MS-Officeの野望 〜 Microsoftの逆襲

近頃、iPad版Officeとか、Android版Officeとか、Windows以外のOSで稼働するOfficeの話題を良く聞くようになりました。



以前は、「Open Office」等の互換製品達に、Microsoft(MS)-Office市場の片隅を喰い荒らされていましたが、近頃では、Microsoft社も、他社OSに進出し始めたようです。


そこで、今回は、「MS-Officeの野望 〜 Microsoftの逆襲」と題して、「iPad版Office」と「Android版Office」の特徴を紹介したいと思います。


しかし、下記過去ブログでも紹介しましたが、Microsoft社は、2014年10月17日に、Officeのサブスクリプション販売を開始したのですが・・・


【 過去ブログ 】
「The Microsoft Conference 2014」について
「Windows 10」について 〜 「8」の次なのに「9」を飛ばして「10」 ?


これが、全く意味不明で、プリインストール版、サブスクリプション版、そしてパッケージ版と、3つのプロダクトが混在し、さらに個人用と企業用のOfficeも存在しと・・・一体、何を購入して良いのか、さっぱり解らないカオス状態になってしまいました。

そこで、最初に、10/17以降のOfficeを整理し、その上で、Windows OS以外で稼働するOfficeの紹介を行いたいと思います。


さらに、現状のOfficeの開発状況、および次期Officeの販売予定等も紹介します。


■MS-Officeのバージョン
■Officeの提供体系とライセンス
■Office選択方法
iPad版Office
Android版Office


それでは今回も宜しくお願いします。

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■MS-Officeのバージョン


そもそも、MS-Officeは、Microsoft社が開発したUnix OSである「XENIX(ジーニックス)」向けに、1983年5月に発売された「Multi-Tool Word」が、その始まりとなります。


当時は、フロッピーディスクで、「PC World」と言う雑誌の「おまけ」として配布されていたようです。


その後、30年以上を経て、今では、オフィス系ソフトウェアでは、推計ですが、全世界で80%のシェアを誇るソフトウェアとなっています。


このMS-Officeですが、当初は、開発時のバージョン名を、そのまま製品名として使っていましたが、1995年に発売した「Office 95」頃からは、発売開始年を使うようになりました。

開発コード 製品名 発売年 その他
- Multi-Tool Word 1983年 XENIX向けソフトウェア
Office 1 Office for Mac 1989年 Word/Excel/PowerPoint
Office 2 Office 2.9 for Mac 1992年
Office 3 Office for Windows 3.0(Office 92) 1992年 Access登場(1993年)
Office 4 Office 4.0 1994年
Office 7 Office for Windows 95(Office 95) 1995年 最初の32ビット版 MS-Office
Office 8 Office 97 1996年 Outlook登場
Office 9 Office 2000 1999年 ライセンス認証機能実装
Office 10 Microsoft Office XP(Office XP) 2001年 Win XP発売
Office 11 Microsoft Office System 2003(Office 2003) 2003年 InfoPath/OneNote/InterConnect
Office 12 2007 Microsoft Office system(Office 2007) 2007年 Groove/Office server
Office 14 2010 Microsoft Office system(Office 2010) 2010年 Office Web Apps
Office 15 Microsoft Office (Office 2013) 2013年
Office 16 Microsoft Office (Office 2015) ? 2015年 (推測情報)

※開発コード「Office13」は当初から存在せず


使用しているバージョンを確認するためには、例えばExcelの場合、「ファイル」→「アカウント」→「Excelのバージョン情報」の順番でクリックすると、自分が使っているOfficeのバージョンを確認することができます。


現時点での最新バージョンであるOffice 2013を使用している場合には、右図のように、「15.0.4693.1000」のような情報が表示されます。


■Officeの提供体系とライセンス

次に、現在カオス状態のOfficeの提供体系、および販売体系ですが、まずは、個人向けのOfficeは、下図のようになっているようです。(※詳しくは、Microsoft社にお問い合わせ下さい。)


【 個人向けOffice 】


個人向けのOfficeは、大きく、提供方法と使用方法(ライセンス)の2つの管理項目があります。


●提供方法
提供方法に関しては、プレインストール版とパッケージ版の2つに分かれて管理されています。

  • プレインストール版 :最初からPCにインストール(導入)されているOffice
  • パッケージ版 :PC購入後、独自に購入するOffice


●使用方法(ライセンス)
ソフトウェアの使用権(ライセンス)に関しては、永続ライセンスとサブスクリプションの2つに分かれて管理されているようです。


そして、解り難いのは、次の点だと思います。


・プレインストール版の使用権(ライセンス)に、永続ライセンスとサブスクリプションがある
・パッケージ版に「Office 365 Solo」と言う訳の解らないバージョンがある


私は、別にMicrosoft社の代理店ではないのですが、上記の点を説明したいと思います。



【 プレインストール版の使用権(ライセンス)に永続ライセンスとサブスクリプションがある】


プレインストール版とは、前述のように、購入したPCに、既にOfficeが導入されている状態の事になりますので、貴方は、何も意識する必要なく、Officeを使用することが出来ます。


そして、Officeに関しては、購入したエディションにより、使えるアプリケーションが異なりますが、それ以外には、次の4つの特典が付加されています。


(1)タブレット版やスマートフォン版も無償で使用することができる(「Premium機能」)
(2)クラウド上のオープンストレージOneDriveが「1TB(テラバイト)」無償で使える
(3)毎月Skypeから固定電話に60分間分は無償で通話ができる
(4)何か問題があった特に、テクニカルサポートに無償で相談できる


しかし、この4つの特典に関しては、1年間しか有効ではないので、1年経過後も、これらサービスを使い続けたい場合には、別途6,264円を支払う必要があります。


この4つの特典を、1年間だけ使うことができる、と言うのが「サブスクリプション」になります。


つまり「サブスクリプション」とは、期間限定のサービスで、このサービス期間は、1年間と言うことになります。


そして、それ以外のサービスに関しては、PCが壊れるまで、永続的に使用することが可能と言うのが、プレインストール版になります。



【 パッケージ版に「Office 365 Solo」と言う訳の解らないバージョンがある 】


「Office 365 Solo」と言うのは、全てが「サブスクリプション」として提供されるパッケージになります。


従来のパッケージ版の場合、購入したエディションに含まれる機能に関しては、2台のPCまでは、購入したOfficeをインストールして使用する事が出来る限り、永続的に使用する事ができました。


しかし、この「Office 365 Solo」と言うパッケージは、Word、ExcelPowerpoint等のアプリケーションを含め、全てが、基本的に1ヶ月間しか使用できない「サブスクリプション」として提供されるパッケージとなります。


つまり、毎月、1,274円(もしくは1,062円/年契約)を支払い続けなければ、Officeを使用することが出来ない仕組みになります。


ちなみに、「Office 365 Solo」の契約は、年間サブスクリプションと月間サブスクリプションがありますので、使用する期間に応じて、ライセンス契約を行えば良いと思います。

【 企業向けOffice 】


企業向けOfficeは、大きくは、一般企業向けと、あらゆる規模向けの2種類に分かれますが、使用方法は、全てサブスクリプション方式に統一されています。


何が違うのかに関しては、上記の表をご覧頂くか、Microsoft社に、直接お問い合わせ頂ければと思いますが、問題となるのは、「Access」の取扱いだと思います。


企業版のOfficeで、「Access」を使いたい場合には、何故か「あらゆる規模向け」を選択せざるを得なくなってしまったようです。


Access」を業務システムとして使っている企業は、企業向けエディシィンを、これまで以上に慎重に選択しないと、余計な費用が掛かる可能性が高いと思います。


また、アメリカ等では、個人用と企業用のOfficeは、厳格に使用方法が区別されていますが、日本の場合、はっきり言って、個人利用と商用利用は区別されていません。


このため、「Access」を使う企業の場合、企業用Officeではなく、前述の「Office 365 Solo」を使った方が、費用対効果は高いと思われます。


それと、最後に、前述の表では、「あらゆる規模向け」のエディションに「E3」と言うエディションを記載していますが、それ以外にも「E4」と言うエディションもあります。


詳しくは、Microsoft社のOfficeサイトをご覧になって下さい。(http://products.office.com/ja-JP/?WT.z_clid=O16_Home)


それでは、次に章で、Officeの選び方を紹介したいと思います。


■Officeの選択方法

そして、結局の所、「どのOfficeを購入すれば良いのか ?」と言う問題に行き当たると思いますが・・・


個人、あるいは中小企業の場合には、まずは、次の点を、明確にする必要があると思います。


●PCを買い換える必要があるのか ?
●常に最新版を使いたいのか ?
タブレット/スマートフォンで使う必要があるのか ?



【 検討項目1 】


現在も、「Win XP」を使い続けているのであれば、(業務システムの制限さえ無ければ)この機会に、最新版の「Win 8.1」への買い替えを検討しても良いと思います。


やはり、費用対効果の面で言えば、プリインストール版のOfficeが、一番、費用対効果が高いと思われます。


またプリインストール版の購入を検討する場合、サブスクリプション部分に関して、使うのか否かを、最初から考えておいた方が良いと思います。


プリインストール版の場合、タブレット/スマートフォン版が無償で使えたり、クラウド・ストレージを1TB無償で使えたりと、結構便利なサービスが付いています。


「こりや便利だ!!」と、後先を考えずに、例えば、クラウド・ストレージに画像等をアップロードしてしまうと・・・このサービスは、1年間しか使えませんので、引き続き、このサービスを使いたい場合には、毎年6,264円支払う必要があります。(552円/月)


後先を考えずにサービスを使ってしまうと、今後もサービスを使い続けなければならなくなってしまう可能性があります。


サブスクリプション部分のサービスに関しては、最初から、「今後も使うのか否か」を決めておいた方が良いと思います。



【 検討項目2 】


Office製品に関して、常に最新版を使いたいのか、それとも、最新版は必要ないのかを考えた方が良いと思います。


このケースで言う「最新版」というのは、「Windows Update」で行う障害対応ではなく、新しいバージョンのOfficeの事です。


現在の最新バージョンは、前の章で紹介した通り、通称「Office 2013」と言う製品になっています。


しかし、巷の噂では、今年(2015年)の下期には、開発コード「Office 16」と呼ばれている製品「Office 2015」が発売されるとささやかれています。


例えば、明日、パッケージ版の「Office Home & Business 2013」を購入したとしましょう。


そして、この場合、2015年10月に「Office 2015」が発売されたとしても、貴方は、ずっと「Office Home & Business 2013」を使い続けなければなりません。


しかし、明日、「Office 365 Solo」を購入すると、貴方のPCには、最新版である「Office 2013」が導入されますが、2015年10月に「Office 2015」が発売されると、その時点で、貴方のPCには、(恐らくWindows Update経由で)「Office 2015」がインストールされることになります。


さて、どちらのケースが良いのでしょうか ?


貴方のOfficeに、独自のマクロ(VBA)を組み込んでいる場合は、恐らく新旧のOfficeバージョンにおいて、非互換があると思いますので、勝手に新しいバージョンに、Officeがバージョンアップされると、Officeが動かなくなる可能性が高いと思います。


購入したOfficeをカスタマイズせず、そのまま使っているのであれば、プログラムの非互換は問題ないと思います。


問題があるとすれば、操作性の問題です。


これまでもMicrosoft社は、Officeの「リボン周り」を何度も変更していますので、新しいバージョンで、操作方法が変更される可能性が高いと思います。


この場合、恐らく一時的だとは思いますが、Officeの操作効率がダウンすると思われます。



【 検討項目3 】


Office製品を、タブレット端末やスマートフォンで使う必要があるのか否かを考えた方が良いと思います。

ずっと社内で作業を行う方は、全然考えなくても良い事ですが、例えば、社外に外出し、iPadExcelやWordの資料を修正したい、あるいは資料を修正しなければならない方は、「Office 365 Solo」の購入を検討した方が良いかもしれません。


タブレット端末やスマートフォンでOfficeを使いたい場合、下記アプリケーションを、「App Store」からダウンロード(DL)する必要があります。


これらのアプリケーションは、無料でDLできますので、外出先において、タブレット端末やスマートフォンでOfficeを使いたい場合は、費用負担無しで、そのままOfficeを使うことができます。


それでは、タブレット端末やスマートフォンでOfficeを使う件に関して、何を検討すれば良いのかと言う事ですが、上記アプリケーションには、「Premium機能」と呼ばれる有償の機能があります。


「Premium機能」に関しては、後述する「iPad版Office」で紹介しますが、この機能を使いたい場合には、次の何れかの対応が必要になります。

  • 「プレインストール版Office」を使用する(最初の1年間無償/2年目以降有償)
  • 「Office 365 Solo」を使用する(1年毎に購入する必要がある)


上記ケースの場合、それぞれ2台のタブレット端末やスマートフォンで「Premium機能」を使うことが出来ます。


従来からのパッケージ版には、タブレット端末やスマートフォン用の「Premium機能」サービスは付加されていませんので、この場合は、仕方がないので、「Office 365 Solo」を新規に購入する必要があると思います。(※要Microsoft社相談)


ところで、上記アプリケーションですが、無料版でも、そこそこ使えるようですから、別に「Premium機能」が無くても、特に困らないようです。


要は、「Premium機能」の必要性を検討する事になると思います。


iPad版Office


iPad版Officeは、「Office for iPad」と言う製品名で提供されています。


「Office for iPad」、実は、日本を除く海外では、2014年2月から提供されていたのですが、日本では、2014年11月から提供が開始されました。


日本で提供が遅れた理由としては、前述の「Office 365」の販売方法が定まらなかったためと言われています。




また、Microsoft社のApple向け製品としては、以前から「Office for Mac」と言う製品があり、その中で「Excel for Mac 2011」とか「Word for Mac 2011」と言う製品を提供していました。


しかし、この「Office for Mac」シリーズは、現在でも販売されていますが、余り評判が芳しくありません。


ところが、「Office for iPad/iPhone」、提供開始当初は、お勧めアプリにも名を連ねるほど、人気があったようです。


現在でも、提供開始から4ヶ月程経過しましたが、無料のビジネスアプリでは12位と、そこそこ好調なようです。


それでは、この「Office for iPad/iPhone」、つまり「iOS」向けのOfficeについて、次の点を紹介したいと思います。

  • 使用できるアプリケーション
  • 使用時の注意事項
  • 特徴
  • Premium機能
  • デストップ版との違い


ちなみに、「Office for Mac」は、「OS X」向けのOfficeになりますが、なんと平成27年3月5日(現地時間)、Microsoft社は、「Mac OS X Yosemite(バージョン10.10)」向けの新Officeのプレビュー版を公開しました。


また、この「Office for Mac」のプレビュー版には、「Office for Windows10」で提供予定となっている、ほとんどの機能が搭載され、かつ「OS X」向けの最新インターフェイスも搭載予定とのことです。


と・・・ここで問題発生です。「Office for Windows10」とは、何でしょうか ?


また、Microsoft社は、新手のOfficeを販売するつもりのようですが、「Office for Windows10」に関しては、また後日、紹介したいと思います。


それでは、簡単に「Office for iPad/iPhone」を紹介したいと思います。


●「Office for iPad/iPhone」で使用できるアプリケーション


前述の通り、現在の「Office for iPad/iPhone」では、次のアプリケーションが利用可能です。
・Word
Excel
PowerPoint


と言うのは、実は「嘘」で、その他、下記Officeアプリケーションも使用できますが、一部はビジネス向けOffice365製品となっています。
OneNote
・Lync(Business)
SharePoint(Business)
Outlook


今回、「iPad/iPhone版Office」として騒がれているのは、やはりOfficeとして一番有名、かつ利用頻度が高い、Word、Excel、そしてPowerPointと言うアプリケーションの提供が始まったことが理由となります。

●「Office for iPad/iPhone」使用時の注意事項

注意事項と言うか、ライセンスの説明になります。「Office for iPad/iPhone」を使う場合、使う機能により必要となるライセンスが異なります。

無償アカウント無 無償アカウント有 Office365個人契約 Office365法人契約
文章閲覧 個人・商用
基本的な文章作成/編集 個人
基本的な文章作成/編集 商用
完全な文章作成/編集 個人・商用
法人向け機能 商用


●「Office for iPad/iPhone」の特徴


簡単に、「Office for iPad/iPhone」の特徴を紹介します。


・(前述の通り)MSアカウントの有無やライセンスの種類により、使える機能が異なる
・オープンストレージとの連携で社内/社外でのデータ連携が簡素化された(Dropbox/OneDrive)
・「Office for Mac」との連携が強化された(レイアウト互換性向上/Office OnlineはNG)
・Wordで利用可能な機能は、「Word Online」と同じようなレベル
Excelは、簡易編集しか行えない
PowerPointは、ほぼデスクトップ版と同一


全体として、次のような使い方が、主流になると思われます。


・データの新規作成は、デスクトップ版
・外出先では、各種プレゼンテーション用の微調整を行う程度
・文章や表計算資料に関しても、外出先では、メールやクラウド経由でデータを受け取り、微調整を行う程度


しかし、これまで、重くて、かさばっていたノートPCを持ち歩くよりは、ほとんどの作業はiPadで代替できるので、外出が多い方には重宝するのではないかと思われます。


iPhoneに関しては、データの確認だけになると思いますので、iPhoneをノートPCの代わりに使うのは、少し無理があると思われます。(iPhone 6なら、何とかなるかも・・・)


但し、上記の感想は、あくまでも現在、iPadを使っている人向けの話です。


これからタブレットを購入し、外出先でもOfficeをバンバン使おうと考えているならば、最初から「Surface」を購入した方が良いと思います。


●Premium機能

有料のPremium機能では、アプリケーション毎に、次の機能を提供しています。ここで言うPremium機能とは、個人向けOfficeで紹介した「Office 365 Solo」と言う、サブスクリプション型のパッケージ製品になります。

Premium機能
Word ・セクション区切りを挿入する
・ページ レイアウトで列を使用する
・ ページごとにヘッダーとフッターをカスタマイズする
・ページの向きを変更する
・変更を記録して確認する
・図形にユーザー設定の色を追加する
・ワードアートを挿入および編集する
・画像に影と反射のスタイルを追加する
・グラフ要素を追加して修正する
・表のセルをユーザー設定の色の影で強調表示する
Excel ・ ピボットテーブルのスタイルとレイアウトをカスタマイズする
・図形にユーザー設定の色を追加する
・ワードアートを挿入および編集する
・画像に影と反射のスタイルを追加する
・グラフ要素を追加して修正する
PowerPoint ・プレゼンテーション中に発表者ツールで発表者のノートを確認する
・図形にユーザー設定の色を追加する
・ワードアートを挿入および編集する
・画像に影と反射のスタイルを追加する
・グラフ要素を追加して修正する
・表のセルをユーザー設定の色の影で強調表示する


●デストップ版との違い

Officeのデスクトップ版と言っても、実際には、次の2つのデスクトップ版が存在します。

・Office for Windows
・Office for Mac


そして、これらデスクトップ版の動作に関しては、当然、製品毎に異なっています。本ブログには、スペースの関係で製品毎の相違を記載できませんが、Microsoft社のサイトに、アプリケーショ毎に差異を紹介しているページが存在するので、そのURLを掲載しておきます。


詳しくは、下記URLをご覧下さい。


Excelhttp://office.microsoft.com/ja-jp/excel-help/HA103458713.aspx
・Word :http://office.microsoft.com/ja-jp/word-help/HA103458694.aspx
PowerPointhttp://office.microsoft.com/ja-jp/powerpoint-help/HA103762595.aspx

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Android版Office


Android版Office」、正式な製品名は「Microsoft Office for Android tablet」と言い、平成26年11月からプレビュー版を公開して来ました。

今回、平成27年1月から、「Google Play」において、下記3つのアプリケーションの正式版の提供を開始しました。


しかし、問題は、この名称の「for tablet」と言う部分です。


Google Play」からは、基本的に無償でダウンロード(DL)できるのですが、画面の大きさが「10.1インチ」を超えると、前述の「Office 365 Solo」と言う、サブスクリプション版のパッケージを購入する必要があるそうです。


つまり、Microsoft社は、ディスプレイの大きさが、「10.1インチ」までをタブレット端末(for tablet)とし、それ以上の画面サイズの端末は、PCと定義したようです。



ちなみに、Microsoft社の「Surface」、一世代前の「Surface 2」は10.6インチ、最新の「Surface 3」は12インチと、確かに、どちらもMicrosoft社におけるタブレット端末の定義である「10.1インチ」を越えています。

しかし、Microsoft社のサイトには、どちらの製品にも「最高のタブレットと表記しています。会社としての、この一貫性の無さは、如何な物でしょうか ?


まあ、その点の追求はコレくらいにしたいと思いますが、もともとPCを使用しており、かつPCでサブスクリプション契約をしているのであれば、PC/タブレットの両方でOfficeを使えるので、それほどの抵抗感は無いと思います。


しかし、タブレット端末だけを使用している方にとっては、サブスクリプション契約で、1,274円/月(1,062円/月:年契約)を支払うのには抵抗があると思います。


それと動作環境(システム要件)ですが、「Google Play」の説明によると、次の通りとなっています。

  • 画面サイズが 7 インチ以上10.1インチ以下の Android タブレット
  • OS バージョン(KitKat/4.4.X)
  • ARM ベースのプロセッサ
  • 1 GB 以上の RAM


と言う事で、現状では、intelチップには対応していないようですが、近々(平成27年4月)対応予定との事らしいです。


また、公式発表では、対応OSを上記の様に「Kitkat(Android 4.4)」としており、まだ「Lollipop(Android 5.0)」への対応は発表していません。


「Lollipop」では、細かな問題が報告されているようですが、取り敢えず、動くには動くようです。


また、画面サイズが7インチ未満の端末の場合、「Microsoft Office for Android tablet」は使えません。
この場合には、従来から提供されている「Microsoft Office Mobile」を使うことになります。



それでは、「Microsoft Office for Android tablet」の操作性や機能の紹介をしたいと思いますが、見た目は、さすがに異なりますが、基本的な機能や操作性に関しては、前述の「Office for iPad/iPhone」と余り変わらないようです。



但し、この「Microsoft Office for Android tablet」に関しては、「Office for iPad/iPhone」と比べると、次期Office「Office 2015(開発コード:Office 16)」に、より近いのではないかと思われているそうです。


どこから、このような事が推測されるのかというと、画面ツールバーの「ファイル」メニューの有無になります。


Microsoft Office for Android tablet」には、画面ツールバーに「ファイル」メニューがありますが、「Office for iPad/iPhone」には、「ファイル」メニューがありません。



このため、次期Office「Office 2015(開発コード:Office 16)」には、「Microsoft Office for Android tablet」の仕組みが取り入れられるのではないかと考えられています。



それでは、最後に「Microsoft Office for Android tablet」の特徴を紹介したいと思います。


Microsoft Office for Android tabletの特徴 】

●基本データは、クラウドの「OneDrive」、および「Dropbox」への保存が前提であり、どちらも無料で使い易いが、運用方法を統一していないと、どっちに保存したのか解らなくなる。
●どのアプリケーションもテンプレートが豊富に用意されているが、 デスクトップ版とは異なるので、テンプレートを使うならデスクトップ版を用いてクラウド経由で使う方法が良いと思われる。
●提供機能は、デスクトップ版の3割程度だと思われるが、デスクトップ版の機能自体、全機能を使っている訳ではないので、特に機能が少ないのは問題がない。
●キーボードを表示すると、編集画面が見えなくなる。
PowerPointに関しては、デスクトップ版と非互換があり、アニメーションの新規作成は不可となっている。但し、再生は可能である。(「Office for iPad/iPhone」では新規作成可能)
●「Windows OS」、「iOS」、および「Android」間のファイル連携は、レイアウトが崩れたり、文字化けしたりする事無くシームレスに行える。

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今回は、「MS-Officeの野望 〜 Microsoftの逆襲」と題して、Microsoft社のOfficeに関する色々な情報を紹介してきましたが、如何でしたか ?


「Officeの販売/提供体系」は、私自身の情報整理の意味も込めて情報を記載したのですが、結構、今後の参考情報になると思っています。自画自賛ですが・・・(笑)


そして、次期Officeである「Office 16」、今年の下期には販売開始の予定なので、気になる所ではありますが・・・昨年の年末以降、新しい情報が入って来ないので、不安を感じています。


今回のブログで、折角、提供/販売形態を整理したのですが・・・何か、またMicrosoft社が、ライセンスや提供形態を、ユーザーの事などお構いなしに変更しそうで、恐怖を感じています。


これ以上、Microsoft社が、Officeを、カオス状態にしないことを祈っています。


一方、Apple社が提供している下記Office代替製品ですが・・・今回の「Office for iPad/iPhone」の提供開始により、ほとんど存在価値さえない製品に成り下がってしまったと思われます。


これまでは、「iOS」で動作できるOffice代替製品がなかったので、ユーザーは、レイアウトが崩れたり、文字化けしたりしても、仕方がなく、これらの製品を使っていたと思います。


ところが、今回、Office純正製品が提供されたことで、もう代替製品は不要になってしまいました。


あと、Apple社のオフィス系ソフトウェアとして命を保てるのは、現在ではAppleから分離されて、別会社が販売している「FileMaker」と言う、データベース系のソフトウェアがあります。


しかし、このソフトウェアも、Microsoft社が、「iOS」で動作する「Access」を作成したら、一巻の終わりだと思われます。ソフトウェアの世界は、恐ろしい世界です。



それでは次回も宜しくお願いします。

以上


【画像・情報提供先】
・MuseumVictoria(http://museumvictoria.com.au/)
日経トレンディネット(http://trendy.nikkeibp.co.jp/)
Microsoft(http://products.office.com/ja-JP/?WT.z_clid=O16_Home)
・ブログ中で使用したロゴマーク等は各社の商標です

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