ExcelとSkyDriveとの連携について

近頃、【オンラインストレージ】とExcelの連携についてのお問い合わせをよく頂くので、その際に調査した内容について、簡単にですがご紹介致します。

【オンラインストレージ】に関しては、過去に弊社ブログで、その意味、提供している企業、提供機能の概要等を整理して紹介していますので、概要から知りたい方は、まずは、そちらの情報をご覧になって下さい。

http://msystm.co.jp/blog/20120627.html

【オンラインストレージ】とExcelの連携に関しては、弊社としては、【Google Apps連携システム】を開発して、既に、と言うかやっとお客様に納品したのですが、このシステムに関しては、Excel連携と言うよりは、Googleスプレッドシートスクリプト言語を組み込んだシステムと言った方が良いと思います。

 ●http://msystm.co.jp/user_fuku.html

そこで今回は、Excelと、マイクロソフト社が提供している【SkyDrive】との連携について紹介します。

マイクロソフトは、Excel2010以降で、【Office Web Apps】と言うソフトウェアを使用することで、【SkyDrive】にアップロードしたExcelを使える機能を提供しています。

ここで、Excel、SkyDrive、およびOffice Web Appsの関係を整理しますと、下図のようになります。


上図は、Excelで作成・編集したファイルを【SkyDrive】にアップロードし、その後、【Skydrive】上のExcelを、【Office Web Apps(正確にはMicrosoft Excel Web App)】を用いて編集するイメージを表しています。

【SkyDrive】の使い方に関しては、以前紹介した【GoogleApps】と、ほぼ同様の使い方ができます。詳しくは、Microsoftの下記サイトを参考にして下さい。

 ●URL:http://office.microsoft.com/ja-jp/web-apps-help/HA010378338.aspx

上記マイクロソフトのサイトでは、『 Excelとシームレスに連携 』と何回も力説しています。

確かに、Excel初心者や「ライトユーザ」にとっては、『 Excelとシームレスに連携 』なのでしょうが、Excelマクロを駆使していたり、あるいはExcel/VBAを作りこんで使用していたりするビジネスマンや「ヘビーユーザー」にとっては、とても「シームレス」とは言えないようです。

実際に、私も【SkyDrive】を導入し、過去に作ったExcelファイルを【SkyDrive】に格納して、【Office Web Apps】で使ってみたのですが・・・正直、現在の仕様では、全く使えない、と言うのが本音です。

まず、Excel/VBAを組み込んだExcelファイルに関してですが、該当ファイルを【SkyDrive】で開こうとすると、右図のようなエラーとなってしまい、ファイルを開くことができませんでした。






次に、Excel/VBAがダメなら、マクロや入力規則を組み込んだファイルを【SkyDrive】にアップロードし、そのファイルを開いてみようとしたのですが・・・これもダメでした。



Excel/VBAは、とても強力な開発ツールなので、セキュリティ上の観点からWebアプリケーションとしての使用を制限しているのは、(Microsoftは何も説明していませんけれども)なんとなく理解できますが、「入力規則」が使えないのは、全く理解できません。

一方、ローカルPCにExcel等のOffice製品が導入されていれば、【SkyDrive】にアップロードしたファイルを、通常のExcel等のOffice製品で使うことができます。

そして、該当ファイルにExcel/VBAが組み込まれていたり、あるいは入力規則が組み込まれていたりしても、ローカルPCにExcelをダウンロードすれば、該当機能をそのまま使用することができます。

しかし、この様な使い方では、単に【SkyDrive】にアップロードしたファイルをダウンロードして使っているだけですので、【Office Web Apps】の存在意義はありません。

ビジネスで使うExcelには、多かれ少なかれExcel/VBAで作成したマクロや入力規則が組み込まれていると思います。しかし、現時点の【Office Web Apps】では、これらの機能が使えないので、やはり【SkyDrive】の単なる『おまけ』的な存在に過ぎないと思われます。



ちなみに、上図が、【Excel Web App】の『挿入』画面です。通常のExcelとは違い、明らかに機能が少ないのは、これだけ見ても明らかです。ピボットも図形描写もありません。

GoogleApps】のSpreadsheetには、(使い難いですが)【Google Apps Script】が用意されており、ある程度ビジネス向けの機能を開発することは可能ですが、【Excel Web App】には、『 関数 』しか用意されていないので、現時点では【GoogleApps】の方に分がある感じがします。


それと、最後に、一点面白いことに気が付いたのですが、Excel/VBAを組み込んだExcelや、入力規則を組み込んだExcelを【Excel Web App】で開こうとするとエラーが表示されますが、この時に「詳細を表示」をクリックすると『 ヘルプ画面 』が表示されます。


このヘルプ画面が、【Excel2013のヘルプ】となっているのには笑ってしまいました。


Microsoftは、こんなところから、着々と次期バージョンの準備をしているのかと、逆に感心さえしてしまいました。

現在の【Excel Web App】は、【SkyDrive】の『 おまけ 』のような存在ですが、将来的には、ビジネスユーザーでも使えるように、機能が強化されることを期待します。

※本記事は、弊社ホームページでもご覧になれます。(http://msystm.co.jp/)

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