の通りです。

・バージョン :6.1
・ビルド :7601 SP(ServicePack)1

「ビルド」に関しては、OSが「Windows 7」なのに、バージョンが「6」とは、これ如何に ? と、気になる情報もありますので、この点も、次の章で軽く説明します。

それでは、次に「Windows OS」のビルドに関する情報を紹介します。

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■「Windows 10」のビルド状況

前の章で、「Windows 7」もビルドで管理されていることをお伝えしました。それでは、「Windows 10」のビルドの状況は、どうなっているのでしょうか ?

Windows 10」に関しては、2015年7月29日にリリースが開始されましたが、その時のビルドは、「ビルド10240」でした。

そして、「Windows 10」リリース時の「Current Branch(CB)」に関しては、このOSの社内開発コード名が「Threshold(スレッショルド)」だった関係で、「Threshold 1(TH1)」と言う名前で管理されていました。

しかし、「Windows 10」リリース後も、内部では着々とビルドは行われており、前章掲載の画像にある「Microsoft Insider Preview」に対しては、ビルドが完了した時点で、順次、新ビルドが提供され続けてきました。

これまで「Microsoft Insider Preview」に提供されてきたビルドを簡単に紹介すると、下表のようになります。

ちなみに、リリース時のCB名は、前述の通り「TH1」でしたので、リリース後のCBは「Threshold 2(TH2)」と言う名称で管理されていました。

CB リリース日 ビルド 概要
Threshold 1(TH1) 2014/10/01 9841 ・最初のプレビュー版
2015/07/29 10240 ・製品版ビルド(「Windows 10」のリリース)
Threshold 2(TH2) 2015/08/18 10525 ・未使用メモリページ圧縮
・タイトルバーに色を指定する機能復活
2015/08/27 10532 ・日本語版Cortana搭載
コンテキストメニュー微調整
Microsoft Edge機能拡張
2015/09/18 10547 ・スタートメニュー表示カラム数増加
Windows 10 Proスポットライト機能追加
タブレットモード時スナップ機能変更
2015/10/12 10565 ・Edgeタブにサムネイル機能追加
Windows7/8xアップグレードでプロダクトキー使用可能
2015/10/29 10576 ・Edgeメディア配信機能追加
・CortanaでPDFサポート
2015/11/05 10586 ・各種微調整、およびバグ・フィックス



そして、2015年11月12日、これまで「Microsoft Insider Preview」にのみ提供してきた上記ビルド「TH2」を、満を持してCB名「Windows 10 November Update」として、一般ユーザーに配布しました。

しかし・・・「案の定」と言うか何と言うか、この「Windows 10 November Update」は、混乱の極みだったようです。

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今回のビルドの配布は、下記2種類の方法で配布されました。

Windows Update
・Media Creation Tool(MCT)

Windows Update」に関しては、今更、説明は不要だと思いますが、「MCT」に付いて簡単に説明すると、「MCT」とは、名前の通り、『 メディアを作成するツール 』となります。

それでは、『 何のメディアを作成するのか 』と言うと、「Windows OS」をインストールするためのメディアとなります。

つまり、Microsoft社の公式サイトから「MCT」をDLし、ツールの指示に従って作業を行うと、DVD、あるいはUSBに、最新ビルド版の「Windows 10」用インストール・メディアを作成することが出来る、と言う事です。

そして、今回の「Windows 10 November Update」では、次の様な改良(?)が施された「Windows 10」が提供される予定でした。(ビルド10525〜10586の内容)

Microsoft Edgeの改良
Windows Storeアプリの改良(ビジネス面の強化・Cドライブ以外にもインストールできる)
・フォントが滑らかになる
IMEの語彙が豊富になる
・Cortanaが日本語対応になる
Windows Updateの管理機能(ビジネス面)
・その他セキュリティの強化

と言うことで、新し物好きが、勇んで「Windows 10 November Update」を適用したところ、次のような現象が発生してしまったそうです。

・「Windows 10 November Update」適用 → 「更新に失敗しました。」
・「Windows 10 November Update」の再実行 → 「お使いのデバイスは最新の状態です。」
・PCを再起動
・再度「Windows 10 November Update」適用するも「更新に失敗しました。」→「最新の状態です。」
・これの繰り返し・・・・

結局、Microsoft社が、

『 CBは、数百万人上る「Microsoft Insider Preview」に提供し、安全を確認してから配布するので、非常に安心である。 』

と豪語していた最新CB「Windows 10 November Update」に関しては、失敗に終わってしまったようです。


そして、さらに混乱に拍車を掛けたのは、Microsoft社の対応です。

今回、「Windows 10 November Update」は、前述の通り、2015/11/12から配布を開始したのですが、配布開始直後から、更新出来ない現象が発生していたにも関わらず、Microsoft社は、何も対応せず、ユーサーからの質問に関しても、他ソフトウェアに責任を押し付け、自社での対応を放棄していました。

その後、混乱が深まってくると、今度は、何の説明も無しに、2015/11/21に、いきなり、「Windows 10 November Update」を、DLサーバーから削除し、一般ユーザーがDL出来ない様にしました。

このため、一般ユーザーは、今度は、「Windows 10 November Update」がDL出来ないと騒ぎ出しました。

これを見て、Microsoft社は、2015/11/24、ようやく次のような声明を、広報担当が発表したようです。

『 我々は先頃、ある問題を認識した。この問題は、Windows 10を既にインストールし、November Updateを適用していたごく少数のユーザーに影響を及ぼしていた可能性がある。これらの顧客において、November Updateをインストールした時点で、カスタマイズした設定の一部が保持されないという予期せぬ問題が発生した恐れがある。これらの顧客に対し、われわれは今後数日間のうちに元の設定を復元するつもりであり、ご不便をお掛けした事をお詫びする。われわれは、この問題をできる限り早急に解決できるよう努めた。本日提供を開始したNovember Updateを今後インストールする場合に影響は無い。 』

また、この声明とともに、「Windows 10 November Update」に関しては、今後「Windows Update」のみで提供する、とも発表していたそうです。

ところが、その舌の根も乾かぬうち、翌日の2015/11/25には、「Windows Update」、および「MCT」の両方において、「Windows 10 November Update」の提供を再開したようです。

全く・・・

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今回の騒動の原因は、「Windows 10 November Update」にバグがあり、アドバタイズID、バックグラウンドアプリ、SmartScreenフィルター、デバイスとの同期の一部の設定が誤って保持されなくなる問題があることが明らかになっており、既に「KB3120677」と言う更新プログラムが発行されています。

今回の騒動を整理すると、次のようなタイムテーブルになります。

日付 事象
2015/11/12 ・「Windows 10 November Update」リリース
・リリース直後から問題発生→「更新に失敗しました」
この間、9日間、何も対応も説明も無し
2015/11/21 Microsoft社が、事前説明も発表も行わずに、いきなりサーバーから「Windows 10 November Update」削除
・ユーザーは、DL出来ないと大騒ぎ
2015/11/24 ・ようやくバグの存在を認める声明発表
・更新プログラム「KB3120677」リリース
・今後は「Windows Update」のみでリリースすると発表
2015/11/25 ・「Windows 10 November Update」のリリース再開
・「MCT」でも配布されている → 一切説明無し

まあ、いつもの如く、「身勝手な」対応ばかりですし、発表声明にも驚かされます。

『 ごく少数のユーザーに影響を及ぼしていた可能性がある 』

Microsoft社の考えでは、「ごく少数」とは、何名規模なのでしょうか ? 数百万人、数千万人レベルは、「ごく少数」なのでしょうか ?

Microsoft社では、次の章で説明しますが、『 Windows 10は、既に2億台に導入された 』と豪語していますが、数億人に迷惑が掛かって、ようやく大規模障害と認めるのでしょうか ?

さすが「殿様」!! 規模感が、一般人とは違います。

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さて、スッタモンダした「CB」ですが、現在は、開発コード「Threshold(スレッショルド)」ではなく、別のコード名で管理されています。

そして、現在の開発コードは「Redstone(レッドストーン)」と呼ばれています。

この新規開発コード「Redstone」では、主に「Windows 10 Mobile」向けの機能追加がメインと言われており、現在は、下表のようなビルドが提供されているようです。

CB リリース日 ビルド 概要
Redstone 1(RS1) 2015/12/16 11082 Windows OneCore の構造改善
Microsoft Edgeにおける実験VP9サポート
2016/01/13 11099 Windows OneCore の構造改善
・ビルド 11082発生バグのフィックス
2016/01/21 11102 ・Edgeへの新しいメニュー追加
2016/01/27 14251 Windows 10 Mobileのビルド番号と一致させる番号体系採用
・Cortana改良
2016/02/03 14257 ・内部的な基本機能の変更とバグ修正
2016/02/18 14267 ・新しい「Ring(リング)」追加
・Cortanaへの音楽サーチアイコン追加、等
2016/02/24 14271 ・各種多数のバグ・フィックス
・アクションセンター改良
・ピクチャーパスワード機能改善、等

このように、今後も、どんどん勝手に機能追加が行われて行くことで、「Windows Update」の作業時間も長くなると思います。

そして、誰もが気にする、次回「CB」のリリース時期ですが・・・残念ながら、Microsoft社は、「CB」のリリース時期に関しては、「約4ヶ月間隔で年3回程度の実施」と公表しているだけで、予定表等は一切公表していません。

しかし、現在、「Windows 10」の無償グレードアップ期間中で、この期間が、前述の通り、今年(2016年)7月28日に終了する、と言う事を考慮すると、2016年6月頃に実施されるのではないかと思います。

Microsoft社が言う、「4ヶ月間隔」と言う言葉を信じれば、前回が2015年11月ですから、次回は2015年3月末となりますが・・・本日は、2016年4月9日で、まだ「RS1」はリリースされていません。

このため、このまま6月までリリースを延期し、そして7月末に無償アップグレードを終了させ、8月から、何か新しいバージョンを発表するのではないかと、個人的には、想像しています。

つまり、下表のようなタイムテーブルです。

日付 事象
2016年5月 ・国内イベント「de:code 2016」開催予定
2016年6月 ・「Redstone 1」リリース ?
2016年7月 ・無償アップグレード期間終了
2016年8月 ・新機能を発表 ?
2016年9月 ・国内イベント「Microsoft FEST2016」開催予定

今後、どうなるか見ものです。

MCTのDLサイト:https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows10

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■「Windows OS」のシェア状況

さて、ここまで「Windows 10」のビルドに関する情報を紹介してきましたが、本章では、「Windows 10」の導入状況を簡単に紹介したいと思います。

現在、このブログは、2016年3月に作成しているのですが、2016年2月時点での、全世界のデスクトップOSにおける「Windows 10」の導入状況は、下図のようになっているようです。


2016年2月の時点で、Windows全体ではシェアを落とし、代わりにMac OSLinuxがシェアを増やしたそうです。

Windows OSでは、「Windows 10」だけが、かろうじて先月に比べてシェアを「1%」伸ばしたようです。

その他、Windows OSのシェアは、下表の通りですが・・・「Windows NT」がシェアを伸ばしているのは疑問です。

一体、誰が「Windows NT」を使っているのでしょうか ? POSレジかな ?

順位 OS 2月 1月 変位 動向
1 Windows 7 52.34% 52.47% -0.13%
2 Windows 10 12.82% 11.85% 0.97%
3 Windows 8x 12.26% 13.08% -0.82%
4 Windows XP 11.24% 11.42% -0.18%
5 Windows Vista 1.66% 1.69% -0.03%
6 Windows NT 0.12% 0.08% 0.04%

Microsoft社が1月4日に行った公式発表では、「Windows 10の月間稼働端末が2億台を超えた」としています。

そして、この「Windows 10」の普及率は、「Windows 7」より140%、「Windows 8」より約400%速く、Windows史上最速と豪語しています。

しかし、上記の表を見て解かる通り、デスクトップOSのシェアでは、まだまだ「Windows 7」には遠く及ばない状況で、「2億台に導入された」とは言っていますが、既にサポートが停止されている「Windows XP」と比較しても、その差は、たった「1.58%」でしかありません。

実は、この「2億台」と言う数字にも裏があります。

Windows 10」は、他の「Windows OS」とは異なり、ゲーム機「Xbox」や「Windows Phone」、その他「IoT機器」にも搭載されています。

このため、Microsoft社が豪語した「2億台」と言う台数には、これら「非PC端末」も含んだ数字となっています。まあ、「物は言いよう」という事だと思います。

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さらに、「2億台」、「普及速度は史上最速」と豪語している反面、Microsoft社は、「Windows 7/8x」から「Windows 10」へのアップグレード・プロセスに関して、従来の3段階プロセスを取りやめて、勝手にアップグレードする方法に変更しています。

従来のアップグレードは、「予約→通知→手動アップグレード」と言う手順を踏んでいました。

ところが、2016年2月1日からは、「Windows 10」へのアップグレードが、「推奨される更新プログラム」に「格上げ」されてしまった影響で、「Windows Update」を実行すると、勝手にアップグレード処理が起動してしまうようになりました。

まあ、アップグレード処理は勝手に起動しますが、確認ダイアログが表示されるだけですので、無視すればアップグレード処理は終了しますので、安心して下さい。

加えて、Microsoft社に騙されて「Windows 10」にしてしまった場合でも、31日間は、元のOSに戻す事も可能になっているそうです。

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それでは、何故、このようにアップグレード処理を格上げまでして、勝手にアップグレード処理を開始するようになったのか ?

この点に注目して見ると、実は、タブレット端末、およびPC端末においては、Microsoft社が期待する程、アップグレードが進んでいないのではないかと思われます。

Microsoft社は、社運を賭けてまで「Windows 10」の無償アップグレードを行った訳ですが、無償にしたにも関わらず、未だにシェア「12%」と言うのは、恐らくMicrosoft社にとっては想定外だったと思います。


このため、批判覚悟で「自動アップグレード」にまで踏み込んだのではないかと思われます。

「非PC端末」以外の数値まで取り上げて「2億台」、「史上最速」と宣伝しているのは、逆に、Microsoft社の「焦り」を表現しているのだと思います。

ちなみに、「Windows Update」で、勝手に「Windows 10」にしないためには、「Windows Update」の設定を左図のように変更して下さい。

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■金融機関における「Windows 10」への対応状況


次に、「Windows 10」に対する世間の評価の一部として、銀行業界での「Windows 10」への対応を紹介したいと思います。

Windows 10」のリリース当初は、全ての銀行で、「Windows 10」への対応を見送ってしましたが、現時点では、「Windows 10」のOS本体に対しては、ほぼ全ての金融機関で稼働確認が完了したようです。

信託銀行に関しては、「Windows 10」に特化した稼働環境情報自体が記載されていないケースが多く見られますが、その他、ほぼ全ての都市銀行地方銀行で、「Windows 10」は問題なく使えるようです。

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ところで、「Windows 10」では、本ブログでも何度も紹介していますので、ご存知の方も多いと思いますが、新しいブラウザ「Microsoft Edge(以下、Edge)」をバンドルしています。

「ブラウザ」とは、インターネットを使うためのソフトウェアの事です。

今、貴方が、このブログを見るために使用しているソフトウェアが、将に「ブラウザ」です。

この「ブラウザ」には、右図のような種類があり、その約半数が、下記Microsoft社製のブラウザとなっています。(合計約44.8%)

Internet Explorer(以下、IE) :約40.8%
・Edge :約 4.0%

しかし、オンライン・バンキングで使用する「ブラウザ」に関しては、「Edge」は、未だに「NG」のようです。

そして、どの位の金融機関で「Edge」が使えないのかと言うと・・・全ての金融期間において、オンライン・バンキングでは使えない状況が続いています。

このため、全金融機関では、「Windows 10」を使う場合には、「Windows 10 + IE11」でのオンライン・バンキングを推奨しています。(※IE11とは、IEのバージョン11.0と言う意味です)

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それでは、何故、金融機関では、「Edge」は使用出来ないのでしょうか ?

それは・・・「IE」に原因があります。

IE」は、その誕生当初から、Web標準規格を無視して発展して来たブラウザです。また、同じ「IE」同士でも、バージョン毎に非互換がある、とても使い難いブラウザです。

このため、「IE」に準拠してシステム開発を行うと、他のブラウザ、例えば「Chrome」では、そのWebシステムが使えませんし、またIEのバージョンを上げたりすると、とたんにWebシステムの動作が変になってしまったりします。

そこで、「Edge」では、出来るだけWeb標準規格に近づけた形で提供しようとしているのですが・・・逆に、Webシステム側が、「IE」に準拠した仕様でプログラムを作ってしまっているので、未だに対応が出来ないと言う、皮肉な結果になってしまっているのです。

つまり、「Edge」は、「Microsoft社の負の遺産」に足を引っ張られた形で、未だにオンライン・バンキングを始め、多くのWebシステムでは「推奨環境」から除外され続けています。

ちなみに、各ブラウザの「HTML5互換性テスト」による評価は、次のようなスコアになっています。(※満点555点)

順位 ブラウザ名 スコア(得点)
1 Chrome 44 526
2 Opera 31 525
3 Firefox 40 467
4 Edge 12 402
5 Safari 8.0 396
6 IE 11 336

「Edge」に関しては、今後もスコアはアップして行く予定になっているようで、次期「Edge 13」のスコアは、得点が「51点」アップして「453」となる予定だそうです。

まあ、それでも「Firefox」を超えることは出来ませんが・・・

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■「Windows 10」は最強のスパイウェアなのか ?

本ブログの最後に、ショッキングな記事を紹介したいと思います。

以前も、本ブログで、アメリカ政府(NSA)の「PRISM」プロジェクトの事を紹介し、その中で、「Microsoft社は、政府に協力してクラウドに保存したデータを、NSAに提供していた」と言う記事を紹介しましたが・・・また、別の問題も浮上しているようです。

★過去ブログ:Office2016の紹介 〜 これでお金取るの ?

今回紹介する記事は、2015年8月26日付け記事で『 最強のスパイウェアWindows 10」をインストールするな ! 』と言う題名で紹介されています。

まあ、内容的には、先のNSAの「PRISM」プロジェクトと同様、PCの個人情報が、Microsoft社に漏れてしまうと記事になっています。

地方自治体や大学のホームページ(HP)上に、「Windows 10」の導入を抑止/禁止する警告が掲載されている
・ドイツ政府と中国政府が、「Windows 8x + TPM2.0チップ」搭載PCの使用を禁止した
・さらに「TPM2.0チップ」の製造元は中国なので、中国にも機密情報が漏れてしまう
・「Windows 8x」、および「Windows 10」には、「バックドア」が仕込まれており、そこから情報が漏れてしまう
Microsoft社は、個人PCから情報を盗み取る目的のため、わざわざ使用許諾を変更した
・さらにMicrosoft社は、「Windows OS」の動きを監視する「Asimov(アシモフ)」と言うソフトまで使っている
・これらの情報を踏まえると「Windows 10」を使うのは危なすぎるので他のOS(Linux/Mac)を使うべきである

と言う内容の記事になっています。

まあ、私も、本ブログを含む過去ブログでは、Microsoft社の姿勢を批判してきましたが・・・この記事は、ちょっと「如何な物か」と思います。


地方自治体や大学のHP上に「Windows 10」の導入を抑止/禁止する警告が掲載されている

これは、単に、地方自治体や大学が提供している既存システムが、「Windows 10」に対応出来ていない事に理由がある様です。

地方自治体の場合は「電子入札システム」が、大学の場合は「Symantec(シマンテック)社」等のセキュリティ・ソフトウェアが、「Windows 10」に対応していないので、「Windows 10」のインストールは行わないよう注意しているだけみたいです。

この記事のように、神経質になる必要はありません。

●「Windows 8x + TPM2.0チップ」搭載PCの使用を禁止


「TPM2.0チップ」と言うのは、「Trusted Computing Group(TCG)」と言う、アメリカのIT企業群が設立した、セキュリティの業界団体の策定規格に基づいて製造された「コンピュータ・チップ」、つまり半導体の事です。

当初は、アメリカ企業であるAMD、HP、IBMIntel、そしてMicrosoftの5社により、2003年4月に設立された団体ですが、現在では、トヨタ、キャノン等の日本企業を含む全世界に広がり、85社が参画する巨大な業界団体になっています。

そして、この団体が策定したセキュリティ規格が世界標準となっており、この規格により製造された「Trusted Platform Module(TPM)」と言うチップセットがPCに組込まれ、PCにインストールされたソフトウェアの実行監視と稼働制御を行う仕組みになっています。

「それで何が危険なの ? 」と言うことですが、この「TPM2.0チップ」単体では問題ありません。

しかし、「Windows 8x」以降、「Windows 8x」と「Windows 10」においては、この「TPM2.0チップ」自体の制御が、「Windows OS」の配下に置かれ、ユーザー側では、一切制御出来なくなる点が問題とされています。

つまり、もしもMicrosoft社が、意図的に「TPM2.0チップ」の制御を変更すれば、この「TPM2.0チップ」自体がバックドアとなり、PC内の個人情報を、勝手に、Microsoft社に送信する事が可能になる、と言うことが危険視された訳です。

さらに、このチップを実際に製造しているのは中国企業なので、Microsoftに情報が盗まれる以前に、中国企業が、何らかの仕組みをチップに組み込めば、より危険な存在になると言われています。

実際に、中国企業が勝手に個人情報を取得した事例としては、「百度(Baidu/バイドゥ)」が開発した「Simeji(しめじ)」と言う「日本語文字入力+顔文字キーボード」ソフトウェアに、「キーロガー型」のウィルスが仕込まれており、キーボードから入力した情報が、全て「百度(バイドゥ)」に盗まれていた、と言う事件がありました。


確かに、中国で製造したチップ(半導体)がPCに組込まれているのが不安ですが・・・現在は、ほぼ全ての製造業は、新興国に移っているので、もはや手遅れの感はあります。


Microsoft社による「Windows OS」の使用許諾(ソフトウェア・ライセンス)

Microsoft社は、Windowsを含む、自社のソフトウェアを使用する場合、その利用者との間で、「使用許諾契約」、つまり「ソフトウェア・ライセンス契約」を締結しています。

まあ、これはMicrosoft社に限った話ではなく、ソフトウェアを販売している企業全てで行われている行為です。

このため、弊社でも、弊社が販売するパッケージ・ソフトウェアを購入して頂き、使用して頂く際には、個々のお客様と使用許諾契約を締結しています。

「使用許諾契約」の内容は、多岐に渡りますし、企業毎に、契約内容も異なりますが、基本的に、次のような内容を定めています。

・使用条件 :ソフトウェアを使用できる条件
・禁止事項 :ソフトウェア使用中に禁止する項目
・契約期限 :契約の有効期間
・販売元の責任 :販売元が提供する責任内容
・保守サービス :保守契約の必要性
・制限事項 :使用結果に対する責任放棄、損害賠償責任の放棄
・権利定義 :著作権の明確化
・裁判管轄 :問題が生じた際の所轄裁判所の指定

まあ、これだけなら、誰も契約内容を問題視しないと思いますが・・・Microsoft社の契約内容には、次のような一文が含まれています。

『 プライバシー、データの使用への同意。お客様のプラバシーは、当社にとって重要です。本ソフトウェアの一部の機能については、当該機能を使用する際に情報が送受信されます。 』

つまり、「Windows 10を使うことで、個人情報がMicrosoft社に送信されるが、その点を了解した上で、Windows 10を使う事に同意します。」と言うことです。

確かに、この一文だけを見れば、「問題だ !」となりますが、先ほどの文章の後には、次の文が掲載されています。

『 これらの機能の多くは、ユーザーインターフェイスで無効にするか、使用しないように選択することができます。 』


と、該当記事に関する補足情報を紹介しましたが、如何でしたか ?

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「な〜んだ、それならデータを送信しないように設定を変更すれば良いじゃん !!」となりますが・・・その設定方法の説明は、どこにも記載されていません。

自分で設定場所を探し出し、設定の意味を理解し、その上で設定を変更する必要があります。

恐らく、この設定変更は、「素人さん」には無理だと思います。第一、「素人さん」は、上記の使用許諾契約の内容など、読むはずがありません。

故に、「素人さん」の場合、下記の個人情報が、全てMicrosoft社に渡ってしまうと思います。


・連絡先
・カレンダーに記載した予定
音声認識情報
・手書きパターン
・入力履歴
・位置情報
・利用言語
・利用URL

これだけの情報が、全てMicrosoft社に渡ってしまいますが・・・これは、ほぼ全ての個人情報になると思います。

友人、知人、個人の予定、訪問先、音声情報、文字の入力パターン、住所、PC持参で訪問した場所、カード情報等、PCから入力したデータ全て・・・

「まさか、ここまでは漏れないだろう ?! 」と考えているかと思いますが、そんな事はありません。


実際、「Windows 10」におけるデータ収集設定項目には、上記全ての項目が含まれています。上のプライバシーオプションをご覧下さい。

その他にも、マイクやカメラ等の設定に関するオプションもありますから、「Windows 10」を、初期設定のまま使うと、個人情報が、Microsoft社に「ダダ漏れ」となってしまいます。

う〜ん、ここまで個人情報がPCから漏れてしまうと、さすがにマズいですよね。

と言う事ですから、「Windows 10」を使う場合、プライバシーオプションを変更し、個人情報が漏れないような設定に変更して下さい。

加えて、これら個人情報は、Microsoft社のサーバーに保管されていますので、そのサーバー内のデータも削除した方が良いと思います。


但し、これらの情報は、「Windows 10」が提供する人工知能「Cortana」でも使用しますので、設定を「オフ」にすると、「Cortana」の精度が落ちますが・・・プライバシーを守るためなら仕方が無いと思います。

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以上、「Windows 10」の現状をお伝えしましたが、如何でしたか ?

私は、正直、Microsoft社の上から目線の態度は嫌いですし、利益追求に特化した社風も嫌いです。

しかし、現在のPC/インターネット環境においては、Microsoft社に頼らざるを得ない点は認めています。それでも、ここまで個人情報を取得されるのは納得が行きません。

前章で、個人情報を守る方法を紹介しましたが、この方法も、今後の「CB」で、勝手に初期化され、気が付かない内に、勝手に個人情報が、Microsoft社に送信されてしまうかもしれません。

また、各種設定を「オフ」にしても、裏では、「バックドア」等を通じて、実際には、データを送信している可能性も否定できません。

つまり、ここまで来ると、もうMicrosoft社を信頼できない、と言うことです。

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個人情報の漏れを防止するためには、下記のように2台のPCを使うことで、Microsoft社に対抗するしか方法は無いのかもしれません。

・仕事用/調査用PC :インターネット回線に接続し、各種調査を行いながら、仕事を行うPC
・個人用PC :インターネット回線には接続せず、スタンド・アローン状態で使うPC

そして、個人用PCに対しての「Windows Update」は、「MCT」方式で行うことで、Microsoft社とは一切接続しない方法でOS情報等を更新することです。

でも・・・そこまでするなら、現在使用している「Windows 7」を、このまま使い続けるのが、一番簡単な対処方法だと思います。

第一、このPCを、個人用と会社用とで使わける方法ですが・・・これってウィルス対策と同じです。

そうなると、「Windows 10」は、ウィルスと同じと言う事になってしまいます。

先の記事「「Windows 10」をインストールするな ! 」を、鵜呑みにする訳ではありませんが、やはり個人情報を、Microsoft社に盗まれるのはイヤです。

Windows 7」も、あと3年9ヶ月位はサポート有りで使えますし、どうせ現在のPCも、3〜4年は、壊れずに使えると思いますので、このまま「Windows 7」を使うのが最良だと思います。

仕事上では、お客様から、「Windows 10でも動作するシステムを作ってくれ」と言うご要望がありますので、「Windows 10」を導入したPCを社内には既に用意していますが、個人では「Windows 10」は使わないようにしたいと思います。

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ところで、最後に「Windows 7」のバージョンが「6」になっている理由ですが・・・

Microsoft社では、「Windows OS」を、下記の様な形態で社内管理し、メジャーリリース毎にバージョン番号を割り振っています。

メジャーリリース番号 社内管理バージョン名 OS名
1 Windows 1.0 特に無し。MS-DOS
2 Windows 2.x 同上
3 Windows 3.x Windows NT(New Technology)
4 Windows 4.x Windows 95、98、98Second Edition、Me、NT4.0
5 Windows 5.x Windows XPWindows 2000
6 Windows 6.0 Windows Vista
7 Windows 6.1 Windows 7

さて問題の「Windows 7」ですが、実は、本来はメジャーリリース扱いにはならないバージョンです。

つまり、「Windows Vista」が、世間一般に受け入れられなかったため、急遽「Windows Vista」を改良して販売したOSです。

そう・・・「Windows 7」の中身は、「Windows Vista」と、ほぼ同じです。「Windows Vista」の設計思想を、そのまま引き継ぎ、一部機能に改良を加えただけのOSなのです。

このため、社内バージョンは「6」のままですが、無理やり7番目のメジャーリリース扱いにした事で「7」と言う名称が付けられただけのOSなのです。

故に、「Windows Vista」のバージョンが「6.0」で、「Windows 7」のバージョンが「6.1」となっています。

先のビルドに関して説明すると、「Vista」と「7」は、同一のソースコードからビルドされたシステムとなっています。


何か、これを聞いてしまうと「詐欺」のような話ですよね。

将に、「狼の皮を被った羊」ならぬ、「 Windows 7の皮を被ったWindows Vista」と行った所でしょうか・・・(笑)


それでは次回も宜しくお願いします。


以上


【画像・情報提供先】
Wikipedia(http://ja.wikipedia.org/)
Windows ライフサイクルのファクト シート(http://windows.microsoft.com/ja-jp/windows/lifecycle)
・Market Share Reports(http://marketshare.hitslink.com/)
HTML5互換性テスト(http://html5test.com/)
・最強のスパイウェアWindows 10」をインストールするな !(http://kaleido11.blog.fc2.com/blog-entry-3768.html)
・Trusted Computing Group へようこそ(http://www.trustedcomputinggroup.org/jp)

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