Microsoft FEST2015 − 相変わらずのマイクロソフト


今年も、日本マイクロソフト社が開催する、年1回の最大イベントに参加して来ました。


このイベントは、昨年までは「The Microsoft Conference」と呼ばれていたのですが、今年は「Microsoft FEST2015」と名付けられ、下記3個のイベントを統合した形で開催されたようです。


・The Microsoft Conference
マイクロソフト ジャパン パートナー コンファレンス
Microsoft Dynamics Forum


この3個のイベントを統合した「FEST20nn」と言う方式が、いつまで続くのかは解りませんが、取り敢えず今年は、3個のイベントを統合して、2015年9月1日〜9月4日の3日間に渡り、右画像の場所「ザ・プリンス パークタワー東京」で開催されました。


ちなみに、去年も、この時期に、同じ会場で、期間は3日間でしたが、「The Microsoft Conference 2014」が開催されました。


去年の様子は、こちら:The Microsoft Conference 2014」について/http://msystm.co.jp/blog/20141206.htmlをご覧下さい。

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今年は、当初の予想通り、下記、最新OSや最新ブラウザ等の新製品のリリース、そして最新Officeの発売次期の発表がされた事もあり、各会場は熱気に包まれていました。



・最新OSの「Windows 10」
・最新ブラウザ「Microsoft Edge
・最新データベース「SQL Server 2016」
・最新Office「Office 2016」


上の画像は、キーノートの発表会場だったのですが、7分割されているホテルのコンベンションホールの内、5個の部屋(スパン)をぶち抜きで使用し、約2,200名程度の収容能力がある空間を作り出したようですが、それでも、若干ですが、立ち見している人も出ていました。


今回、私は、仕事の都合で「Day 3」に行き、次のセッションに参加してきました。


・キーノート:ビジネス変革を加速させる企業システムとは
Microsoft Love OSS!!
Windows 10 “Windows as a Service
・Office 365 最新機能とロードマップ
マイクロソフトの新WebブラウザMicrosoft Edge


去年の「The Microsoft Conference 2014」の感想は、前述の過去ブログを見てもらえればと思いますが、全くヒドいものでした。


しかし今年は、新製品の発表が沢山あったせいか、去年に比べれば、だいぶ賑やかでしたが・・・それでも、何か堅苦しくて、面白みに欠ける内容でした。


将に、日本人が企画した、日本人のためのイベント、と言う感じでした。


それと、一番問題なのは、去年も同じでしたが、ホテルの通路が狭く、セッション終了後の通路が、「ド渋滞」になる事でした。


セッションを最後まで聞き、次の会場に向かおうとすると、もう身動きがとれない状況でした。


去年も「ド渋滞」だったので、今年は、少しは学習してくれるのかと思ったのですが・・・どうもマイクロソフトは学習能力が低いみたいです。

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キーノートの内容に関しては、後述する各章で説明しますが、驚いたのは、その昔、今から20年位前、私がバリバリの技術者としてパッケージ・ソフトウェアをコーディングしていた頃、当時の会社のお客様の担当者として、一緒に作業を行っていた方が、マイクロソフト社のパートナー企業として、プレゼンテーションを行った事でした。


この方は、関電システムソリューションズ(KS-SOL)株式会社のITサービス事業本部/ITサービス統括部 /ITサービス営業グループの営業部長となられていた「福嶋 利泰」氏です。


当時は、「株式会社 関西総合電子計算センター(KEC)」と言う会社名で、甲子園球場の近くの「鳴尾」に事業所があり、私が作ったパッケージ・ソフトウェアの導入、および動作試験のために、1ヶ月程、東京から大阪に出張し、毎日、大阪の心斎橋から「鳴尾センター」に通った事を思い出しました。


KS-SOL様は、展示ブースに出展もされていたので、セッションの合間に、ご挨拶に伺った所・・・最初は、私が挨拶しても、キョトンとされていました。


その内、昔のソフトウェアの事を話しだすと、「あ〜、あの時は、お世話になりました!」と、ようやく思い出して頂くことが出来ました。


福嶋様は、当時に比べると、ちょっと貫禄が付き、髪も白いものが大分目立つようになりましたが、それ以外は、当時のままでした。


私は、当時はメガネを掛けていませんでしたし、髪も、今よりは長めで、量も豊富だったので、福嶋様が、私の事を解らなかったのは、当然だと思います。


しかし、お互いに歳を取った事だけは確かなので、今後とも、身体を労って、頑張って行きたいと思います。


それでは、前述の通り、参加した下記セッションに関する情報を紹介したいと思います。


●キーノート:ビジネス変革を加速させる企業システムとは
Microsoft Love OSS!!
Windows 10 “Windows as a Service
●Office 365 最新機能とロードマップ
マイクロソフトの新WebブラウザMicrosoft Edge


今回も宜しくお願いします。

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■キーノート:ビジネス変革を加速させる企業システムとは


イベント3日目のキーノートは、今年の7月に、日本マイクロソフト社の社長に就任ばかりの「平野 拓也」氏の挨拶と、過去2日間の発表内容の振り返りから始まりました。


平野氏いわく、『 現在は、IT製品の多様化、および汎用化により、PCに縛られていたデジタル・エクスペリエンスが、人間の動きに合わせた物に変化してきた。


さらに、現在では、ソフトウェアが、クラウド環境で動作する、と言うことが当たり前になって来たことから、「モバイル・ファースト/クラウド・ファースト」の世界になって来ている。 』との事でした。


このマイクロソフトのコンセプトは、前社長で現会長である「樋口 泰行」氏の時代から、と言うよりも、アメリカ本体のMicrosoft社のCEO「Satya Nadella(サティア・ナデラ)」氏が打ち出したコンセプトです。


このため、日本マイクロソフトでは、次の3つを重点目標としてビジネスを行うと言っていました。


・プロダクティビティとビジネスプロセス :テレワーク等、ワークスタイルの変革への対応
・Windows10 + デバイス :ユニバーサル・プラットフォームとして盛り上げたい
・インテリジェント・クラウドクラウドに、価値をもたらすインテリジェンスを付加したい


これら3個の重点目標を実現するためには、ビジネス環境も変革させる必要があるとの事で、3日目のキーノートでは、「ビジネス環境を変革させるためのIT環境はどうあるべきか」をテーマに、次のような、最新テクノロジーの紹介していました。


特に、インテリジェント・クラウド部分に関して、信頼性、柔軟性、そして統合性に重点を置いたデモを実施していました。


・信頼性:セキュリティを重視した「Azure Active Directory(Azure AD)」
・柔軟性:現在プレビュー中の「SQL Server 2016」
・統合性:ハイブリッドクラウドを統合的に管理する「Microsoft Operations Management System(OMS)」
Windows 10 + Azure AD Joinのデモ


以降で、それぞれのテクノロジーについて、簡単にデモ内容を紹介します。

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●Azure Active Directory(Azure AD)


最初に、「Active Directory」を簡単に説明しておくと、「Active Directory」とは、Microsoft社が、2000年にリリースした「Windows 2000 Server」に搭載した機能です。


そして、この「Active Directory」とは、基本的に、「ユーザー名」と「パスワード」を設定する事により、アクセス制限を設けているサーバーに、アクセス可能な人かどうかを判断する仕組みとなります。


この「Azure AD」のプレゼンテーションは、米Microsoft社のEnterprise Client & Mobility(ECM)担当、コーポレートバイスプレジデントの「Brad Anderson」氏が行いました。


このプレゼンでは、現在、多くの種類のデバイスが社内外で使われ、かつサイバー攻撃も進化し続けている事からセキュリティは、企業にとって重要な要素になっていると力説していました。


そこで同社では、2014年後半頃から、信頼性の実現のため、ユーザーの自由度とセキュリティを両立するソリューションとして、Windows/iOS/Androidなどに対応する「Azure AD」を初めとしたサービスを提供しています。




この「Azure AD」のデモでは、iPadを使用したiOS上で行なわれていました。


デモでは、社内のExcelファイルが、iPadのストレージ上への保存が不可となっている時に、機密ファイル内の文章を、社員アドレスのメールにはペースト出来るが、個人用アドレスで作成したメールやTwitterクライアントなどにはペースト不可とする動作を紹介していました。


また、「Azure Remote Desktop(Azure RD)」による、仮想マシンで提供されたWindowsExcelの操作や、「Azure Rights Management(Azure RMS)」による、保護されたファイルへのアクセス履歴の閲覧などの操作を行っていました。


SQL Server 2016


次に、現在プレビュー期間中の「SQL Server 2016」に関して、オンプレミスで運用中のサーバー上のデータベースを、クラウド上のSQLデータベースに拡張出来るという「ストレッチデータベース」機能や、Azureの機能をオンプレミスのサーバーに提供するという「Microsoft Azure Stack」、異機種環境をサポートした「Windows Server 2016 & System Center 2016」を紹介していました。


デモでは、Azureで利用しているアプリケーションを、簡単に「Azure Stack」へ展開可能であるほか、インターフェイスも統一したことで、クラウドとオンプレミスの統合の柔軟性をアピールしていました。


従来の「Azure Pack」は、プライベート・クラウドのために、Windows Serverユーザー向けに無償提供されていたものです。


この「Azure Pack」を拡張して、「Azure」と統一されたアプリケーション開発パックとなるのが「Azure Stack」となります。


ちなみに、「オンプレミス」とは、情報システムを自社で保有し、自社の設備において運用する事を意味しており、「クラウド」と対比する言葉として使われています。


また「プライベート・クラウド」とは、「Azure」のように、誰でも使えるクラウド・サービスと「対」を成す言葉で、各企業における専用Webサービスを意味しています。そして「Azure」は、「プライベート・クラウド」に対して、「パブリック・クラウド」と位置付けられています。


ところで、前に紹介した「KS-SOL」の福嶋氏は、ハイブリッドデータセンターの運用を行うパートナーとして、この場面で紹介されていました。


Microsoft Operations Management System(OMS)


次に、統合性に関して、複数のクラウドとオンプレミスを一元管理する「Microsoft Operetions Management Suite(OMS)」を紹介していました。


「OMS」は、オンプレミスのWindowsLinuxサーバーや、Azureだけでなく、Amazon Web ServicesやRackspace、Google Compute Engineといった他社提供のクラウドや、VMWare/Hyper-Vなどの仮想環境下のサーバーまでサポートしている点をアピールし、あらゆる環境を1カ所で管理できる点を強調していました。


実際のデモは、日本マイクロソフトの佐藤氏が行っていました。


佐藤氏によると、クラウドの管理は非常に面倒だが、この「OMS」を使えば、わずか3ステップで使用することが出来るようになると説明していました。


しかし、この3ステップを実行するために、様々な設定をしておかなかればならないので、実際には3ステップなどで済むはずはありません。


全く・・・オイオイ、嘘も大概に、と言う感じです。


Windows 10 + Azure AD Join


最後は、米Microsoftにおける、Windows Brand & Product Marketing本部長「Jeremy Korst」氏が、Windows10関連のプレゼンを行いました。


「Jeremy Korst」氏によると、Windows 10は、これまでにリリースした、どのOSよりも早くリプレースが進んでおり、既に、全世界で7,500万台のデバイスにインストールされているとのことでした。


この点は、既に平野氏からも説明があったのですが、「まあ、無償と言う点も大きく貢献しているのではないか」との事でした。


このプレゼンでは、まず「ビジネスの変革」のおけるPCの重要性として、Windwos10が提供する機能を、延々と紹介していました。


そして、Windwos10のユーザーである、次の2社からの「お客様の声」を紹介していました。


ベネッセコーポレーション
・米国Trimble社



特に、米国Trimble社の紹介では、革新的なデバイスとして「Microsoft HoloLens」を紹介していました。


これは、何でも米Microsoft社のCEO「Satya Nadella」氏の一押し製品との事らしいです。


「HoloLens」は、現実世界にデジタルデータを重ね合わせる事が出来るとの事で、NASAでも採用されている製品のようです。


このプレゼンでは、米国Trimble社が建築設計会社と言う関係もあり、建築現場における使用事例を紹介していましたが、それ以外でも、医療現場やゲーム等で活用事例が広がっているようです。



そして、このセクションの最後に、「Windows 10 + Azure AD Join」のデモが、米Microsoftの「Craig Ashley」氏により行われました。


このデモでは、『レドモンドからホノルル経由で東京に来る最中に、仕事用のパソコンを紛失した。』というシチュエーションを想定した内容になっていました。


このシチュエーションでは、通常、上長や情報システム部門に、PCの紛失を申告し、新しいPCを手配することになるかと思います。


そして、従来なら本社に戻らないと新規PCが得られず、東京での仕事で「自分の仕事PC」が使えない、と言う、致命的な問題が生じてしまいます。


しかし、このような状況においても、Windows 10で加わった「Azure AD Join」を使用すれば、ホノルルのストアで代替機を購入し、その後、情報システム部門に連絡を取り、「Azure AD Join」でログインするだけで、元通りの環境で代替PCが使用可能となる、と言事例を紹介していました。


確かに、このようなシチュエーションが生じた場合には、利便性が上がることになるかと思います。


デモ終了後、再び、日本マイクロソフト社の「平野拓也」氏が登壇し、次の締めの言葉でキーノートは終了しました。


マイクロソフトは、革新的で親しみやすく、安心でき、喜んで使っていただけるクラウドとデバイスを提供する 】

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Microsoft Love OSS!!



ランチ・セッションには、「Microsoft Love OSS!! 初めての Java Web アプリケーション開発 on Azure」に参加してきました。


私は、少しはPHPでWeb開発が出来るので、「初めてのJava Webアプリケーション開発」と言う言葉に興味を持ったので、このセッションに参加しましたが・・・


やはり「騙された」ようです。単に、マイクロソフトの「Azure」の宣伝だけでした。


まあ、その他にも、マイクロソフトが「OSS」に手を付ける、と言う点も気になったのですが、「OSS」に関しても、単にプレゼンターが、前職において、JavaでWebアプリケーションを開発していた、と言う話だけで、その他には、特に興味を引く話はありませんでした。



ちなみに、「OSS」とは、「Open Source Software」の略で、作成したソフトウェアのソースコードを、無償で一般公開し、誰でも、そのソフトウェアの改良や再利用が行える仕組みの事を意味しています。


つまり、マイクロソフトの様なパッケージ・ビジネスを行っている企業では、通常、自社で開発したソフトウェアのソースコードを、一般公開する事など絶対に有り得ない事なのです。


それにも関わらず、マイクロソフトが「OSS」を行うのか ? と言う点が気になったのですが・・・何の事は無い、単に、マイクロソフトが提供する「Azure」と言う環境で、Javaを使ったソフトウェアの開発手法を説明していただけでした。


このセッションのプレゼンターの「寺田 佳央」氏は、今年の7月に、現在のJavaの開発元である「Oracle」から、マイクロソフト転職したばかりの人で、一応、開発エバンジェリストと言う役職の方だったのですが・・・話し方は、それなりに上手かったとは思いますが、やはり内容的に、「看板に偽りあり」だったような気がします。



また、これも余談ですが、「Java」と言う開発言語は、元々は、「サン・マイクロシステムズ」と言うアメリカの企業が開発した言語だったのですが、この「サン・マイクロシステムズ」が、「Oracle」社に買収されたので、現在は「Oracle」社の物となっています。


それと、このセッションは、名前の通り「ランチ」が付いておりました。


これが、右の画像のとおり「チキンシュウマイ弁当」でした。


このお弁当、無料で頂いたのに、文句ばかりで悪いとは思いますが・・・冷たくて、ご飯もコチコチに固まってしまっており、食べるのに、非常に苦労しました。


数年前のショウでは、ホテルで、「お寿司」を振る舞っていたのとは、大違いの昼食でした。

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Windows 10 「Windows as a Service」


ランチ・セッションの後は、Windows10 「Windows as a Service」と言うセッションに参加してきました。


このセッションは、Windows10の新機能を紹介するセッションではありません。


Windows10に関しては、これまでも、何度も本ブログで新機能を紹介してきたので、もう、これと言った興味もありません。


このセッションは、Windwos10以降のWindows OSの機能提供方法、およびWindows Updateの提供方法を説明するセッションとの事でした。


現在の所、Windows10は、1年間に限り無償でリリースされていますが、このサービスが今後も引き続き提供されるのか、と言うに興味がありました。


また、Windows10以降、「Windows Update」の提供の仕方が変わるらしいので、その点が非常に心配なので、このセッションに参加してみました。

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このセッションは、上部画像に掲載したWindows本体のエグゼクティブ・プロダクト・マネージャーである「浅田 恭子」氏がプレゼンを行ったのですが・・・失礼ながら、過去の「de:code」等、同種のセミナーでは、浅田氏よりも、エバンジェリストの「高添 修」氏の説明の方が、解りやすかった記憶があります。


まあ、「Evangelist(エバンジェリスト)」という言葉の意味自体、キリスト教の「伝道師」を語源としており、マイクロソフト社でも、「エバンジェリスト」が、デモやセミナーを数多くこなしていますので、この肩書を持った人の方が、説明が解りやすいのかもしれません。


余計な事を書いてしまいましたが、本セッションでは、デモを間に挟みながら、次の様な内容を説明していました。


・Waasの背景
・Waasとは ?
・導入に向けて


ちなみに、「Waas(ワーズ)」とは、マイクロソフトが作った造語「Windows as a Service」の略語で、平成27年1月21日に開催した「Windows 10:The next chapter」において、米Microsoft社のOS担当のエグゼクティブ・バイスプレジデント「Terry Myerson」氏が、「Waas」という言葉を使っていました。


これまでも、IT業界では、次の様な造語を作り出して来ました。

Saas(サーズ) :Software as a Service(Web経由のサービスの提供)
・Paas(パーズ) :Platform as a Service(Web経由のプラットフォーム:土台の提供)
・Iaas(イアース/アイアース) :Infrastructure as a Service(Web経由のインフラの提供)
Haas(ハーズ) :Hardware as a Service(Web経由のハードウェアの提供)


IT業界では、これら全てを引っくるめて「クラウド」と称していたのですが、ここにマイクロソフトが、新たに「Waas」という言葉を追加したみたいです。


「Waas」を簡単に説明すると、上記の「Saas」と同じ意味で、単に「Software」を「Windows」に置き換えただけ、つまり、「Web経由でWindowsのサービスを提供する」と言う事になりますが・・・新しい言葉を作っただけで、特に目新しい事は何もありません。


「Waas」と言う新しいサービスを提供してくれるのかと思ったら大間違い。単に、これまで行ってきたサービスを少し見直して、それを新しい言葉に置き換えただけの事でした。いかにも、マイクロソフトらしい手法です。


それでは、セッションの内容を紹介したいと思います。

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このセッションでは、マイクロソフトは、新しい世界を作るために、これまでマイクロソフトに莫大な冨を生み出してきた「パッケージ・ビジネス」を止めて、新しい機能を開発したら、直ちに、全てをユーザーに提供する仕組みを構築して行く力説していました。


そして、この新しいビジネスを始めるに当たり、全ユーザーに、同じスタートラインに立ってもらう事を目的に、新OS(Windows10)を、1年間、無償で提供する事にした、との事です。


何とも、感動的な話ですが、マイクロソフトの本音としては、WindowsXPからWindowsVistaへの切り替えに失敗し、延長サポート期間を含め、本来、10年間しか行わないサポート期間を、13年まで延長せざるを得ない状況に陥ってしまった苦い経験があります。


さらに、マイクロソフトは、Windows7からWindwos8/8.1への切り替えにも失敗していますので、Windows10に関しては、絶対に失敗したくないのが本音だと思います。


そして、ここまでの話からすると、やはりWindows OSの無償提供は、このWindws10だけ、それも1年間に限った話のようですので、「パッケージ・ビジネスを止める」と言うのは、【真っ赤な嘘】のようです。


しかし・・・次回OSの切り替えに失敗すれば、今回の様に、また期間限定の無償配布があるかもしれません。


まあ、今年リリースされたWindows10ですが、10年後には切り替え時期を迎えると思いますので、2025年に、どうなっているのかが問題になると思います。

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次に、ここからが「Waas」本来に話になりますが・・・要は、「Windows Update」の提供方法の説明になります。


Windows as a Service」と言う事で、当初(このプレゼンを聞くまでは)、今後のWindows OSは、Webサービスとして、無償で提供され続けるのかを思ったのですが・・・何の事は無い、相変わらず「パッケージ・ビジネス」は継続し、単に「Windows Update」の提供方法に、新しい考え方を取り入れただけの話となります。


このセッションでは、次のように述べていました。


『 従来、新OSがリリースされた後、1年後や2年後に新しい機能が開発されたり、あるいは新たな
セキュリティ・リスクが現れたりした場合でも、次期OSがリリースされるまで、新しい事に対応
することが出来なかったが、今後は、Waasを通して、新しい技術や最新のセキュリティ・リスクに
対応して行く。 』

そして、今後の「Windows Update」に関しては、大きくは、次の様な対応になる、との事でした。


(1)バグ対応、脆弱性対応、およびセキュリティ・リスク対応に関しては、従来通り即時対応する
(2)新機能の提供に関しては、Windowsの利用形態、あるいは処理の種類によって、提供時期を調整する


上記(1)に関しては、従来通りなので、特に問題も何も無いと思います。そして変更されるのは、(2)の部分となります。


つまり、本セッションのテーマである「Waas」とは、従来の「Windows Update」と、次の点が異なるとの事らしいです。


・新機能に関しても、「Windows Update」経由で提供する
・新機能の提供方法は、利用形態(個人/企業)や業務の種類によって調整して提供する


従来、新機能は、メジャー・アップデート、つまり新OSでのみリリースされていたのですが、今後、Windows10に関しては、「Windows Update」経由で、適宜提供される様になるみたいです。


しかし、マイクロソフトも、「Windows Update」に対するユーザーの反応には、次の2種類の反応がある事を理解しているようです。


(1)直ぐに新機能を使いたい :新しもの好きのユーザー
(2)ソフトウェアの安定稼働 :安定性を求めるユーザー


これは当然です。今でも、毎月、第二水曜日になると、PCを終了させようと思っても、勝手に「Windows Update」が動き出し、PCを止めることが出来なくなる現象に、腹立たし思いをしているのは私だけではないと思います。


どうして、PCの終了時に勝手に動き出す設計にしたのか理解に苦しみます。せめて、事前にメッセージ等をポップアップで通知する等、思いやりがあっても良いと思います。


加えて、仕事でPCを使っている訳ですから、勝手に新機能などインストールして欲しくありません。勝手に仕様や機能を変更されてしまうと、次のような問題が、必ず、絶対に発生します。


●PCの操作性が勝手に変更されてしまうと作業効率が低下する
●PCにインストールしている他のビジネス・ソフトウェアが使えなくなる
●PCに接続しているプリンター等のハードウェアが使えなくなる

既に、今回のWindwos10に関しても、既に、次のような問題が発生しています。


【Windwos10の導入で発生した問題】
1.プリンターが使えなくなる/プリンターの追加も出来ない
2.古いハードの場合、ドライバが認識されない/再インストールしてもダメ
3.既存ソフトウェアがクラッシュする/使用していたソフト(Photoshop)が動かなくなった
4.10秒ルールの存在(10秒間応答が無いとエラー扱い/ブルースクリーンエラーとなる)
5.正しいパスワードを入力してもログイン出来なくなる
6.インターネットに接続出来なくなる
7.Windows 10用のUpdateを適用するとシステム・クラッシュの無限ループに陥る
8.Windows Updateが強制適用になる(※無限クラッシュループも強制適用)
9.終了しようとすると再起動を繰り返す(つまり終了出来なくなる)


特に、上記の項番7以降は、「Windows Update」で配布されたパッチを適用することで発生した障害ですから、余計に「Windows Update」の自動適用は、止めて欲しいと思います。


そこで、マイクロソフトは、前述の、新しもの好きユーザーと、安定性を求めるユーザーの、双方が満足する形として、ユーザーを、次のような4種類に分類し、そのタイプにより、「Windows Update」の適用の仕方を調整しながら配布するように決めたようです。


(1)新しもの好きユーザー :Windows Insider
(2)個人ユーザー :Current Branch(CB)/最新化モデル
(3)ビジネス・ユーザー :Current Branch for Business(CBB)/企業向け最新化モデル
(4)特定システム・ユーザー :Long Term Servicing Branch(LTSB)/固定化モデル


Windows Insider」とは、現在も、新OSの正式リリース前に、下記のタイミングで試使用版OSの事前配布を行い、試使用版に対するフィードバックを行ってもらっているのですが、それと同様の対応になると思われます。


・DP版 :Developer Preview(開発者向けテスト版)
・CP版 :Costumer Preview(一般利用者向けテスト版)
・RC版 :Release Candidate(リリース候補用テスト版)
・RTM版 :Release To Manufacturing(製品出荷直前テスト版)



「Current Branch(CB)」は、言葉通りで、家庭で利用しているユーザー向けの対応となります。(Windwos10のエディションの説明は後述しますが)これはOSのエディションで「Home」と言う名称が付くOSの事だと理解すれば良いと思います。


次に「Current Branch for Business(CBB)」は、OSのエディションに「Business」とか「Pro」と言う名称が付くOSで、企業がビジネスで使うことを想定したエディションとなります。


最後に「Long Term Servicing Branch(LTSB)」ですが、これも企業用ですが、システムの安定性が大前提となる業務が対象となります。


この「LTSB」は、航空管制、救急救命室、あるいは工場内システム等、「クリティカル・ミッション業務」を想定しており、最長10年、つまりWindows10のサポート期間中(メインストリーム5年/延長サポート5年)は、機能固定で使う事が出来る仕組みとの事ですが・・・ボリューム・ライセンス契約をしたユーザーだけの特典となるようで、一般ユーザーには、全く関係の無い話のようです。

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また、ユーザーの種類とは別に、「Windows Update」の適用タイミングも、次のように考えている様です。

マイクロソフトでは、新機能を開発した場合、(当然の事ですが)最初に開発チームが動作確認を行い、その後に、社内では、通称「ドックフード」と呼ばれている、マイクロソフト社員によるベータ試験を行い、その後、順次Microsoft Preview、個人ユーザー、そしてビジネス・ユーザーと展開して行く事を想定しているようです。


また、マイクロソフトでは、新機能の展開過程で、新機能を検証する人数が、数万人 → 数百万人 → 数億人と拡大して行くことで、より信頼性が向上し、企業に渡る「CBB」になる頃には、ほとんどの問題は解決されているものと考えているようです。


そして、企業に渡った時にも、企業内で一気に拡散させるのではなく、次のような仕組みで、段階的に展開させて行く仕組みを考えているようです。


・WSUS:Windows Server Update Services
・SCCM:System Center Configuration Manager


また、上記WSUSやSCCMと言った複雑な仕組みとは別に、「Windows Update for Business(WUB)」と言う名称の、次のような簡単な仕組みで、「Windows Update」を配布する事も考えている、との事です。


・Pia to Pia Cashe :最初は1台のPCに適用し、その後、適用した1台から順次社内に展開
・Ring :最初は影響が少ない部署に適用し、その後、順次適用部署を拡大する


この新機能のリリースに関しては、現在、まだ検討中らしいですが、年間2〜3回は、実行したいと考えているようです。



Windwos10に関しては、この「Waas」を取り入れる事で、スマホのアップデートと同様、新しい機能を開発したら、全てをユーザーに提供して行く運用にしたいと思っているそうです。


このため、新機能の開発手法も、従来のような「ウォーター・フォール型」から、「アジャイル型」に変更し、5〜10年を掛けた長期間の開発スパンから、1〜3年の中期間の開発スパンに切り替えたそうです。


アジャイル(Agile)開発】とは、ソフトウェアを迅速に作成する開発手法なのですが、もう少し詳しい説明は、下記の過去ブログ中の「ソフトウェア/システム開発の現状」と言う箇所を参照して下さい。


★過去ブログ:【オフショア」開発は今でも効率的なのか ?


ちなみに、前述の「Windows Update」の提供期間ですが、なぜ最長8ヶ月になっているのかと言うと、8ヶ月を過ぎると、溜まっているパッチが適用出来なくなってしまうから、と別のマイクロソフトの社員が実情を暴露していました。


それでは最後に、気なるWindwos10のエディションを紹介しますが、Windows10のエディションは、下図のような形での提供になっているそうです。


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■Office 365 最新機能とロードマップ


「Office365」 には、この 1 年で 100 以上の新機能が実装されたそうで、このセッションでは、「Office365」 の最新機能と今後リリース予定の新機能をご紹介するとともに、「常に最新であること」の重要性について、次の3点に絞って、その内容を紹介していました。

(1)「どこでも働ける」ワークスタイル
(2)「進化する」セキュリティ脅威への対応
(3)「大量の情報に埋もれない」生産性の高い働き方


話の流れとしては、まずマイクロソフトと「Office365」が、いかに優れた会社/ソフトウェアであるのかを、各種調査結果から立証しようとしていました。


・ワークスタイル改革支援企業 No.1
クラウド業界の成長率27%を、3倍も上回るスピードで成長する「Office365」
・企業の過半数が「Office365 ProPlus」を選択


この調査は、日経BPコンサルティングが、「企業や自治体が2020年に向けてどのようなワークスタイル改革を進めているかという実態と、その改革にITをどのように活用しているかを明らかにするための調査」と言うことで、2015年8月21日に調査結果を報告したものらしいです。


しかし、その中で、確かに、問38/39に「ワークスタイル改革を支援する代表的な企業」を選ぶ項目があり、次のような結果になっていました。(※https://consult.nikkeibp.co.jp/news/2015/0821ws/)


No.1 日本マイクロソフト :56.9点
No.2 グーグル :56.5点
No.3 NTTコミュニケーションズ :53.2点


僅差ですが、日本マイクロソフトが一位になっていましたが、その他、何の調査を元に「Office365」が市場の成長率を上回っていると断定したのか、また、どのような企業の過半数が「Office365」を選んだのかに関しては、さっぱり解りませんでした。


そして、次に米Microsoft社のCEO「Satya Nadella」氏の、次の言葉を引用していました。

【Our mission is to empower every person and every organization on the planet to achieve more.】


簡単に訳すと「我々の使命は、地球上の全ての人と企業が、より多くの事を達成できるように、力を与える事/勇気付ける事です。」となりますでしょうか ?


そして、世の中には、次のような問題や危険が山積していると定義付けていました。


・人口構造の変化
・新世代の台頭
・高まるセキュリティの脅威
・溢れるデータとデバイス
・コミュニケーションとコラボレーションの変化


このような状況において、「Office365」は、184個もの機能追加を行ってきた、と力説しており、今後も、3年毎のバージョンアップではなく、少しずつ機能追加を行って行きたいと言っていました。


まさに、いつものマイクロソフトの【 我田引水 】的な考え方です。


このため、このため、2015年8月下旬に、アメリカのボストンで開催された別のコンファレンス「SPTechCon Boston」では、カナダのデベロッパー企業「Sharegate」社など、一部専門家達からは、次のような冷たい言葉を浴びせられているようです。


【専門家の指摘】

『 Office365は、機能追加に「前のめり」になり過ぎて、次のような問題が沢山発生している。また、Office 365の一部の機能は、特に新しいものではない。同じことを違う方法でやっているだけだ。 』


・機能が重複しており将来的に「共食い」になる :SharePoint/Yammer
・生まれたてのアイデアを直ぐに実装するので使い難い :Office365 グループ
・中途半端な機能が多い :Office365 グループ
・不具合があるソフトがそのまま提供され続けている :OneDrive for Business
・プライバシー侵害の可能性があるソフトも存在する :Office Delev
・独善的なソフトも存在する :Office Sway

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また、このセッションでは、前述のように、マイクロソフトが考えている問題や危険を、冒頭に紹介した、次の3つのケースに割り当てると共に、さらに「Office365」が提供する機能を、下記3つのケースに割り当てて、デモを交えて紹介していました。


(1)「どこでも働ける」ワークスタイル
Skype for Business
・Office for iPhone
・Office for iPad
・Office365 ProPlusライセンス管理機能
(2)「進化する」セキュリティ脅威への対応
・Exchange Online Advanced Thread Protection (ATP)
・Office365 ProPlus自動更新機能
(3)「大量の情報に埋もれない」生産性の高い働き方
・Office Delev(パーソナライズ検索)
・Office Clutter(低優先メール機能)
・Office Sway(コンテンツ作成ツール)


Skype for Business

Skype for Business」は、家庭版の「Skype」に対して、オンライン会議と強化されたセキュリティを付加すると共に、Officeとの連携も可能となっている機能です。


現在、流行り言葉になってきた「テレワーク」には最適のツールと言うことですが、元々は「Office Lync」と言う名称だったツールを、2015年4月14日に、Officeとの連携機能を付加して「Skype for Business」に変更しただけのものです。


この機能も、専門家からはエンタープライズ向けのソーシャル・ネットワーク・サービス「Yammer」と、機能重複があると批判されています。


●Exchange Online Advanced Thread Protection (ATP)

本機能は、2015年6月にリリースされた新機能と言う事ですが、これも既存機能である「Exchange Online Protection(EOP)」に機能追加しただけのソフトウェアとなります。


本機能は、メール フィルタリング サービスとなり、「EOP」のコンポーネントの一つであり、特定の脅威からユーザーを保護することを目的にしています。


大きな機能としては、次の3個の機能が付加されたようです。


(1)Safe Attachments機能 :ゼロデイ攻撃に対する保護機能
(2)Safe Links機能 :不審URLをクリックした時のリアルタイム保護機能
(3)レポート作成機能/URL追跡機能 :管理情報(攻撃種類/影響)の提供



●Office Delev(パーソナライズ検索)

「Office Delve」は、ユーザーIDとアクティビティ(行動)に基づき、コンテンツをプッシュ配信するツールで、意味的につながった情報に基づき、企業ユーザーが、仕事の優先順位を決めたり、あるいは情報にアクセス出来たりするツールです。


また、「Office Delve」は、「Office Graph」と言うエンジンを利用して、ユーザーのアクティビティを追跡し、社内での役割や関係性を把握しています。


しかし、この機能も専門家からは次のように指摘されています。


『 Office Delveには設計ミスがあり、意味のない日付範囲の検索結果がプッシュ配信されることもありために、フィルターをより細かく調整する必要がある。Delveは知る必要のないことまで全て見せようとするツールである。 』


●Office Clutter(低優先メール機能)

「Office Clutter」は、2014年11月11日にリリースされた機能で、これも「Office Graph」エンジンを利用しており、ユーザーが、受信トレイ内のメールの内、重要なメールだけを識別出来るようになるツール
です。

「Office Clutter」に搭載された「Office Graph(機械学習エンジン)」が、ユーザーの過去の操作を元に優先度の低いメールを、自動的に「Clutterフォルダー」に移動するために、管理し難い受信トレイを、簡単に整理することが出来るようになるそうです。


ちなみに、「Clutter 」とは、「乱雑」、および「混乱」と言う英単語です。


●Office Sway(コンテンツ作成ツール)

「Office Sway」は、「Microsoft PowerPoint」にはない手軽さで、Webのコンテンツから簡単にデータを取り込んでプレゼンテーション資料を作成するためのツールとなっています。


ユーザーは、ローカルPCのコンテンツだけでなく、「OneDrive」、「YouTube」、あるいは「Facebook」等のインターネット・ソースからもコンテンツを引き出せる様になるそうです。


しかし、これも専門家からは、独善的な動きをするソフトウェアと指摘されており、そのため利用率が異常に低いのが問題となっている、と言われています。


『 自分1人で行った休暇のWebサイトを作りたければSwayを使えばいい。それが最も簡単な方法だ。 』


これらの他にも、多くの搭載予定機能が存在しており、その内容に関しては、下記サイトに掲載されています。
http://success.office.com/en-us/roadmap


このページには、次の5つのカテゴリーがあり、各カテゴリーの中に、それぞれ該当する機能が掲載されています。

・Launched 実装済。完全にリリースされている機能
・Rolling Out 退避中。まだ全てが使えない機能
・in Development 開発中。現在開発中、およびテスト中の機能
・Cancelled キャンセル。以前計画されていた機能の内、開発停止中や無期限延期中の機能
・Previously released リリース済。全ての一般ユーザーに提供済の機能



さらに、今回のFEST2015の後になりますが、現地時間の2015年9月22日、マイクロソフト社は、「Office365」の最新版である、「Office2016」をリリースしました。


但し、今回の新バージョンのリリースにおいては、大きな新機能が多数含まれている、と言う訳ではないようです。


マイクロソフト社は、Windows向けOfficeの新バージョンに向けて、チームによるコラボレーション機能に注力してきたので、「Office2016スイート」の新機能には、次のような機能が含まれているとの事です。


●Word、PowerPointOneNote向けの共同編集機能
●Wordのリアルタイムタイピング
Excelで新たに統合されたPower BIパブリッシング機能
Outlookの強化された検索機能、およびナビゲーション機能


「Offce2016」の新機能に関しては、情報を収集して整理した後で、本ブログでも紹介したいと思います。

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マイクロソフトの新WebブラウザMicrosoft Edge


Microsoft Edge(エッジ)」、「新ブラウザ」・・・皆さん、これらの言葉の意味は解りますか ?


まず「ブラウザ」ですが、皆さん、PCやスマートフォンでインターネット使っていますよね ? この時に、ネットを閲覧するために使っているソフトウェアが「ブラウザ」になります。


このソフトウェア、正式名は「ウェブ・ブラウザ」、あるいは「インターネット・ブラウザ」と言います。


元々は「browsing:閲覧」、および「browse:閲覧する」と言う英語から生まれた名前で、次のようなソフトウェアが、各メーカーから無償で提供されていますので、恐らく皆さんも、下記ソフトウェアの内、どれかは必ず使っていると思います。

Internet Explorer(以下IE) Microsoft
Chrome Google
Safari Apple
Opera Opera Software社
FireFox Mozilla Foundation


そして、これらブラウザの内、Microsoft社が、Windows10から、新しいブラウジング・ソフトウェア「Edge」の提供を開始した、と言うのが、このセッションの前置きとなります。


そして、このセッションでは、この新ブラウザ「Edge」に関して、IEのサポートポリシーの変更から始まり、Edgeリリースの背景、相互互換性や後方互換性の話、開発ツールのエンタプライズモード・ドキュメントモードの相違点等、開発者として注意しておくべきポイントを紹介したセッションとなります。


つまり、簡単に言うと、次のような事を話していました。


●2016年1月12日以降、ブラウザに関しては、Windows OSに導入可能な最新IEしかサポートしない
IEの開発を止めてEdgeを開発した理由
IEとの互換性
IEで提供していた機能で、Edgeで提供を止めた機能


そして、その説明を要約すると、次の様な内容となっていたようです。


IEは、他社ブラウザのような世界標準「W3C」と互換性が無いので開発を止める事にした
●また、いつまでも過去バージョンのIEをサポートしたくないので、最新バージョンのIEしかサポートしない事にした
●しかし、IEユーザーの場合、過去バージョンを使っているユーザーが多いので、Edgeにおいても、過去バージョンのIEと互換性を持つことにした
●Edgeで提供する機能に関しても、マイクロソフトが不要だと思う機能は、たとえ現在使っているユーザーが居ても今後は提供しない事にした


相変わらず、何とも独善的な考え方です。


セッションを聞いているうちに、腹が立ってきたので、このセッションは、途中退席しました。


それに、話している内容に関しても、弊社の過去ブログの内容と、全く代わり映えしない内容だったので、面白くも何ともありませんでした。


★過去ブログ:Windows Vistaの終焉 〜 XPの陰でひっそりと(http://msystm.co.jp/blog/20150307.html)


また、マイクロソフトの考え方についても、上記の過去ブログを見てもらえればと思います。



ちなみに、本章の最初に掲載したロゴマークですが、左側がIE、右側がEdgeのロゴマークとなります。


それと、この「Microsoft Edge」と言う名称ですが、元々は、開発コード「Project Spartan(スパルタン)」と呼ばれており、このまま「スパルタン」となるのかと思っていたのですが・・・今年の4/29に開催された「Build 2015」において、「Microsoft Edge」と言う名称になってしまいました。


やはり、「スパルタン」と言う名称では、商標登録出来なかったのでしょう。

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ここまで、「Microsoft FEST2015」について紹介してきましたが・・・相変わらず、上から目線のイベントでした。


Microsoft FEST2015」の感想を簡潔に言うと・・・


●会場がイベント内容に相応しくない :狭すぎる
●セッション会場の配置が悪い :会場自体を変更するか、セッション開催「階」を分離する
●休憩場所が無い :休む場所が全く無い
●雰囲気が面白く無い :堅苦しい
●セッション内容が全て「我田引水」 :相変わらずの上から目線/どうだ、凄いだろう!!ばかり


ここ4〜5年、毎年参加していますが、どんどんヒドい内容になっていく様な気がします。


今年で社長が変わったので、来年辺りは、新社長の独自色が出せるようになると思いますので、来年に期待したいと思います。

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それと、このイベント・・・キーノートを含め、各セッションのプレゼンター達は、いかにも、自分が考えたコンセプトを発表しているように見えますが、実際には、何の事は無い、全て、アメリカのMicrosoft本体の人間が考えた事を、単に日本語に訳して発表しているだけのイベントです。


過去には、日本マイクロソフトのアイデアを取り入れた製品もあったと思いますが、今回の新製品に関しては、皆無のようです。


アメリカ人(CEOはインド人ですが)が考えたコンセプトを、日本語に訳して発表しているだけのイベントと考えると、何か【 興ざめ 】してしまいます。


また、それを「得意げに」に話している人達も、何か、変な人にしか見えなくなってしまいました。



それでは次回も宜しくお願いします。

以上

【画像・情報提供先】
Wikipedia(http://ja.wikipedia.org/)
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